デート・ア・ライブ 〜 零乃スペルカード 〜【リメイク中】 作:蹴翠 雛兎
と、思って、書いたんだけれど…。
まさか、話があまりに長くなってしまい、前、中、後と別れるとは…。
とりあえず、書き終えてる中編まで同時に投稿しよう…。
投稿遅くなりました。
では、第十一話 異変の始まり《起》どうぞ!
––––????side––––––––––––
––––《儚》という字はよくできている。
––––《人》の《夢》と書いて《儚》い。
––––あぁそうだ、《あたし》も昔、人だった時に、色んな夢を見たことがあったさ。
––––けれども、それらは全て、淡く儚く散ってしまう。
––––妖精になった今でもだ。
––––今では、《私》がそれを隠すためにわざと笑っているけど、果たして、あいつがそれをいつまで、隠せるのかねぇ…。
––––まっ、あいつがつらくてしょうがなくなったら、あたしの出番さ。
––––あいつの痛み、苦しみ、嘆き。痛みと負の感情、全部引き受けて表に出てやるさ。
––––それまで今は、この刃を研ぎ澄ましておこう。そう、全てを破壊するこの刃を––––––––。
––––ミデンside––––––––
「·····へっくしゅ……」
「おや、ミデン、あんたがくしゃみなんて珍しいね。大丈夫かい?」
「うん···大丈夫だよ····」
なんだろうか?今、寒気がした…。
まぁ、気のせいだろうけど…。
––––今現在、私は宴会が始まってから五日五晩で飲み続け、その結果、酔い潰れて、眠ったりしている人達を介抱してる最中である。
「…ったく、紫と幽香ったら…。はぁ…鬼の二人に…しかも後から来た二人に勝てるわけがないじゃないの…。霖之助さんと天馬のおじいちゃんも、なんか酔い潰れてるし…。まぁ、原因はなんとなく、察するけど……」
そう言って、ため息一つ着くと私は周りを見る。
現在、酔い潰れてないのは、なぜか酔っていない幽々子と、遅れて来た鬼の伊吹萃香と星熊勇儀、そして…。
「––––ふふっ、相変わらずですね。昔から何も変わらない。みんなも、宴会した時の状態も、そして…ミデン、あなたもです」
そう言って、笑うのは、先ほどの服とは違う着物を着た
しかし、
「…はぁ、今度は自分の後の代の博麗の巫女に憑依したのですか…
そう言うと、霊夢…いや、初代博麗の巫女、博麗
––––博麗
先程言った通り、初代博麗の巫女にして、博麗神社の創設者。
あらゆる怪異に憑依し、される程度の能力と、あらゆる異能を七回まで発動できる程度の能力の持ち主である。
…正直言うと、私はこの人が苦手だ。
なにせ––––。
「––––それで、話は変わりますが、ミデン。どうして、
「……はぁ……どうして、
––––私の知られたくない本心に気がつくんですか…。
私の口から溢れ、そして途切れた言葉の後にはそんな言葉があった。
昔からそうだ。
些細な喧嘩が原因で、天狗の里から家出、もとい、里出して、初めて
自分の力の、そして、存在の元を知って、怖くなった時も。
一時、自分が嫌になった時も。
そして……
いつも、私の悩みとか、隠して気づかれたくない本心に気がついてた。
「…
「…私に聞かれても、わかりません。第一、まだミデン、貴女は何も話してくれてませんから」
そう言って、
「ここにいる人に、そして、友達は全員…全員、何があれど、ミデンの味方なんです。ミデンが助けを呼べば、命を張ってでも助けに行きますし、ミデンが悪に染まれば、それを正して、元に戻そうともします。無論私も…。だから。だから、話してください。一人で抱えこむのは悲しいです。…ですよね。紫、皆さん?」
「––––えぇ、そうよ?ミデン。『幻想郷は全てを受け入れる』。それは貴女の気持ちも、悩みも、全て。だから、私達に話して」
「紫、いつから…」
「––––貴女が初代と話始めた頃からよ」
「––––ったく。ミデン、また、自分一人だけで抱え込もうとしたのかい?私は悲しいよ。たまには、友達である私を頼ってほしいものなのに、そんなに私が信頼できないのかい?」
「––––全く、勇儀の言う通りだ。私達に頼ればいいじゃないか。何を迷う事があるんだい?」
「幽香、勇儀、萃香…」
––––正直、この時、私は迷っていた。
この二つの事実を…
––––正直、怖い。
この二つの事実を話した瞬間に、
私の存在が消えてしまいそうで、
この繋がりが壊れてしまいそうで、
そして、私との思い出が跡形も無く無くなりそうで、
怖い。
ただひたすら、怖いのだ。
しかし––––。
「––––ミデン、我が愛娘よ。いつも言っておるが…少しはわしらを頼れ。…昔からそうじゃ。いつも自分や自分に関するなにかを一人で抱え込み、そして、抱え込もうとする。例え、それが自分が原因だったりしなくとも、自分が悪くなくとも、自分が関わっているならば…な。それはミデンの良いところであり…そして、ミデンの悪いところじゃ。確かに、自分の事に責任感が強いのはいいことじゃが、しかし、だからといって、それで全てを抱え込もうとするのはいけないことでもあるぞ。…全てを抱え込もうとすることは、いつしかは自分を壊す。昔、わしも若い頃に、ミデンのように何から何まで抱え込んでそうなった時がある。そして、ミデンよ。それはそなたも言えること。このまま、抱え込もうとして行けば、いずれそうなるぞ。じゃから…ミデン、一人で抱え込もうとするな。わしらを頼ってくれ…頼む……」
「天馬の…おじちゃん…」
––––おじちゃんを…天馬のおじちゃんを心配させたくなかったから言わなかったのに…逆に……。
––––しょうがない…もう…覚悟決めるしか…ないよね?
この天馬のおじちゃんの言葉を聞いた時、私はそう思った。
私にそう思わせ、決意を決めさせるのに十分だった。
後は…。
「ねぇ、みんな。これから話すこと。ちゃんと受け止めて、聞いて。それで…誰も、誰にも言わないで。特に…妹には、チルノには絶対に…。約束して––––––––」