可憐な少女と恋のレシピ   作:のこのこ大王

4 / 8
第4章 初めての夕食

 

 

 

 

 少女達が忙しなく動き回る中を

 ぶつからないように避けながら、調理場の中を移動する。

 

 人数が多いと感じるが、その分だけ厨房も広いので

 結構問題無く動けるのは嬉しい。

 

 そうしてまず千歳ちゃんの所までやってきた。

 

 こちらでも、魚を捌いている少女達の姿。

 御堂さんの所で出た鯛のアラを更に処理しているみたいだ。

 

「あれ、どうされたんですか楓さま?」

 

 トマトの水煮を用意していた千歳ちゃんが

 こちらに気づいて声をかけてくる。

 

「うん、ちょっとみんなの作業を見てみたくなってね。

 何作ってるのかな~と」

 

「えっへっへ。

 なんだと思います~?」

 

 悪役を演じているかのような

 オーバーなリアクションをする千歳。

 

「う~ん・・・そうだなぁ~・・・」

 

 そう言いながら材料を確認をする。

 

「鯛のアラ、にんにく、ニンジン、玉ねぎ、トマトの水煮で

 千歳ちゃんが持ってるのは・・・サフランかぁ」

 

「サフランって結構良い値段しますよね~」

 

「そうだね。

 ちょっと良いのだと1g1000円とか超えちゃうからね」

 

「そういやこのサフランっていくらなんだろ?

 いつもあるから当然のように使ってますけど」

 

「う~んと・・・」

 

 彼女から小瓶を受け取ってラベルやサフランの色を確認する。

 

「スペイン・ラマンチャで、この色。

 それに品質系のマークも全部揃ってるとなると

 ・・・1g2500円ぐらいかなぁ」

 

「お、おぅ・・・思ったより良いお値段・・・」

 

「良い材料を使える環境は、大事だからね。

 気にせず思い切って使うのが一番かな」

 

 そう言いながら残りの材料を確認していると

 

「あれ、これって・・・」

 

 調理台の隅に置いてあった調味料らしきものを手にする。

 蓋を開けると、乾燥したハーブが詰まっていた。

 

「このタイムの香りは・・・もしかして

 エルブ・ド・プロヴァンス?

 

 ってことは材料からみて『スープ・ド・ポワソン』を作るのかな?」

 

「おおーっ!

 さすが楓さまっ!」

 

 軽く驚きながら拍手をする千歳。

 

 エルブ・ド・プロヴァンスは、その名の通り

 フランスのプロヴァンス地方では一般的なミックスハーブだ。

 調合によって差はあるものの、タイムの香りが際立つものが多い。

 

 基本的には肉や魚の臭い消しや、香り付けに使われるもので

 ハーブ単品よりも扱いやすい部分も多く、初心者にもオススメ出来るものだ。

 

 そしてスープ・ド・ポワソンは

 南フランスの定番ともいえる魚介のアラのスープのこと。

 具材が無いスープだが、魚介の旨みがギュッと詰まった非常に濃厚なスープで

 初めて食べたときは、とても驚いたことを覚えている。

 

「うん、まあ。

 フランスに行った時に食べたことがあってね」

 

「へ~、そうだったんですか。

 良いなぁ、フランス。

 

 行ってみたいなぁ」

 

「・・・何やら楽しそうなお話しをされてますね」

 

 2人でフランスに思いを馳せていると

 いつの間にかこちらに来ていた寧々ちゃんが会話に入ってくる。

 

「フランスは良いよねって話をね」

 

「そうそうっ!

 スープ・ド・ポワソンもご存じだったんだよ」

 

「ちーちゃん、前にフランス料理屋さんで食べて以来

 ずっとそれお気に入りだもんね」

 

「ああ、わかるわかる。

 ぼ・・・私も初めて食べた時は、凄く驚いたから」

 

「わ、ホントですかっ!

 私もなんですっ!

 

 あのチーズをのせて浸したクルトンと一緒に食べた時

 こんなのあるんだっ!って思わず叫んじゃいそうでしたから」

 

「見た目がシンプルな分、より味のインパクトが際立つからね」

 

「それでちーちゃん。

 今日も作ることにしたの?」

 

「濃厚なスープと言われて、まず初めに思い浮かぶのってこれだもの」

 

「だろうと思った。

 そのスープは時間かかるだろうし

 私の方でサラダとかも用意しちゃうからね」

 

「あっ!?

 サラダと小鉢忘れてたっ!」

 

「雪絵さまの所からお魚を貰ってるのが見えた時から

 こうなるんじゃないかと思ってた。

 

 だからそっち系は、全部こっちで用意してる」

 

「おお、さすがっ!

 愛してるっ!」

 

「きゃっ!?

 ちょっと、いきなり抱き着いたら危ないよ~」

 

 そう言いながらも笑いながらじゃれ合っている2人。

 

「・・・2人は、付き合い長いの?」

 

「あれ? 言ってませんでしたっけ?

 私達、小学生の頃からずっと一緒なんですよ」

 

「へぇ~、そうなんだ」

 

「ねぇ、千歳さん。

 もう材料を入れてもいいかしら?」

 

 2人の話を聞いていると作業していた娘が

 千歳ちゃんに指示を仰ぐために声を出す。

 

「ああ、今行きますっ!

 

 ・・・それでは楓さま、失礼しますっ!

 今度またフランスの話、聞かせて下さいねっ!」

 

 まるで嵐のような慌ただしさで

 作業に戻っていく千歳だった。

 

 

 

 

 

第4章 初めての夕食

 

 

 

 

 

「・・・申し訳ありません、楓さま。

 ちーちゃん、いつもあんな感じなので・・・」

 

「別に何も気にしてないよ。

 元気があっていい娘だよね」

 

「そう言って貰えると嬉しいです」

 

「そういえば、サイド類を全部引き受けてたけど

 作業の方は大丈夫?」

 

「はい、問題ありません。

 スープもサラダも一品ものも、特に手間がかかるものを

 作ってませんから」

 

「みせてもらっていい?」

 

「はい、楓さまならいつでも歓迎です」

 

 愉しそうに笑う彼女に案内され

 彼女達の作業場所に到着する。

 

 既にほとんどのものが完成していた。

 

「ポテトサラダにトマトの胡麻和え。

 卵焼きにキュウリと塩昆布の和え物。

 ・・・へぇ、スティック状にした大根をハムで巻いて爪楊枝で

 刺してあるのは、手軽に食べれそうでいいね」

 

 そこには目移りしそうなほど一品ものが揃っていた。

 

「手伝って頂いた皆さんに、一品料理を1人1つ作って貰っちゃいました。

 そうしたら、結構色んなものが出ちゃって」

 

「なるほどね、だからこんなにあるのか」

 

「・・・減らした方がいいですか?」

 

「いやいや、とんでもない。

 せっかくだから全部出そう」

 

「ありがとうございます・・・よかったぁ~」

 

 胸に手を当てて大きなため息を吐く寧々ちゃん。

 

「自由にやれって言ったのは、私だからね。

 基本的には何も言わないよ。

 

 ところで、寧々ちゃんは何を作ったの?」

 

「私は、これです」

 

 そう言って目の前に出てきたのは

 鶏ガラスープの匂いがする海苔の入ったスープ。

 

「あ、これ紫菜湯(ズーツァイタン)?」

 

「ご存じなんですか?」

 

「うん、手軽に作れて夜食なんかにも良いよね」

 

「そうなんですよ。

 ちょっとした時に便利ですよね」

 

 紫菜湯とは中国の海苔のスープのこと。

 非常に薄味だが、塩分なども控えめで

 何より手軽に作れるため、ちょっとした際に便利なスープといえる。

 

「皆さん意外と濃い料理ばかりを作られてるみたいなので

 少し味付けの薄いものにしてみました。

 

 といっても、普通の紫菜湯より結構味は濃く作ったんですけど」

 

「元々の紫菜湯は、かなりの薄味だからね。

 少しぐらい濃く作っても大丈夫だと思うよ」

 

「ですよね。

 本来のままだと、濃い味の料理の後に

 口にしても、ただのお湯みたいになっちゃいますし」

 

 先ほどの千歳ちゃんのフォローといい

 全体のバランスを考えて料理や味付けを変更する発想といい

 彼女は、こちらの予想以上の実力を持っているようだ。

 

「・・・うん、全体的にも問題ないみたいだね。

 あとは、その後の料理の出方次第かな」

 

「はい、そうですね。

 その辺りを含めて先輩方と相談してみます」

 

「うん、わかった。

 じゃあ、私もそろそろ作業をしてくるよ」

 

「楓さまのお料理。

 愉しみにしてますね」

 

「はははっ」

 

 笑顔で返事をしながら寧々ちゃんと別れる。

 

 そしてデザートを作るために確保していた場所に移動する。

 そこでは既に作業をする少女達の姿。

 

 その中心となっているのが『有栖川 透子(ありすがわ とうこ)』ちゃんだ。

 1年生で背中までの長い髪と、それをまとめる大き目のリボンが特徴的な少女。

 本当に人形を思わせるほど整った容姿で、美少女だと言える。

 

 実は彼女を含め、全員の成績を事前に調べておいた。

 彼女の場合、お菓子作りが他の成績よりかなり高かったため

 たぶんそうなのだろうと今回、お菓子作りを任せてみた訳で。

 

 近づくとオーブンからマカロン生地の焼ける良い匂いがしてくる。

 彼女達が作っているのは、泡立てたメレンゲに砂糖とアーモンドパウダーなどを

 混ぜて焼き上げた柔らかな2枚の生地に

 クリームやジャムなどをはさんだパリ風マカロンだ。

 

 日本でマカロンと言われれば大抵こちらが出てくる。

 

 そんなマカロンを全員が分担して量産しているみたいだ。

 彼女達の作業を横目で見学しつつ、自分の作業を開始する。

 

 僕は、特に手伝って貰える人を確保していない。

 まあ彼女達に手伝ってというよりは

 僕がどの程度の人間なのか、実力で示した方が早い。

 

 実際、作業を開始しようとした瞬間から

 何処からともなく周囲の視線を感じる。

 

「さってと、何を作ろうかな~」

 

 そう言いながら食糧庫を見渡す。

 様々な種類の材料がストックされ、見ているだけでも飽きない。

 

「お、これって」

 

 目についたのは、クーベルチュールチョコレート。

 少し前にヨーロッパで見かけたときに買おうか悩んだ挙句

 買わずに終わってしまったものと同じものだった。

 

 クーベルチュールは、日本だと製菓用のチョコレートを

 そう呼ぶことが多いが、厳密に言えばそうではない。

 

 ちゃんとしたものは、国際規格でしっかり成分が決まっており

 油脂分が多いのでテンパリングなどをしやすく、カカオの風味も強い。

 

 最大の特徴は、一般のチョコとは違うその口どけにあるだろう。

 

「きっと何かの縁かも」

 

 クーベルチュールを手にすると

 これを使って何を作ろうかと考えてしまう。

 

「良いチョコは、やっぱりその味を愉しんで貰いたいよね。

 ・・・よし、決めた」

 

 手にしたチョコの隣にあった

 成分割合の違うもう1つのクーベルチュールも

 一緒に取り出し調理台まで運ぶ。

 

「さあ、最高のチョコブラウニーにするぞ」

 

 手早く必要な材料を揃えて料理を開始する。

 

 ブラウニーは、アメリカ生まれの平たく正方形に焼いた

 濃厚なチョコレートケーキである。

 

 作り方も簡単で、何よりアレンジがしやすく

 多種多様なレシピが存在することでも知られている。

 

「~~♪ ~~~♪」

 

 鼻歌を口ずさみながら作業を進める。

 

 2種類のクーベルチュールを粗く刻みながら

 材料を準備する段階で温めておいたオーブンにクルミを入れる。

 

 小麦粉をふるいながら、他の材料の計量をする。

 それが終わったらオーブンシートに切れ込みを入れつつ

 色付いたクルミを取り出し、オーブンを再び170度ぐらいに温める。

 

「そうだ、せっかくだし色々な種類を作ろうかな~♪」

 

 

 ・・・・・・・。

 ・・・・・。

 ・・・。

 

 

 そんな楓の様子を遠巻きに見ていた一部の少女達は

 ただ驚きの表情で、その作業を見つめる。

 

「・・・作業ペースが速すぎて、何をしてるのかわからない」

「何アレ。 作業手順に迷いがないよね」

「あんなに愉しそうにしながら、一切手が止まってませんわ」

 

 彼女達の様子に気づいた凛が、様子を見に来る。

 

「作ってるのは、ブラウニーかな?

 それにしても良い手際だにゃ~」

 

「そうね、きっともう頭の中では完成までの手順が

 見えているのでしょうね」

 

「おっと、ゆっきーか。

 いきなり背後からは、ビックリするじゃない」

 

「いつもアナタが他の娘にやってることと

 何が違うのかしら?」

 

「相変わらず、ゆっきーの愛が身に染みるよ・・・」

 

「愛情を入れたつもりはないのだけれど?」

 

「おふぅ・・・今日は、いつもより数倍厳しい・・・」

 

 2人は、仲良さげに会話を続けるが

 その視線は、楓の動きに集中していた。

 

 それから少し時間が経った頃。

 

「・・・うん、これで良いかな」

 

 どうせならと様々な種類を作っていたら

 いつの間にか時間が迫っていた。

 

「もうそろそろ料理を並べようっ!」

 

 そう指示を出して、少女達に料理を運ばせる。

 ラウンジに作った料理を並べるスペースにどんどんと料理が並ぶ。

 

「じゃあ、これを渡すね」

 

 僕は、小さなカードを料理を作ったメンバーに配っていく。

 

「メッセージカードだよ。

 これに、自分の料理のアピールポイントだったり

 オススメの食べ方だったり、何でも良いから書いてみて。

 

 それを料理の横に付けるから」

 

 この料理は、誰が作ったのかを記載し

 その横に本人のコメントを載せる。

 

 そうして必然と料理を選ぶ側に『選ばせる』ことで

 競争社会を作っていこうと考えた。

 

 まあ、単純に僕がこういうのが好きだというのもあるけれど。

 

「さあ、時間だねっ!」

 

 準備が丁度終わったタイミングでバイキングスペースを解放すると

 お腹を空かせた少女達が一斉に列を作り

 その華やかさでラウンジの空気が変わる。

 

「まあ、誰の料理が解るようになってるわ!」

「あ、雪絵さまの料理、すっごくオシャレ!」

「今日は、寮母さんだけが作った訳じゃないのね」

「メッセージカード、面白い! 『カロリー撲滅!』だって」

 

 様々な声が聞こえてくるが、概ね良好そうだ。

 

 用意していた料理が次々と無くなっていく。

 この学園は全寮制だ。

 自立した精神を育てる・・・というのが建前で

 一人暮らしの気軽さと面倒さを学ばせるためだと伯母さんが言ってたっけ。

 全寮制ともなると、もちろん全生徒が食事をする訳で。

 

「神城さんと御堂さんは、それぞれ20人分追加!

 サイドも結構減ってるから、寧々ちゃんの所も追加の準備をしておいて。

 スグに作る分を指示するから!

 

 千歳ちゃんの所は、スープを温め直すから準備を始めて!

 

 有栖川さんの所は、今からもう30人分は作り始めておいて。

 後半、一気に来るはずだから!」

 

 全体に指示を出しつつ、バイキングエリアに行って直接減りを確認する。

 全体的な傾向や、見た目が悪くなってしまっているもの。

 あとは冷めてしまったものが無いかも確認する。

 

 大勢の少女達が動き回る場所をぶつからないように動く。

 クルリと踊るように動きながら、常に笑顔で余裕さが感じられるように。

 それでいて手早く確実に。

 

 少し大げさな動きになっているが、これは海外で知り合った

 とある料理人の影響を受けたからだ。

 

 その人曰く

 『コックもウエイターも店長だって関係ない。

  お客さまの前に出たのなら誰もがエンターテイナーであるべきさ』

 

 この言葉に出会い、僕の料理に対する考え方は変わったといえるだろう。

 

 

「ねえ、あの子ダレ?

「新しい寮母さんらしいわよ?」

「えっ!? 私達と変わらないじゃないの!」

「何でも2年生で、寮母兼任らしいわ」

「フリフリの調理服、すっごく似合ってて可愛い!」

「名前! 名前何ていうのかしら?」

「凛とした表情であんなに堂々と指示を出すなんて、カッコイイ!」

「仕事が出来る女の子って感じよね~」

「あ、ヤバイ!ナニコレ! あの子のブラウニー超美味しすぎるんだけど!」

「何だか舞踏会を見ているみたいに優雅ね」

「ああ、お持ち帰りしたいわ~」

 

 

 何だか自分に注目が集まっているみたいだが

 そんなことは気にしていられない。

 

 何度か実際のお店でも仕切りをやらせて貰ったことがあるが

 ここまで忙しいのは久しぶりだ。

 

 ここでもし失敗すれば、後々に響いてしまうこともあるので

 失敗出来ないプレッシャーが凄い。

 

 それでも―――

 

「うん、愉しい♪」

 

 自然と笑顔になる。

 

 サイド系の減りと、追加分の量をメモにまとめると厨房へと戻る。

 その時ふと、こちらを見ている数人の女の子達と視線が合う。

 

 どうやら見た感じ、上級生のようだ。

 厨房への扉の前でラウンジの方へと向き直ると

 まるでお嬢様に仕える執事のように、少し大げさだが優雅な動きで

 彼女達に一礼する。

 

 すると黄色い歓声が様々な方向から聞こえてきて少し恥ずかしかったが

 あくまで表情を崩さず笑顔のまま厨房へと戻る。

 

 これもイタリアで出会ったリカルドという料理人が

 『女性に対して敬意を払うのは当然さ』といって女性客に

 よくやっていたことだ。

 僕は遠慮すると断っていたのだが、押しの強さに負けて

 その仕草を教え込まれてしまったことがある。

 

 久しぶりにやるので、上手くいったか不安だが

 まあたぶん大丈夫だろう。

 それに彼と違って別に彼女達を口説こうと思ってる訳でもないし。

 

 そう何故か自分に言い訳しながら、厨房の中に入っていく楓。

 

 

 その頃、ラウンジでは楓の話題一色だった。

 

「ねえ、今の見た!?」

「かっこよかったよね!」

「私は、すっごく可愛く見えたわ!」

 

 先ほどからの一連の動きに対して

 少女達は、興奮気味に語り合う。

 

「・・・綾子(あやこ)さまは、どう思われます?」

 

 そう聞かれた少女は、少し笑った後で

 

「そうね、私もあの子にすごく興味が出た所なの」

 

 と言いつつブラウニーをひとくち。

 

「2種類のクーベルチュールを使って味に深みを出し

 アレンジしやすいブラウニーの特徴を上手く使ってたくさんの種類を作り

 そして、何より食べやすいひと口サイズにしているのも好感が持てるわ」

 

 彼女のいうように、先ほどからブラウニーのコーナーでは

 少女達の戦いが行われていた。

 

「ああ、種類が多すぎて迷っちゃう!」

「美味しいからついつい食べ過ぎちゃうのよね~」

「ひと口サイズって所が、また憎らしい・・・」

「今日は全体的にカロリー控えめらしいか・・・全種類いっちゃえ!」

 

 後々の後悔よりも、目の前の『幸せ』に負ける乙女たち。

 

「ホント、明日が愉しみね♪」

 

 綾子と呼ばれた少女は、そう言いながら

 またブラウニーを1つ口に入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

第4章 初めての夕食 ~完~

 

 

 

 

 




まずは、ここまで読んで頂きありがとうございます。

もう片方の制作が予想外に難航しているので
気分転換にこちらを更新致しました。

なかなか小説内の時間が進まなくて申し訳ないです・・・。
あと今回は、一応料理に強い楓ちゃんアピールのために
いろいろと料理や材料の話が中心となりました。
説明文が多くてごめんなさい。

最後にチラっと出ましたが
まだ登場人物は増える予定です。

ちなみにこの4章を友人に先に見せたところ
『某メーカーのゲームを思い出す』と言われてしまい
やはり私ではオリジナルを生み出せないのかと凹んでます。。。
まあオリジナル作品制作としては1年生なので、勉強のつもりで頑張ります。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。