どうでもいい世界を守るためにークオリディア・コード 作:黒崎ハルナ
数年前に千葉を卒業し、内地に行った戦闘科の先輩曰く、拳の破壊力は握力で決まるらしい。
この先輩はなんともふざけた理論の持ち主で、本人が語る「握力×体重×スピード=破壊力」の方程式を初めて聞いた時はふざけているとしか思えなかったのも今では懐かしい思い出だ。しかし、一度だけだがそう言って笑う俺の目の前で〈世界〉は疎か
だが、悲しきかな俺にはその先輩のような握力はない。
なので俺はスピードで代用する。
その基本を教えてくれた人がいた。
昔、コールドスリープをする前は近くの空手道場に通っていたという歳上の知り合いがいた。不幸な事故で隻腕になってしまったその人は、内地で元気にしているだろうか。
その人に教わった正拳突きは今では俺の宝物だ。ただ、空想関節をイメージして、さらには全ての関節を稼働させることで拳速を上げるという理屈は先輩の握力理論以上におかしいと思う。
そんな偉大な二人から学んだことを混ぜて溶かして作った俺のオリジナル。
左足を地面に突き刺さすようにして軸を作り、体を大きく捻る。
必要なのは腰の回転と握力。力一杯拳を握り、ありったけの
同時に〈世界〉を発動させて時を止める。
ただのテレフォンパンチを回避不可能の必殺技に昇華させるには、俺の〈世界〉は必要不可欠だ。そして、拳が触れる瞬間に〈世界〉を解除する。
「──しっ」
インパクトの瞬間に頬骨が軋み、長身アロハの変態が軽々と宙を舞った。だけに留まらず、殴られた変態はぎゅるんぎゅるんと錐揉み回転をしながら、遥か彼方まで広がる海へと吹っ飛んでいく。重力加速に従い海面にダイブした体が、巨大な五メートル近くの水柱を作り出したのを確認した俺は高々と振り抜いた拳を天に突き上げた。
「────」
ぷかぷかとうつ伏せになって浮かぶ体はピクリとも動かず、むしろ死んだんじゃないのかと疑いたくなるような沈黙が空間に満ちる。
周りに居る人間が、吹き飛ばされた長身アロハの男と吹き飛ばした張本人たる俺を交互に見やった。その視線に気づいた俺は、満足だと言わんばかりに大きく息を吐き、
「あぁ……すっきりしたぜ」
一仕事終えたのを表現するように、額の汗を拭い爽やかな笑顔を浮かべる。直後湧き上がる歓声。
なんとも混沌とした空間で、唯一正気を保っていた霞は頭を掻いて、
「……え、なにこれ?」
と困惑したように呟いたのだった。
舞姫と明日葉が他の人の四倍くらいの働きをしたおかげで、千葉方面の作業は予定よりもかなり早い段階で終了した。
工科生から聞いた話では、全従業員が一斉に休憩に入るという制度らしく、神奈川組も時期に来るだろうとのことだ。
はたして反対方面を担当していた神奈川組は問題なく終わっただろうか。舞姫中毒患者のほたるとカナリアの翻訳がない壱弥を親友に押し付けてしまったことに心が痛む。合流したら霞にはざまぁ、と労いの言葉を贈りたい。
「どしたの?」
隣を歩く明日葉が不思議そうに首を傾げた。
珍しくその手には携帯端末が握られていないことから、彼女も多少なりし疲れたのだろう。歩く速度が気持ちゆっくりなのがいい証拠だった。
「いやぁ、神奈川組は大丈夫かなぁと」
「ああ、お兄ぃと東京の人だもんね」
「絶対に嫌な予感しかしないよなー」
「だよねー」
兄であるはずの霞に対して、明日葉はまったく容赦がない。とはいえ、それは何時ものことと言えば何時ものことである。
「しっかし、腹減ったなぁ」
「あたしは喉渇いた」
周りを見渡せば、大なり小なり自分たち同じように他の生徒が空腹を訴えていた。俺たちはまだまだ育ち盛りな十代だ。労働に見合う食事を求めてもバチは当たらないだろう。
久しぶりに清々しい気分で仕事を終えれた俺は、鼻歌混じりに海ほたる人工島の最上階デッキへと向かった。
「おー! がんばっとるな、おまえら!」
ざざーん。海ほたる人工島にそびえ立つ建物の入り口。青空と波の音をバックに立っていたのは、ブイパン擬きの海パンにアロハシャツを羽織った露出度高めな変態改め求得だった。真夏のビーチスタイルな変態が出迎える事案に、話が違うと誰もが思った。大半の男子生徒は変態に軽い殺意を抱き、大半の女子生徒は見慣れない異性の裸体に頬を赤らめる。
「うわ……」
明日葉はその場違いな姿にドン引きだった。
「あ! ぐとくさんだ!」
舞姫だけは平常運転だ。幼少の頃からこの変態と一緒だったという舞姫にとって、求得の奇行など今に始まったことではないということだろう。
「あはは……お疲れ様です」
どう対応するべきか悩んだカナリアは苦笑いだった。
見れば、求得の隣にいる愛離も苦笑いだ。求得と違って、通常と変わらない管理官用のお堅い制服姿に一部の男子が涙を流す。
──なんで……なんで水着じゃないんですか、愛離さん!
そんな心の声が聞こえた気がした。美人の水着姿は見れず、代わりにおっさんのアロハとかどんな拷問だと叫ぶ声だ。
そして、そんな惨劇を前にした俺は迷わなかった。
ほとんど無意識の行動。気がつくと俺は足に
「殺す気か!」
海面から這い上がるようにして復活した求得が叫んだ。しかし、そんな求得を弁護や保護をするような者はこの場には誰一人としていなかった。
「すみません。視覚的にも精神的にも大変不快だったので、〈アンノウン〉とうっかり間違えました」
俺はしれっと無実を主張する。周囲の人間が揃って「うんうん」と援護してくれた。
「いやいや、明らかに過剰防衛でしょ」
いつの間にやら合流していた神奈川組の霞が言う。
そうか? と言って俺は求得を指さす。
「一仕事終えた後に、あんなバカンス気分丸出しな変態見たら誰だって一発ぶん殴りたくなるだろ」
「それはまぁ、そうだけど。その一発が明らかにオーバーキルなんだよなぁ」
「細かいことは気にすんなって。ほら、霞はこれ使いな」
げんなり顔の霞に手渡したのは先ほど俺が作業中に使用していたレンチだ。
重くずっしりとしたそれを受け取った霞は、
「……これでどうしろと」
「霞は射撃専門だろ。さすがに銃で射殺はやり過ぎだからな。それで一発かましてこいよ」
な、と肩を叩いてやると、霞は「えー」と困惑する。
しかし、そんな良心を持っているのは霞くらいだろう。
「ほら、東京首席様と神奈川次席なんてコンビプレーだぜ」
「え?」
俺につられて霞は求得がいた場所を見ると、ちょうどヒメニウム不足でイライラが最高潮のほたるが愛刀の『
「一の太刀!
それは見る者を魅了するような美しい居合術。ほたるの〈世界〉である距離を殺す力を用いた一線が求得を再び宙へと飛び立たせる。先のリプレイといわんばかりに吹き飛び、海面へとダイブする求得だったが、吹き飛んだ先に壱弥が自らの重量を操る〈世界〉で作った重力球をステンバーイさせていた。
「ぐぼぉあ!」
強力なGを受けた結果、ありえない角度で海面に落下する求得。明らかに人が発してはいけない音を奏でて海面へと落ちた求得を見て、ほたると壱弥は満足そうに頷いていた。
「な」
「なに⁉︎ なんか戦闘科のデモンストレーションみたいになってるんだけど⁉︎」
再び復活した求得が両腕を大きく開き、「こい! 舞姫!」と叫ぶ。半分ヤケクソだった。
よくわからないが楽しそうだからと待機列に並んでいた舞姫が、容赦なく渾身の右ストレートを求得の腹に突き刺さし、それをモロに受けた求得は体をくの字に曲げて三度目のダイブを決める。
一応、治療役としてカナリアが歌っているのだが、それが鎮魂歌かあるいは処刑用BGMにしか聞こえない。
「っていうかさ、宇多良は治療役なんだよな? いっちゃんさんたちを強化してるわけじゃないよな?」
「そんなの他の人の〈世界〉まで止めちゃう俺に訊くなよ。なんなら、自分で確かめたらいいじゃないか」
改めて差し出したレンチを霞は受け取り、なにかを諦めた顔をしつのろのろと求得の元に歩み寄って行った。
「……みんなバカだなぁ」
唯一この寸劇に参加していない明日葉が、口にするのも面倒そうに呟いた言葉が海ほたるに木霊した。
「お疲れ様。そろそろ昼食にしましょうか」
求得へのオシオキを終えた俺たちに愛離から労いの声がかけられ、それと同時に再び体が空腹を訴える。愛離の提案に逆らう理由もない俺たち戦闘科助っ人一同は、愛離の先導のもと海ほたる内にある食堂へと向かう。
食堂に着くと、すでに各校の学生たちが着席して賑わっていた。
「いっちゃんおつかれ! そっちはどうだった?」
「訊くな、そしていっちゃんは止めろ」
黙秘権を行使して口をつむぐ壱弥とそんな調子でも楽しそうなカナリアが、先ほどオシオキ待機列に並ばなかった明日葉の座るテーブルを通りすぎていく。
俺と霞は明日葉がいるテーブルで停止。ぐったりと俯く明日葉の隙を狙って、霞と一緒に向かい席に腰を落とした。
「おつー」
「うん。お兄いちゃん頑張ったわ。ちょー頑張ったわ」
果たして神奈川組は何があったのだろうか。席に着くなり、愚痴を零しながら霞は力尽きたように突っ伏した。
「だいたい想像つくけどね〜……」
ずずず、とオレンジジュースをストローで飲みながら独り明日葉が呟く。その横を深刻なヒメニウム不足から目が座っていたほたるが競歩のような足取りで舞姫を連れて驀進していった。
なんとなく俺はその驀進を目で追いかけ、
「うきゃあ、くすぐったいよほたるちゃん」
「ああ、ヒメヒメヒメ。はあはあくんくんすんすんはあはあ……」
即座に視線を明日葉の正面に戻した。
俺は何も見ていない。明らかに通報ものなほたるの錯乱やそれをくすぐったいの一言で片付ける舞姫の姿など見ていないったら見ていない。
ぶんぶんと今見た狂宴を記憶から抹消していると、フロアの一角に大皿料理が運びこまれてきた。
食欲を誘う香りと彩りに、食堂にいる学生たちがにわかにざわめきだす。
運んできたのは白いブレザーを着た女子生徒たちだった。制服の色から、彼女たちが神奈川校所属の生徒だとわかる。
やがて一通りの料理を運び終えたあと、先のオシオキから無事にリスポーンした求得が愛離と神奈川女子生徒たちと一緒に前に立った。
「みんな忙しい中アクアラインの整備と修復よくやってくれた」
未だバカンス姿の求得の言葉に、この場にいた全員の視線が彼へと集まる。みんなの視線を一斉に受けた求得は、小さく笑みを作り、
「〈アンノウン〉との戦いは未だ続いているが三都市の防衛ラインが成り立っているのは、他でもないみんなのおかげだと俺は思っている」
求得からの飾り気の無い素直な感謝の言葉にどよめいたのは、他でもないこのフロアのほとんどを占める工科生たちだった。
〈アンノウン〉との戦いの最前線などと言われている防衛都市だが、実際に戦っているのは俺たち戦闘科だ。そのせいか、他の科の生徒はみな後ろめたさや申し訳なさから低く見られやすいし、低い身分だと思いがちである。そんな彼らがこうも正面きって褒められることは多くない。
どよめく工科生たちを前に求得の話は続く。
「今日の食事は神奈川の女の子たちが作ってくれた差し入れだ。一息入れて食ってくれ。いつも感謝してる、ありがとう」
最後は真摯な、そして優しい声で話を締めた。後ろに控えた女子生徒たちも深々と頭を下げている。
「おーっ!」
求得のサプライズに士気は大いにあがった。少しだけ求得のことを見直そうと思う。だが、その嫌がらせみたいなバカンス姿はどうにかならなかったのか。
「どうぞ」
そう言ってお手伝いの神奈川の女子生徒が俺たちのテーブルに料理を置いてくれる。
差し入れの料理はサンドイッチなどの軽食が中心だったが、手軽に食べれる料理は空腹を訴えていた育ち盛りな俺たち学生にはありがたい。
しかも、管理官と共にやってきた神奈川の女子生徒たちは、調理のみに留まらず愛離と一緒に給仕係としてフロアを巡回してくれていた。
なんであれ、女子がいるだけで不思議と華やかになるものである。わいわいがやがやと賑やかになるフロアを一望してそう思った。それこそ千葉のようにむさ苦しい、時代遅れなヤンキーだらけの都市にいる身からすれば尚更だ。
「おーい! かぐらーん!」
さぁ食べようとサンドイッチに手を伸ばそうとした時、邪魔をするかのようなタイミングで、俺を不名誉な渾名で呼ぶアホ娘の声が飛んできた。
シカトしてしまおうとも考えたが、前回はこちらが気づくまでエンドレスに呼び続けたのもあって仕方なく声の方に向く。見れば、舞姫が大きく手を振って手招きをしている。
何故に? と反応に困る俺を霞が肘でテーブルから押し出す。煩いから早く行って黙らせろ、とのことだ。
「……なんだよ?」
「かぐらんは初めましてだよね」
頼むから主語を言ってくれ。
呆れる俺の前にすすっと一人の神奈川女子が出てくる。眼鏡をかけた髪の短い女子生徒だ。知的で優しそうな空気の彼女は、どことなく愛離を彷彿とさせる。
「初めまして、
「あ、ども。日下神楽です」
ぺこりぺこりとお互いに会釈。訊けば彼女は、普段は神奈川の生徒会役員を務める傍らで都市運営などの事務方の仕事を担当しているらしい。どうりで戦場で見ないわけだ。
「大変ですね。首席と次席の護衛役を一人でされるなんて」
「まぁ、好きでやってることですから」
別に俺だって女性と縁がないわけではない。それこそ明日葉とはほぼ毎日一緒にいるし、様々な科を転々としていたのもあって異性の知り合いは多い方だ。
ただ、俺が彼女に興味を覚えたのは、自分の周りではあまり見かけないタイプの人種だからという点だった。なんとなく事務方が本業の霞と馬が合いそうな気がする。主に貧乏くじを引く人としての意味で。
「……で、わざわざ紹介させるために呼んだのか?」
「ん、そうだよ」
このやろ……。
つい舞姫を殴りたくなった。仮にやれば間違いなく返り討ちだからやらないが。
「あー、……なんか手ぇ拭くものない?」
密かに舞姫への報復を考える俺の後ろから、霞がお手拭きを求めるようなことを青生に言った。若干だが話しかけるのに躊躇していた気もする。もしかして、と考えて、直ぐに霞にはありえないかと否定。
実際、俺と同じで多少の意識はしているのだろう。とはいえそれは健全な男子としては当たり前だった。むしろまったく意識せずに済む
もっとも当人たる八重垣青生がそのことに気づくわけもない。
「あ、はいっ、お手拭きですね」
返事をした青生が同じように給仕係を務めていた愛離にお手拭きをとってもらおうと振り返った時だ。
「お母さ……あ!」
慌てて口を押さえたが少々遅い。
「あああちがいます、ちがいます! すみませんちがいます!」
思わぬ言い間違いに青生は真っ赤になって必死の言い訳。それを見た他の生徒たちはくすっと笑った。正直、俺も笑った。まさかこの大衆の前でやらかすとは。
密かに俺の中で八重垣青生という少女の評価が知的そうな女性から、うっかりなにかやらかしそうな女性にクラスチェンジした。
そして、言い間違えられた本人である愛離は、最初こそきょとんとしていたが、やがて慈愛に満ちた笑みを浮かべ、
「いいのよ、お手拭きね。ちょっと待ってね」
そう言った愛離は心なしか嬉しそうに見えた。青生はそれでも恥ずかしいのか、頬を赤らめながら愛離が用意してくれた熱いお手拭きをみんなに配り始める。
それを怪訝な顔で受け取る者がいた。
東京きっての問題児、朱雀壱弥だ。
「確か──名前はなんだ?」
「いっちゃん!」
出会い頭に強烈な言葉のブロー。その態度に隣に座るカナリアがたしなめるも、壱弥には大した効果がなかった。
「八重垣青生です。もう……このやり取り七回目くらいですよお……」
なるほど。彼女もまた壱弥の被害者だったようだ。
「悪いな、無能は覚えないんだ。また教えてくれ」
「うぅ……」
酷い。青生は半泣きで、困ったように言葉を詰まらせていた。
なにが酷いって、壱弥は彼なりにごく普通な自然の対応をしているという点だ。朱雀壱弥という人間への接し方を知らない者は、今みたいな容赦ない言葉をあびせられる。
そんな一連のやりとりを見て、今日初めて会ったばかりだが、青生を気の毒だと思ってしまう。
実際のところ、朱雀壱弥のあしらい方などそう難しいものではない。こういうのは慣れている人間に任せたほうが良かったりするものだ。
──例えば、その道のスペシャリストたる千葉次席の霞とかに。
「おいクズゴミさん、お手拭きだよ」
ノールックで霞が投げた熱々のお手拭きが青生の脇を通り抜け、壱弥の顔面にヒットする。
慌てて壱弥がお手拭きを払いのけた。
「あちっ! 何をする!」
突然熱いお手拭きを顔面に投げつけられた壱弥は、激昂して霞に食ってかかる。しかし、霞は悪びれもせす、飄々と、少々わざとらしくシナを作って先ほどの壱弥の言動を返してやった。
「あの……すみません。私、クズゴミさんの名前を忘れてしまって、興味がないのでもうクズゴミさんでいいですよね」
ぷっ、と霞の見事な切り返しに俺はつい吹き出してしまう。
「……おまえっ!」
さすがに霞の揶揄に気づいた壱弥が苛立ちを隠すことなく立ち上がる。
「いっちゃん!」
だが、それをカナリアが引き止めた。
「さっきのはいっちゃんが悪いよ! ごめんね、青ちゃん」
「わ、私は大丈夫ですから……」
苦笑交じりに胸の前で手を振る青生。そして、そそくさとその場を離れる。その間際、霞の方をちらりと見て小さな会釈をした。
それを視界に入れながら、俺はあわや乱闘にならなかったことに小さく安堵の息を吐く。ついでに霞の方を見やると、当人は「別に何もしちゃいない」みたいな態度でサンドイッチを食べていた。
「さて、と。気を取り直して、俺もいただくかな」
やっとこさ食べれたサンドイッチは、びっくりするくらい美味かった。
気がついたらギャグ回になっていた。なにを言っているのかわからないと思うが俺もなにを言っているのか――以下略。
なんもかんもギャグにすると動かしやすい求得さんが悪い。
本編裏話 愛離のオシオキ
求得「いてて……あいつら遠慮なくやりやがって」
青生「あの、大丈夫ですか?」
求得「なぁに、こんなん愛離のに比べたら可愛いもんだぜ」
青生「あはな……夕浪さんに限ってそんなこと」
求得「いやいや、ああ見えてあいつも結構……」
愛離「求得? ちょっといいかしら?」ガシッ
求得「ま、待て、待つんだ愛離! 話せばわか――」
青生「……見なかったことにしよう」
たぶん一番容赦ないのは愛離さん。