東方無関録   作:諍 歌油

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……特に何も無いので何も言いません。

では本編どうぞ。


だから僕は祝福されない

 

『ねえ、霊夢ちゃん』

 

「何かしら?」

 

『なんでまた僕は縛られてるの?』

 

「あんたが怪しい事をしたから」

 

『だからあれは異変を起こした奴を倒すための作戦なんだって』

 

「どうかしら」

 

 やぁ皆さん、またまた縛られてる僕だよ。

 

 なんで僕は毎回人に縛られるのかな?ひょっとしたら僕の本当の能力って『縛られる程度の能力』なんじゃないかな?

 

「霊夢、ちょっと落ち着いたら?」

 

「咲夜!?コイツの味方をするの?」

 

「いや、味方って言うか……この質問かれこれ五回目よ」

 

「そうだぜ霊夢、一旦落ち着けよ」

 

『そうだよ霊夢ちゃん、咲夜さんもまりちゃんもこう言ってるんだし落ち着いたら?』

 

「……分かったわよ」

 

『はぁ、良かった。ありがとうねまりちゃん』

 

「え、あぁうん」

 

 ありゃ?久しぶりに登場したから話し掛けたのに目を逸らされちゃた。

 

 ひょっとして僕に久しぶりにあって照れてるのかな?

 

「まぁとりあえずは私は叫太さんが異変を解決しようとしてた所は見てました。……やり方は最低ですけど」

 

『そうだよ、やり方は最低でも解決はしたんだ。妖夢ちゃんもこう言ってくれてるしそろそろ僕を開放してくれない?』

 

「……あんたはもう少し自分の立場を理解した方がいいと思うわ」

 

 自分の立場って、異変を解決した筈なのに縛られて尋問されてるって言う立場?どう考えてもあっちが悪いよね?

 

『おお!!やっと自由の身だ。シャバの空気は最高だね』

 

「シャバの空気って、何処かに捕まった事があるんですか?」

 

『ん?まぁそんな事もあったね。ねえ咲夜さん』

 

「え、えぇまぁそうね」

 

 咲夜さんは少し気まずそうに髪をくるくるしてる。

 

「で、コイツをどうするんだぜ?」

 

「うぅ……」

 

 僕が倒した色波君が恐ろしい夢でも見ているのかうなされている。

 

 なんでうなされてるんだろうね?何か気絶する直前に恐ろしい物でも見たんだろうか?

 

『適当に色波君の家の前にでもほっぽり出したら?こんな事をされたらもう懲りるだろうし』

 

「そうね、じゃあ私が届けてくるわ。一応博麗の巫女だし」

 

「あ、じゃあ私が案内します。その人の家は一度行った事があるので」

 

「そう、じゃあ案内よろしくね妖夢」

 

「はい、任せて下さい」

 

「それから叫太」

 

『なに霊夢ちゃん?もしかしてデートの誘い?だとしたら間違いない受けるよ』

 

「変な事はしない様に」

 

 ……どんだけ信頼無いんだよ。

 

『あぁ分かってるよ。何せ僕は紅魔館の雑用係だからね、部下の失態は上司の責任って事になるからそれぐらいは心得てるよ』

 

「……まぁ咲夜と魔理沙もいるし大丈夫か」

 

 そう言うと霊夢ちゃんは妖夢ちゃんと一緒に里の方へ飛んでいった。……もう一回言うけどどんだけ信頼無いんだよ。

 

『じゃあ僕達は帰ろうか、咲夜さん』

 

「そうね、お嬢様も心配してるかも知れないし。魔理沙はどうする?」

 

「んーじゃあ私も紅魔館に行くぜ、久しぶりにパチュリーに顔を見せにな」

 

「そう、きっとパチュリー様も喜ぶわ」

 

『あれ?まりちゃんとパチュリー様って仲良かったの?』

 

「ん?まぁお互いに魔法の研究とかしてるからな」

 

『へーそうなんだ。あ、そう言えばまりちゃん』

 

「ん、なんだぜ?」

 

『この前は包丁で串刺しにしてごめんね、会ったら謝りたいと思ってたんだ。ほらこれ』

 

「え?これは?」

 

『これはってナイフだよ、ほらこの前はまりちゃんのお腹に包丁を刺しちゃたろ?だからこれで僕の事を刺したらお相子だろ?だから刺していいよ』

 

「いや、そんな事は……」

 

『でも、まりちゃん僕の事許せないでしょ?今日も目を合わしてくれないし』

 

「い、いやもう許してるから。気にしなくていいぜ」

 

『そう?まぁまりちゃんがそう言うならいいか』

 

「ほらそんな事より紅魔館に帰るわよ」

 

『あ、ちょっと咲夜さん待ってよヤキモチなんてみっともないよ』

 

「別にヤキモチなんて妬いてません」

 

 まったく咲夜さんめ、可愛い奴だな。

 

「……やっぱり叫太って頭おかしいのかな?」

 

 後ろでまりちゃんが少し失礼な事を言ったような気がしたけど、僕には関係ないからほっとく事にした。

 

 ……………………………………………………………………………………………………………………………………

 

「それで、霊夢に縛られたりしてて時間がかかったと言う事かしら」

 

『うん、だいたいそんな所だね』

 

 やぁ皆さん、僕は今レミリアお嬢様に今回の異変がどうなったかを教えてる所だよ。

 

 レミリアお嬢様ったら咲夜さんとまりちゃんに付いて行こうとしたら今回の事を話せって言うのだもの、せっかくの楽しい時間が無くなっちゃったよ。

 

「なるほど、だから本の少しの間何も見えなくなったのね」

 

『そっか、光を覆い隠したから世界全体が何も見えなくなるのか。霊夢ちゃんが僕を縛った理由が少し分かった気がするよ』

 

「貴方、まさかその後の事を考えないでやったの?」

 

『うん、特に考えてなかった』

 

「……貴方って賢いのか天然なのかどっちなのよ」

 

『僕としては賢いって事にしてほいな』

 

「まぁ良いわ。それよりも今回の宴会はいつやるのかしら?」

 

『宴会?宴会ってお酒を飲んだりする宴会?』

 

「あら?聞いてないのかしら」

 

『聞いてないも、何も知らないよ』

 

「そう……貴方ってハブられてるの?」

 

『……自覚はしてるつもりだけど言わないでよ』

 

「今回はどんなお酒がくるのかしら」

 

 僕の言葉は無視かよ。

 

 あとお酒って、レミリアお嬢様は五百年生きてるからいいけど霊夢ちゃん達ってまだ未成年だよね?僕よりもよほど非行に走ってる気がするよ。

 

 この年でお酒飲むとか将来肝臓病になるぞ、僕は絶対に飲まないようにしよう、ガンとかなりたくないし。

 

『まぁとりあえず霊夢ちゃん辺りがいつか知らせに来るんじゃないかな?』

 

「そうね、気長に待つことにするわ」

 

 これから大体一週間後に宴会が開かれる事になる事をこの時の僕はまだ知らない。

 




今回は短いけどこのくらいで。

ではまた次回。

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