そう言えば今月の十日が私の誕生日でしたが、誰一人祝って貰えず悲しいです。
幻想卿の空を覆う紅い霧は晴れることなく空を覆い続けている。
そんな空を見上げながら俺はレミリアの所へと向かっていた。
とっくに時刻は夜、いや深夜を迎えようとしている。
紅魔館の上空を覆う紅い霧も、夜の暗闇によって暗雲へ変わっていた。
誠「・・・この上か」
紅魔館の真上、この時間にも関わらず霧の合間から煌めく光が見えた。
月のような明るい光ではない、まして流れ星のような一瞬の光でもない。
光は霧が漂うに連れて、点滅を繰り返す。
俺は意を決し、紅魔館の上空へと飛び込んだ。
紅き霧を突き抜け、霧の上に全身を見せる。
最初に目に入ったのは、月。
ただの月ではない。
幻想卿を埋め尽くした霧よりも禍々しい、あるいは神々しくも見える・・・。
それは、深い紅を見に纏う月。
今まで見たどの月よりも美しく、どの月よりも優雅であり、どの月よりも狂気に満ちていた。
そこに影が映った。
誠「・・・いた」
大きさは人間の子供程度、背中には小さな羽があり、その姿は人間のものではない。
紅魔館の主であり、吸血鬼であるレミリア・スカーレット。
紅魔館で遊んだ時の容姿相応の可愛さは無く、その眼は獲物を狙う狼の様に鋭く輝いている。
そしてレミリアの視線の先に、人影が現れた。
赤と白で構成され、一目見ただけで印象に残るその服を身に纏っている。
博麗の巫女、博麗 霊夢だ。
誠「まだ始まっていなかったようだな」
霊夢はレミリアの姿を認識すると、口元を吊り上げた。
レ「来たわね」
レミリアが呟く。
博「あんたがお嬢様ね?」
ふぅ、と小さく溜め息をつくレミリア。
レ「やっぱり、人間って使えないわね」
博「あぁ、あの時間稼ぎ?」
レ「それと、メイド長も」
博「あの二人は人間だったのか・・・」
レ「あなた、殺人犯ね」
博「実質倒したのは一人。
一人までなら大量殺人犯じゃないから大丈夫よ」
レ「・・・で?」
レミリアの後ろで輝く月のような深紅の瞳が霊夢を睨む。
博「そうそう、迷惑なの。あんたが」
普通の人間なら竦み上がる程の威圧感を纏う瞳に睨まれても、霊夢は特に怯える様子もない。
レ「短絡ね。しかも意味が分からない」
レミリアは肩を竦め、呆れた顔をした。
博「とにかく、ここから出ていってくれる?」
霊夢はレミリアを睨むが、レミリアも怯える事なく口を開く。
レ「ここは、私の城よ?」
小さな指で霊夢を指差した。
レ「出ていくのは貴女だわ」
博「この世から出てってほしいのよ」
胸の前で腕を組んだ霊夢は強い口調で言い放つ。
お互い静かに睨み合い、緊迫した空気のまま時間が流れる。
レ「・・・しょうがないわね」
静寂は唐突に破られた。
レミリアが弾幕を生成し、霊夢へと向ける。
レ「今、お腹いっぱいだけど・・・」
弾幕は霊夢へと放たれた。
だが霊夢は弾幕をするりとかわし、自分も弾幕を構えた。
博「護衛にあのメイドを雇っていたんでしょ?」
レミリアへと弾幕を連続で放つ。
次々に飛ぶ弾幕を前に、レミリアは冷静に弾幕を避ける。
博「そんな箱入りお嬢様なんて一撃よ!」
薄い正方形の形をした大きな弾幕をレミリアへと放つ。
レミリアはそれをすれ違うように回避、だがそれはレミリアの背後で旋回し、レミリアへと襲いかかった。
レ「・・・咲夜は優秀な掃除係」
そう呟いたレミリアは、まるで背後に目があるかのように弾幕を回避し、自分の弾幕を衝突させて撃墜した。
レ「おかげで首一つ落ちていないわ」
口元を小さく吊り上げると、また弾幕を放つ。
博「・・・あなたは強いの?」
そう言うと霊夢はその弾幕をいとも簡単に回避する。
レ「さあね。あんまり外に出して貰えないの」
少し目を閉じ、レミリアは深紅に輝く月を見た。
レ「私が日光に弱いから」
博「・・・なかなか出来るわね」
霊夢は弾幕を先程よりも多く生成し、レミリアを睨んだ。
月を見ていたレミリアは、まるで食べ物を見るように霊夢を見る。
レ「こんなにも月が紅いから
本気で殺すわよ」
霊夢の手から弾幕が放たれる、レミリアは最小限の動きで全ての弾幕をかわす。
月を背にしたレミリアの目が、輝きを増した。
その姿は全ての生き物の上に君臨する帝王のように神々しく、全てを喰らい尽くす強大な化け物を連想させる。
博「こんなに月が紅いのに」
気だるそうに言うと弾幕を生成し、構える。
レ「楽しい夜になりそうね」
博「永い夜になりそうね」
二人が同時に言い放つと、空気が一変した。
静かに漂う紅い霧が、風に流され空を漂う雲が、深紅の輝きで幻想卿を魅せる月が、まるで圧倒的な恐怖に飲み込まれるように空気を変える。
気が付くと、自分の足が震えていた。
この戦いを観戦出来る喜びと、ここ一帯の空気から感じ取れる恐怖によって足が竦んで動かない。
視線は二人の戦いに釘付けにされ、口内は唾液をも出さず、耳は何一つ聞き逃すまいとしていた。
例えるならば、壮大な化け物同士の対決を観る蟻のような気持ちだ。
次元が違う。
飛び交う弾幕を観ながら、脳がそう確信した。
博「まだまだっ!」
レ「それはどうかしらっ!!」
弾と弾のほんの僅かな、か細い隙間を潜るようにしながらも攻撃の手は止めない。
二人の戦いは、戦争のように血に塗れた戦いでもなく、スポーツのように汗を出しながら楽しむものでもない。
言うならば芸術だ。
夏祭りの時に空を彩る花火のように、観る物を魅了する不思議な魅力がある。
博「そこよ!!」
弾幕の間を滑らせるように死角から五発の弾幕を放つ、レミリアは放たれた弾幕が見えていないにも関わらず、それら全てを撃墜、回避した。
レ「甘いわ!!」
今度はこちらの番、とばかりに死角を突いた弾幕を霊夢の数倍放ったレミリア。
霊夢はそれら全てを回避し、薄い正方形の大きな弾幕を放った。
博「やるわね、でもこれならどう!!」
少し前に撃墜されたように単発でではない、連続でそれらを一瞬で生成し放ったのだ。
だがレミリアはそれをも予想していたかのように全てを撃墜して見せた。
花火が消え去る様に空は静寂を取り戻し、深紅の月は自分の役割を思い出したかのように二人を照らす。
博「・・・・・・」
レ「・・・・・・」
互いに睨み合う二人。
レ「・・・そろそろいいかしら」
博「ええ、準備体操は終わりよ」
二人は睨みあいながらも不敵に笑う、それと同時に二人は懐からスペルカードを取り出した。
スペルカードを掲げ、宣言する。
レ「神罰『幼きデーモンロード』」
博「夢境『二重大結界』」
先に発動したのはレミリアだった。
自分を中心にレーザー型の弾幕を結界のように放射し続け、霊夢を捕える。
霊夢は逃げ道を封じられたかに見えた。
だがそれは違う、レミリアも同じく霊夢に捕えられたのだ。
俺との弾幕戦の時に使った二重結界を上回る大きさの結界を放った霊夢は、そこに弾幕を拡散して放ち続けている。
レミリアは膨大な数の弾幕を回避しながらも、霊夢に弾幕を放ち続ける。
それを回避しながら霊夢は弾幕を放つ。
二人は平行線のまま撃ち続け、やがて時間切れとなった。
スペルカードの効果が消え、自由になったと同時に二人は牽制の弾幕を放つ。
そしてまた同時にスペルカードを宣言した。
レ「獄符『千本の針の山』」
博「散霊『夢想封印 寂』」
今度は完全に同時に発動した、レミリアは一直線や、交差状に飛ぶ弾幕を同時に放ち、相手を撹乱するスペルカード。
霊夢は自分を中心に、まるで花火のように三種類の弾幕を拡散させるスペルカードだ。
弾幕自体結構なスピードを持つため、回避は困難の筈だ。
だが二人は人目見ただけで弾道を完全に見切り、弾幕を放っている。
凄いを超えて恐ろしいとまで感じる。
もし俺がこの戦いに乱入しても勝つ事は難しい、いや無理だろう。
経験から才能まで全てが違い過ぎる。
能力はチートも良い所だが、扱えなければ宝の持ち腐れだ。
だが人は成長する、観るだけでもほんの少し成長するのだ。
この戦いを今後の参考にしなくては・・・。
博「くっ!」
同時にスペルが時間切れとなった。
レミリア、霊夢、共に無傷であり、勝負は未だ平行線をなぞるばかりだ。
レ「博麗の巫女はこれが本気かしら?」
レミリアが挑発をした。
博「そうかもしれないし、違うかもしれないわね」
余裕の態度を見せる霊夢、霊夢相手に挑発は無意味だ。
レ「それじゃあ続けましょう」
また二人同時にスペルカードを取りだした。
レ「神術『吸血鬼幻想』」
博「神技『八方龍殺陣』」
またもや完全に同時、レミリアは弾幕で相手を囲い、動きに制限を掛けながら徐々に潰すスペルカード。
対して霊夢も同じく弾幕で相手を囲み、制限を掛けながら潰すスペルカードのようだ。
完全に互角、レミリアの制限型スペルを読んでいたかのように霊夢も制限型のスペルを使い、互角の勝負を繰り広げる。
思うように動けないレミリアは、さらに制限を掛けるように行動制限を掛ける弾幕を増やしていく。
霊夢もまけじとレミリアの行動を制限するように弾幕を放っていく。
・・・また時間切れとなった。
完全に平行線だ、埒が明かない。
スペルカードルールによってレミリアの援護は出来ない、このままでは引き分けとなる。
レ「やるわね、ここまで互角に戦えたのは貴女が始めてよ」
弾幕を止めてレミリアが口を開いた。
博「・・・井の中の蛙ってわけじゃないわね」
そう言ってレミリアを睨んだ霊夢は弾幕生成する。
レ「さあ、夜明けまで時間はたっぷりあるわ。
存分に楽しみましょう?」
言い終わる前に霊夢は弾幕を放つが、ひらりと避けられてしまった。
博「永い夜は嫌いよ、お賽銭が入らないじゃない」
霊夢は強い口調で断言する。
レ「そう、なら速く終わらせてみなさい」
博「言われなくても」
またしてもスペルカードを二人同時に宣言した。
レ「紅符『スカーレットマイスタ』」
博「回霊『夢想封印 侘』」
ほぼ同時に宣言されたが、霊夢の方が一瞬速い。
霊夢のスペカが発動され、自分を中心に波紋が広がるように中弾幕を飛ばす。
そしてその弾幕の間を潰していくように弾幕を相手へと飛ばすスペルカード。
一瞬遅れてレミリアもスペカを発動した。
規則性のある大弾幕を霊夢に向けて飛ばす、その後ろから小の弾幕が追従し、ばら撒かれた。
レミリアはそのまま体を回転させ、大、小の弾幕を自分の周りにばら撒く。
霊夢は不規則に飛んでくる弾幕を避けながらも、自分のスペカによってレミリアの動きを制限させている。
霊夢のこのスペカは全体的に弾速が遅い、レミリアはバラバラに飛ばすだけなのでスピードを乗せられるが、霊夢は精密に弾幕を飛ばしているため、どうしても弾幕が少し遅くなってしまう。
だが、一瞬とは言えレミリアより速くスペカが発動した事が功を奏した。
これによってレミリアの動きを制限出来なければ、霊夢は弾幕を飛ばすなど出来ない状態になっただろう。
またも互角、いやレミリアが優勢だろう、今のスペカを霊夢と同時に発動するだけで目に見えて優勢になれたのだから。
時間切れ、これで両者4枚のスペカを使ってしまった。
しかも完全に互角、これで次のスペルで勝負が決まらない場合、引き分けとなるだろう。
レ「・・・次が最後のスペルカードになるわね」
博「上等よ、永い夜に夜明けが来るわね」
レ「そうね、永い夜から永遠の夜になるわ」
ニヤリと笑った、二人共だ。
一人はまるで戦いを楽しむように、一人は勝利を確信したかのように。
レ「紅色の幻想卿!!」
博「大結界『博麗弾幕結界』!!」
宣言は同時、発動も完全に同時だった、1秒の、0.1秒の、0.01秒の狂いもない。
霊夢のスペルによって大きな立方体の結界が霊夢とレミリアを覆った、その中にまた立方体の結界が表れ、霊夢を覆う。
二重結界の強化がまだあったのか?
対するレミリアは先程のスペカを強化したかのような弾幕を放つ。
その弾幕は、まるで「支配」をそのままスペルカードにしたようだった。
放たれた弾幕は放物線を描くように飛び、小さな弾幕が規則正しく並べられていく。
鎖のように、檻の中の獣を更に追い込むように、弾幕はじわりと霊夢に襲いかかる。
霊夢は結界に小さな弾幕を直線状に、それも鞭のように繋げた弾幕を自分の周りの結界へと飛ばしていく。
それは結界に当たると消えていき、レミリアの背後の結界から姿を現す。
レミリアはその弾幕を一度チラっと見たが、直ぐに弾道を読んで回避し、攻撃の手は休めない。
俺は固唾を飲んで見守った。
二人のスペルカードは最後のスペルカードに相応しい美しさを持っている。
レミリアは幻想卿を「支配」せんとする帝王のように。
霊夢はレミリアの「支配」から幻想卿を守りながらも戦う、騎士のように。
そんな姿を感じられる。
霊夢は正面だけに飛ばしていた弾幕を一度止め、両手を広げて回転するように飛ばしていく。
・・・成程、正面に弾幕を飛ばすとレミリアの丁度背後へ飛び、自分の右側へと飛ばすと、レミリアの右側から出てくるのか。
確かに弾道を読めればどうと言う事はないな。
レ「さあ、終わりよ!」
レミリアの弾幕が急激に増えていく、それを避けながらも弾幕を放つ霊夢。
霊夢を良く見ると回転しながらのため、後ろに飛ばされた弾幕は無駄になるように見える。
だがそれは弾幕戦を彩る装飾としてよく働いている、流石は博麗の巫女。
博「っ!!」
霊夢の右腕の服をレミリアの弾幕が掠める、その弾幕によって霊夢の体制が崩れた。
天と地を逆転させながらも霊夢は弾幕を放ち続ける。
レミリアの優勢に見えた、このまま押し切れば霊夢に勝てると思えた。
が、その時だった。
レ「ぐっ!!」
レミリアの背後から規則的に飛ばされていた弾幕がレミリアの肩を掠めた。
何故だ? レミリアは弾道を完全に読んでいた筈・・・。
レミリアも何が起きたのか分からず、一度背後の結界へと振り返った。
やはり規則正しく弾幕は飛ばされている。
レミリアは正面を見ると、正面から飛ばされた弾幕を読んでいたかのように回避。
そしてスペカの弾幕を増やし、短期決戦へと持ちこもうとしている様子だ。
霊夢は変わらずに弾幕を撃ち続けて・・・。
・・・!?
霊夢が弾幕を放つのを止めた?
これはどう言う事だ?諦めたのか?
レ「な!?」
レミリアも驚いている、何か仕掛けてくるのかと身構えているようだ。
レ「どう言うつもり?」
レミリアは霊夢に問う。
博「どう言うつもりか聞きたい?」
霊夢は胸の前で手を組んだ。
博「それはね」
・・・!!そうか!!
誠「お嬢様危ないッ!!」
レ「!?」
突如弾幕が結界から現れた、その数は先程の比ではない。
レミリアは咄嗟に弾幕を周囲に放った、弾幕は小さな爆弾のように衝突と破裂を繰り返し、全ての弾幕を撃墜した。
博「もう勝負がついていたからよ」
霊夢は片目を閉じてウインクをした。
ウインクした霊夢は可愛かったが言わせて貰う、悪魔か貴女は。
弾幕止めて油断した所をとか、悪魔だ。
確かに油断した方も悪いが、それでも言わせて貰いたい、悪魔か貴女は。
博「でも、時間稼ぎ君のお陰で助かったみたいね。残念。
それでどうすんのよ?続けるかしら?」
気だるそうに言う霊夢、その視線の先に立つレミリアは首を横に振った。
レ「誠のお陰で食らわなかったけど、誠がいなかったら今頃負けてたわ」
博「潔いわね、楽で助かるわ」
レ「ええ、油断した私が悪かったもの」
レミリアが天使に見えてきた。
博「そう、てっきり勝負はこれからとか言ってくるかと思ったわ」
レ「それこそ私のプライドが許さないわ」
レミリアがカッコいいんだが。
博「じゃあ私は帰るわ、後片付けよろしくね」
そう言うと霊夢は返事も聞かずに飛び去って行った。
速い、あれは速いって、電車並だって。
・・・そう言えばこの紅霧異変、レミリアが計画立てたんだっけ・・・。
これは落ち込むだろう・・・励ましておくか。
レ「さあ片付けましょうか!」
・・・ず、随分と元気ですねお嬢様。
誠「悔しくないんですか? 折角の計画がパーになったのですよ?」
レ「何言ってるのよ、計画は大成功よ」
誠「・・・・・・はい?」
敗北=大成功?え、お嬢様まさかM・・・。
レ「あ、そう言えば誠に言わなくちゃいけないわね。
実はこの計画はね、
誠「・・・えぇぇ・・・」
レ「私はこの幻想卿に来てから他の場所に挨拶したりもしてなかったのよ。
この異変は挨拶代わりよ」
誠「あ、挨拶でこんな事を?」
レ「ええ、幻想卿の主である大賢者に言ってみたらOKだったし」
誠「・・・えぇぇ」
軽いなオイ、そんなので半月も人間の里の人達は外に出れなかったのか。
・・・人間の里の皆様、御苦労お掛けしました。
レ「あわよくば太陽も隠せればよかったけど、流石に無理だったわね」
えっと、異変起きた時点で計画は大成功であり、太陽はオマケですかそうですか。
レ「これで異変解決の宴に参加できるわ、楽しみね」
咲「お嬢様」
レミリアの前に咲夜さんがいきなり現れた。
咲「夕食の準備が出来ました」
レ「分かったわ、咲夜」
咲「それでは、失礼致します」
音もなく消えた咲夜さん。そう言えば俺朝飯しか食べてないな・・・。
レ「さ、帰って食事にしましょう」
誠「今から夕食は遅過ぎではありませんか?」
レ「何言ってるのよ、吸血鬼は普通これから昼食の時間よ」
誠「・・・睡眠時間が多くていいですね」
レ「誠もなる? 吸血鬼」
誠「日光浴出来ないのは勘弁してください」
レ「あら、残念」
吸血鬼はちょっと行動に制限が多くて無理です、自由がいいです。
・・・あ、大事な質問忘れてた。
誠「ところで、お嬢様」
レ「なにかしら?」
誠「・・・わ、私の夕食はあるのでしょうか」
こ、今回の働きからして食事はあるよね!? ね!?
霊夢の時間稼ぎ、魔理沙のリタイアをさせた俺に食事はありますよね!!
レ「・・・あ~」
誠「『・・・あ~』って何ですかお嬢様! これ結構重大ですよ!?」
レ「私は無いに賭けるわ」
誠「えぇぇぇええええええ!!」
レ「咲夜は私しか呼んでなかったもの」
誠「・・・あ~」
咲夜さんは食事があるなら声掛けるからな。
あ~これは無いわ、仕方ないから作るか。
・・・あ、キッチンは咲夜さん以外入室禁止だった。
誠「帰って咲夜さんに土下座して頼むしか・・・」
レ「帰ってからのお楽しみね」
誠「・・・お説教ありますかね」
レ「お楽しみよ」
誠「・・・うぅ」
こんなにも帰るのが憂鬱なのは小学生の時に門限破った時以来だ・・・。
その後、帰ってからの事をまとめるとこんな感じだった。
誠「飯あるんですか!ダイニングに置いてあるんですか!」
誠「やったーーー!」
誠「飯ないじゃないですか!」
誠「やだーーー!」
終わりがなんとかならないのか!
すいません!「コノネタツカイタイ症候群」に駆られてしまい・・・。
次回予告
昨日の敵は今日の友、異変解決を祝い博麗神社で大宴会が開かれた。飲めや歌えやバカ騒ぎだ! なに!? 酒が足りないだって!? いや俺は未成年ですし、酒は飲みませんし。いや、ちょ! 確かに前にぶどう酒飲みましたけどあれは事故であって飲みたかったわけではな・・・って、お嬢様?その瓶はなんですか!? なんと言われても酒は飲みまイタタタタタッ! ぎ、ギブ!ギブ!関節が増えますやめてくださ・・・ぎゃあああああああああああああ!!次回「魔法少女まどかマギカの映画を前後編観れました、お財布が凍死しました」残金62円は辛い。