デート・ア・ライブ 〜 零乃スペルカード 〜【リメイク中】   作:蹴翠 雛兎

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今回、紫の視点です。
後、今までの少しだけ描き直しました。
それでは、どうぞ。


間話 八雲立つ紫色の思い

––––結界が壊れた時、私は何事かと思った。

––––なんせ、あの子がここ(幻想郷)を旅立つとき、何かあった時のために、全力で能力を使って博麗大結界をあらゆる意味で思いっきり強固なものにしたはずなのだから。

––––普通ではありえない、由々しきことだった。

––––だから、私は、昼寝をしていた霊夢を起こし、私は外側の結界の修復に向かったのだ。

 

(誰が何のために・・・!)

 

––––最初は、結界が壊されたということに戸惑いと憤りを感じていた。

––––が、結界の状態やその周りを見た瞬間、思わず一瞬、きょとんとしてしまい、すぐさま、自分が可笑しくなってしまった。

 

(ふふっ・・・!結界を凍らして壊すなんてね!しかも、ご丁寧に結界以外にも能力を使って、自分だってことを現して、その上、置き手紙を書いて、『壊してごめん』って・・・!ミデン、貴女らしいわね・・・!)

 

––––私は、すぐさま結界を直すと、我が友がいるであろう所へ向かった。

 

ーーーーーーー

 

「––––さてと、まずはね」

 

ミデンに会ってから現在、私は、妖怪の山のふもとまで来ている。

それは、ささやかで、しかしながら、少し豪華な、特別な宴会をするため。

 

(はぁ・・・私達の宴会する為の決め事でここから天狗の村まで、空を飛ばずに歩かなきゃいけない訳だけど、大妖怪とはいえ、私、それまでスタミナ持つかしら・・・?)

 

そんなことを考えながら、私は地面に降り立つ。

それと同時に後ろから、明るい少女の声が聞こえた。

 

「あっ!紫さん!お久しぶりですね!」

「あら、守谷の所の・・・。久しぶりね」

 

––––東風谷 早苗。

それが彼女の名前である。

 

「はい!お久しぶりです!それで、本日は私達に何か・・・?」

「ふふっ・・・今回は貴女達に要がある訳じゃないのよ」

「えっ?じゃあ、誰に・・・?」

「天狗の長の天魔よ。ちょっと、宴会をする場所を借りに行こうと思ってね」

「えっ!?宴会をするんですか!?」

「えぇ。とは言っても、貴女達は参加させないけどね」

「えぇ・・・そんなぁ・・・」

「ごめんなさいね。今回は特別で、昔の友達が帰って来た、いわば同窓会みたいなものなのよ」

「そうですか…それなら仕方がありませんね!」

「ごめんなさいね。では…」

 

私はそう言って、早苗と別れ、天狗の里までの道を歩いて行く。

 

––––ねぇ、幽香、幽々子!一緒に天狗の里まで徒歩で競争しよ!

––––そうね。それじゃ、させてもらうわ。

––––私は、いいかなぁ。

––––それじゃ、紫は!?

––––えぇ?私、いやよ?

––––えぇ…。

––––あ〜あ、紫、ミデンを落ち込ませたわね。

––––だって、私––––。

––––それとも何かしら?妖怪の賢者さま、勝負に負けるからしたくないと…?

––––むっ!幽香、貴女…!そう…そこまで言うなら、やってやりましょう!

––––えっ!紫、やってくれるの!?

––––少し、カチーンと来たからね。

––––フォッフォッフォッ。何やら、面白そうなことをしておりますなぁ––––。

 

これが全ての始まりだったっけ。

この後、私はぶっちぎりの一位だったわねぇ。

 

そんなことを思いながら、私は険しい道を登って行った––––。


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