外道に憑依した凡人   作:ひーまじん

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どうも。久しぶりの、かつ少し短めの投稿になりました。

学校も始まったので速度が落ちてすみません。特にシリアスな空気を維持していく事って難しいんですよね。こういう話を日を空けずにかける方。本当に尊敬します。本当に凄いです。

今回FGOでアヴェンジャーが復刻したので回したらヴラド三世がまさかのダブり。長い間投稿してなかったから来てくれなかったのか……と思いつつ書き上げました。これからは彼女のためにも頑張って書き上げないと……!

などと言いつつ、アンケートで新しい息抜き用の別作品のものを取っています。皆さん、よろしければご協力お願いします。


蠢く影

その空間は闇に閉ざされていた。

 

空漠なるの闇ではない。ねっとりと濃縮され、饐えるほどに糜爛した、限度を超えて黒すぎる、闇。

 

噎せ返る程に濃密な血の臭気。そこかしこから湧き上がる、弱々しい呻きや啜り泣き。そんなおぞましい気配の数々から察するに、視界を閉ざす闇の帷はむしろ慈悲深い目隠しであったのかもしれない。

 

そんな闇の中、まるで水底から見上げた満月のように、茫洋とした光を放つ手鞠大の水晶玉は、朧げな光と共に球の中に映像を浮かび上がらせる。

 

そこは無人の閑静な倉庫街。

 

つい先程まで、熾烈な戦いの繰り広げられていた戦場である。

 

その全てを見届けた二人の人物は、球の茫洋たる光を顔に浴びて、それぞれに異なる喜悦の相を浮かび上がらせていた。

 

「スッゲェ。マジにスゲェ!!」

 

切れ長の目を、童子のように無邪気な歓喜に輝かせて歓声を上げるのは、およそ天文学的な確率の稀少度によって、超常の世界に踏み込んだ快楽殺人鬼、雨生龍之介であった。

 

ただの偶然でキャスターのサーヴァントと契約を果たしてしまった事は、彼にとって突如舞い込んだ幸福であり、この聖杯戦争の地に住む者達にとっては不幸以外の何物でもない。極上のエンターテイメントと称して行われる行いはまさしく悪魔の所業であった。

 

「セイハイセンソウだったっけ?旦那も今のアレに噛むんでしょ?やっぱり旦那もアレなの?空飛んだり光ったりとか?」

 

その問いかけにキャスターは答えず、熱を帯びた眼差しで水晶球を見つめている。映し出される小さな夜景の中、そこに佇むさらに小さな人影に、まるで憑かれたかのように見入っている。

 

倉庫街の戦いを監視し始めた当初から、キャスターはこの有様だった。マスターである龍之介の興奮をよそに、ただ二人のサーヴァントに目を走らせていた。

 

セイバーとアヴェンジャー。

 

そのどちらにも視線を飛ばしながら、キャスターは澎湃と溢れる涙に異相を濡らし、それと共に頭の中を混乱させていた。

 

「……或いは、とは思っていたが……よもや聖杯が、ここまでの力を持っているとは……万能という言葉すら、おこがましい……」

 

ーーだが、それもすぐに治まる。

 

仮にキャスターに一部でも正気があれば、どちらかが別人である可能性を考慮し、そしてセイバーがそうではない事に気づいただろう。

 

しかし、今のキャスターは気付けなかった。

 

彼は狂気に彩られし悪霊。バーサーカーとはまた別の意味で正常な思考を持ち得ないサーヴァントなのだ。

 

「……旦那?」

 

何が、と問うしかない龍之介であった。

 

キャスターの喜びようは何やら並々ならぬことのようだが、彼にはその所以が全くわからない。

 

「聖杯は私を選んだのですよ!」

 

マスターの当惑など眼中にもないまま、己の歓喜を共有せんとばかりに、キャスターは龍之介の手をブンブンと振り回す。

 

「ただの一度も戦うまでもなく、我々は勝利を遂げたのです。まちがいない。既に聖杯は我らが手中にある!」

 

「いやオレ……そのセーハイってやつ、まだ見たことも触ったこともないんスけども?」

 

「そんな事は問題ではない!見たまえ!彼女こそが答えだ!」

 

キャスターが目を剥いて断言するのに対し、龍之介はまじまじと水晶球に映る少女を観察する。

 

「……あのさ、旦那。一つ聞いていい?」

 

「よろしい。彼女の事なら、なんでも答えて差し上げましょう」

 

「旦那の言う彼女って………どっち?」

 

眉を顰めて、龍之介はセイバーとアヴェンジャーの両方を交互に見た。

 

片や華奢な体軀を包み込む白銀の甲冑を着た少年にも見える美少女のサーヴァント。さらにもう片方は明らかに女性ではあるが、漆黒の甲冑とマントを羽織った美少女。どちらも一目で別人である事は龍之介にもわかる。

 

だからこそ、キャスターはどちらかの人物の事を話しているのだと、そう思っていた龍之介だったが、キャスターはそれを否定した。

 

「何を奇妙な事を。彼女こそが、否!彼女達こそが!我が光!我が導き!彼女が私に命を与えた!我が人生に意味をもたらした!」

 

キャスターは溢れ出る激情を吐き出すかのように、感涙に咽びながら、両手で頭を掻き毟る。

 

「かつて神にすら見捨てられ、屈辱のうちに滅んでいった彼女がーー、今、ついに復活を遂げた!これが!これほどの奇跡が!我が願望の成就で無くしてなんだというのか!?」

 

龍之介は依然全く事情が飲み込めなかったが、ともかく敬愛する『青髭』が今限りなくハイになっているということだけは理解できた。そして、まださほど長くもない付き合いの中で知ったことだが、『青髭』がこんな風にカッ飛んでいるテンションの時には、しばしば龍之介でさえ仰天させ感嘆させるほどの素敵な趣向を提示することがある。全く新しい犯し方、嬲り方、そしてとどめの殺し方……龍之介が師と仰ぐこの怪人物は、まさに嗜虐の芸術家であった。

 

そんな次第で、青髭ことキャスターが喜んでいるこの状況は、どういう事情であれ、龍之介にとっても期待のできる喜ばしい状況であることに間違いない。

 

例え、キャスターの言葉が矛盾に塗れていたとしても、それらは些末な事でしかないのだ。

 

「なんだかオレも楽しみになってきたよ。青髭の旦那」

 

「そうだろう!そうだろうとも!」

 

髪を振り乱して泣き笑いながら、キャスターは両手で水晶球を掴み抱えると、その冷たい表面に額を押し当てて、球の中に浮かぶ少女達の面影にむしゃぶりつかんばかりの執念を込めて熱い視線を注ぎ込んだ。

 

「嗚呼、『乙女』よ、我が聖処女よ……すぐにもお迎えに馳せ参じまするぞ。どうか、しばしお待ちを……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはははは!裏で一体何してるかと思ったら、そのザマってわけ?おっかしぃー!」

 

机をバンバン叩きながら、アヴェンジャーは涙目で大笑いしていた。

 

倉庫街の一戦から帰還した綺礼は手際良く傷の治療を行っていた。

 

このような時に魔術の便利さを感じさせられながらも、目の前で相も変わらず今の自分を笑っているアヴェンジャーに辟易していた。

 

「……あまり笑ってくれるな。こう見えても、かなり傷ついている。それにこれも計算に入っている。名誉の負傷というやつだ」

 

「物は言いようね。後ね、いい事教えてあげるわ。負傷に名誉も何もないわよ。第一、誰も倒してないでしょ、アンタ」

 

ぐうの音も出なかった。

 

実際、綺礼は切嗣を殺せなかったし、結果として奪った武器も切嗣には大した被害ではないだろう。最低でも令呪か、或いはコンテンダーを奪っておかなければならなかった。

 

切嗣は用心深い。同じ二の轍を踏む事はないし、次はどの場でも綺礼に警戒を置いて当たるだろう。今回のように不意を突くなんて事はできない事を、綺礼も理解している。

 

まして、綺礼としては二度と切嗣と闘いたくはなかった。今回は左腕の負傷程度で済んだが、次は命を落としかねない。それどころか、この家もバレれば爆破解体待った無し。日頃から狙撃の警戒など、今回倒せなかったのは痛手どころの騒ぎではない。

 

(最悪、令呪を魔力源にした闘い方にする他ないか。使えて二画までだが、二画で衛宮切嗣に勝てるのならまだ安いものだ)

 

原作のように璃正神父から令呪を委ねられるようなことは、このまま行けばまず無いだろう。今回の襲撃で、流れは確実に変わっている。アヴェンジャーの召喚から衛宮切嗣との対決まで、重要なイベントは全て変化している。同じように原作を踏襲していくことはまずあり得ないだろう。

 

故にここから先は予測不可能。可能な相手といえば、せいぜいはキャスター陣営ぐらいだろうが、あちらに関して言えば、さしたる害はない。セイバーが負傷していない現状、超弩級の化け物を呼び出されたところで、宝具によって蒸発させられるのがオチだ。

 

「これで当分は行動不能ってところかしら?無様なものですね」

 

「ああ。だが、そちらの方が好都合だ。私は無闇矢鱈と死地に赴く趣味はないのでな」

 

そも、マトモに話を聞いていれば、こうして聖杯戦争に参加する事もなかったわけなのだから、綺礼としては闘わずに他のマスターが脱落していく事は寧ろ大歓迎である。特にライダーとバーサーカーに関しては早々に脱落してほしいというのが本音である。

 

ライダーは宝具の相性が悪く、バーサーカーは技量差が圧倒的。ひょっとすると、これらを覆すだけのことをアヴェンジャーがするかもしれないが、希望的観測で敵に挑むのは愚かな事だ。

 

特にバーサーカーは本格的に挑む必要はない。あれは放っておいても自滅するし、いざとなればマスターである間桐雁夜さえ殺してしまえば数分の現界すらままならない。障害というにはさしたるものではないだろう。だから、目下一番の問題はライダーに絞られる。マスターを殺す事も叶わず、サーヴァントでの闘いは分が悪い。

 

勝つ気が毛頭ないだけに、負ける相手としてはライダーは申し分ない相手ではあることに間違いはないのだが。

 

どちらにせよ、腕が回復するまでは外に出歩く事はしない。聖杯戦争が始まるまでに家に買いだめはしているし、家に篭っていれば、十中八九見つからないだろう。それこそ、アヴェンジャーが何かしでかさない限り、完治するまでの間は拠点がばれる事はないはずだ。

 

その時、座っていたアヴェンジャーが何かに気づいたように立ち上がり、綺礼もまたそちらに目を向ける。

 

黄金の粒子がふわりとその場に現れたかと思えば、それは形を成し、悠然とした佇まいでそこにいた。

 

「ほう。そこな贋作めを召喚したものに興味が湧いて足を運んでみれば……随分愉快ではないか」

 

「……何用か。アーチャー……いや、英雄王ギルガメッシュ」

 

「何、ただの暇潰しだ。時臣めと同盟を結んでいるのは貴様だろう?贋作のマスター」

 

「ああ。彼女のマスターであり、時臣師の同盟相手は私だ」

 

アーチャーとアヴェンジャーとの間に入るように立つ綺礼は、何故ここにアーチャーが来たのか、そもそも来る事が出来たのかという事に思考を走らせていた。

 

誰にもばれないようにあえて結界などの魔術の類は避け、使い魔さえも外出の時のみしか放っておらず、帰還もまた同義だ。強いて言うならアヴェンジャーの気配ぐらいのものだが、それに関しても戦闘状態でもないアヴェンジャーから発せられる気は微々たるもの。他の陣営に比べれば魔術の類を使用していない事もあり、近くを通らなければわからないレベルだろう。

 

だが、アーチャーは『暇潰し』と称した。

 

ならば、ここに来たのは偶然ではなく、必然という事になる。

 

一体どこで……そう考えている綺礼をよそにアーチャーは口を開く。

 

「そこな贋作は存在自体が見るに耐えん。だが、存在する理由には我も興味がある。ましてそれを呼び寄せたお前自身にもな」

 

「別に。大した事をしたつもりはない。彼女を呼び寄せたのはただの偶然(・・・・・)だ」

 

興味を持つような言われはない、と切り捨てる綺礼。

 

確かに彼女の存在理由には自らも興味を抱いていないのかと問われれば、否である。何故彼女が自らの召喚に応じ、こうしてサーヴァントになるに至ったのか、気になるのも本音だ。

 

だが、考えるような事でもないだろう。どんなサーヴァントを呼び寄せたとしても、結果は『如何に上手く負けるか』の一つに尽きる。ならば、この際どんなサーヴァントが出てこようとも、そのサーヴァントにさしたる興味はない。もちろん、それを呼び出すに至った自分自身にもだ。

 

「……何?」

 

しかし、その発言にアーチャーは眉根を寄せた。

 

失言だったかと綺礼は生唾を飲んだ。

 

このサーヴァントは不敬を働くのであれば、同盟相手だろうがマスターだろうが等しく裁く相手だ。その為に時臣は常にアーチャーのご機嫌とりをしているわけだが、その実アーチャーは酷く退屈をしている。何をするにもイエスマン。立てる作戦も何の面白みもない上に、その本人も拍子抜けするほどにくだらない人間だ。それ故にアーチャーは単独行動の高さを活かしてそこらかしこを歩き回っている。綺礼の拠点を見つけたのも、ただの偶然だ。

 

そして、ただの偶然で……見つけてしまった。

 

此度の現界において、アーチャーに興味を抱かせるだけの理由を持つサーヴァントの存在と、そのマスターを。

 

「く、はははははは!」

 

アーチャーは哄笑する。

 

綺礼が自分に嘘を述べているわけではないと気づき、アーチャーは笑わずにはいられなかった。

 

この男は気づいていないのだと。何故贋作の英霊を呼び寄せる事ができたのかという事を。

 

対して、いきなり笑い始めたアーチャーに綺礼もアヴェンジャーもちょっとだけ引いている。こちらからしてみれば、訳も分からずに相手がいきなり爆笑し始めたわけなのだから、それも当然の反応だ。

 

「ーー良い。そこな贋作は存在する事が罪だが、お前自身が『呼び寄せた』のなら話は別だ。今の我は気分が良い。誰の赦しもなく我を見る事も特に赦そう」

 

「感謝する、英雄王。だが、ここに来るのはやめてもらいたい。他のマスターに見られたら、事だ」

 

「そのような事は我には関係ない……と言いたいところだがな。お前に脱落されるのも今は困る。また機を見て来る。その時は盛大にもてなす事を許可するぞ、贋作のマスター」

 

そう言い残して、アーチャーは姿を消す。

 

現れるのも消えるのも勝手なサーヴァントだ、と綺礼は思うが、よく考えれば、その勝手なサーヴァントは何もアーチャーだけの話ではないと思い、溜息を吐いた。

 

「……なんですか、その溜息は?酷く不愉快なのですが」

 

「いいや。アレに限った話ではなく、サーヴァントが現世の人間とズレているというのは誰でも同じなのかと納得しただけだ」

 

本音を言ったらアヴェンジャーがキレるのは目に見えている。綺礼は言葉を濁しつつ、立ち上がる。

 

「外には行かないのではないのですか?」

 

「外出はしないが、その間やる事はいくらでもある。特に、私の左腕をこんな風にしてくれた輩を次こそは倒さねばなるまい」

 

「いや、アンタのそれは自分のミスでしょ。それっぽく言ってるけど」

 

「………まぁ、物の見方によってはそうかもしれんな」

 

バッサリと斬り捨てられた綺礼はまたも、心に浅からぬ傷を負って、とぼとぼと自室に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「輝く貌のディルムッドに征服王イスカンダル、か。初戦にしては上出来と言えなくはないが、それにしては令呪一画の消費は大きすぎるな」

 

時臣は工房の中で、令呪の宿る手をまじまじと眺めながら呟く。

 

三画あった聖痕はその一画を失い、二画だけになっている。それはアーチャーとバーサーカーの戦闘で、アーチャーが更に宝具を展開し、真名を露呈させるきっかけを作らないためだ。いかに複数の宝具を所持する英霊がいるとはいえ、あれだけの宝具群を展開していれば、その正体はあっさりとばれてしまう。

 

それ故の配慮だったが、はたしてそれが正しい選択だったのか。微妙なところである。

 

かの英雄王が、アーチャーのクラスでさえなければ。或いは使役のしようもあっただろう。高すぎる単独行動スキルを持つがゆえに、経路(パス)を一方的に切って動き回る彼を止められるのは令呪のみ。しかし、時臣の目的のためにも、契約を解かれないようにするためにも、令呪は使えても後一画のみ。つまるところ、残り一画の令呪でこの聖杯戦争を乗り越えなければならないのだ。

 

ここに来て、幸いなのは綺礼がアサシンではなく、アヴェンジャーを召喚した事だが、あくまでもそれは真っ当な勝負を挑めるだけの話。武芸においてはランサーやバーサーカーなどに一歩遅れをとると、綺礼からも伝えられていた。

 

しかし、そのアヴェンジャーが今も敗退していない。それどころか大した手傷も負わされていない辺り、彼女にはその武芸の差を埋める何かがあるのだとわかる。彼女もまた、並のサーヴァントとは一線を介した英霊なのだ。

 

綺礼が負傷した事で、こちらの陣営に暫く表立った動きを出来るものはいないに等しくなってはしまったが、戦場の火蓋は切られた。少し前までのようにこそこそと探り合いをする事はなく、これからは切った張ったの勝負が繰り広げられる事になる。それを監視していけば、他のサーヴァントの真名や宝具も明らかになり、一層時臣にとっては有利な状況になる。

 

問題は英雄王。アーチャーが自由奔放に動き回っている事ぐらいだが、アーチャーも臣下としての礼を尽くし、また臣下の提言という形であるのなら、ある程度はこちらの意思を汲み取ってはくれる。もっとも、それがアーチャーにとってより一層退屈を極める事になるのだが、思考が全くの対極の位置にある時臣は知る由もない。それどころか、英雄王ほどの者が、無聊の慰みとして、この俗世を闊歩している事の方が理解出来ないほどだ。一体何が、これ程の存在に興味を抱かせるのか。その点については興味がないわけではないが、それが所謂『ただの暇つぶし』ともなれば、また話も違ってくるだろう。

 

後は、未だ姿を見せないキャスターだが……こちらはそれこそさしたる問題ではない。どのような英霊が呼び出されようとも、アーチャーより優る者はいない。一人の魔術師として神代の魔術師に畏敬の念こそ抱けど、相手にするにどうという事はない。何処に拠点を構えようと、アーチャーの圧倒的武力を前には塵芥も同然なのだから。

 

令呪を一画失ったものの、今もまだ自らの勝利は揺るがない。

 

此度こそ、万能の願望機である聖杯は我が手にーー。

 

彼もまた、意識は違えど、キャスター同様に、聖杯戦争の勝利を信じてやまなかった。

 

……どのような結末が待っているかも知らずに。


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