いや本当に大変だったんですよ、ケータイぶっ壊れて。
まぁ一応まだ見てくれてる人がいる事を信じてとうこうします。
では本編どうぞ
やぁ皆さん久しぶり、今絶賛異変を解決中の僕だよ。
それにしてもまさか、レミリアお嬢様に後押しされたからってこの僕が異変解決に乗り出すとはね。
『ね、妖夢ちゃん』
「なんですか気持ち悪いのでいきなり話掛けないで下さい気持ち悪い」
『おいおい、気持ち悪いをわざわざ二回言うなんて酷いな~、一応は一緒に異変解決をしようとしてる仲間なんだぜ?仲良くしようよ』
「会って数分の相手の顔面を躊躇もなくぐしゃぐしゃにした人の事なんて信頼出来ないので仲間じゃありません」
『だからあれは妖夢ちゃんを助ける為じゃないか、妖夢ちゃんってひょっとして記憶喪失かなにか?』
「昨日の顔面をぐしゃぐしゃにした場面だけ覚えてるなんて、かなり珍しい記憶喪失ですね」
『おっと、どうやら今日はご機嫌ななめなようだ』
え?なんで妖夢ちゃんが一緒にいるのかって?僕が聞きたいくらいだよ。
行方不明になった絵描き志望の酒屋の息子の家に行こうとしたらいきなり付いて来たんだ。
何でも、僕一人に異変解決を任せたら何をやらかすか分からないと言う訳で付いて来たみたいなんだ。
まったく僕ったらいつからこんなにモテルようになっちゃったのかな?
まぁそんな事はどうでもいいか。
『で妖夢ちゃん、いつになったらその酒屋さんの家に着くのかな?』
「それがこの辺りの筈なんですが……あ、あれじゃないですか?」
妖夢ちゃんが指さした当たりを見るとまさか八百屋さんとは見間違えないだろう『酒屋』と書かれた看板を掲げてる建物があった。
『すいませ~ん、どなたか居ませんか?』
「なんでいこんな時に」
僕がたずねると、奥の方から野太い声と共に結構ガタイのいい三十~四十歳ぐらいの昨日のイカツイおっさんといい勝負が出来るイカツイ顔面を持ったおじさんが出てきた。
どうでもいいけど『なんでい』なんて初めて聞いたな、これがリアル江戸っ子ってやつなのか?
『へいご隠居、実は相談がありまして』
「ふざけてるなら俺は戻るぞ」
「すいませんこの人バカなんです」
『おいおい、妖夢ちゃんなにを言うんだい?僕はこう見えても学校の成績は下から数えて五番目だったんだよ』
「……気の毒に」
あれ?なんで可哀想な人を見るめで僕の事を見てるの?
「それで何の用だ?俺は今忙しいんだ、冷やかしなら帰ってくれ」
『いや実はその忙しいのって』
「息子さんが原因じゃないですか?」
おい、妖夢ちゃん僕のセリフを取らないでくれよ。
「……それを何処で聞いた?」
『聞いたも何もそこら中で噂になってるみたいだよ?』
「……そうか、それでお前達の聞きたい事ってのはなんだ?」
『う~んと、単刀直入に言ってあなたの息子さんが今回の異変の犯人じゃないですか?』
「ちょっと叫太さん!!」
「いいぞ、近所で噂になってるだったら今更隠しても意味なんて無いからな」
へぇー以外だな、こう言う人はもっと頭が硬いもんだと思っていたんだけど、話せばわかる人みたいだね。
「すいませんこの人本当にバカなので」
「……気の毒に」
『ねえ、僕を傷つける為だけに先のやり取りを繰り返すの辞めてくれない?』
「まぁ冗談はこのくらいにしてお前達の質問だが、はっきり言って分からない」
『でも息子さんは絵描き志望なんですよね?だったら充分こんな事をやりそうじゃないの?』
「……確かにこんな事をやるのはあいつぐらいなもんだが、やるのと起こすのは実際には違うだろ?俺はあいつが生まれてからほとんど一緒にいたがこんな事を起こせる力がある事はおろか絵描きになりたいなんて話はつい最近聞いたんだ」
「ちなみにその話はいつ頃から聞いたんですか?」
「一ヶ月程前だ」
『そうですかそれと最後に質問があるんだけど、その息子さんがよく行っていた場所ってしってる?』
「……最近は山に行っていたようだな、けど山と言っても妖怪の山は危険だからまず近づからないと思うからそこ以外だな」
『なるほどね、じゃあ僕達はこれで失礼します』
「おう、あいつにもし合ったらガツンと言っといてくれ『人様に心配かけるんじゃねえ』ってな」
「はい、わかりました」
僕達はその言葉を聞いたあと後ろを振り向いて、一応手を振ってその場をあとにした。
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『よし、じゃあその絵描き志望さんに会いに行こうか』
「え、その人の居場所が分かったんですか!?」
『うん、まあね』
「で、でもその人が犯人かは分からないんですよ?それでも行くんですか?」
『だから言ったろ?こう言うのは大体のパターンがあるって、それに妖夢ちゃんは犯人か分からないからって行方不明で、もしかしたら危険な目にあってる一般人をほっとくて言うのかい?』
「……わかりました行きましょう、でその人は何処にいるんですか?」
『ああ、それは妖怪の山にいるよ』
「……馬鹿なんですか?」
『妖夢ちゃん、今まで黙ってたけど僕にだって一応は傷つく心があるんだよ?』
「だってあの人は妖怪の山には近づけないって言ってたんですよ?」
あ、僕の言葉はスルーなんですね。
『だからだよ』
「は?いみがわかりません」
『いやほら、あの酒屋さんは危険だから近づかないっていったでしょ?でもそれはあくまでも一般人からしての意見だ、もし能力を持ってそれがある程度強力な能力なら調子に乗った人ならまず力試しも兼ねてそう言う危険な所にいくと思ったんだよ』
「はぁーなるほど」
『それに、あの様子とその山の名前からして相当危険だから、あるいはそもそも近づけない結界的な物があるから里の人達は近づけないんでしょ?だったら逆に言えば人に見つかり難いと言えるからね』
「でもあそこは天狗が警備をしていてそもそも入れない筈です」
『それは多分その絵描き志望さんの能力でどうにかなってるんでしょ』
「………………」
『ん?どうしたの?』
「……なんか悔しいです」
………………ザブングル?
『なんで?』
「なんでも」
まぁそう言う訳で僕と妖夢ちゃんは妖怪の山に向かって足を進めるのでした。
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と言う訳で僕達は妖怪の山にやって来たよ。
それにしても、まさか妖夢ちゃんと一緒に山デートに行くことになるなんて人生何があるか分かったもんじゃないね。
え?そんな下らない事を言ってないでさっさと異変解決しろって?嫌だなー急かす男はモテナイってレミリアお嬢様がいってたよ、だからそんなに焦ったらいけないよ。
「……おかしい」
『なにがおかしいって言うんだい?』
「先程もお話した通りこの山には警備の天狗が居るはずなんですがその人達を全然見かけない、たまに通ってもまるで何も見てないみたいに私達の事を通り過ぎてくのです」
『たまたま目の悪い天狗さん何じゃない?』
「仮にそうだとしてもこの山には椛さんがいます」
『その椛さんってのは?』
「ああ、椛さんは『犬走椛』と言って千里眼の能力を持つ白狼天狗なんです」
『へぇーそんなに便利そうな能力があるのか、だとしたら成功したってことだね』
「成功?何の事ですか?」
『そうか、妖夢ちゃんにはまだ伝えてなかったね。これは僕の能力の影響なんだよ』
「あなたの能力?どんな能力なんですか?」
『覆い隠す程度の能力って言うらしいよ』
「で、具体的にはなにをしたんですか?」
『それはもう簡単だよ、僕達の気配や存在感なんていう類の物を覆い隠したんだよ。しかし良かった~能力は使おうと思ったらなんとなく使えるなんていう曖昧なアドバイスだったから本当に使えてるかどうか不安だったんだよね』
「……能力をまともに使えるかも分からないのにこんなに堂々と歩いてたんですか?」
『まあね、でも文句は言わないでよねこうして今歩けてるのは僕のおかげだから』
「……まぁ良しとしますか」
『そんなに渋々許さないでよ、それにどうやらお目当ての人を見つけたみたいだよ』
僕が妖夢ちゃんの為に指さした場所には服装は一般的だけど、髪がやけに長くて腰あたりまで来ていて、その人がもし本当にあの酒屋の息子さんだとしたら養子でも取ったのか?と言う疑問が浮かぶ程に腕も足も胴体も細いイケメンがいた。
『やぁこんにちは、君があの酒屋のおじさんの息子さんで間違いない?』
「ん?こんな所に人がくるなんて珍しいな、何の用だい?」
『いやなに、君の多分お父さんの人の伝言と僕達個人の質問を持って来ただけだよ』
「親父の伝言?それは大体こんな感じじゃないかい『人様に迷惑をかけるな』」
『凄いや君は僕かあのおじさんの心でも読めるのかい?』
「そんなわけないでしょ」
「そうだね、本当に心が読めれば良かったんだけどそこの女の子の言う通り心なんて読めないよ」
『そう、それはとても残念だ』
「で、君達の質問ってなんだい?」
『ああそれね、それはもっとシンプルな質問だよ』
ちらりと妖夢ちゃんの方を見てみると不安そうな顔でこっちを見てた。
普段からそんな顔だったら可愛いのに、残念だ。
『君が今回の異変の犯人?』
「うん、そうだよ」
ありゃ?以外あっさり答えたな、僕としてはこの後に相手の矛盾した物言いを指摘したりしてジワジワと相手の事を追い詰めたかったんだけど。
「どうしてこんな事を?」
妖夢ちゃんがはっきりとした口調で言った、まるで自分が少しでも緊張してるのを悟られないように慎重に、強気に。
「単純に親父への腹いせ」
「そんな事のために里の人を巻き込んだんですか?」
「そんな事のため?君には分からないだろうね」
「でも、それと里の人は関係ないはずです!!」
『妖夢ちゃんもういいよ』
「叫太さんなにを言ってるんですか!?」
『だからもういいって、この人達の家庭の事情なんて僕達にはどうでもいいでしょ?』
「でもそれじゃ里の人達が……」
『だからそんなの関係ないでしょ?』
「言ってる意味がわかりません!!」
『物わかりが悪いな妖夢ちゃんは、僕達は別に里の方に住んでる訳じゃないし、それに暖簾のいろが変えられたりしても僕達に被害があるわけじゃないでしょ?』
「でもそれだとこの後にもっと大きい被害が出るかもしれないじゃないですか」
『別にいいでしょ被害が出て僕が死のうと、僕も君達も関係ないんだから』
「叫太さん!!」
『フフフ、安心してよちゃんとこいつはブチノメスから』
「……え?」
『だって、こいつは僕に対して一番やってはいけない事をしたからね』
『いやー実は一度は言いたかったんだよね、こんなクソイケメンに』
「それで僕になにか?」
先よりも鋭い視線を僕に向けてきた、どうやら僕を完全に敵として認識したらしい。
『僕はね嫌いな人が三タイプあるんだよ』
『一つ、通路を彼女とイチャイチャして通れないように邪魔する美男美女カップル』
『二つ、人の手柄を勝手に持ってくラノベのイケメン主人公』
『三つ、自分の都合に巻き込んでくるイケメン』
「要するに、君は顔が整ってるひとが嫌いなんだね?」
『まぁそうとも言うね、そして君はこの三つ目に当てはまる。そこから僕の言いたい事と一応あの酒屋のおじさんに頼まれた言葉を言ってなかったからそれを踏まえて言うよ』
「……で、結局なにが言いたいの?」
『僕が言いたい事はただ一つだよ……』
やっと言えるんだね、僕が言いたかった言葉ベスト3に入る言葉が。
『人様に迷惑かけるんじゃねぇよ』
久しぶりに結構長くなりました。
あぁ、文才が欲しい。
ではまた次回