死神と9人の女神   作:獄華

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オリキャラ登場
まだこの回は日常パート(な筈)


第2話 変死体

『今日、午後2時頃沼津の浜辺に人の遺体が打ち上がっていました……遺体には傷がついており警察は殺人事件として捜査を進めています、身元の特定はまだ出来ていません』

 

電気店のテレビエリアの前には人だかりが出来ていた。

「今日は来店者が多いですね店長」

 

「おいおい、冗談にしたって質が悪いぞ佐藤……ま、確かに普段もこれぐらい人が来てほしいもんだがな」

 

それを聞いて勤続2年目の青年店員の佐藤 竜一は口元を上げた。

19歳でこの電気店に入社、髪型は坊主で身長は178程だ。

 

(………にしても殺人ねぇ~ この沼津の奴が犯人じゃ無きゃ良いけど……)

 

そんなことを考えながらも竜一は普段通りに仕事をこなしていった。

殺人が起ころうが、一般人には関係の無い事であった。

 

……

…………

………………

……………………

 

 

「……うわ、本当じゃん」

 

「警官が一杯居るずらね……」

 

「私の言った通りでしょう?」

 

ダイヤの言葉を聞きダイヤと5人は沼津の浜辺に向かった。

実際のところ、千歌、花丸、善子は半信半疑だったのだが、光景を見て疑惑は確信に変わる。

 

「悪魔の仕業……何て言葉は場違いか……」

 

「うぅぅ……!」

 

「よ、曜ちゃん!」

 

曜は膝をつき海に向かい泣き出した。

 

「今までさ、この沼津の海で御世話になったのに!……こんな事になるなんて!」

 

泣きじゃくる幼馴染みに掛ける言葉が千歌と他のメンバーには見つからない……

 

「……とにかく、今日はもう御開きにしますわ、明日から練習出来るように各自ゆっくり休んで下さい、果南さんと鞠莉さんには私から連絡をいれておきます……ルビィ、行きますわよ」

 

「うん……」

 

「おらもルビィちゃん達と帰るずら……」

 

「み、皆また明日ね!」

 

千歌の声を聞き3人は手を振って帰路についた。

「じゃあ梨子ちゃんに連絡いれなきゃ……」

 

千歌のスマホの場面には梨子がパンを持って赤面しているお馴染みの場面が出てきた。

 

ピッ!

 

「もしもし!梨子ちゃん!」

 

『どうしたの?千歌ちゃん』

 

「ニュースで見たならもう知ってるかもしれないけど……今日の練習は無しだよ」

 

『……死体がうち上がっていた事件だっけ』

 

「うん……こんな事になって沼津もドタバタしてるし、メンバーも……」

 

『そっか……千歌ちゃんや曜ちゃん達はここで育ったんだものね』

 

「明日からはまたいつも通り練習する予定だから今日は家に真っ直ぐ帰ってもらって大丈夫……」

 

『分かった……千歌ちゃんくれぐれも我慢や無理はしないでね、辛かったら正直に言ってくれれば良いから……』

 

「ありがとう梨子ちゃん、でも私はそこまでショックを受けて無いから大丈夫だよ。

……曜ちゃんに電話してあげて」

 

『曜ちゃんね、しておくね。それじゃまた明日』

 

「うん」

 

ピッ!

 

「梨子さん何て言ってた?」

 

「無理はしないでねだって。やっぱり梨子ちゃんは優しいよ」

 

「そう……」

 

チラリ

 

視線を浜辺に移すとまだ曜は落ち込んでいた。

「曜ちゃん……」

 

千歌は体育座りをし顔を膝に埋めている曜を後ろから抱き締めた。

 

「……ねぇ、曜ちゃん。私ね、これは本当に仕方が無いことだと思うんだ……。

私も悲しいよ、この内浦の海にさ……死んだ人が流れてくる何てさ……」

 

「……う……ん……でもね、私が感じているのは悲しいだけじゃ無い……何か、やるせないんだよ……原因は分からないけど……」

 

「それは……曜ちゃんがこの内浦の海を大好きな証じゃ無いかな?」

 

「……え?」

 

「泳ぎが大好きな曜ちゃんだから、当然海も好きだよね。

この海には色んな思い入れがあるもん、梨子ちゃんが転校して来てすぐに海の音を聞こうとして私達3人でダイビングしたり、私達を会わせてくれたのもこの海だよ。

……その海に死んだ人が流れて来てしまったのが悲しいんだよ……」

 

「千歌ちゃん……」

 

「ラブライブ……優勝しよう!絶対!それが今の私達に出来る最大の内浦への恩返しだよ!亡くなってしまった人への思いも込めてさ!」

 

「何気に言ってる事が凄いわね……千歌さん……」

 

「そ、そうかな?」

 

「善子ちゃんの言う通り凄いよ!……千歌ちゃん!、私……頑張る!ラブライブに向けて頑張る!」

 

「ギラン、勿論このヨハネもね」

 

「ありがとう二人共、良かったぁ~元気になってくれて」

 

「じゃあ、今日は私達も帰ろう!千歌ちゃんまたね!ヨーソロー!」

 

「ふふ、元気になって良かったわ……リトルデーモン……此れからもこのヨハネの……って引っ張ら無いでぇぇぇぇぇ!」

 

「ぁははは……また明日ね、曜ちゃん、善子ちゃん」

 

2人の姿はみるみる小さくなっていった。

 

「じゃ、私も帰ろうかな」

 

そんな自宅の方に向かう千歌に警官達の話し声が聞こえてきた……

 

「……瞳孔が無いぞ!、それどころか瞳の全てが白眼になっている……」

 

「おかしいな?……この遺体の損傷箇所は腹部及び頭蓋骨だ。眼には何のダメージも無いし、この傷は明らかに新しい……最近付いた物だろうが」

 

「変死体だな……至急鑑識へ回し解剖を……」

 

(変わった、死に方……か)

 

警官達の会話の内容を頭に浮かべ、不謹慎だがどのような姿なのか想像を膨らませながら千歌も帰った。

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

同日……深夜……小原家……

 

『身元不祥のこの遺体は沼津市内の警察署に安置されており……』

 

「……うぅ嫌な事件……私達、aqoursの活動に何も影響が出なければイイけれど……」

 

「そっちは大丈夫なんじゃない?」

 

「Oh!果南!?ビックリさせないでクダサイ!」

 

「何さ、いつもセクハラ紛いな行動してる癖に、鞠莉の部屋にこっそり忍び込んじゃ悪いの?」

 

「……分かりました、五分五分デスネ……それで貴女の家の経営へは、どれくらいの影響になりそうかしら?」

 

「当分、ダイビングとかは客足が途絶えると思う……開店休業って奴だね」

 

「ま、あんな大々的に取り上げればね……どちらにせよ私達はラブライブに向け練習するしかないわね」

 

ピッピ、ピッピ

 

部屋に響く。

 

「臨時ニュースだね」

 

「What's?何かしら?」

 

数秒後、テレビ画面の上にテロップが出た。

 

『沼津市内の警察署で暴動発生、銃の発砲音もした模様』

 

「……は?」

 

「じょ、ジョークよね……ふふ」

 

あまりに現実離れしたテロップの内容に二人は固まった。

 

 

 




次回から、グロ描写をたくさん書いていきます。
何やらいきなり沼津市内がラクーンの再来になりそうな雰囲気ですがまだ大規模なバイオハザードは発生しません。

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