東方無関録   作:諍 歌油

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だから僕は君に殺されてもいい

 どうも皆さん久しぶり。僕だよ。へ?その挨拶以外のもしてみろって?まぁ気が向いたらそうするかもね。

 

 まぁそんな事は、どうでもいいだ。

 

 僕は今とてもとても重要な使命があるんだよ。そう、レミリアお嬢様に女子のパンツの決定権を渡さない約束をしてもらうとても重要な使命だ。

 

 そんな事にかまってる暇は無いんだよ。

 

 なんでもレミリアお嬢様の妹さんのフランドールって子が頭がイカれてるらしくて、同じく頭のイカれてる僕が接したらなにか変わるんじゃないかって言う考えがあるらしい。

 

 だから僕は今こうしてレミリアお嬢様にそのフランちゃんがいる所に案内してして貰ってるんだけど………

 

『ねぇ、やけに遠くない?その辺の6歳ぐらいの男の子に鬼ごっこでスタミナ負けする僕としては、辛いんだけど』

 

「まぁこの館は、咲夜の能力でかなり拡張してあるからね。……ところでその話は、本当かしら?本当だったらあなたをフランに仕向けるのはやめたいのだけれど…」

 

『まさか、本当の訳ないだろ?全部冗談だって』

 

「…そう、ならいいわ」

 

 嫌だなーレミリアお嬢様は、本当に冗談がわかってない。本当は、5歳の女の子に負けたんだよ。

 

 それにしても、咲夜さんも能力持ちだったのか。空間を広げるって事は、空間を操れるのかな?レミリアお嬢様といい咲夜さんといいなんでこんなにチートな能力なんだろう?…あっ!でも待てよ、空間が操れるって事は空間と密接に関係してる時間も操れるのかな?ってことは、時も止めれるのだろう。まさにリアル「ザ・ワールド」だね。ナイフ使うし。

 

『あ~あ、僕も能力とか欲しいな、』

 

「あなたも能力をもってるわよ?」

 

 え?

 

『それってどう言う事?』

 

「そのままの意味よ。あなただけじゃないわよ、その返の男の子だって女の子だってみんな持ってるのよ?」

 

『……もっと詳しく教えてよ』

 

「えぇいいわよ。まぁ能力なんて大層な言い方してるけど実際は、その人の個性のようなものよ。それが具現化したものだとでも思えばいいわ。」

 

『でも人里の人達が能力なんて持ってないようにみえるのは、どうしてなんだい?』

 

「それは、能力が地味過ぎるのよ。例えば『野菜の皮を早く剥く程度の能力』とか『影が薄い程度の能力』とか、ひょっとしたら『個性が無い程度の能力』なんてのもあるかもしれないわね。」

 

『なるほどね、つまり能力の派手さや性能なんかが目に止まってただけで、実際には皆能力持ちという訳か』

 

 となると、僕の能力とは、一体なんだろう?『たい焼きが好きな程度の能力』とか?なにそれいらない。

 

「……どうでもいいけど、あなたその喋り方なんとかならないの?」

 

 ん?まだそのことを気にしてたんだ。まったく最近のこどもは、人の話を聞かないんだから

 

『無理だね。さっきも言ったろう?僕は昔からこの喋り方なんだ。大丈夫?さっきの爆発で記憶でも飛んでった?』

 

「頭の方は、大丈夫よ。……そう、それならいいの。でもさっき高笑いしてたあなたの方が今のあなたより100倍ましだから」

 

「…………は?」

 

 もしかして聞かれてたの?ど、どうしようあんな恥ずかしい姿が見られたなんて、僕はもうお婿にいけない。仕方ない

 

『レミリアお嬢様、その話僕以外に話さないでね』

 

「なんで?」

 

『いいかい、僕は実は僕の中にもう一人の僕がいるんだ』

 

「なんですって!?」

 

『いいかい、よく聞くんだ。そいつは僕と違ってかなり凶暴だ。そりゃあ僕だって爆発を起こしたりはしたけど、それは仕方なくってやつなんだ。僕自身がやりたかった訳じゃない。しかしそいつは違う、いつも僕の中で影からこっそりいつ出れるかを伺ってる。しかもそいつは僕よりも遥かに強いもう何1000倍なんて目じゃないほどに。もしそいつが目覚めたら……』

 

「目覚めたら………?」

 

『この幻想郷は、いや世界は終わる』

 

「!!!」

 

『でも僕は平和に暮したい。けどもしもレミリアお嬢様が他の人に話したら平和には、暮らせないだろう。だからお願いだ、絶対に話さないでくれ』

 

「わかった!!約束だよ!!」

 

『そうだね指切りげんまんしようか』

 

「うん!!」

 

 ユビキリゲンマンウソツイタラハリセンボンノ-マスユビキッタ

 

『ありがとうねレミリアお嬢様』

 

「うん!約束だからね!」

 

 …………フッ。

 

 計画通り

 

 レミリアお嬢様も案外扱い安いもんだね。ていうか……

 

『レミリアお嬢様は、そっちの方が可愛いよ』

 

「え!あっ!ゴホン。あなたに褒められてもうれしくないのだけれど」

 

 あらら、元に戻っちゃた。せっかく可愛いのになんでこう無愛想になっちゃうだろう?

 

「ついたわよ」

 

『ここがそうなの?なんか魔王の城の入口みたいだけど』

 

「えぇそうよ。……じゃぁフランの事をお願いね」

 

『まあかせといてよ。僕は同じ引きこもりだからね、蛇の道は蛇って言うだろ?』

 

「フランは、別に引きこもりじゃないのだけど……」

 

『じゃいってくるね』

 

 さーてと、んじゃまぁやりますか

 

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………

 

「あなたは、誰?」

 

 おっと!皆、残念だけど今回は、まともな自己紹介をするぜ、前回の霊夢ちゃんの失敗を踏まえて僕はまともな紹介をするんだよ。

 

『やあフランちゃん、僕は鳴無死野叫太って言うしがない一般人だよ。ところで聞きたい事があるんだけど、フランちゃんってスリーサイズは上からなんぼなの?あっ!勘違いしないでくれよ僕は別に君のそれを聞いてハアハアしたいわけじゃないんだ。ほらよく言うだろ?裸の付き合いって、つまり僕達が仲良くなるのは、まずお互いに裸になるべきなんだよ。でも君が着痩せする体質でその幼女体型に似合わないようなナイスバディだったらびっくりしちゃうだろ?だから先に聞いたんだ。さぁ説明は、このぐらいにしてそろそろ君のスリーサイズを教えてくれないかい?』

 

 前回の僕の失敗、それは自分の事を言い過ぎた事だ。

 僕が自分の事を知って欲しいように女の子だって自分の事を知って欲しい筈だからね。だから今回は、相手が僕に教える機会を与えたんだ。それに将来僕とフランちゃんが何の運命か付き合ったりした時のことを見越してこの質問をしたんだ。僕の自己紹介に隙は、ない今度こそ上手く行ったはずだ。

 

「……スリーサイズって何?」

 

 …………そこは盲点だった。けどこんな無垢な少女にあんな事を教えるなんて、僕の引きこもりのプライドが許さない。さて、どうしようか……

 

「そんな事より私と遊びましょうよ」

 

 フランちゃん……まさか!僕が実は他人から見たら相当危険(自分から見たら当然)な質問をしてると知っていながらそれをあえて無視して僕は関係ないようにしてくれてるのか!

 

 なんて優しい子なんだ!こんなに可愛い女の子に僕はあんな質問をしていたのか。僕はなんてことを!!僕の完敗だよフランちゃん。

 

『そうだね。そうだよね。わかったよフランちゃん今回は、特別にどんな遊びでもいいよ。何がいいの?おママごと?鬼ごっこ?トランプ?あるか分からないけどテレビゲーム?それとも少し変わって麻雀なんかでもいいよ。オセロなんかも面白いと思うよ。さぁなにがいい?』

 

「本当に何でもしてくれるの!?」

 

『うんなんでもいいよ』

 

「やった~。じゃぁ私やりたい事があるの」

 

『なんだい?言ってご覧。僕はどんな遊びでも付き合うよ。まさか夜の遊びなんて言わないよね、まぁそれでも僕は構わないけど。その場合はレミリアお嬢様にまず報告してね。さぁなんの遊びだい?』

 

「私がやりたいのは、ソレハネ」

 

 ん?おやフランちゃんの様子が………!?

 

「アナタヲコワスアソビダヨ」

 

 僕を壊す?

 

『そりゃあまた面白そうな遊びだね、けどどうして僕なんかを?他の物でもいいんじゃない?』

 

「ダメダヨアレジャァ、アレハスグコワレルカラ」

 

『すぐ壊れるってのなら僕も負けないぜ』

 

「ソンナコトナイワアナタハトクベツダモノ」

 

『特別?おいおいフランちゃん僕の事をどんな困難でも友情・努力・勝利で乗り切れるジャンプの主人公とでも思ってるのかい?そうだとしたら僕のことを買いかぶりすぎだぜ』

 

「ダッテアナタカラワタシトオナジモノヲカンジルノダモノ」

 

『同じもの?』

 

 フランちゃんはコスモか気のような物を感じる人種だったのか。……僕にそんな大層なものがあるのか疑問だけど

 

「ソウアナタハワタシトオナジデ、クルッテルワダカラアナタナラスコシハタノシメソウ」

 

 やれやれどうして皆僕を狂ってるって言うんだ?もう少し他人の事を考える事を覚えないとダメだよ。

 ……まぁどうでもいいっか。

 

『うんわかったいいよ』

 

「ホントウニ!?」

 

『ただし条件があるよ』

 

「ジョウケン?」

 

『そう、その条件は僕の血を吸ってもらいたいんだ』

 

「血ヲスウ?ナンデ?」

 

『なんでってそりゃあ、吸血鬼になってきみに何度でも殺してもらう為に決まってるだろ?』

 

「……ナンデソンナコトヲ?」

 

『なんでって……意味なんて特にないけど』

 

「ヘ?」

 

『強いていえば僕は霊夢ちゃんとまりちゃんにお詫びをしなきゃいけないんだでもまだそれが終わってない。それぐらいじゃないかな?』

 

「なんでそんな事で何回も殺してもらうなんて言えるの?種族だってかわっちゃうんだよ、太陽の光を浴びれなくなるんだよ。」

 

『それで?』

 

「え?」

 

『だから言ってるだろ?フランちゃん意味なんてないって』

 

「…なんで……そんな事いえるの?」

 

『だって生きるとか死ぬとかどうだっていいんだもん。霊夢ちゃん達にお詫びが出来ればそれで』

 

「死んだらお詫びもなにもないじゃない」

 

『んー、まぁそうか。じゃあ追加で言うけど僕は目的があってこの世界に留まってるんだよ』

 

「死んでまで成し遂げたい何かがあるっていうの?」

 

『あるんだよ。こんなくだらない命を捨ててまで手に入れたいものが』

 

「そんな……死んだら意味なんてないじゃない」

 

『だから言ってるだろ?意味なんてないって』

 

「あなたが死んだらきっと悲しむ人だっているんでしょ!?」

 

『いないよ。僕の死を悲しむ人なんて誰1人ね、あー全く絶望で死にたくなってくるぜ』

 

「ふざけないで!!確かに世界は絶望で埋め尽くされてるかもしれない。希望なんて見えないかもしれない。でも私は、見つけれたの魔理沙達のおかげでようやく私も楽しみができたの、それをなんであなたなんかに否定されなきゃならないの!!」

 

『おいおいフランちゃん支離滅裂だぜ?僕は君の楽しみとやらは、否定してなんかいない。ただどうでもいいって言っただけじゃないか。それに何度も言わせるなよ意味なんてないって』

 

『吸血鬼の事は知らないけど外の世界の人間は、つまらない生き物なんだよ。人間ってのは、だいたい同じような人生を歩んで子供を残して死ぬんだ。死ぬまで嫌な事や辛いことに向き合いながら、上って言う理想ばかり見て目の前の現実には、目を向けないんだ。そりゃそうだよね、だって自分は、特別って思ってたら他の人とほとんど違いがない人生なんだから』

 

『だから僕は思ったんだ、なんで人間は生きてるんだろうって。だって他の人が歩んだ人生と同じなんだぜ?その人が生きてる意味なんてないじゃないか、』

 

『そして僕はひとつの結論にたどり着いたんだ。

 人間はきっと死ぬために生きて死ぬために死んで死ぬために生まれ変わるんだろうってね。だから僕達が生きてる事にましてや何をやるかなんて意味なんて無いんだよ。だから僕は自分が死んでも生きても、他人が死んでも生きても、家族が死んでも生きても、何をしてもしなくても、何一つ興味なんてないんだ。』

 

『だから僕が殺されても吸血鬼になっても……』

 

『僕は関係ない』

 

『だから僕は君に殺されてもいい』

 

『でもね、僕はこの世界になら興味を持てるかもしれないんだ。恋に恋するように、僕は興味がなにかに興味をもったんだ。なんか矛盾してるようになってるけどともかくだ、僕はまだ死ねない。』

 

『けど君は、僕をこわしたいんだろ?だったら何回でも死ねるようにならなきゃ。だから血を吸ってて言ったんだよ。ほら僕は気にしないからまずは、僕の血を吸ってよ』

 

「い…嫌……来ないで」

 

『そう言うなよ釣れないな、僕と君の仲だぜ』

 

「やめて……やめてよ……誰か助けてよ」

 

『あーあ泣いちゃったよ。まったく誰が泣かせたんだよ。まぁでもこの子には、狂気とやらはないようだね。だって本当に狂ってるならこんな事でなくはずないもんね。けどごく普通の一般人である僕はフランちゃんなんて言う吸血鬼を泣かすなんて不可能だよねだから……』

 

『僕は関係ない』

 

 

 


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