Fate/チェインクロニクル   作:ブロx

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患者絶対治療するウーマン欲しさに石を貯めに貯めまくったブロx。
でも残念な事に。
 同時に、ピックアップされてた時から手に入れたかったチェンクロのエフィメラさん欲しさに貯めに貯めまくったフォーチュン(笑)リングを全て使うも、残念な事に。
こんな筈じゃ、なかったのに。
そんな中(^U^)は言う。
おかしなものだね、昔は立場が逆だった。お前は無課金こそが正義だと、私を嘲笑ってたというのに。

このすば!コラボで手に入れたアクア様に歓喜するブロx。
書けば出ると(^U^)から聞いたバカは、拙作で二人を出せないか真剣に考え込んだ。










第14話 師弟

『―――イリヤスフィール。衛宮切嗣はお前を捨てた』

 

私は冬が嫌いだ。

 

『そして、お前の母すらも捨てた』

 

寒いのが嫌いだ。息苦しいし、辛いし、痛いし。

 

『イリヤスフィール。 お前は、己が役割のみを果たす為だけに生きろ』

 

 生活に必要な体温が徐々に失われていって、身体を上手く動かす事が出来ない。

唯一の親族と言ってもいい、おじいさまの言葉すら冷たく。

 

寒い日は良い事が無い。人類にとって、嫌いという感情が全て詰まってると思う。

 

あの日までは。

 

『―――アナタ誰?』

 

『それは俺の台詞だ。下郎』

 

 おじいさまから、父が母と自分を捨てたと聞かされた日から3日後。

朝わたしが目を覚ますと、ベッド脇のコップの横に見知らぬ筋肉が立っていた。

 

『人に名を尋ねる時は、まず自分から名乗ってからだと父や母に教えて貰わなかったのか?小娘』

 

『………お生憎様。教えてもらう前にいなくなったわ』

 

『―――ほーう、成る程な』

 

 おじいさまか誰かがここに置いていった玩具だろう。

こいつは魔力も無い、魔道の覚えも無い、筋肉だけしかない肉のくれ。

 

せいぜい地べたに這い蹲ってわたしを愉しませるのが関の山だ。

 

『では小娘、特別にお前に教えてやろう。

天に二つとない極星である、我が名をッ!!!』

 

―――生涯忘れないであろうその名前。

 

『俺の名は〝聖帝〟サウザー!

南斗六星の帝王だ!!!フハハハハハハハハッ!!!!』

 

わたしのお師さん、先生。

 

わたしの、もう一人の父親。

 

 

 

 

 

 

『ほーう、第三の〝魔法〟とはな。それを再現する為の、お前達アインツベルンというわけか』

 

 人間とは、肉体と魂に分けられる。

目に見える肉体ではなく、魂を物質化・固定化する。第三魔法〝天の杯〟。

 

過去アインツベルンの人間が至り、もはや失われた神秘に再到達する事が私達の悲願。

 

『小娘、だからお前は不思議な身体の造りをしているのか』

 

『……筋肉の塊みたいなアナタに言われたくないわ』

 

 肉体を極限まで高めたらこんな姿になるのだろう。

この筋肉だるまは、ニヤリと嗤いながらずっとわたしを見ていた。

 

矮小なモノを見るように。他愛の無い取るに足らないアリを見下すように。

 

『フハハハハッ!! だが肝っ玉はその背丈以下と見えるな』

 

『……何ですって?』

 

『魂の物質化、それもよかろう。だがお前の心には恐れが見える。常に身体を強張らせている、緊張。不安。怒り。哀しみ。

そんな奴が〝魔法〟に至った所で、高が知れているというもの。

 お前は歳相応な、ただのガキだと言っているのだ』

 

『ッッ!!!』

 

―――うるさいな。何も知らないくせに。

 

『別にそう怒る事でもあるまい、俺にもお前の様な時分はあった。これからどうなるかはお前次第だ』

 

『…これからですって?

わたしは次の聖杯戦争で、自分の役割を果たすだけ。その為ならいくらでもこの身を捧げるわ』

 

 そうすれば最期にはお母様に逢えるから。

あの人にだって、逢えるから。

 

『―――愛と情を教えられ、そして捨てられたか。 負け犬め』

 

『………よく聞こえなかったわ。ねえ、今、何て言ったの?』

 

『愛や情は哀しみしか生まぬ。お前は負け犬だ。

その証拠に、お前に手には何も持ってなどいない。己の意志も、矜持も、誇りすらもな』

 

見下ろされる視線。見下される眼光。嘲笑う口。

 

『…………見下してるんじゃない』

 

『何? よく聞こえんな』

 

 お前に何が分かる。

大好きだった父に捨てられ、大好きな母を失ったわたしの事など。

 

愛も情けも、貰った事なんて無いくせに。

 

『お前がわたしを!!見下してんじゃないッ!!!!』

 

拳を握り、振りかぶり、突き出す。

 

『ほーう。拳だけは持っていたようだな』

 

命中。効果無し。再度命中。依然効果無し。

 

『小娘。俺が憎いか?』

 

再々度命中。効果、無し。

 

『ならばお前には、俺のとっておきをくれてやる』

 

その大きな手に包まれる両拳は、不思議と暖かかった。

 

 

 

 

 

 

『見なさいよ!サウザー!!

こんな石なんて、簡単にたたっ切れる様になったわ!!!温かいバターを切るようにね!!!』

 

『ほーう。俺が教えているとはいえ中々に筋が良い。だが、まだ足りんな』

 

 サウザーの凄まじい眼光で、屋敷の人々は皆平伏した。誰も文句はおろか口も開けない。

拳法の修行は良い。性に合っている。

 

何も考えなくていいから。 これからと、今までを。

 

『足りないですって?それは背丈?腕力?

……アインツベルンとしての頭脳?気品?優雅さ?勤勉さ?』

 

『何よりもお前に足りないもの。それは速さだ』

 

 振るわれる両手。

切り裂かれる石と空間。

 

なるほど速さとは、力なのだ。

 

『真の速さとは、音や空間をも置き去りにする事だ。

俺の拳を修める以上、何ぴとにも速さで後れを取ってはならぬ!』

 

『はいッ!お師さん!!!』

 

 一日の終わりは手足の終わり。

疲労で動かなくなる手足と、減るお腹。痛む背中。

そんなわたしを、先生はおぶって屋敷に連れて行ってくれた。よくやったと、頭を撫でてくれた。

 

厳しい修行の毎日。でも思いかえせば、それを辛いと思う事は無かった。

 

―――そんな日が続いた、ある日。

 

『お師さん。明日、わたしはサーヴァントを召喚します。

おじいさまが良い触媒を手に入れたと』

 

『聖杯戦争だったか。もう始まると言うのか?』

 

『いいえ。おそらくはあと数ヶ月は先の事。

しかしアインツベルンが勝つ為には今、サーヴァントを呼んで慣らしておく必要があるようです』

 

『気の早いことだな』

 

『でも、これも速さの一つでしょう?』

 

 アインツベルン1000年の歴史。1000年の悲願。

第三法に再度至る為に私達は存在する。

 

使える手は何だってする。反則だってね。

 

『ふむ。

ではイリヤよ、戦に臨むお前に餞別だ。これから襲う刺客を、見事倒してみせよ』

 

渡される目隠し。

 

『目隠しをして、ですか。腕が鳴りますッ!』

 

成功したら、また、頭を撫でてくれるかな。

 

凍てつく外気は、鋭くこの身を裂いていた。

 

 

 

 

 

 

 雪がちらつき、凍てつく冷気が全てを包む冬木の街。

全てのものがここに収斂される。ここに過去と未来が、何もかもがある。

 

まるであの日と同じようだと、〝聖帝〟イリヤスフィールは思い出していた。

 

「―――こんにちは、お兄ちゃん。早速だけど、わたしと手を組まない?」

 

「魅力的な提案だ。ちょうどこちらも、人手が欲しかった。

・・・しかしまさか、俺がここに来る事を知っていたのか?」

 

「この公園は街の中心で、風下。誰かが近づけば分かるわ」

 

「匂いでか?イリヤスフィール」

 

「イリヤでいいわ。 残念だけど、そんな下品じゃないわね」

 

 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは優雅に一礼し、公園に足を踏み入れた衛宮士郎を出迎えた。

服ごしに肌を貫くこの寒気はいかんともしがたい。士郎は震える我が身にグッと力を込めた。

 

その対極に、イリヤは威風堂々と立っている。

 

「手を組まないかって話だけど、概ね俺は賛成したい。

でもまずは敵であり殺意を抱いてる俺に、何故取引きを持ちかけたのか。その理由を教えてくれないか?」

 

「ん~~……理由、理由ねぇ…」

 

 腕を組み、眉間にシワを寄せて可愛らしく唸るイリヤ。

何とも微笑ましい光景だ。頭を撫でてやりたい衝動すら感じる。

 

その五体が、人を容易く切断する事が出来ると知っていなければ。

 

「―――だって、わたしはお兄ちゃんが欲しいんだもの」

 

「・・・・何だって?」

 

「衛宮キリツグの息子、衛宮シロウ。キリツグは貴方に話してないんでしょう?

自分の家族の事も何もかも」

 

「知ってるさ。親父の家族は、俺と藤ねえ。十分に知ってるとも」

 

 士郎の言葉を聞き、優雅に細められる瞳。

幼い妹のような可憐さで、地獄の閻魔のような純粋さで、眼前の彼女は口にした。

 

「―――違うよ。キリツグの家族はわたし。

このイリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、あの人の娘なの」

 

貴方にとってわたしは、血の繫がらない姉なのよ。

 

「・・・・、嘘だ」

 

「こんな幼女が自分の義姉である事が?それとも、キリツグが妻子を持っていた事が?

本当は分かってるんでしょう?信じたくないだけで。

全部真実よ。 年下の、我が弟」

 

 とんでもない情報を眼前の一見幼女は持っていたし、開示した。

それが何を意味するのか。士郎はいまだ纏まらない頭脳を回転させる。

 

勝負はこれからだ。

 

「・・・・、でもそのお姉ちゃんが、一体何でこの街に来た?」

 

「聖杯を手に入れ、アインツベルンの悲願を達成する為。そして、シロウを手に入れる為よ」

 

「俺を手に入れてどうする。親父の話でもして、姉弟仲を温めようっていうのか?」

 

「え?復讐を遂げる為に決まってるじゃない」

 

 冬とはいえ、休日の昼下がりのこの公園。

人っ子一人いやしない。遊ぶ子を見守る親もいない。

鋭く細められた瞳、仁王立ちする男。

 

 士郎は目敏く気付いた。

視界の端に、白い服を着た女性が二人立っている事。

 

そしてこの場を包む雰囲気を。

 

「キリツグはわたしとお母様を捨て、アインツベルンを裏切った。

その息子の貴方が、何も知らずのうのうとしてるなんておかしいじゃない。

………キリツグもシロウも、殺してくれと叫ぶまでいたぶってあげる。

でも殺しはしない、それじゃあ面白くない」

 

―――だからシロウ。あなた、わたしの物になりなさい。

 

『帝王』の言葉に、反逆は許されない。

 

「・・・成る程な。

つまり話を纏めると、俺と手を組む事でイリヤは義弟を手に入れ、苦しみもがいていく俺のさまを見る事が望みだっていうんだな?」

 

「概ねそうね。そしてこの公園はすでにわたしの領域・結界。

ちょいとこの指を鳴らせば、厳しく鍛え抜かれた獰猛な従者達がシロウを殺すわ。

だから素直にわたしの言う事を聞いて楽になりなさい。 質問は?」

 

「―――ああ、二つある」

 

 来ていたコートを脱ぎだす士郎。それを、イリヤに差し出す。

女の子が身体を冷やしちゃダメだ。

 

「一つ。何故俺は自宅の炊事洗濯など大事な仕事をほっぽり出して、イリヤみたいな幼子と、井戸端会議をしてるのか。

二つ。どうやって指を鳴らすんだ?両方のお手手を俺に包み込まれて」

 

コートを受け取ろうとしたイリヤの両手を、コートで包む。

 

「俺はイリヤの物にはなれない。俺には、やらなきゃならない事がある」

 

「―――それは一体何?お兄ちゃん」

 

 ふう、と溜め息。 

やんちゃな弟を見上げる姉は、笑みを深めた。

 

「この戦争をセイバーと一緒に駆け抜ける。

あいつの傍にいて、支えてやる。

そしてアーチャーを助けて、この街を守る。義勇軍として」

 

「……呆れた。存外欲張りね、シロウ」

 

「自分でもそう思うよ。だから悪いけど、イリヤとは、」

 

「―――悪くないわ」

 

 ちょいちょいと、手をヒラヒラさせるジェスチャー。

察した士郎は頭を屈める。

 

いつの間にか宙を舞っている、自分のコート。

 

「弟が好きな子のことを守ろうとしている。頑張っている。

それは愛と情。

応援しないのは、『私』の名折れよ」

 

 昔誰かにされたような、懐かしい感覚。 

頭を撫でられる士郎は、自分と同じ目線の彼女に敬意と感謝を示した。

 

ぬくもりはずっと、消える事はなかった。

 

 

 

 

 

 

『お師さんッ!?何で…、何でなのッ!?』

 

目隠しをしたわたしを襲った刺客は、他ならぬ自分の師だった。

 

『―――それでいいのだ、イリヤよ。

どんな時であろうとも、敵を叩き潰し、己が道を突き進め。

・・・そして自分が今何をするべきなのか。それを優先しろ』

 

『そんな………』

 

 まるで十字架のように、先生の身体に刻まれた傷跡。

息もたえ絶えのその表情。わたしは何て事をしてしまったのか。

 

 十字に切り裂いてしまった己が手は、気持ち悪いくらい一滴の血も付いていなかった。

 

『わが拳の奥義伝授、及び伝承は無事成功だ・・・。

これも、師弟の定めよ。気にする事などは無い。

俺も先代の命と引き換えに伝承を滞りなく終えた。

お前は何も、悪くない』

 

『わたしは、……わたしはッ!!』

 

 大好きだった、愛していた父も母もわたしを置いて去っていった。

そしてこの人も。

 

―――痛い。

 

『苦しい…悲しい……ッ』

 

こんなに悲しいのなら、苦しいのなら。

 

そんなものは。そんなものは―――。

 

『俺は、お前の瞳の中に極星・南十字座を見ていた・・・。

例え短き命を定められた存在だとしても。死が救いだとしても。

まぶしく燃えて、一生懸命に生き抜いてみせろ、イリヤ―――!』

 

一瞬。だけど・・・閃光の様に。

 

―――それは貴方もだろう。

 

お師さん!

 

『わたしは。 私は南斗鳳凰拳伝承者イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

我が師である貴方を、こんな所で死なせたりはしないッ!!!!』

 

 身体中の魔力、気血、闘気を総動員。

師の身体に抱きつき、アインツベルンのお家芸『錬金術』の魔術を行使。

血液増加。裂傷治癒。行使続行。

 

『貴様・・・・何故。なぜ、そこまで』

 

『わたしにはまだ、必要だからッ!』

 

『何を・・・?』

 

『お師さんの、ぬくもりが!!!

…わたしはそれを、生涯忘れませんッ!!』

 

―――愛や情が生むのは哀しみだけではない。

 

―――お前もぬくもりを覚えている筈だ。

 

『・・・成る程。

―――お師さん。どうやら俺は、まだ貴方の元には往けぬらしい・・・・』

 

 魔術によって一時回復したサウザーは、更に厳しく弟子であるイリヤを鍛え上げた。

帝王としての矜持、誇りを教え込み。

 愛と情けに生きた男の生き様を、時には聞かせた。

 

そしてイリヤとバーサーカーに見守られながら、静かにその生涯を終えた。

 

『―――退くな。媚びるな。省みるな。お前は帝王だ、イリヤ』

 

『さようなら。……父さん』

 

『フッハハハハハハハッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――という訳で、イリヤが力を貸してくれる事になった」

 

「皆さんに会うのはこれが二度目ね。

改めまして、わたしはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

キャスターとの戦いにのみ、わたしとバーサーカーは力を貸すわ」

 

「流石だぁ・・・! 穂群原のドラえもんに敵う者などいるわけがッ!!」

 

「やるねェ、にーちゃん!」

 

「・・・ありのまま、今起こった事を話すぜ?ライダー。

僕は 最近自分をぶっ殺しにきた幼女をどうするか考えてたら いつの間にか手を組んでいた。

何を言っているのかわからねーと思うが、僕も何を言われたのかわからなかった。

 頭がどうにかなりそうだ。

催眠術だとか、ご都合主義だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいスケコマシの片鱗を味わったぜ・・・」

 

グググ。

 

「シンジ、男とはこうあるべきでは?」

 

「誰にでも出来る事柄にしてくれ」

 

「―――ただいま帰りました、皆さん」

 

 義勇軍団長・間桐桜が帰還。

これにて、キャスティングは完了した。

 

「おかえりなさい、サクラ。状況はこれこれしかじか」

 

サーヴァント・ライダー。

 

「かくかくうまうま、と。成る程、頼もしいですね」

 

「・・・桜、おかえり。

だが今夜の相手はあのアサシンとキャスターだ。バーサーカー達が加わってくれたとしても、千人がかりで安心ってとこだ」

 

ヒーラー・間桐慎二。

 

「シンジ、俺に良い考えがある。アサシンの相手は任せてくれ」

 

「オイラとツカムがあの剣豪を倒してみせるよ!

タイガにちょっとした知恵も貰ったしね!」

 

剣士・ツカム。ピリカ。

 

「………意気軒昂なところ悪いけど、皆。アーチャーは私のサーヴァント。

今夜は私だけで助け出してみせるわ」

 

魔術師・遠坂凛。

 

「赤いねーちゃん・・・・?」

 

「これは自分のサーヴァントを盗られた私の問題よ。

誰も彼も足を突っ込む事じゃないわ」

 

「その前に教えてくれ、リン。

・・・いつから趣味が自殺になった?」

 

「遺書はあるわ。暇な時にでも読んで」

 

「―――ッッ! 一人で抱え込むなってんだこの大馬鹿野郎!!

けど手を貸せる馬鹿もオイラ達しかいないぞ!!!」

 

「生きて帰れるか分からないトコに、無理に来る事はないのよピリカ。…ツカムも」

 

「――――馬鹿にはダチが必要だ」

 

「アンタ………」

 

「遠坂。ここまで来たら一蓮托生、皆でアーチャーを助け出すぞ!」

 

魔術使い・衛宮士郎。

 

「シロウ、この身は万全に近いです。貴方に危害は加わせない」

 

サーヴァント・セイバー。

 

「俺は今度こそ。セイバー、お前を守る」

 

「ここは中々の大所帯ね。―――腕が鳴るわ」

 

「・・・・・・・」

 

伝承者・イリヤ。サーヴァント・バーサーカー。

 

総勢10名。義勇軍の反撃が始まる。

 

「さあ往こう。もう時間だ」

 

見えるはずの無いサザンクロスが、彼女達の足を照らしていた。

 

 

 

 

 




次回予告

冬木という汚れの海に、見え隠れする聖杯という氷塊。
どうやら、水面下の謎の根は深く重い。
この街の運命は、神が遊ぶ双六だとしても、
上がりまでは、一天地六の賽の目次第。
鬼と出るか、蛇と出るか。死地に挑む敵中横断。
次回『Strength of a Thousand Men』
義勇軍、火中の栗をすくえるか。






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