俺が思うに朝ってさ、凄く眠くなる魔性の時間帯だよな。
たとえば目覚まし時計で目覚めたとしよう、鳴り響く目覚まし時計に手を伸ばし少し乱暴に手を振り下ろす。
目覚まし時計が止まり一瞬の静寂の後、目を閉じる。
そして「今日も学校か、とりあえず顔を洗って・・・」と今日やる事を考え、一通り考え終わった時には浅い眠りについているのだ。
この二度寝が最高だと俺は思う。何と言うか二度寝と言うのは一種の麻薬なのではないかと思う程だ。
もちろんその後予めセットしてある第二の目覚ましが鳴り響くので遅刻はしない、筈だ。
・・・多分。
さて、今は目覚まし時計が鳴っているので午前5時の筈だ。
何故こんな時間に俺と言う超が付く程の睡眠愛好家が起きなければならないのか本当に疑問に思うがそれも昨日の電話を思い出し脳内で自己解決させる。
俺の足元では未だ目覚まし時計がその小さな体を揺らし轟音を周囲に響かせている、むくりと起き上がりその目覚まし時計に右手を伸ばす。目覚まし時計の上部にある円柱のスイッチを押すと轟音は途切れ、周囲には静けさが戻る。
そして俺は目覚まし時計を枕元に置き、また夢へと意識を沈める。
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!
夢についた矢先、先程とは違う目覚まし時計達が一斉に鳴り響く。
ここで問題なのは九つと言う目覚まし時計が鳴っている事ではない、これをどうするかが問題なのだ。
俺の安眠を阻害するこの物体をどうするか、それはもう止めるしかない。
すぐさま起き上がり布団の隣にある勉強机へとジャンプ、それ程距離は無い為に机まですぐに近寄れた。
上から二番目の引き出しを開けて中にある物を取り出し、部屋の至る所に配置した目覚まし時計共に投げつける。
直線状に飛んでった文房具類はそのまま目覚まし時計に当たり目覚まし時計は後ろに倒れる、その衝撃で予め取れやすくしておいた背面の電池が抜けて忌々しい轟音が鳴り止む。
そのまま他の目覚まし時計にも投げつけて轟音を次々に沈める、机から死角になっている目覚まし時計は俺自らが行って手に取りそのまま鳴り響く目覚まし時計に向かって投げつける。
そして全ての時計が止まり部屋が静寂に包まれる。
この間、僅か15秒の出来事。
誠「・・・またやっちまった」
そう、こんな事やっておいてなんだがここまで完全に無意識なのだ。
昔友人にこの事を言った事がありその時は信じなかったが友人が俺の家に泊まった時にこれを目撃。
その後友人曰く「誠の寝起きの悪さは世界一ィィィィッ!!」とか言われた。
誠「今回の被害数は・・・一つしか壊れていない!何と言う奇跡!」
因みにこの目覚まし時計で総数20から30位壊している。
このまま行くとこれがどんどん増えそうで怖い。
誠「おっと、さっさと支度しないと・・・」
後一時間でバスが来るんだから早めに支度しないといけないんだった。
俺は小さく伸びをして自分の部屋を後にした。
あ、ありのままに今起こった事を話すぜ!
『俺は家を出てバスに乗ったと思ったらそこは山の中だった』
な、何を言っているのかわからねーと思うが俺も何をされたのか分からなかった・・・
頭がどうにかなりそうだった、催眠術だとか超スピードそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。
もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ・・・(AA略
これが
ってここはそんな世界じゃないし!何時からこの世界はジョジョの奇妙な冒険になったんだよ!
時止めっていうレベルじゃねーぞ!
しかもバスどこに行った!?え!?え!?どこにもいねぇ!
ちょ、待て俺、落ち着け・・・冷静になれ・・・
そ、そうだ素数を数えよう・・・2.3.5.7.11.13.17.19・・・
やべえ19の後忘れたわ。
よし、状況を整理しよう。目の前には古い屋敷に看板が掛かっている、そこに『当選者は中へどうぞ』と書いてある。
周りは森だけどどう見ても後ろが急斜面だから山だと思う、そして俺以外に数人の当選者らしき人がいる、中学生から高校生しかいないな。
・・・うわ、あいつ俺の親友に似てるなぁ、服装から髪型とか色々そっくりだな。
しかも俺みたいに「あ、ありのままに(ry」とかやってるし。
うわ、あいつこっちに気付いた。
うわ、近づいてきた、とりあえず。
誠「渾身の右ストレートッ!!」
?「甘い!しゃがんでからのアッパーッ!!」
誠「なんの!カカッとバックステッポしてからのハイキックッ!!」
?「残念!それをガードしてのコブラツイストッ!!」
誠「痛いっ!痛いってこれ!じゃれ合いでコブラツイストとか反則だろそれ痛いっ!!」
?「おっとスマン、つい癖で」
やっと離してくれた、他の当選者らしき奴らもドン引きだよ。
誠「んで、お前なんでここにいるわけ?」
?「おいおい、それはこっちのセリフだろ。くじ運ない奴がここにこれるか普通」
誠「当選しましたけど何か?」
?「な!?今日は雪が降るのか」
とかほざくコイツは俺の親友の
それお前のせいじゃなくて先生がうざいだけだろ。
誠「降らないから、代わりにワープなら起こったな」
雅「あーやっぱあれワープ?超スピードとか催眠術じゃないよな?」
誠「これはもう俺のスタンド能力が発動したかもわからんな!」
雅「それは無い」
全く、冗談が通じん奴だなもう。
雅「まあ知り合いがいるなんてラッキーだ、しかも親友と来てる。
まあ楽しく行こうぜ?」
誠「バトルマスターがいるとは凄く楽だな、心強い」
そう、こいつの母親はあらゆる格闘技をマスターしたどう見ても神です本当にありがとうございました、な人なのだ。
その息子の雅人も血を引き継いでいる為異様に強い、カツアゲして来た不良組をブン投げて全治二カ月、どう見てもヤクザな人達もブン投げて全治三カ月、中学生と高校生での練習ラグビーで一人圧倒的な力を見せつけて勝利し高校生の心に傷を負わせたなどなど。
・・・お前本当に中学生かよ。
雅「中学生ですけど何か?学生証いりますか?」
誠「いらん。さ、中入ろうぜ」
雅「おう!」
楽しくなりそうだな。
私も幻想入りしたいです。
次回予告
中は結構綺麗だな。館の中へと入った誠達はその外観とは裏腹に手入れされた屋敷の内部に違和感を感じる。その時!パリンッ!!何かが割れる音を聞き向かった先はキッチン、皿の破片を手に入れて戻る誠だったがなんと入り口が塞がっていた!脱出を試みる誠達だがその背後にブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人が忍び寄るッ!!次回「2012年青鬼ンピック開催!」目指せ金メダルッ!