この素晴らしい世界で蒼い悪魔に力を!   作:(´・ω・`)

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第77話「この脇役達に役割を!」

「こっちは楽しく遊んでたところなの。悪魔からのオファーなんて受ける暇ないから出てって」

「開口一番に出てけとは、あの蛮族女神といい勝負であるな。男だと間違えられる運命を背負った悲しき女よ。第一、貴様は便利屋の従業員ではなかろうに、何の権限で断っておるのだ」

「ならば俺からも言っておこう。依頼を出したいなら態度を改めて出直すといい。口うるさい悪魔の討伐依頼なら歓迎だ」

「便利屋を名乗るなら自らの態度を改めるが吉であるぞ、かつてのお隣さんと負けず劣らずの借金を背負うことになった器物破損男よ」

 

 出会って数秒で喧嘩腰のバージルに対し、バニルは一貫して道化のような笑みを崩さない。隣のクリスはバニルの挑発もあってか、威嚇の声が聞こえてきそうなほど睨んでいる。

 一方、彼とは良好な交友関係を築いているタナリスが、ボードゲームの準備を止めて話しかけた。

 

「あれ? 僕、今日シフト入ってた?」

「いいや、今日貴様は休みであるゆえ、友達を作ったらやりたいことを百個以上綿密に計画していたそこのぼっち娘と仲良く遊んでいるがいい」

「バニルさん! 勝手に私のこと見通してバラさないでください! それと今は二百個に突入してます!」

「君そんなに僕と遊びたいのかい。シフトが入ってなかったらいくらでも付き合ってあげるけど」

「えっ!? ほ、ホントに!?」

 

 すんなりオーケーを出したタナリスに、ゆんゆんは声が裏返るほど喜ぶ。きっと今夜は三百個目まで計画を作り上げることであろう。

 

「そして、魔剣の勇者と呼ばれるわりには暇そうにしておるな。目の敵にしている男に勝負でも実績でも負けている、なんちゃって勇者よ」

 

 各々と会話を交えたバニルは、最後にミツルギへと振り返った。対する彼はバニルの姿を見て呆然としている。彼の横に浮いていたベルディアも同様であった。

 が、それも当然の事。サトウカズマによって討伐されたと聞いた仮面の悪魔が、アクセルの街にある魔道具店であくせく働いているなど、彼等は微塵も知らなかったのだから。

 

『な、何故貴様がここに……!? というかなんで生きているんだ!?』

「開いた口が塞がらないといった様子であるな。自身を半殺しにしたポンコツリッチーの下着をしつこく覗き、あわよくば踏んで欲しいと願っていた首なし騎士よ。おっと、今は顔だけ変態幽霊であったか」

『誰が変態だ! 俺は今も昔も濁りなき心を持つ紳士だ!』

「下着の件は否定しないんですね……」

 

 ベルディアの変態エピソードを聞き、ゆんゆんが蔑んだ目で彼を見る。傍で聞いていたミツルギも、どうしようもない奴だと顔に手を当ててため息を吐いた。

 そしてバージルは、いつまでも会話を楽しんでいるバニルに痺れを切らして自ら声をあげた。

 

「ここは遊び場でも休憩場でもない。雑談目的なら今すぐ去れ」

「知り合いと会えば、会話のひとつやふたつ弾むものであろう」

「貴様の無駄話に付き合うほど暇ではない。さっさと用件を言え」

「どう見ても暇そうに思えるが、まぁいい。既に察しているであろうが、我輩から貴様にひとつ依頼を出したくてな」

「依頼を出したいなら態度を改めろと言った筈だ。貴様の記憶力は鶏並みか?」

「話は最後まで聞くがいい。レタス並みに気の短い男よ」

 

 挑発に挑発で返され、バージルは今にも刀を抜きそうな剣幕に。非常食と評すバージルの悪感情を食したバニルは、そのまま話を続けた。

 

「これからこの街で、とあるイベントが起こる。それを円滑に進めるためには、貴様の存在が邪魔でな」

 

 強調するように、バージルを指差す。それを受けてバージルよりも先にクリスが突っかかりそうになったが、すんでのところで彼女は抑える。

 

「前にも話したが、我輩の見える未来は辿り着く可能性が極めて高い未来。力ある者が介入すれば、辿るべき道は捻じ曲げられ、別の未来へと向かってしまう」

「つまり、そのイベントにバージルは関わらないで欲しいってこと?」

「そういうことであるが、早く終わらそうと最後まで話を聞かずに要約するのは悪印象であるぞ。壁面女よ」

「もう一回アタシのこと壁呼ばわりしたら、特注ダガーで仮面をズタズタに切り刻むから」

 

 臨戦態勢でダガーに手をかけるクリス。一触即発の空気にゆんゆんとミツルギは緊張し、タナリスは面白そうに見守っている。

 そして、バニルからの依頼内容を聞いたバージルは一度目を伏せる。程なくして目を開いた彼は、再度バニルを睨みつけた。

 

「何を企んでいるのか知らんが、悪魔の手掛けた舞台に立つほど落ちぶれていない。かといって、貴様の脚本通りに事を進めるのも癪だ」

 

 俺は俺で勝手にさせてもらうと、バージルは言葉を返した。隣で聞いていたクリスは激しく同意するように頷く。

 バージルからの返答を受けたバニルは、彼の顔を見たまま固まっていたが──やがて、堪えきれないように笑い出した。

 

「く、クククッ……フハハハハハッ!」

「何が可笑しい」

「可笑しいに決まっておろう! よもや貴様がここまでの勘違い男であったとは!」

 

 バニルは腹を抱えて笑い続ける。今すぐバラバラにして可燃ゴミで捨ててやろうかと、バージルは本気で考え始める。

 収まる様子が見られないのでクリスが声を挟もうとした時、バニルがそれを遮るようにしてバージルを指差した。

 

「貴様はこの舞台(世界)の役者どころか、招かれた客ですらない」

 

 バニルの声色が低くなると共に、空気が一変した。文句を言おうとしていたクリスも思わず気圧されて口を紡ぐ。

 

「招かれざる客、と呼ぶのもおこがましい。劇場に許可なく立ち入り、勝手に舞台へあがり、さも主役のように演じ始める超絶勘違い大迷惑部外者である」

 

 バージルとクリスだけではない。その場にいたミツルギ、ベルディア、ゆんゆん、タナリスも黙ってバニルの言葉に耳を傾ける。

 

「しかもその勘違い男は無駄に力があるので、警備の者も追い出せない。結果、物語は勘違い男の好きなように展開され、客は見たかった話が見れず、本来の役者も出番を食われ、誰も得しない改悪劇の誕生である」

「じゃあ僕も部外者になるのかな?」

「然り。だが貴様は立場をわきまえて極力舞台にあがろうとしていないので、まだマシな方である」

 

 話の意図を汲み取ったタナリスが自分を差して尋ねるが、バニルは仕事仲間というのもあってか、あまり気にしていない様子。

 唯一、バージルの事情を知らないゆんゆんは困惑するばかり。一方で事情を知るミツルギは自ら前に出てきた。

 

「なら僕とサトウカズマも勝手に舞台へあがり、脚本を変えてしまった人間ということかな」

「自惚れもそこまでいくとあっぱれであるな、超絶勘違いナルシストなんちゃって勇者よ。貴様程度のひ弱な存在なら警備員一人でも十分だが、脚本変更を余儀なくされるほどの演技力もないので、あえて放っているのである」

 

 とんだ思い違いだと指摘され、ミツルギは羞恥と怒りが入り混じった表情を見せる。彼の悪感情をしっかりと堪能したのか、満足げに頷いてからバニルは言葉を続けた。

 

「むしろ貴様より、無駄に眩しい迷惑女神を連れ回す冴えない男のほうが影響力大だ。しかし奴の演技力は中々のもの。巻き込まれ体質男を軸に脚本を書き直したほうが、より愉快な劇が生まれること間違いなしである」

 

 一方でカズマのことはべた褒めするバニル。遠回しにお前はサトウカズマより劣っていると言われたように感じ、ミツルギの悪感情が更に増す。

 

「というわけで、貴様はしばらくこの街を離れて金稼ぎをするが吉である」

「報酬も提示せずに依頼とは常識知らずだな。悪魔に常識を求めるのも無理な話だが」

「世にも珍しい、爆発するポーション一年分はいかがかな? かつて大魔道士であった店主のイチオシ商品であるぞ」

「在庫処分の依頼なら他所を当たれ」

「なら報酬は外から調達してくるとしよう。安心しろ、我輩の目はポンコツ店主のように腐っておらぬ」

「それ以前に、誰が依頼を受けると言った」

 

 最近、食い下がられると自ら折れてしまうことの多いバージルだが、バニルにだけは負けてはならないと、お断りの姿勢を突き通す。

 このままではテコでも動かないと察したのか、バニルは呆れたように息を吐いてから尋ねてきた。

 

「関われば未来が変わり、汝の求める真実も得られなくなるが構わんか?」

「……何っ?」

 

 バニルの口から出た意味深な発言に、バージルは思わず反応した。ここまでの流れも見通していたかのように、バニルは仮面の下で不敵に笑う。

 

「未来を知ると、未来が変わってしまう可能性大であるため中身は言えぬ。ただひとつ話せるとすれば、今の貴様が最も欲する情報である。どうだ? 依頼を受けたくなったであろう?」

 

 購買意欲を掻き立てるセールスマンのように、大事な部分をチラつかせるバニル。

 事実バージルも、今の発言で興味を惹かれていた。相手の言い方には終始腹を立てているが。

 

「やっぱハッタリだよバージル。こんなデタラメインチキ悪魔の話なんか聞く必要ない」

 

 しかしそこでクリスが口を挟んできた。彼女はバニルのもとへ歩み寄り、彼と至近距離で睨み合う形で反論する。

 

「前に言ってたよね。力ある者の未来は見通せない、バージルの未来は見えないって。なのにどうしてそんなことがわかるのさ」

「頭を柔らかくして考えれば理解できる話であるぞ、頭でっかち思考停止盗賊よ。我輩が見通せないのは、其奴が好き勝手に動くからである。つまり、大人しくしていれば未来を見通すことも容易となる」

「そもそも、信じられると思ってるの? 人を騙して代価を支払わせる極悪非道な悪魔の言葉をさ」

「契約内容を人間側が間違って解釈している事が原因だというのに、悪魔側へ責任転移か。流石は悪魔嫌いの女神信奉者であるな。我輩は嘘を吐かぬ。事実、近所の御婦人方からは『裏表のない素敵なバニルさん』と親しまれておるからな」

「今の発言こそ真っ赤な嘘に聞こえるんだけど。バージル、さっさとこんな悪魔追い出しちゃおうよ」

 

 悪魔と女神から板挟みになってしまったバージル。その二人と、静かに聞いていた他の皆から視線が集まる中、彼はおもむろに顔を上げて返答した。

 

「いいだろう、仮面の悪魔。貴様の話に乗ってやる」

「はぁっ!?」

 

 先程とは一転、バージルは依頼を受ける意思を告げた。これにクリスは大層驚く。

 

「正しい判断であるな。食い下がられたらついつい折れてしまう男よ。我輩の指示に従えば、汝の求める答えに辿り着けるであろう」

「勘違いするな。俺が、貴様の企てるくだらん茶番劇に仕方なく付き合ってやるだけだ」

「あくまでも上から目線を突き通すか。仕事を貰える立場でありながら無駄にプライドが高い傲慢男よ」

 

 終始どちらも高圧的な態度を崩すことはなく、今も二人の間に火花が散る。しかしバージルが仕事を受ける事実に変わりはない。

 それに不満を抱いていたクリスが、彼のもとに詰め寄ってきた。

 

「こんな嘘つき悪魔の話を信じるっていうの!?」

「奴を信用しているわけではない。だが話には興味がある。それが俺の求める答えとまで断言されれば尚更な」

「やめたほうがいいよ! コイツの言ってる答えも、どうせろくでもないモノなんだから!」

「その時は、こちらの気が晴れるまで付き合ってもらうだけだ。余分な残機が無くなってスッキリするだろう」

 

 悪魔との契約には代価が必要。代価が払えなければ、相応の罰を負う。それはバニルも理解している筈。バージルの言い分を聞いて、クリスは渋々だが自ら引き下がった。

 バージルは脅しの意味も含めて忠告したが、バニルは気圧された様子を一切見せず。承諾を確認したところで、彼は依頼について詳しく話し始めた。

 

「先も話したとおり、貴様はしばらく街を離れて好きに動くがいい。三週間そこらで構わん」

「話の流れでいくと、僕も出てったほうがいいかな?」

「不安要素は取り除きたいので、貴様も離れてもらおう。あとの演者共はアドリブで構わん。街を出るもよし、残るもよし。好きに演じるがいい。ただし、部外者半魔が戻ってきたら再びこの場に集え。我輩が次の演目を発表する」

 

 タナリスの質問にバニルは答える。すると、不機嫌そうに腕を組んで聞いていたクリスが口を挟んできた。

 

「バージルのこと部外者って呼んでるのに、演目内容は教えてくれるんだね」

「誰も舞台に上がらせるとは言っておらぬぞ、揚げ足取り女神の信奉者よ。追い出してやるのも可哀想だから、舞台の後始末くらいはさせてやろうと思ったまでである。慈悲深き我輩に感謝するがよい」

「慈悲深い悪魔か。この街にいる駆け出し冒険者の方がまだ面白い冗談を聞けそうだ」

「ここは素直に礼を言っておく場面であるぞ。近所の子供達より礼儀がなってない無礼千万男よ」

 

 クリス、バージルとのいがみ合いは今も変わらず。睨みつける二人を鼻で笑った後、バニルは彼等に背を向ける。

 

「ひとまず話は以上だ。我輩はこれにて失礼する。三週間後を楽しみにしておくがよい」

 

 そう言い残し、バニルは扉へと向かう。クリスが煙たがるようにシッシと手で払う中、彼はそのままバージルの家から出ていった。

 バニルが去るのを見送った後、ここまで静かにしていたゆんゆんが困惑した表情で口を開いた。

 

「あの、何がなんだかわからなかったんですけど……」

 

 この中で唯一、バージルやミツルギの秘密(異世界出身)を知らないゆんゆん。未来を捻じ曲げる云々の話も終始ついていけなかったであろう。

 それを察した友達のタナリスは、彼女に優しく教えた。

 

「要はこの街でイベントがあるらしいから、その間僕とバージルは街を離れる。ゆんゆん達は好きに動いても大丈夫ってこと」

「イベントって、いったい何が起きるの?」

「楽しいお祭だったら僕の分まで楽しんでね。魔剣君とヘスティアも」

「ミツルギです」

『ベルディアだ。誰だヘスティアって』

 

 慣れたようにすかさず突っ込むミツルギとベルディア。彼女は二人から目を離し、クリスに向ける。

 

「クリスはどうするんだい?」

「アタシは街に残って様子を見守ります。仮面の悪魔が魔王軍を街へ呼び込むために、バージルを追い出そうとしてるのかもしれませんから」

 

 悪魔な上に嫌いなタイプというのもあって、バニルを一切信じていないクリス。一方で、彼と比較的交流のあるゆんゆんがクリスの言葉に疑問を抱いた。

 

「バニルさんって今も魔王軍幹部なんですか?」

「一回倒されて契約が切れたから、魔王軍ですらないってバイトしてた時に聞いたけど」

「だとしても、仮面の悪魔は警戒すべきです。再び魔王軍に入っている可能性も十分にあります」

「確かに僕も思いました。彼の言うイベントも、魔王軍襲来を指しているのかもしれません」

『いや、どうだろうな』

 

 クリス達の話に、これまた黙っていたベルディアが自ら入ってきた。

 

『奴は人間の悪感情を糧としている。人間は貴重な食料だ。それを自ら手放す真似をするとは思えん』

「じゃあ、魔王軍襲来の可能性は低いってことかい?」

『魔王軍が保守派と過激派で別れていた時、奴は保守派だったからな。因みに俺もだ』

 

 さり気なく魔王軍の内部事情を明かしたベルディア。彼の話す通りなら、バニルには人間を襲うメリットが無いということ。

 それを聞いてゆんゆんとミツルギが納得する一方、クリスは不服な顔を見せる。

 

「ま、なるようになるしかないね」

 

 この話を続けていても答えは出ないと感じたのか、タナリスが話を切り上げた。彼女はそう告げた後、バージルに顔を向けて声を掛けてきた。

 

「クリス達は街で待機として、僕達はどうしようか。脚本家が言うには、お金稼ぎをするが吉らしいけど」

 

 バニルにも見通されていたが、バージルは膨大な額の請求書を抱えている。支払うためには稼ぐしかない。

 しかし、依頼を受けるだけでは時間がかかる。王都に行けば割のいいクエストもありそうだが、それこそ相手の思うツボ。

 アクセルの街から拠点を変えずに金を稼ぐとなれば、方法は限られる。バージルは顔をあげて言葉を返した。

 

「ダンジョンに行く」

「お宝探しか、いいね。ちょうど新調した武器を試したかったんだ」

「えっ!? タナリスちゃんの新しい鎌、完成したの!?」

「つい先日さ。にるにるの手が加わって、画期的な機能も搭載されたよ。あの子は将来有望な魔道具職人だね」

 

 バージルの発案にタナリスは意欲的な反応を見せる。武器を預けていると聞いていたが、どうやら準備万端の様子。

 各々の行動が決まったところで会議はお開き。それで構わないかとバージルがクリスの顔を伺うと、彼女は口に手を当てて何やら考えている。

 

「どうした」

「ダンジョンでお宝探しをするんですよね」

「そう、宝石見つけて一攫千金。ついでにモンスター倒してレベルアップ。もしやクリスも行く気になったかい?」

「いえ、さっきも言いましたけど、アタシは街で待機しますので」

「そっか、盗賊の君がいればお宝探しも捗りそうだけどなぁ」

「えぇ、ですので──」

 

 クリスは組んでいた腕を解くと、バージルとタナリスに告げた。

 

「代わりに、アタシの仕事仲間を紹介します」

 

 

*********************************

 

 

 その後、クリスは「少し待ってて」と言い残してバージルの家から退出。しばらくしてから戻ってくると、彼女はバージルとタナリスを連れて場所を移動することに。

 街で待機勢だったミツルギ、ゆんゆんは同行するわけにいかず、そこで解散となった。彼等を見送った後、三人はバージルの家から出る。

 そうして連れてこられたのは、街の中心に位置する冒険者ギルド。中では冒険者が酒を飲みながら話し合い、職員が働くいつもの風景が広がっている。

 

「あっ、いたいた」

 

 施設内を見渡して目的の人物を見つけたのか、クリスは「ついてきて」と二人に伝えてから足を進めた。バージル達は素直に従って彼女の後を追う。

 ギルド併設の酒場のカウンター席。独りお酒を嗜んでいた女性のもとへクリスが近寄った。それに気付いた女性が振り返ると、面倒臭そうな声色でクリスに話しかけた。

 

「急に呼び出して何なのよ。私も暇じゃないんだけど?」

「ごめんごめん、ちょっと手を借りたくてさ」

 

 深い紫色の髪を手でなびかせる、妖艶な印象を抱く女性。美しい顔立ちに豊満な胸、白い肌、色っぽい腰つきと、女性の美を体現したかのような容姿を持っており、露出度高めな服装もあってか、鼻の下を伸ばして彼女を見る男冒険者も多い。

 そんな彼女と知り合いの様子であるクリスは、バージル等に振り返った。

 

「紹介するね。この人はアタシの仕事仲間で凄腕のトレジャーハンター、メリッサさんだよ」




このファン勢初参戦キャラはメリッサさんになりました。

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