スタンド使いがオラリオで無双するそうです 作:エーミール@新人小説家
ある日学校から帰っているときに、
「シアーハートアタックのラジコン出ねぇかな」なんて考えてたら、車がパトカーに追われているのを目撃する。当然、俺は善良な市民なので、無駄に関わらずに追われている車を止めようなど思わない。平凡で当たり障りないちょっと楽しみがあるくらいが良いのだ。そうやって今まで生きてきたしこれからもそうやって生きるつもりだ。
しかし、こっちに車がきているようだが大丈夫だろう。なんて言ったって、日本の警察は世界一ィィィィ!!だからな。あ、捕まった。なんだかあいつ目が危ないな、、、おぉ、コワイコワイって、あいつ拳銃持ってるじゃねぇーか!
「へへっ、どうせ捕まって死ぬなら道連れだぁ!」
近くの女の子が狙われている!
「危ない!」
俺は女の子にタックルして弾きとばした。そしたら次の瞬間、
「ヒッ!」
バァーン!
銃声が鳴り響き、男の放った弾丸は吸い込まれるようにして俺の体に撃ち込まれる。
「ガハッ」
今までに味わったことのない痛みが体を襲い、頭がくらくらする。倒れ込むと制服に血が滲むのが分かる。
「ざまぁみろ!格好付けるからだマヌケがァ!」
うるせぇ、頭で思い浮かべることは出来ても、口に出すことは出来ない。
何だか意識も朦朧としてきた。
「誰か救急車!」
「大丈夫ですか!」
「しっかりして下さい!今救急車来ますからね!」
しかし、自分のことは自分が一番分かる。
きっと俺はもうすぐ死ぬんだろう。
思い返せば、色んなことがあった。初めて勇気を出した告白は振られてしまい、しばらく立ち直れずにいたのを思い出す。
親の都合で各地を転々としてた俺は最初の頃は友達を作ろうとしていたが、携帯に保存されたメールアドレスは転校したら使われることは無かったこともあり、友達を作ろうとすることが無駄なことと思い、気付いた時には、俺は孤独だった。しかし、この地に来てから、俺の人生は変わった。
「〇〇です。〇〇〇中学校から来ました。」
また、いつも通りの生活を送り、何処かへ消えていくのだろう。慣れているし、今更可笑しいことだとは思わない。人には別れがあるし、その途中の交友関係を築かないだけの事だ。
指定された席に座り、HR(ホームルーム)が終わると、隣に座っていた男子が話しかけてきた。
「俺の名前は木村秀典(きむらひでのり)宜しくな!」
野球でもやっているのだろうか、頭は坊主だ。
「ところで、君ジョジョの奇妙な冒険って知ってる?」「DIOとだが断るの人位しか知らない。あと、カット。」「本当に!ジョジョ全巻貸すから読んでみてよ!」
木村に押し切られ読むことにしたが、俺冒険物あんま好きじゃないんだよなぁ…。
しかし、読むと約束した手前読まない訳には行かない。1巻を読み終えて俺は思った。
「何これ!すっげえ面白え!」
俺はあっという間にジョジョの虜にされて、気付いた時には部屋にはジョジョのグッズで埋め尽くされていた。
それから、木村とは趣味も合ったので仲も良くなり、刺激的でとても楽しい日々を送っていた。
だけど今は、、、
救急車のサイレンが鳴り響き、地面に横たわっていて死ぬ直前である。木村とは俺ら一生友達だからな!と誓いあったのにそれももう終わってしまう。
あいつは今何してるのだろう。また、ジョジョの動画見て発狂しているのだろうか。
母さんと父さんは転校続きで暗くなっていく俺を元気付けようといつも何かしてくれた。先に死んでしまってすみません。
あぁ、寒気がしてきた。
自分の体が冷えていくのを感じながら、意識が遠のいていく。
そして俺は18歳という若さで、この世を去った。