誠「こちらスネーク、博麗神社に潜入した」
あれから半月が経過したので、そろそろ動く頃だと思うので先手を打つ事にしたのだ。
どうも異変解決のために働く巫女さんは面倒くさがりだそうですぐには動かないのだそうだ。
…まあ知ってるけど。
博麗神社の鳥居を通らずに周りの森林から神社を伺う、縁側に誰かいるのが見える。
あれが
生で見ると綺麗に紅白な服を着ているのな、腋丸出しとか…良い。
ここで麻酔銃でも撃てば済むか、流石にそれはあっけなさすぎるか。
いや待て、獅子は兎を狩るにも全力を尽くすと言うしな、全力前回フルパワーで潰すか?
あ、全力で潰しちゃダメなんだっけ?あくまで弾幕で勝たないとババ…大賢者とかお偉いさんにぶっ潰されるとか言ってたっけ。
おっと、巫女さんは賽銭を確認しに動いたようだな、場所を変えよう。
巫女さんは賽銭箱を覗き込むとがっくりとうなだれ、肩を落とした。
…まあね、賽銭なんて一円もあるわけないよね。この霧のせいで普通の人間は長時間外にいれないらしいし。
巫女さんは空を見上げて霧を睨むとそのまま高速で紅魔館の方へと飛んでいく…って速ッ!
人間が出して言いスピードじゃないぞそれッ!!
あ~あ~…一瞬で米粒みたいに小さくなっちゃったよ。
…俺なんも出来てないじゃん!急いで追わないとっ!
誠「こちらスネーク、霧の湖へと潜入した」
霧の湖、紅魔館の前に広がるでかい湖である、とにかくでかい。
ここには妖精が住んでおり、通りかかる者にいたずらをするとか。
そして今、俺の目の前では弾幕ごっこが行われようとしております!
東に立つは妖精代表、頭はダメでも強さは本物! 氷の妖精、チルノ!
西に立つは魔法使い代表、霊夢に並ぶ異変解決のスペシャリストにして隠れた努力家! 白黒魔法使い、
ここで選手の紹介です、東のチルノ選手は霧の湖にに住まう妖精であり、冷気を操る程度の能力を妖精であるのにも関わらず所持していると言う天才っぷり! ですが妖精なので記憶力、学力、思考回路などがちょっとダメなのが
次に西の魔理沙選手は魔法の森にお住まいの魔法使い、立ちはだかる敵は自慢のマスタースパークでピチュらせる! 魔法を使う程度の能力を持った人間でありながらの魔法使いであり、派手な魔法のためならどんな努力も惜しまない隠れた努力家! 霊夢が動きだしたため異変解決に乗り出したようです!
両者短い会話を済ませて…今! 弾幕ごっこが行われました!
って…俺実況している場合じゃなかった、霊夢のあとを追わないと…。
誠「こちらスネーク、紅魔館門へ潜入した」
さて、ここでは安心と信頼のサボリ魔である美鈴が門を守っている筈…。
…おおっと、こんな所に弾幕の跡が…美鈴が速くも突破されたようだな。
誠「美鈴がやられたようだな…」
誠「だが美鈴は紅魔館組の中で最弱…」
誠「巫女如きにやられるとは妖怪の面汚しよ…」
自演乙。
さってと、もう中に侵入されたようだからそろそろ戦闘しておかないとな。
誠「…お、いたいた」
どうやら咲夜さんが極限まで広くした紅魔館の中で迷っていたようだな。
さ~て御対面。
誠「すみません! た、助けてください!」
博「ん? 貴方…人間?」
誠「いやいや! どこからどう見ても人間じゃないですか!」
博「人間ならこんな所にはいないわよ」
誠「実は森で迷っていたら館を見つけたので入って見たら想像以上に広く…
簡単に言えば迷ってしまったんです!」
博「嘘おっしゃい、どう見ても迷ってましたって姿してないでしょう」
誠「ですよね~、もう少しボロボロの服で話しかければ良かったのですかね」
博「ボロボロの服でも変質者だけどね」
誠「手厳しいですね、次は里の人みたいな恰好しないといけませんね」
博「次があったらそうしなさい、次があったら」
誠「大事な事なので二回言いました的な」
博「ええ、大事よ。異変を起こしてただで済むわけないでしょう」
誠「お嬢様に伝えておきます」
博「そのお嬢様に用があるんだけど?」
誠「お嬢様は今忙しいのでまた来月に…」
博「無理」
誠「分かりましたよ、それでは来年に…」
博「伸ばしてんじゃないわよ!」
誠「いいじゃないですか、時間稼ぎが命令なので」
博「こっちは時間がないの、さっさと吐いて貰うわよ!」
誠「私が吐く時は異物を食した時と気持ちが悪い時だけです!」
博「それじゃあこの弾幕でも食らいなさい!」
霊夢から距離を取るために後ろへ飛ぶ、さっきまで立っていた所にいくつもの弾幕が降り注ぎ床を抉った。
霊夢がふわりと浮きあがるとそのまま弾幕をこちらへと飛ばしてくる、幸いにもこの場所は高さから横幅まで申し分ない広さなため、横へと飛びそのまま空へと舞い上がる。
霊夢達が来ないのでその間に飛ぶ練習をしたのが功を奏したのか、俺の体は地面を離れて自由に飛べるようになった。
弾幕を避けながら霊夢へ弾幕を放ち、牽制を繰り返す。
博「さっさとスペカ使いなさいよ!」
誠「時間稼ぎですのでお構いなく!」
霊夢の怒号が飛んでくるが軽く受け流すと痺れを切らしたのか一枚目のスペルカードを掲げた。
博「夢符『二重結界』!」
霊夢の周りを二重に張った立方体の結界が包み込む、霊夢が内側の結界に弾幕を放つと二枚目の結界から内側へと放たれ、一枚目の結界に当たってからようやく俺の方へ飛んできた。
なんとも面倒な結界、色んな意味で面倒な結界だ。
でも俺からの弾幕は普通に通るようだ、これで拡散されて弾幕消えたら洒落にならん。
誠「そんな結界じゃ俺を惑わせらんないぜ!」
四方八方にお札や勾玉のような弾幕が飛び交う。
弾幕自体は全然大した事ないがこの結界の面倒な所は霊夢が見え辛い所だ。
結界の中を飛び交う弾幕のせいで霊夢が見え辛く、狙いが定まらない。
まあ狙いが定まらなくても…数撃ちゃ当たる作戦でいけば問題ない。
スペカの時間が切れて結界が消えた、すかさず俺はスペカを宣言する。
誠「創符『お髭と地球と核と』」
一発の弾を放りこむ、俺と霊夢の丁度真ん中あたりで破裂した弾は細かいレーザーとなって霊夢へ襲いかかる。
ちなみにこのスペカ、破裂する時に一瞬フラッシュするため、非常に目に優しくない。
博「くっ!」
フラッシュで目を閉じながらもレーザーを回避し、そのまま弾幕をこちらへと放つ。
弾幕を避けてまた弾を放り込む。
フラッシュで一瞬真昼のように明るくなる、放たれたレーザーを回避し、また弾幕を放ってくる。
…どうやら気付いたようだ、このスペカの弱点に。
実はこのスペカは安置がある、安置とはある場所にいれば絶対に被弾しないと言うシューティングゲームでは夢のような場所である。
さてこのスペカ、実はレーザーがホーミング、もとい追尾をしないので相手が移動しない、または移動中での被弾を想定している。
放りこむ場所はいつも同じ場所なのでレーザーが通らない場所で陣取れば被弾しないのだ。
だが、甘い。
それはあくまでも最初の話しだ、このスペカは放り込まれる毎にレーザーの数が増えるようにしてある、つまり安置だと思って陣取ってたらハートを撃ち抜かれたでござるの巻ってのもあり得る。
霊夢もそれに気付いたのかまた新たな安置を探しているようだった。
誠「さあ、どこまで持つかな?」
時間切れまであと二回弾を放りこめる、その間にレーザーに触れたら即アウト。
これは流石の霊夢であっても苦戦して…。
…は?れ、霊夢が目を閉じたまんまだ。
目を閉じたまんま回避とかちょっと洒落にならんしょこれは…。
しかも全てのレーザーを見切っているようで、レーザーは掠りもしない。
全ての弾を放り込み終えて時間切れとなった、レーザーは一発も当たらず、まして掠りもしないと言う化け物っぷり。
博麗の巫女…恐ろしい子…!
誠「な、なかなかやるねぇ…」
博「それはどうも」
誠「だが、まだ時間稼ぎは終わってないんでね。
幻想卿を霧で埋め尽くすには時間が足りなさすぎる」
博「ならいっそ止めちゃいなさいな」
誠「だが断る」
スペルカードを右手に持ち、高々とスペカを宣言する。
誠「創符『感動のばよえ~ん』!」
霊夢や周りの壁に向けてサッカーボールくらいの弾幕を飛ばす、速さは少し遅めなので簡単に回避されてしまうが、この弾幕の真髄はそこではない。
放たれた弾幕が壁を反射する、同じように反射した弾幕がぶつかり合った。
そして破裂して消えていく、霊夢は消えた弾幕を見るが分裂したわけでもない事を確認し、他の弾幕の回避に徹しようとした。
その時、霊夢の横を高速で何かが落ちてきた。
それは地面に着弾するとそのまま反射せずに残っていた、また先程のように弾幕が衝突し合い、消えていくとまた頭上から弾幕が落ちてくる。
仕組みが分からないとこの弾幕は回避し難い、だからこそこのスペカを創ったのだ。
この弾幕は始めに放った弾幕が弾幕同士でぶつかり合うと消滅し、天井からランダムで弾幕が降り注ぐのだ。
誠「さあ! 俺の大連鎖に対抗出来るかな!?」
弾幕をバラ撒きながら相手の動きを封じ、頭上から落ちてくる弾幕で勝負を決める。
壁の反射などを計算しないといけないのが辛い所だが、練習はかなりしているので問題ない。
誠「まだまだ! 俺のフィーバーは終わらないッ!」
このスペカは時間が経つにつれて落ちてくる弾幕が増えるようになっている。
つまり時間切れを狙うのは得策ではない。
だが下手に狙うために動くと頭上からくる弾幕に当たる。
そうでなくても俺が放つ弾幕がそこらじゅうを飛び回っているので下手に動くとアウト。
この弾幕を抜け出す術は俺をその場から狙い撃つしかない。
が、俺もそんな簡単に被弾はしないので最終的には意味がない。
この勝負は貰ったッ!
博「霊符『夢想封印』!」
しまったその考えはなかった!
霊夢が宣言したスペカによって俺の弾幕は次々に消されていった。
ボムスペカは相手の弾幕を一時的に打ち消すスペカであり、しかも本体も狙うと言うお手軽仕様。
だが制限時間が非常に短いというデメリットもある。
ボムスペカを想定していなかった俺は回避へと移り、俺のスペカは時間切れとなった。
これは酷い…。
夢想封印によって放たれた弾幕は全て消え去り、先程まで飛び交っていた弾幕は全て消えてしまっていた。
避けながらも牽制の弾幕を放つが夢想封印に掻き消される、時間切れまで回避に徹するしかないな。
ん? 霊夢の姿が見当たらないな。
博「そこよっ!」
弾幕の影から飛び出した霊夢が夢想封印を大量に放ってきた。
夢想封印の間を通るように避ける、霊夢は「かかった」とばかりに間を詰めるように夢想封印を放つ。
誠「創符「スター状態」!」
星型の弾幕を放ち、俺の体が七色に光りだした。
うん、いつ見てもキモい。
このスペカは無敵状態になり、壁を反射して跳ねまわる星形の弾幕を放つ技だ。
一応ボムとして創ったので、時間は非常に短いのが欠点である。
霊夢の夢想封印が全て消えた、同時に夢想封印は時間切れとなった。
博「くっ!」
霊夢は回避に移るが俺のスペカも時間切れとなり、この場が一瞬静まりかえる。
…そろそろ時間稼ぎもいい頃合いだろう、一旦引き揚げるかな。
博「あんた、なかなかやるじゃない」
誠「お褒めに与り光栄です。
それでは私はそろそろ引き上げますね!」
笑顔で言うとその場に結界を張る、後戻りをさせないためと追ってこないようにだ。
「それでは!」と言うと手を振りその場から離れる。
博「ちょ、ちょっと! まだ聞きたい事が山ほどあるのよ!?」
誠「メイド長に聞いて下さい、この先少し行った所にいますので!」
そう言い残すと全速力でその場から飛んで行った。
博「…な、なんなのよアイツ…
まあいいわ、メイド長倒せばわかる事ね」
踵を返し、紅魔館の奥へと進む霊夢。
…さて、霊夢の時間稼ぎは終わった事だし魔理沙の所へでも行くかな。
魔理沙は今どこにいるのか…。
今の時間から考えて図書館でパチュリーとでも弾幕やってかな?
さ、行くか。
書き始め→18:00
書き終わり→06:00
書き途中で寝てしまったのは確定的に明らか。
次回予告
紅魔館の図書館へと向かう途中、謎の生き物を発見する。ピンク色のボールのような姿をしたその生き物は、通りかかった紅魔館の妖精メイドを捕食、姿を妖精へと変化させる。そ、そんな…この生き物はまさかニンテ○ドーの…! 食事を終えたそいつは次の獲物へと狙いを定める…って俺!? いやいや俺食っても美味しくないし! ちょ、ちょ! や、やめっ!アッー!!次回「星のカービィは64が一番好きです」人のコピーは蜜の味。