東方開扉録   作:メトル

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第一話 幸運

その場所には不思議な扉があった

 

不思議な扉は色々な世界に通じていた

 

だがその扉を通って帰ってきたものはいない

 

いつしかその扉は封印され、人々は扉の存在を忘れていった

 

そしてその扉は伝説となり、人々はまた夢と好奇心で扉を探し始めた

 

だが見つけられたものは一人もいない

 

そうして月日が経ち、扉は完全に人々から忘れられていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「さて、ゲームでもしましょうかね」

 

誰がいる訳でもないが少し大き目の声でそう言った少年。

それが俺、葉隠 誠(ハガクレ マコト)、自他共に認めるオタクである。

歳?体系?まあそんな事を置いておこう、うん。

小さく溜め息をし、PCを立ち上げる。

マウスを動かしてデスクトップのアイコンをダブルクリック、今クリアを目指しているシューティングゲームを起動する。

 

誠「今日こそ・・・今日こそクリアを目指すぜええええ!!

  待ってろエンディングッ!!」

 

隣に誰かいたら頭を殴られそうになる位の声で気合いを入れてゲームを始め・・・

ようとしたがポケットの中でケータイが振動を繰り返している事に気付いた。

ったく、人がやる気を出した時に誰だよ・・・

 

誠「・・・なんぞこれ?」

 

メールだ、全く知らないメールアドレスからメールが来た。

件名は何もなし、本文を除くと少ない文字の羅列とどこかのサイトへのリンクが書かれている。

・・・チェーンメールじゃなさそうだな。

 

誠「ゲームの世界に行ってみませんか?

  行きたい人はここへ飛んで抽選に応募してね☆」

 

・・・胡散臭い。

普通の人ならこんなメール直ぐ削除だろうな、でも俺は違う。

はっきり言おう、俺はこう言う系のメールを直ぐに開いてブラクラ踏んだり、非通知の電話が掛かって来ても普通に「もしもし~!」とか言っちゃうタイプだ。

すぐさまサイトへ飛び、抽選に応募するとケータイをポケットへと仕舞い、ゲームへと戻る。

 

・・・変な請求が来ませんように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日

今は夏休み真っ盛りと言う事で宿題をさっさとゴミ箱へポイしてPCの前に着く。

 

誠「きょ、今日こそ見るぜエンディング!」

 

・・・未だにクリア出来ないのである。

難しい・・・正に地獄への道だ・・・これを最高難易度でクリア出来る人達の顔でも拝めばクリア出来るようになるだろうか・・・

っと。

ケータイが鳴ったのでゲームを一時中断してケータイを手に取った。

メールか、俺のケータイにメールするとはなかなかいい度胸をしている。

メールを開くと知らぬアドレス、件名無し、本文はリンクだけと来ている。

・・・あれか?これはあれか?下手な本文で怪しませるよりリンクだけの方が好奇心で飛んでくるかもしれないという作戦か?

いいだろう!お望み通り飛んでやろうではないか!

 

誠「・・・!?」

 

飛んだ先のサイトには大きく「当選しました☆」の文字、そして下には個人情報入力してくださいと言わなくても分かる程の項目欄・・・

 

誠「・・・あ、あれか!ゲームの世界がって奴か!」

 

ちょっと停止しかけていた脳みそを回転させて記憶を辿って見たがそれ以外に心当たりがない。

ほうほう、って事は俺はゲームの世界へと行けちゃったり!?マジで!?

現実と絶望のお勉強人生、夢と希望のゲーム世界、俺は間違いなく後者を取るねッ!

飛び付くように入力を済ませて記入ミスとか色々の確認、送信。

フゥーハハハ!もしこれが詐欺でも別にいいわ面白そうだし!あ、やっぱ詐欺はキツイ!来月欲しいゲーム発売日だから金が無くなったら買えないッス!ヤバイっス!

 

頭の中で色々考えていたらケータイが大音量で鳴り響いた。

ケータイへと視線を落とすと非通知だった。

出る以外に選択肢はないので出る事にしますか。

 

誠「もっしもーしこんにちは!どなたッスか?」

 

?『え!あ、え!?こ、こちらは先程メールで抽選結果の報告をした者ですけど・・・』

 

流石に非通知からの電話だから相手も警戒して出ないか「もしもし」位で済ませると思ったのだろう、予想の上を行く慣れ慣れしい態度で相手がビビってる。

さてと、相手の声は女性っぽいな。これで詐欺っぽかったらセクハラ発言しながら切るのを待つと言う常套手段で逃げるか。

 

誠「あ~あれッスか?当選したからなんか貰えるんスか?」

 

?『ハイ!明日の朝6時にそちらのお宅へ車が行きますので、その車に乗ってください!』

 

誘拐ですね分かります。

 

誠「どんな車ですか?」

 

?『バスです、ごく普通のバスですのでそれに乗ってください!』

 

どんだけ俺を乗せたいのこの人。

 

誠「分かりました!朝6時に家の前ですね!」

 

?『ハイ!それでは明日お願いしますね!では!』ガシャン

 

・・・一応行くか、身代金とか言っても俺親が今居ないからな。

まあ殺される事はない!なんと言っても俺ってば当選しちゃった程の幸運だし!

いざとなったら友人直伝の合気道でカカッと逃げる、これで問題ない。

 

・・・って待てよ、今何時だ?

起きたのが14時、飯家事その他etcやってゲームしようとしたのが18時。

さっきの会話が終わって、今は・・・

20時・・・だと・・・!?

オイオイ、俺ってば目覚ましとか付けても早起き出来ない得意体質なんですぞ・・・

こっから風呂とかその他やって22時位に寝るとかちょとsYレにならんしょこれは・・・?

まあそんな事は・・・目覚ましを10程置けばいいだけだ。

 

・・・起きれるかなマジで・・・




どうもメトルです、にじファンから移転で来させて頂きました。
にじファンでは「扉~繋がる世界~」で連載しましたが、今回移転にあたってタイトルを変更しました。
その名も「東方開扉録(かいひろく)」!もっと簡単なタイトルを考えたのですが私のボキャブラリーではこれが限界でした。






次回予告
これは・・・夢?真っ白い世界で起き上がる誠は宙に浮く謎の幼女と遭遇する!しかもその幼女は神様!?神様のミスで転生ですね分かります!と浮かれている誠に衝撃の一言が下される!「転生?んなもの在る訳無いジャン!残念だったね!」嘘だ・・・夢だろ・・・これ・・・夢に決まっている・・・!!「ところがどっこい・・・・・・夢じゃありません・・・・・・!現実です・・・・・・!これが現実・・・!」落胆し悲しむ誠は神と人生を賭けた勝負にでる!そう、麻雀で!次回『俺の勝ち?構わない、倍プッシュだ』ざわつきは止まらない!

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