それと僕のヒーローアカデミア面白かったです、マスキュラー戦が一番熱く盛り上がりました。
そして少し相談なのですが、この小説のタイトル…もし変えるとしたら何が良いでしょうか?
このままで良いと言う人もいると思いますが、もしこのタイトルが良いんじゃない?と思う方がいれば、反応して下さると嬉しいです。
感想欄、直接送って来ても大丈夫です。
雄英の寮は思いの外施設が整えており、一階は男女共有スペースになっている。
食事、洗濯、風呂、中庭もあるという、中々に快適且つ充分に施設が揃っている。
最新型の大型4K液晶テレビに、生地の良い黒色のソファ、黒色に彩られたテーブルが置かれている。
キッチンや冷蔵庫、エアコン等、設備がある分、生活に困らない。
因みに風呂、洗濯は男女別である。大事なことなのでもう一度、風呂と洗濯は男女別である。
部屋は二階からになっており、1フロアに男女各4部屋の五階建て。
一人一部屋には、エアコン、トイレ、冷蔵庫、クローゼット付きの贅沢空間。
ベランダもあり、外の景色は森を空想させるかのような光景。
木が沢山植えられており、ここが学校の敷地内だとは考え難い程の出来だ。
因みに八百万曰く、部屋の大きさは我が家のクローゼットと同じ広さだそうだ。
部屋の組合は相澤先生が既に決めたらしく、席替えみたく変更は無いそうだ。
各自、事前に送って貰った荷物が部屋に入ってるので、今日は部屋作りで授業は無いそうだ。
そもそも、一人で自分の部屋を作らなければならないので、授業をする暇はそもそもないだろう。
八百万なら尚更、彼女の家は超が付くほどのお金持ち。
先ほどのように部屋の大きさは考慮してなかったのか(育ちによる上、充分に考えてたものの)荷物が多過ぎて送り返す羽目となったそうだ。
必要最低限の家具を残すしかないらしく、今日一日で終われるかどうかさえ不安な後始末である。
轟は部屋の中が和式でないので、それはそれで不満を持っているらしく、落ち着かない様子でもある。
ある者はスムーズに部屋に家具を置く者もいれば、部屋作りを終えた者もいれば、重い荷物に手こずり悩んでる者、様々な人間が垣間見える。
一方、雄英の寮施設とは少し離れた建物、忍基地の内装は雄英と大して変わらないものの、テーブルやキッチンなどの位置が違えば、数も思ったよりも少ない。
そもそも忍学生の数は合計六名、考えてみると雄英の生徒より数が少ないので、違うのも当然だろう。
雄英寮との違いがあるとすれば、風呂は大浴場になっていたり、闘技場も存在する。
本校に戻れない故に余り外に出れない分、自主訓練として設けているとか。
最新型の傀儡も用意してあるので、訓練に関しては問題ないだろう。
部屋は六つ、その内右側の廊下にある部屋が半蔵学院生徒、左側の廊下にある部屋が月閃女学館の部屋となっており、そこは雄英と変わらない。
部屋の初期内装も殆ど変わらず、生活にも困らないので特に轟や八百万のような個性的な生徒とは違うので其処も問題ない。
「よし、じゃあ部屋の準備しないとね」
一息吸って張り切る飛鳥は服の袖をめくり、荷物が積まれてるダンボールを開けて行く。
ぬいぐるみ、私服、テーブルランプ、クローゼット、小さな物から大きな家具まで丁寧に積まれてる。
中の荷物を持ち運びながら、部屋作りを進めていく。
飛鳥は意気込みながら、部屋作りに取り掛かる。
普通の一般人ならタンスやベッド、本棚と言った持ち運びの際に一苦労する重い家具には時間が掛かり手間取るのだろうが、あいにく此方は忍。
飛鳥は軽々しく部屋に運びながら部屋の整理をしていく。
壁紙やベッドの毛布変え、他にも刀置きや家具の配置などを難なくこなす。
テキパキとした雑のない動き、流石は忍だ。
「なんて意気込んでたけど…思ったよりも…早く終わっちゃった……」
開始してから部屋作りにそこまで時間は掛からなかった。
正直夜まで掛かるかと思ったものの、何のトラブルも無くスムーズに終えることが出来た。
余り部屋の内装を変える機会もなかったので、何処と無く不安な気もあったが、要らぬ心配だったようだ。
部屋作りを終えた達成感により、思わず背筋を伸ばす。
凝り固まり蓄積された疲労から解放されたような感覚に囚われながら、ベッドの上に寝転ぶ。
「はぁ〜……このまま寝落ちしちゃいそうだなぁ……」
今日は訓練や授業と言った物が無いので、いつもより疲労こそ感じたりはしないが、今まで無茶ばかり通し体を動かし続けて来たので、体を気休める日が来るとついつい眠気が来てウトウトしてしまう。
休める時間に休めておく、霧夜先生から言われた言葉を思い出した。
まだ自分が一年生だった頃、柳生や雲雀の下級生二名が来る一年前の話。
一つ歳上の先輩、斑鳩と葛城の上級生二名に対して下級生である一年生は飛鳥一人。
同級生がいない自分は伝説の忍である半蔵の孫という肩書きを背負い、訓練や授業で先輩に遅れを取らないよう、足を引っ張らないように必死になって後を追っていた自分は、気休める日が無く毎日がボロボロの絶え間ない日だった。
それが過酷といえばそうなのだろうが、別に嫌では無かった。
訓練で傷を負ったりボロついたりするのは日常茶飯事だし、斑鳩や葛城だって傷を負うこともある。
それに訓練を通して受けた傷は、成長してる証拠でもある。
それでも毎日が厳しい修行日和の中、霧夜先生は同級生も後輩もいない自分に気遣ってくれたのだろう。
『飛鳥、自分が一流の忍になるだけでなく半蔵様の為を思って修行に励むのは良いことだ。
ただ…無理を通して強くなれるほど世の中甘くない。休める時に休んでおけ、でないと任務で支障を来す場合がある。
休むこともまた、忍には必要だ』
焦っていたのだろう。
一年生の頃は兎に角、一秒でも早く強くなりたい、修行を通してじっちゃんの名に恥じぬよう一流の忍になりたい。
そんな焦慮とした心が表に出てたのだろうか、霧夜先生に言われて心が少し落ち着いた気がした。
それでも当時はまだ拭えない部分もあったので、完全に気が晴れた訳ではないが、気休めの言葉にはなれたのは確か。
今思い返すと霧夜先生の言ってる事はよく解るし、次にいつ休める日が来るのか解らないのだから、こうして体を休める時は忍なんて忘れてゆっくりしよう。
「ちょっと……目を瞑ろう……」
眠たくなるとつい少しだけ目を瞑ろうと言って寝てしまうのは、よくある事だろう。
今まで無理を通して来たので、日頃の疲れが溜まってたのか、睡魔が重力のように推しかかり、眠りの底についてしまう。
居心地の良い、生地の良いベッドの上でゆっくりと――
雄英高校とは大分かけ離れた地方。
場所は本州中西部に位置する日本の地域、近畿地方の京都府である。
京都と言えば、日本でも有名な日本の都市の一つである。
観光客が訪れる程に人気のあるこの地域は、歴史的な文化が有名で、旅行記念として名が上がっている。
小学生の行事として、修学旅行を機に訪れるのも耳にするだろう。名物や観光スポットは言わば、京都府を主張するだけでなく、それ故に愛されているのだ。
実際、現代社会でもその光景は変わらない。
794年に日本の首都として定められた後、個性という超人社会に成れ果てようと、過去の歴史が変わることが無いように、文化は今も遺されている。
その分個性による犯罪や破壊活動も多数(今年は厳しい)上がっている為、ヒーローや警察も充分に警戒態勢を維持しているのもまた確か。
プロヒーローが多いのは、地元にそれなりの事務所を構えてるのだ。
街並みは東京とは違い高層ビルは建っておらず、歴史的な古風を残しつつ神秘的な空間は京都ならではの空気を曝け出していた。
流石は観光してでも訪れたいと思うだけのことはある。
木造家屋がそこらに並び立ち、下は床石になっている。
「ここが……京都か……」
黒いフードを被った少女は街を見渡すと、思わず口から声が漏れてしまう。
京都に訪れたのは初めてなので、地形やコースはよく解らないし、五重塔なんて本でしか見たことがなかったので直で見ると初めてな新鮮な気分に見舞われるも、今はそれどころではないと気持ちを切り替える。
気付かれないよう、そして近くに忍がいるかいないか、常に気配を感知しながら足を運ばせる。
今のところ一般人に偽装した忍もいなければ、感知範囲内にもいない。
少女はチラリと右や左に視線を移し、警戒態勢を怠らない。
どこもかしこも、人、人、人。
人並みで溢れている。
「おか〜さん、次はどこ行くの〜?」
ふと、視界に映る女の子の声に思わず視線を向いてしまう。
幼年期…あの姿だと幼稚園児なのだろうか、小さな女の子が母親の手を握って歩いている。
一見何事もないだろう、何の変哲も無い光景に、少女は唇をキュッと噛み締める。
「……お母さん……ねぇ………」
元々、親の愛情も無い自分からして、親とは何なのか理解出来ないものだ。
いや…親の愛情が無いと言うのは少し語弊か…両親のいない自分からして、親という存在意義が解らないのである。
そもそも、自分には必要ないものだ。
『良いかい魅影――君がこの怨む社会を壊すのなら、生きて見せるんだ。
殺すか殺されるかの世界、君は生き残ることは出来るかい?』
――私に必要なのは、先生の想いに応えること。
その為には、証明しなければならない。
「幾多ものの
命とは、謂わば花だ。
美しくも、その命は儚い。
寿命を迎えば花は散り、弱々しい命は直ぐに消え去るもの。
私はその摘み取った花を束ねて、先生に贈りたい。
そうすれば、きっとあの人は認めてくれる。
喜んでくれる。
何故なら私は――
『
――先生の後継者、カムイになるのだから!
笑顔と愉快な声色が混ざり合うかのような人街を悠々と歩みながら、彼女は殺意と悪意に染まった笑顔で歩む。
普通なら人の幸福な笑顔を見て不愉快に思うこともあれば、壊してやりたい等と、死柄木弔と同じ思考に行き着くであろう。
しかし記憶を取り戻し、自身の価値観が変わった今、道に咲き誇る笑顔など小石同然。
寧ろ踏み潰す価値もない。
「嗚呼!私は、幸せ者だなぁ……♪」
だって、他の誰でもない。
世界中には色んなゴロツキや、自分より格上の存在だっているのに、先生は私を選んだのよ?
まあ…あの人の事だからきっと裏があるのだろうけど、それでも私を選んでくれた。
その事実には嘘偽りは無い。自分を後継者として選んでくれたのなら、それなりの成果を得て先生に恩を返さなければならない。
「その為には〜……」
フフッと微笑を浮かび立たせる漆月は黒紫色の瞳を爛々と輝かせながら、人気のない岩陰に隠れ、指で軽く何の変哲も無い岩肌に触る。
すると、砂状の地面から隠し扉が開く。勿論、こんな仕掛けがあることなど地元の住人には解る筈もなく、漆月も初めて目に見る光景。まるでカラクリ屋敷のような出来具合だ。
そこから何の挙動も見せることなく、速やかに階段に足を踏み入れると、仕掛け扉は自動で閉じた。
視界に広がる光景は地下洞窟。
壁はゴツゴツとした岩で出来ており、道導の如く、ランプの灯りが点いている。
まるでトロッコやピッケルが在っても可笑しくない程に、洞窟の工事現場に来てる見たいな錯覚に見舞われる。
漆月は一切視線をブレることなく、ただ無言で視野に映る道を歩み続ける。
ジメジメとした乾燥する空間、自分の足音だけが洞窟内に響き、他の気配は一切肌に感じない。
「んんっと、ここだっけ」
暫くして歩き続けると、行き止まりの先には大きな扉がある。
赤い扉は頑丈そうで、ダイナマイトを爆破させても壊れないのでは無いかとさえ錯覚してしまう。
しかし漆月はそんな赤いペンキで塗られたかのような扉には一切目もくれず、壁に隠されたレバーを引く。
ガララッ!と何かが開く音がした。
「扉はあくまで侵入者を欺くため、こんな見え透いた罠に掛かるのは警戒無しの大馬鹿者以外あり得ないもの。
本当はこっち、そして隠しスイッチは関係者以外知り得ない仕組みになっている」
そして天井が開き、階段がギーコギーコと音を立てて出現する。
天井に刺す僅かな光が眩しい。目を細めながら階段を登り、地下から出口の外に出る。
辺りを見渡せば、視界は金と外の景色で埋め尽くされていた。
ここは金閣寺の内部。
京都では観光スポットとしてかなり有名である。
実際、外の景色は中々にオツなもので、見晴らしが良い。本来は一般人による立ち入りは禁止とされており、また特別の人にしか入ることは許されない仕様となっている。
もしこの現場を見かけられたら叱られるだろう。
しかし観光目的で来た訳でもなければ、この建物自体本当はどうだって良いし、先ず興味の欠片も無い。
漆月には目的が在るからこそ、態々隠し通路を使ってまでここに訪れたのだ。
最上階は金箔と漆張りの空間となっており、見てるだけでチカチカする。
外からでは此方の存在は確認出来ないので、外野からの視線を気にする心配は無用。
「感知で確認出来るのは…三、四人ね。特に異常はなし…」
まるで自分の範囲圏内に入る者を感知出来るかのような物言いには若干、引っかかる部分があるが…
漆月は黄金色に染まった襖に手を置く。
「最上階には着いたのは良いけど…ここであってるかしらん?」
私は気配を敏感に察知し、反応を感知出来る術はあるけど、場所や位置が正確に解る訳ではない。
これはまあ、記憶を取り戻してから自分の体を少しイジって手に入れた術だけど…
いや、正確に言えば術では無い。
私の本能というべきか――
シュッ――ガタッ!
そして何の躊躇いも、何の反応を示すことなく、思いっきり襖を開けた。
横開きの襖は音を立て、彼女は表情も変えず、問答無用と言った形で部屋に足を踏み入れる。
「突然だけど、お邪魔しまーすぅ♪」
嬉々爛々とした声を弾ませながら、彼女は元々部屋にいたであろう人物達に視線を向ける。
一人は坊主頭の男が、胡坐を掻きながら手に持つ札束の枚数を丁寧に数えてる60歳過ぎた男性。
一人は黒のハット帽に不気味なマスクを着用した人物。銃の手入れをしてる姿を見るから察して狙撃手だろう。
一人は笠を被った古風の男。
紅葉柄の和服姿に、腰には一本の鞘を収めた赤紫色の刀がある。
そして、もう一人は無表情とした氷のような、でもって気味の悪い仮面を着用し、灰色のコートを着こなす人物。
大将と思える人物は、マスク越しで不快な表情を引き吊らせながら、訝しげに声を張り上げる。
「お前……漆月か?」
「初めまして、佐門♪」
忍商会筆頭No.3。
現在、全国指名手配犯のリストに載る闇社会の一員である。
その実力は折り紙付き、幾多ものの違法と闇売買を繰り広げる曲者だ。
佐門とは正反対に、漆月は似つかない笑顔を引き吊らせていた。
「何しに来た…てか、お前どうやってここに来た?」
「詳しい事は後々、それより話があるの――大丈夫、決して悪い話じゃないわ♪」
佐門の周りに居座る残りの三人も、眉間に皺を引き吊らせながら、漆月を凝視する。
彼女がここへ来る情報は聞いてない。それどころか、初対面ゆえに何故ここの基地がバレたのかさえ不明だ。
そんな四人の困惑した対応など御構い無しに、漆月は口元を歪めながら口を開いた。
「単刀直入に言うわ――私と手を組まない??」
「んっ…ふわぁぁ…」
ベッドの上で眠りについてた飛鳥は、眠たげな眼を擦りながら起き上がる。
欠伸をする彼女は、開いてるカーテンに目をやり外を見るともう夜中だ
「今、時間は…何時?」
ベッドの近くに置いてある目覚まし時計を確認するともう7時だ。
眠りについたのが4時なので、3時間も寝ていたらしい。
中途半端に起きてしまったせいで、眠気が残るも、飛鳥は背筋を伸ばして起き上がる。
「皆んなはもう終わったのかな?」
流石にこの時間帯では終わってるだろうと思うが、もしまだ部屋作りが終わっていないのなら手伝うべきだろう。
それに皆んなの様子を見てみたいという気持ちもあった為、どの道部屋に出る理由は存在する。
玄関を開け、一階の幅広い公共スペースのリビングに向かう。
テレビの騒音やら談笑する声が聞こえるので、もう部屋作りは終わったのだろう。
リビングに来ると、柳生と雲雀の姿が見える。
いや、仲良しコンビの二人だけでなく、よく見ると空中で服が浮いてる葉隠らしき姿や、お茶子の姿も見える。
「アレ?葉隠ちゃんにお茶子ちゃん?」
「あっ!飛鳥ちゃん今晩わ〜♪」
「お邪魔してま〜す!」
二人は軽くゆるふわな声で反応する。
ここに来るのは意外という話では無いのだが(夜の9時以降は外出禁止の為、忍基地に居座るのは禁止、逆もまた然り)、それにしても何故二人がここに来てるのか理由が解らなかった。
「飛鳥ちゃん部屋作りは終わったん?もしまだ出来てないならウチ協力するよ!」
「ううん、私は前から部屋の整理は終わってたんだけど…早かったから眠っちゃってて…えへへ」
「あっ、そうだったんだ?ウチ等はてっきり飛鳥ちゃんだけまだなのかなと…思い込んでたばかりに…」
「二人はどうして此処に?」
「あっ、ん〜とね……芦戸ちゃんや他の男子の意見も兼ねて…なんですけど…」
お茶子は少しもどかしそうな態度で、視線を彼方此方へと向いている。
そんな彼女の反応に飛鳥は首を傾げながら「どうしたの?」と聞いてみると――
「え〜っとね……お部屋の披露目大会…しませんか??」
これより始まるは、古今東西から伝わる伝説の行事礼、お部屋の披露目大会。
幾多ものの修羅場を潜り抜けるであろう、人生で歩むべき通過点。
――天下一お部屋披露大会が今夜、幕を開ける!!!
「いや、天下一じゃないし大袈裟過ぎるから!!」
今回短めでした。
理由は区切りとしてこれが丁度良いかなって理由と、文章力が少し低下気味だったので(忙しくて書き方を忘れてしまった半分、全然小説を読めてない)。
それともう一つは、早く投稿したかったから…以上です。