光と影に咲き誇る英雄譚   作:トラソティス

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お久しぶりでございます。
ヒロアカのアニメ三期がもうすぐ近づいてきてるので、熱が再び盛り上がり復帰した作者です。
本当ならもう少し前に投稿出来たのですが、徹夜でやってたらいつのまにか何故かと削除してしまい、再び執筆始めてました。もう嫌だ…
久しぶりの小説なので、出来には自信ありませんが楽しく読んでくれれば幸い…では、宜しくお願いします!どうぞ!




118話「次世代へ」

 

 

 オールマイトの右腕は完全にへし折られ、血塗れだ。

 完全にへし折られた腕は、どう見ても惨たらしく、見る者に思わず苦痛を与えてしまいそうな程に残酷だ。

 それでも、オールマイトは一本腕が折れようと、心までは折られることはなかった。

 例え腸を撒き散らされようと、血反吐吐こうと、必死に踠き、苦痛に抗い、打倒すべきオール・フォー・ワンに立ち向かう。

 普通の人間ならば、既に限界を迎えてるであろう異常な戦況。オールマイトは凡ゆる困難を乗り越える。

 普通、人間は痛みに躊躇いを持つ性質がある。例え頭の中では解っていても、生物的本能がそれを拒絶し生きる為に逃げろと告げる。

 これ以上の怪我を、重傷を負えば取り返しのつかない事になるからだ。

 ソレは、死を意味する。

 

 

 それでも、オールマイトは決して心折れる事なく、闘う。

 血塗れた拳を精一杯に、力強く握り締める。

 死を覚悟するなど、ヒーロー社会にとっては日常茶飯事。

 恐怖を乗り越えず、困難を乗り越えずして何がヒーローか、平和の象徴としてなら、皆の背中を背負う者としてなら尚更だ。

 

 皆んなが背中を背負おうとする意気込む姿に、オールマイトの背中を押してくれてるのだ。

 皆が背中を支え、オールマイトは全てを守る。

 

 

 この命に代えても――

 

 

 

 

 

 

 

「がっ――」

 

 

 渾身。そう呼ぶに相応しい手応えが、拳から伝わる。

 オール・フォー・ワンの頬に拳がめり込み、ここでようやく、初めて痛撃を与える事に成功したオールマイト。

 

 放映されてる現在、不安と恐怖に身を焦がす市民たちは祈るばかりだ。

 

 

 どうか、勝ってほしい。

 絶対に負けないでくれ。

 悪の象徴を倒してくれ。

 

 

 全ての人々の願望が一つになる。

 

 

 今の一撃で、どうか倒れてほしい。

 そう願うばかりの市民は、息を呑む。

 

 

 

 だが

 

 

「らしくない小細工だ…一体誰に似たんだか……」

 

 

 

 オール・フォー・ワンを倒すまでには至らなかったのか、残火による力量が足りなかった。

 

 右腕を犠牲にし、左腕でのカウンター攻撃を読めなかったオール・フォー・ワンは殴られた衝撃により口から血を吐きながらも、睨みつける。

 オールマイトは既に限界を超えている。力及ばずという、彼に相応しくない言葉も、今では仕方ない。

 ずっと力を酷使し続けて来た彼の代償なのか、もう打つ手がない。

 せめて虚を突けたまでは良かったのだ。

 正面からでは有効打にならないのなら、最後の一振りを、右腕のパワーを左腕に変えて決着を付けたかった。

 しかし、それすらも叶わず

 オール・フォー・ワンのもう片方の腕は爆発的に、異常なまでに膨らみを増す。

 まるで風船のように膨らむその腕は、空気を押し出す個性を中心にパワー個性を上乗せする気だろう。

 霞む視界に、禍々しい腕が見える。

 

「浅い…だがそれも終わりだ」

 

 この手のネタは知っている。志村奈菜が使ってた小細工だ。

 個性に見合わない癖に、パワーもそこまである程でもないのに、無駄な足掻きで無様に死んだ彼女の戦い方は覚えている。

 しかし、ここでオールマイトが使ってくるとは思わなかったが、貧弱で弱り切ったパワーでは意識を途絶えるのには足りなかったようで、今度こそ終わらせる。

 空気を押し出す個性に、数々の増強型の個性を増す。忍術は先ほどで全て使い切ったので、少し名残惜しいばかりだが、オールマイトを殺すにはこれでも充分――

 

 

「そりゃあ腰が入ってなかったからな――!!」

 

「――!」

 

 

 双方満身創痍の中、オールマイトは更なる一手として、折れたハズの腕を無理矢理にでも動かし拳を振るおうと血反吐を吐く。

 皮も捲れ、筋肉繊維が剥き出しになったその腕は、空気に触れてるだけで稲妻に直撃したような痛みが、腕から全身に血液のように流れる。

 その痛みを噛み締めてなお、オールマイトは貫く。

 己の限界という壁をブチ壊し、平和の象徴としての意地を、正義を貫き通す。

 

 

「お師匠だけだと思うなよ!!!」

 

 

 見透かされていた。

 オール・フォー・ワンが脳裏に浮かんだ人物は志村奈菜だった。

 前に昔、闘った時も彼女はこう言った戦法を使ってきたので、今のオールマイトを見て流石は師弟だなと思った。

 

 だが――

 次に見せるオールマイトの勇姿は

 巨悪に立ち向かうその姿は

 粉骨砕身の覚悟に身を賭す姿は

 

 ヒーローの鑑であり、平和の象徴としての姿と

 

 

 天咲光芭(陽花)が自分に立ち向かう姿が重なり合う――

 

 

 

 それは、予想していなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 運命というのは理不尽であって、時に至福でもある。

 今思えば、不思議なものだ。

 自分が初めて、忍の存在を知った時は…まだオールマイトというネームドではない。八木俊典としての名前、ヒーロー学生の頃だった。

 

 

『俊典!お前に紹介したい人物がいる。なに、お前と同じ私の弟子さ』

 

 

 これは自分が少年期だった頃の、初めて彼女と出逢った物語――

 当時は奈菜の弟子に入ったばかりでこれと言った日にちは経っていなかった。

 ただ、お師匠が認める弟子がもう一人いるというのは、余り考え難い物だった。

 私が弟子となったのは、ワン・フォー・オールの後継者の為。こんな無個性な私を選んでくれた彼女の心は、寛容だ。

 先代達に引き継がれた力、それ以外に師匠が弟子を取ると言うのは、余り考えられないもので、想像もしなかった。

 

『ソイツはまあ…お前も聞いたらさぞや驚くだろうけど、大丈夫。上手くやっていけるよ』

 

 何が大丈夫なのだろうか…

 自分は少し複雑そうな顔を浮かばせていたんだろう。

 それと同時に、緊張していたんだろう。

 まるで学校の入学式のような、新鮮さを感じた青春を迎えて。

 師匠は軽いノリみたいに手招きして彼女を呼び寄せ、対面させるような姿勢を作らせた。

 

『初めまして、私は陽花と申します。お師匠、志村奈菜さんの弟子として日々精進していくおつもりです。

 師匠の弟子同士、宜しく御願いしますね』

 

 薄い灼熱のような、紅蓮の光を浴びせた赤髪は、尻にまで届く長髪。

 整った美形に魅入られる淑やかな顔立ち。

 学生とは思えない豊満な胸。

 全てが完璧に思えるその容姿に、太陽の如く眩しくもあり美しい彼女は、そこらの学生とは思えない程の美少女だった。

 

 

 後ほど師匠に教えて貰ったのが、彼女は忍の家系として生まれた事。

 もう一つは、お師匠にはもう一人忍の盟友がいること。

 忍としての知識の欠片も無い私は、聞きたいことが山ほどあり、1日経っても教われきれないものが沢山あった。

 

 

 特にこれと言って大きな出逢い方ではないが、これが彼女と初めて出逢った日の出来事。

 

 ――もし

 お師匠に出逢わなければ

 陽花くんに出逢わなければ

 

 

 私はどうなっていたんだろう。

 ふとそんな疑問が頭を過ることが多々ある。無個性の私は誰にも好かれることなく、他の人間とは違った価値観で生きてきた。

 だけど、あの人たちと出逢ったからこそ今がある。

 

 

 

 

『何人もの人がその力を次へと託してきたんだよ

 皆の為になりますようにと……一つの希望になりますようにと、次はお前の番だ。

 

 頑張ろうな俊典、陽花』

 

 

 お師匠が

 

 

『忍はね、死ぬ為の駒じゃない。上層部の命令は絶対だけど…でも、私たちを必要としてくれるからこそ、忍には意味があるんだと思う。

 もし、忍が死ぬだけの駒なら、傀儡たちと何も変わらないと私は思う。

 

 だから私は絶対に生きて、忍にも明るい未来があるんだって、気付かせたい。

 その為にも…私は、忍の象徴になりたい』

 

 

 陽花くんが

 

 

 

 背中を押してくれる。

 死してもなお、あの二人の言葉を思い出すことで、まるで隣にいるかのような…そんな錯覚さえも感じてしまう。

 極限状況だからか、はたまたそれ程にあの二人が恋しかったからか、私は今もなお、立ち続けることが出来る。

 

 オールマイトの意思が、正義が折れぬ限り、何度でも立ち上がり、何度でも拳を振るえる。

 だから、絶対に負けないんだ――

 

 お師匠や陽花くん

 皆んな

 

 

 

「おおおおおぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 これで、さらばだ――

 

 

 オールマイトの揺るがない熱きたるや闘志に呼応するかのように、けたたましい雄叫びを上げ、全身全霊の拳を、オールフォーワンに放つ。

 

 

 ――オール・フォー・ワン

 

 

 個性を発動させるよりも、より早く。

 ただただシンプルに、全力でブン殴る。

 皆んなの、忍の、ヒーローの、師匠の、陽花の分も全てをその拳に込めて、オール・フォー・ワンを地面に激突させるように殴りつけた。

 

 

 「UNITEDSTATESOF SMASH !!」

 

 

 

 そして、さらばだ――ワン・フォー・オール

 

 

 最後の一撃が終止符を打つかのように、これまで必死に足掻き踠き、抗い続けてきた炎の灯火が、ワン・フォー・オールの残火が、消えた瞬間だった。

 地面はクレーターのように凹み、隕石が降って来たかのような凄まじい衝撃が生じり、巨大爆発のような激しい音が耳に鳴り響く。

 衝撃の余波で、台風さえも作り出すかのような威力に、現場にいる人間は身を屈め、衝撃に耐え、上空にいるマスコミのヘリコプターはその余波に当てられ揺らいでしまう。

 

 

 全国世界にいる一同は思わず息を呑む。

 あの巨悪に放った拳は、届いたのであろうか?

 不安が心を煽り、一同は冷や汗を流す一方、沈黙が続いている、

 騒がしかった街は、静けさだけが漂っていた。

 

 

 

 土煙が巻き起こり、視界が悪くなった事で二人の姿が見受けられない。

 最後に立ち残ってるのは誰なのであろうか?

 

 オール・フォー・ワンか

 オールマイトか

 

 二人とも歴史上に名を残すトップの実力だ。

 だからこそ、どっちが立ってもどっちが倒れてても、何もおかしくない。

 

 

 圧倒的な絶大なるパワー

 何でもありの、千差万別に存在する個性を持つ男か

 

 

 皆は願う。

 どうか勝ってほしい…オールマイト、負けないで、と。

 

 

 土煙が少しずつ消えて行き、晴れていく。

 人影が薄っすらと見えるこの光景に、心が打たれるような鼓動に見舞われ、緊張が昂ぶる。

 

 そして、土埃は段々と晴れて行き、ついに視界でも認識できる程に鮮明と目で捉えることができた。

 

 

 

 それは――

 ――血塗れの姿で、拳を天に衝き立て挙げる、誰もが知るヒーローの姿。

 

 

 

 

『オールマイトおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!』

 

 

 平和の象徴の名を――オールマイト。

 最後に立ち残り、勝者として、正義としての威厳を見せつけた、たった一人の男である。

 

 これが、No.1ヒーロー

 これが、悪の抑止力

 これが、トップの実力

 

 

 数々の困難を乗り越え、幾多ものの修羅を潜り抜けたこの男は、最後まで折れなかった。

 皆んなの為に、人々が平和に暮らすよの世の中の為に、彼は最後まで意思を貫き通した。

 

 一方で、悪の象徴と謳われ、人々に恐怖のどん底へ、忍に絶望の深淵へと追い込ませたオール・フォー・ワンは、大の字になるように倒れている。

 反応がないが、息はしているので、恐らく気絶しているのだろう。

 異形と成り果てた両腕はどちらも無くなっている辺り、再起不能となったのだろうか、元に戻っている。

 

 

「オールマイト…すげぇよアンタ!」

「あんな訳分かんねえチート野郎を、拳で倒したんだ!」

「オールマイトおおぉぉ!!!」

 

 静寂の空気に支配されてた神ノ区の繁華街も、今では打って変わってお祭りの如く、喧騒に満ち溢れていた。

 ある者は肩を組み合い喜びを、ある者は心打たれて泣き叫ぶ者、ある者は隣同士の友人と涙を流す者、安堵の息を吐く者。

 緊迫とした空気が、一気に流れを変え、解き放たれたかのように人々の声で街は満ちていく。

 それはきっと、神ノ区だけではないハズ。

 全国中継を見ていた者たち、殆どの人間がそうなのではないだろうか?

 

「オールマイト……良かった……本当に……」

 

 理想の正義

 誰もが認めるヒーローの鑑

 世界一の実力者

 

 そんな男の勇姿を目の当たりにされて、思わず目頭が熱くなる雪泉は、手をそっと胸に当て、涙を流す。

 

 痩せ細った体から、誰もが知っている姿に変わったオールマイトの姿は正しく、英雄という名に相応しいものだ。

 

 

「…………」

「オール…マイトぉ…」

 

 爆豪は、息が詰まったこのように何も物言わず、沈黙だけを続ける彼とは他所に、雲雀は泣きじゃくりながら腕で涙を拭う。

 

 改めて認識した。

 紛れも無い事実を突きつけられた。

 USJに攻めてきた敵連合、対峙してた脳無の戦いでそれを直に、目の当たりにした爆豪だからこそ、雲雀だからこそ解る。

 

 

 

 これが、平和の象徴なのだと――

 

 

 

 

 勝利のスタンディングが上がる中、一切姿勢をブレることなく維持してるオールマイトに誰もが歓声を上げ賛える中、幾多もののプロヒーローや上忍達が一斉に救助に当たる。

 世間に半蔵という伝説の忍の存在が暴露された今、隠す必要も無いため存分に捜索する事が出来る。

 一方、重傷者達は忍やヒーロー、一般人問わず、治療を受けるようにと病院へ搬送される。

 

 又、敵連合のメンバーは全員取り逃がしてしまったものの、代わりと言ってはなんだが、連合を指示していた悪の親玉、オール・フォー・ワンを捕える事には成功した。

 現在、移動牢式で拘束され敵受取係の警察達が慎重に連行している。

 一応念を入れるため、オール・フォー・ワンの護送の為として巫神楽三姉妹と小百合が責任を持って監視、及び警察達の安全の身柄を確保するべく側にいるそうだ。

 当の本人であるオール・フォー・ワンは気絶から目を覚まさないので今のところ危害は無さそうだが、現在に生きる世界災厄とも呼べる男なので油断をしていれば全滅は目に見えるだろう。

 厳重する管理体制を維持したまま、敵連合のボスは連行された。

 

 

 長きに渡ったようで短いような戦闘は、一時間も過ぎていた。

 だが因縁深い善と悪の対決は、長い世代に渡って、遂に終止符を打つ事が出来た。

 今度こそ、大丈夫だ。

 

 オールマイトは曖昧とした意識の中、心の奥底で語りかける。

 

 

 ――お師匠、陽花くん……わたしは、出来ましたか?

 誰もが認める、平和の象徴になれましたか?

 私は……お師匠や陽花くんが認められるような人間になれましたか?

 

 

 ――平和の象徴としての最後を迎えたオールマイトは、切ない声で、虚しい声で、語りかける。

 しかし、その言葉を聞いてくれる人間は、誰一人もいない…そう、周りには

 

 

 

 ――よくやったよ、俊典…いいや、オールマイト

 

 ――うん。立派だったよ、オールマイト

 

 

 幻影とでも呼ぶのか、オールマイトの視界には僅かに、光のように薄っすらと映っていた。

 志村奈菜が、陽花の姿が。

 亡き英雄の二人の姿が、微笑んでるように、手を振っていた。

 

 

「………」

 

 やせ細った体、皮膚が捲れ傷だらけの体、疲労困憊に満身創痍の彼の顔は笑顔で綻び、目からは粒のように涙を流す。

 

 

「師匠……陽花くん……」

 

 これで今度こそ仇は討てた。

 二人に安心して、平和の象徴の座を下りる事が出来るな…良かった。

 

 

 私は腕で涙を拭き、マスコミのカメラに向かって指を指し、口を開く。

 

 

「――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 災害のような大被害が神ノ区に及ぼされた事によって、街は半壊滅状態。

 そのため人が混雑しており、波のように人が押し寄せてくる。

 現在、電車も一時期停止してる模様で、多くの人が介抱施設に向かって行く。

 これ程の被害が出たのだから、当然なのだがまだ轟と八百万が緑谷達と遭遇してないため、人混みの中であの二人を探さなければならないのだ。恐らく向こうもそのつもりで動いてるのだろうか、それにしては現状が現状で動き難い。

 

「取り上げず轟と八百万探したいな…集まる場所を考えないと」

「その前に警察に爆豪のこと、そして上忍に雲雀のこと伝えないといけないんじゃないか?」

「ダァー!やること多い上に動き辛いな!取り敢えず人混みから抜けてそこから――」

 

 一刻も早く、轟と八百万の二人と遭遇するべく人混みから抜けようとする切島達。

 しかしその中には浮かない顔を立つ者もいる。

 緑谷出久、飛鳥。

 緑谷はオールマイトの秘密が暴かれた事に大いなる不安が募り、飛鳥は特に重症だ。

 それも無理はない、血の繋がりを持つ実の祖父が腹に穴を開けられた重傷を見せられ平然としていられる孫など何処にいる?

 愛する祖父が傷つけられ、今直ぐにでも駆け寄って看病したい。

 側にいて手を握りたい…もう一度逢いたい。

 しかし、それを今する事ではない。

 何時迄も子どもじゃない彼女だから解る。しかしそれでも半蔵の容体が気になる事もあれば、不安がるのも必然。

 最悪の場合、死んでしまうケースだって可笑しくないのだから、もし半蔵が、実の祖父が亡くなったと聞けば自分は耐えられそうにないだろう。

 

 二人は不安な表情を浮かばせながら足を運ぶその時

 

 

 

『次は――君だ』

 

 

 

 英雄の声が、耳を打つように聞こえた。

 モニターを見てみると、オールマイトはマスコミのカメラに向けて指を刺している。

 血塗れで、今にでも倒れそうな弱々しい体を、無理矢理立ち尽くし、震える指を向けてそう言い放つ。

 

 その言葉を聞き一同は又しても、歓喜と興奮の声で満ち溢れる。

 街中はより騒がしくなり、涙馳せる声が全員の耳に伝達する。

 

 

 オールマイトの揺るがない信念と、折れない勇姿。

 そして『次は、君だ』という短い単直なメッセージ。

 

 まだ見ぬ犯罪者への警鐘。

 平和の象徴としてのメッセージ。

 人々の心を安心させる一言。

 

 

 ――しかし、緑谷出久と飛鳥だけは真逆のメッセージを受け取った。

 

 

 

 私は、もう出し切ってしまった――平和の象徴として立つ事が出来なくなってしまった。

 だから緑谷少年、次は君だ――と

 

 飛鳥は緑谷とオールマイトにまつわる個性、ワン・フォー・オールを知っているので、皆まで言わなくとも、簡単に読み取れた。

 彼女は後継者ではない…しかし、緑谷は次の次世代による後継者だからこそ、その事実がより痛感できる。

 意図を、読み取ってしまう。

 

 

 緑谷の眼には、溢れんばかりの大量の涙が流れ出てくる。

 抑えきれない感情を、世界一の憧れの懸念を抱くオールマイトの痛々しい姿に、平和の象徴としての最後の姿…それを迎えたオールマイトに、涙なしでいられる程、緑谷は涙腺は強くないし、憧れたヒーローだからこそ、引退する姿も、辛いものだ。

 頭の中で解っていても、現実を受け止めようとしても、それでも涙が溢れてしまう。

 

「オールマイト………」

 

 腕で涙を拭う緑谷を、爆豪は何も言わず黙々と、横目で見つめていた。

 爆豪もどちらかと言えば、他の者と同じく敵への警鐘としてメッセージを受け取った…しかし、それが正しくないというのは頭では解っていた。

 緑谷の姿に、オールマイトのメッセージ…真意は不明でも、それでも爆豪の心の中に靄が付いていたことは、誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 こうして平和の象徴と同時に、神ノ区で起きた善と悪の頂上決戦は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日――彼は昨日の大きな事件を起こしたことで、特例中の特例として刑の確定を待たず特殊拘置所へ入れられた。

 

 

 オール・フォー・ワン――悪の象徴。

 伝説の支配者として世代から謳われたその存在は謎が多いばかり、故に昨日の神ノ区半壊の被害により死亡者もかなりの数と言われており、現在は刑の執行を待つばかりである。

 当然皆からの死刑への言葉は計り知れない程に多いが、オールフォーワン自身による数々の犯罪、連合の在り処や情報を探るため、まだ生かしているだけのようだ。

 もし刑の執行が下れば間違いなく無期懲役、死刑は確実だろう。

 

 

 神ノ区で起きたオールマイトとの戦争。

 それは現世代で語られる伝説と化し、逸話を残す事になる。

 

 

 平和の象徴――オールマイト

 ブレイブ

 紅ライオット

 

 自警時代から今日に至るまで、ヒーローと呼ばれ歴史に嶄然と輝き、名を刻む者のヒーローがいる。しかしそれとは裏腹に、敵も幾多ものの犯罪や逸話を残しているのもまた事実――

 

 

 伝説の支配者――オール・フォー・ワン

 〝異能解放軍〟指導者――デストロ

 稀代の盗人――張間歐児

 

 

 人々を恐怖と絶望、不安を煽り脅かす存在もまた語り継げられている。

 しかしそれもまた表社会の一部分に過ぎない(オール・フォー・ワンは特例中の特例の為、裏社会にも名を残している)。

 裏社会――それ即ち、忍社会である。

 

 

 忍の象徴――陽花

 伝説の忍――半蔵

 カグラ千年祭――小百合

 護身の民の英雄――肆奈川

 死塾月閃女学館初代選抜筆頭――猗華月

 

 

 そしてオール・フォー・ワンを初めとし、忍社会への反乱を来そうと忍の力で忍社会を崩壊させようとした、歴史に名を刻む者もまた存在するのだ。

 

 

 妖魔違法研究者――ティオ・ディアボリクス

 忍商会初代指導者――鏖魔

 伝説の侍――黒夜叉

 忍反乱革命者――志々滅

 

 

 漆月やステインだけでなく、問題視された忍達も過去には存在していたのだ。

 当時オール・フォー・ワンだけでなく、こう言った曲者達の手によって忍社会は混沌渦巻く世の中になり、結果忍とは社会の未来と希望を託す者であって、駒として扱う者と認識され生きてきた。

 現在の社会は、オール・フォー・ワンの手によって忍の存在が暴露され、世間の数多くが忍を知ってしまった世の中、新たな改革が生まれ出ずるだろう。

 その意味も込めて、オール・フォー・ワンを死刑にしろと告発する上層部は少なくはないはずだ。

 

 

 

 現在、彼は特殊拘置所・タルタロスという監獄に入り、厳重なセキュリティの下で動きを縛られ封じられている。

 ここに入られた者は、動くことすら許されない為、こうして金属製の車椅子で過ごす事になる。

 タルタロスの従業員に押されるオール・フォー・ワンは、訝しげそうに口を開いた。

 

()()()()

 

「黙ってろ犯罪者!見れば解るだろうここは死刑すら生温い罪人達が行き着く場だ!! 」

 

 尋常じゃない管理者の怒号の声が飛び、静かな刑務所の中が声の反響で騒めく。

 しかし、オール・フォー・ワンは何の反応を示すこともなく、声ブレも変える事なく納得したように

 

「ああ監獄なのか……()()()()()()、センサーが多すぎて…

 監獄ならここに捕まった弔の仲間もいるのかな?」

 

 呟いた。

 

「………?何を言っている貴様……まさかだと思うが

 

 

 

 眼が見えないとでも言うのか?」

 

 従業員の言葉に「うん、そうだよ」と軽く答えて頷く。

 従業員の動揺する様子などお構いなく、オール・フォー・ワンは口を開くと語り出す。

 

「布ずれの音、空気の僅かな振動に加えて『赤外線』という個性で僅かながらに感知して六年間過ごしてきた。

『音』・『振動』の個性で動作を……『感知』で感情の動きや空間把握を補助しているんだ……

 

 何も見ずに戦うのは六年前じゃなくても、ずっと前から鍛錬していたさ。

 陽花という忍に、全盛期のオールマイトと対峙していた時は、肉眼では捕らえられなかったし見ることすら出来なかった……だから、もう慣れてるんだ。

 

 ここはセンサーだらけで感知が意味を成さない…悪いね」

 

 

 オール・フォー・ワンのぶっ飛んだ会話についていけない従業員は思い知った。

 コイツは、全ての人間が恐れる、最恐の存在…悪の象徴だと。

 警察の手短な詳細は聞いたものの、この男の凶悪さをより身に染みた。

 

 

 ――嘘だ…ウソだろ?

 まさか、そんな手負いの状態で…不平等な状態でオールマイトと互角に渡り合っていたのか??

 あの、平和の象徴相手に…何も見ずに闘っていたというのか?!

 

「――バ……化け物め……ッ!!」

 

 冷や汗が止まらない。

 体が震える。

 個性を発動すればいつでも殺せるように仕組んであるセキュリティを前にしても、この男が死ぬとは思えない。

 厳重に設備を整え、自分達が安全に管理出来る設計へと作られたこの刑務所を前にしても、自分の命の死が曝け出されるようで気がしてならない。

 

 

 

 ある部屋では…

 

(また…誰か入って来たのか……)

 

 オール・フォー・ワンと従業員の会話に心の底で愚痴をこぼす男は、訝しげな目を開く。

 その男はかつて、ヒーローと忍にただならぬ恐怖と絶望を与えた犯罪者だった。

 

 ヒーロー殺し・ステイン。

 敵連合との関わりを持つと疑いが掛けられてる本人は、特にこれと言った詳しい情報知らずとも、警察側ではシラを切ってると思われてる為、こうして顔に火傷を負い包帯を巻かれながらも、退屈な日を過ごす日々なのである。

 

 

 

 ――だが、彼だけではないだろう。

 

 

 

(うるせぇな……誰だ、騒いでる阿保は………ったく、タダでさえここは窮屈で機嫌が悪いのによ……)

 

 隣の部屋で心の底から愚痴をこぼす男の名は――伊佐奈。

 嘗ては蛇女子学園で雅緋達を支配し、妖魔を創り出していたワイルドヴィランズのボスである。

 顔はマスクが無いため、半分がクジラの顔で占めており、もう半分は人間の顔をしている。

 刀で一閃斬られたかのような傷跡が無数に付けられ、重傷を負いながらも命に別状は無いと判定された直後、速攻でタルタロスに連行されたのだ。

 また、忍商会にまつわる取引内容や、妖魔に関して事情調査してるとのこと。

 

 

 ――負けたよオールマイト

 実に醜い足掻きだった。しかし、だ…君が選んだ道は間違えてる。

 戦いの果て、弟子に寄り添う道を選んでしまった。

 

 

 オール・フォー・ワンは酸素マスク越しの口元を歪めて、嘲り笑う。

 

 

 ――君は離れ時を見誤った。死に時を失った。

 

 邪悪な男は、オールマイトに負けたというのに、まるでそれが計画通りだったような口調で、満足そうに笑みを引きつける。

 その笑顔は、オールマイトのように人々を安心させるものでは無い。その逆、絶望と不安を与ええる、残酷な嗤笑を飛ばす。

 

 

 ――いいかい?本当の先生というのは、弟子を独り立ちさせる為にあるものだ。

 

 獅子の子落とし。

 屈強な猛獣の獅子は、我が子を育てる為にまず崖の上で子を落とす。

 それは子への試練であり、厳しい自然界の中で生き抜く力を身につける為の、親の愛情である。

 

 親子だけでなく、師弟も同じものだ。

 

 

 頼りにして来た師が、手の届かぬ場所へ去り――彼は成長する。

 彼は憎悪を募らせる。

 彼は真に先頭を歩んで行く。

 仲間もいる。

 仲間を増やす術も学んでいる。

 

 大丈夫だよ死柄木弔。

 君には仲間がいる、そして『同じ愛弟子』の漆月もいる。

 

 経験も

 憎悪も

 悔恨も

 

 全てを己がものとして成長しろ。

 

 

 

 悪の象徴になるのは、死柄木弔――次は、君だ。

 

 

 

 

 そして私は、死柄木弔と同じ後継者…悪の象徴になる為の影を用意していた。

 彼はヒーロー社会を崩壊させる為に、容赦ない攻撃を仕掛けるだろう。

 そこで、不覚にも忍の刺客が死柄木の首を刈り取る者だっている筈だ。

 特に今の世の中、僕のシナリオ通りに機能してるのなら尚更ね。

 

 だから、その為に漆月、君の力が必要なんだよ。

 

 

 

 現在、彼女は死柄木の部屋の片隅で山座りをするように、顔を隠している。

 当然、死柄木の部屋には彼だけでなく、仲間達全員いる。

 オール・フォー・ワンが送り出した先は、死柄木弔の部屋なのだ。

 ゴミ袋が山のように積もり、散らばった紙や埃、汚い部屋に机と椅子にパソコンがある。

 

 やれ仲間達は死柄木や漆月の様子を黙ったまま見つめている。

 

 

「漆月ちゃん……大丈夫?」

「…………」

 

 鎌倉が側で宥めるように、そっと肩に手を置くも、彼女の反応はない。

 まるでいじけて拗ねて、泣いてるようにも見えるが、実際は全く違う。

 

 

 彼女の頭の中に離れられないのは、欠けてた記憶だ。

 

 

 

 

 漆月、本名は――天咲魅影。

 オール・フォー・ワンのあの一言を聞いた時から、まるで自分が過ごして来た世界観が、異なるように生まれ変わった。

 

 

 それはある日、自分が明日の食料の当ても無く貧民街を彷徨っていた時のことだ。

 腹に背中がくっ付きそうな程に空腹で苦しみを味わい、ゴミ箱を漁っていた毎日の自分。

 家も無ない自分は、なぜか忍達に命を狙われていた。

 当時の自分では理解し難い事実で、生きる為に逃げることだけが精一杯だった。

 逃げ切った場所は貧民街だったが、そこでも酷い仕打ちを受けて来たものだ。

 

 助けて。と町の人に懇願するのに誰も聞いてくれない、誰も助けてくれない。

 更には殺しにかかる忍から逃げていれば、不良や個性を扱うチンピラ達にサンドバックのように扱われ、殴られていたこともあった。

 だから毎日傷は絶えなかったし、連中は面白半分で彼女を痛ぶり、鬱憤ばらしやたかが個性の性能が見たいが為に、過酷な仕打ちを、口の中が血の味で滲むほどに味わっていたものだ。

 

 なんで、人は人を傷つけるのだろうか。

 

 幼い頃は優しい性格の根っこがあったので、人を簡単に虐めるような人間の性格は考えられなかった。

 

 

 そんな、ある日……

 

 

 

 食料の虫や鼠が無かったので、仕方なくゴミ箱に溜まってた残飯を口に無理やり詰めて空腹を紛らわしていた時に、いつも自分を虐めて来る連中に酷い目に遭わされていた時だ。

 

『なぁ、マジでどーするコイツ?』

『やり過ぎたら死ぬぜ?』

『いーっていーって!どーせ生きてても意味のない人間なんだから!価値のねぇゴミ以下なんだから、殺したって誰も悲しみゃあしねーよ!』

『ちょっwww酷すぎwww』

 

 何人かがまるで塵を見るような目で見下してた連中が、高笑いながら個性という凶器で殺しに来た時、自分は何も感じなくなった……

 

 ――嗚呼、死ぬんだ。

 でも、良いや。だってこの人たちが言うように、私は死んだ方が良い人間だから……

 死んだら、皆んなが喜ぶんだよね?

 

 良いよ。

 私、死にますから…死ぬから。

 

 

 少女はソッと目を閉じた。

 しかし、いつ時間が経っても痛みや苦しみが感じないので、可笑しなと思い目を開けてみれば

 

 全員、黒い爪で体を貫かれ血を吐いてるではないか。

 

『――がっ!?』

『随分と滑稽だなぁ…君たちが悪者になるのは勝手だが、どうせなら他所で…なんならヒーロー育成学校に行って個性を使って暴れてくれ』

 

 そう言うと、あっという間に自分を痛ぶってた人間は、糸が切れたかのように、倒れ伏した。

 その男は紳士な声を発しながら、ニコリと笑顔を見せて歩み寄る。

 

 

『誰も君を救けてくれなかったね、天咲魅影くん。まるで初めて天狐に遭った時みたいで…可哀想に』

 

 何の危害も、害意も感じない男は、手を差し伸べる。

 

 

『善忍が救けてくれるから、悪忍は善よりも寛容だから!

 

 でも、君だけは誰も救けてくれなかったね。君だけは誰も受け入れてくれなかったね?

 何故、誰も君に手を差し伸べてくれないんだろう?

 

 安心しなさい、君も何も悪くない』

 

 そして、手を頭の上に置き撫でると、男はそっと優しく抱きしめてくれた。

 背中に手を当て、優しく、我が子のように撫でて落ち着かせようとする。

 先程までの仕打ちとは打って変わって、地獄のような生活の中、初めて救けてくれた。

 初めて、手を差し伸べてくれた。

 

 

 それが死柄木にとって、そして私にとってのオール・フォー・ワン(先生)

 

 嬉しさの余り、頭の中が真っ白になって、訳わかんなくなって、でも最後は思いっきり泣いた。

 涙が止まらなかったし、優しさの有り難みが本当に解ったよ。

 

 

 

 だ か ら――先生を奪ったお前らだけは許さない。

 

 

 そうだ、私は…あの人に救われたんだ。

 なんで、忘れてたんだろう…こんな大事な記憶。

 先生と過ごした時間だって、今は覚えてるのに…なんで別れ際(あの時)に限って…思い出したんだろう。

 

 

 しかし、それがオール・フォー・ワン自身による記憶操作の個性と、暗示をかけていた事までは覚えてはいない。

 

 

 人の記憶とは、生きてる意味で尤も欠かせない物だと言っても過言ではない。

 何故なら記憶とは心でもあり、楽しかったことや苦しかったこと、それらが積合せてた物があるから、人は幸せにもなれれば、悲しむことも出来る。

 記憶とは日常生活において必要不可欠で無くてはならないものだ。

 

 

 それをオール・フォー・ワンは何の躊躇いもなく、息を吸うかのように自然と漆月の成長を促す為に記憶を操作したのだ。

 最終的には暗示が発動し記憶が蘇ったものの、彼は最初っからこうさせる為に掌の上で転がし、シナリオを創っていたのだ。

 

 

 

 タルタロス拘置所で、オール・フォー・ワンは期待を高らせながら、口角を吊り上げ嗤う。

 

 ――漆月、僕のメッセージは届いただろうか?

 

 君が幼少期の頃、弔に遭わせず忍を憎むように成長を促した私は、次の一手を用意している。

 先ず、目の前でオールマイトと僕が闘い、弔率いる連合を逃がすことで彼女は身をもって知ったはずだ。

 

 自分の敵は、忍だけではないと――

 忍を嫌悪するだけでは、どうにもならない…と。だからこそ、僕は君にメッセージを残した。

 

 そのメッセージで、君の記憶は戻ったハズだ。

 だからこそ、以前よりも強いハズ。

 君の中に眠る()()()だって、少しは操作できるだろう。

 

 だが、恐れるなかれ――君と同じように化け物を巧みに使う者は漆月だけじゃない。

 

 

 その中で僕は君を選んだ。

 紛れも無い、君という純粋な悪意をね――

 

 だから、安心しなさい。

 

 

 漆月は思い出す。

 オール・フォー・ワンは弟子に伝えた言葉を振り返る。

 

 

 

 

『漆月、弔の事は任せた――◼︎◼︎◼︎◼︎、◼︎◼︎◼︎』

 

 

 

 あの言葉を、先生が漆月に伝えたメッセージ。

 

 

 

 

 

 (カムイ)は、漆月(キミ)だ――

 

 

 

 

 善と悪の頂上決戦は幕を閉じ、善悪の闘いは次の次世代へと託された。

 

 

 

 

 

 

 




やっとここまで進めたぁ!
どうでしょうか?漆月は弔とは場所も何もかも違った教育場でスクスクと悪の象徴の弟子として育ったという訳です!
弔とは違った場所で教育を施したのは、もちろん死柄木に忍の存在を悟らせないのは勿論、漆月がよりよく成長する為です。
もちろん、死柄木の為でもあります。
自分が消えたことで、今度は意思を継ぐ者が二人になる訳です。
嘗て、志村がオールマイトと陽花に託したように、オール・フォー,ワンも真似たって感じですかね、
まだ詳細は話せませんが、納得していただけると幸い。

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