デート・ア・ライブ 〜 零乃スペルカード 〜【リメイク中】   作:蹴翠 雛兎

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今回からデアラに入ると言ったな。
あれは嘘だ。
では、どうぞ!


第十話 とある山の一角の宴会

「––––さてと…なんとか、撒いたかしら」

 

そう言って、私は周りを見渡す。

 

––––現在、私がいる場所は天狗の里、なんだけど…少し困ったことが起こっている。

別に、天狗の里に入れさせてくれなかった。という訳じゃない。

むしろ、天狗達に普通に歓迎された。

じゃあ、何が問題がと言うと––––。

 

「––––見つけた!ミデンねぇええええ!」

「ミデンさーーーん!!」

「お姉さまあぁぁぁぁ!」

 

入ってから少しして、私と仲が良かったり、私を慕ってたりなどしている、天狗の里のみんなだった。

 

…うん、嬉しいのはわかる。

 

 

わかるけど。

 

 

でも、何も、ほぼ全員で来ることないじゃん!?

 

確かに、私、この天狗の里で可愛い可愛いとされながら、家族同然で育ったけどさ、若い天狗達にとっては、私はお姉ちゃんとか、妹分とかそんな感じなのは知っているけどさ!

でも、何も全員で来ることはないじゃん!!

流石に、常識を弁えているひととかは追ってはきてないけど、それでも、みんなで来ることはないよね!?

 

何度も言うけど、何も天狗の里のほぼ全員で来ることなんてないじゃん!?

 

とりあえず、私を襲おうとしている子二人に回し蹴りじゃあ!!

 

「うりゃあ!」

「ありがとうございますっ!?」「YES!お姉さまっ!?」

 

私の回し蹴りを食らった二人は見事なまでな曲線を描いて、飛んでいき、そのまま、私を追いかける天狗達にぶつかった

 

…よし、今のうちに逃げよう、この発狂集団から逃げよう!

てか、これ、下手したら白狼天狗達もいるんじゃないの!?

あなた達、仕事はどうしたのよ!?

お山より、私の方を優先してどうするのよ!?

 

そんなツッコミを心の中でするが、口にはしない。

なんか言ったら言ったらで、なんかもっとツッコミをしなければいけなくなる気配がしたからだ。

 

と、とりあえず!私の隠れ家に…いや、それでも、私とかなり仲がいい奴らは私がいなくなった瞬間に、感づく。何より、その隠れ家に、ふみとか、はたてとか、椛が隠れている可能性も…!

 

と、そこであるものに気がつく。

それは––––。

 

「…なんで、スキマがあんなところにあるのよ?」

 

そう、スキマ。

あの妖怪賢者18歳(笑)の使っているスキマが、少し遠いところにあった。

しかも、スキマの中から手招きしているというおまけ付き。

 

…とりあえず、入るか。

 

私はそう決めると、周りにいる天狗達を蹴散らし、そのまま、うまいこと、スキマへと入る。

と、同時に、スキマが閉じ、そこについさっきばかり、会った人物が現れた。

 

「––––ふふ、相変わらず、天狗達に愛されているのね」

「はぁ、こちらとら、それが正直、迷惑だったりする時もあるんだけどね」

 

そう言いながら、目の前にいる紫にため息をつきながら、そう返す。

正直、愛されているのもわかっているし、みんなから我が子や姉妹兄弟同然の扱いをされているのもわかっている。

事実、まだ力が完全に扱いきれず、フルパワーを出せなかった若い頃に、妖怪に食われかけたところを、みんなに助けてもらったこともあった。

 

だけど、それはそれ。これはこれである。

 

正直、いい加減にして欲しい所もある。

私はもうあの頃とは違うのだから。

 

「まぁ、いいじゃないの。貴方だって、本音を言えば、そこまで嫌じゃないんでしょ?」

「まぁね、それはそうなんだけど…」

「それに、あの子達にとっても、そして天馬にとっても、貴女という存在は、下手をすれば天狗の里よりも大切な存在だもの。それはそれで、仕方がないことだと思うわよ?」

 

そう言って、美しく(あやしく)妖しく(あやしく)、そして怪しく(あやしく)微笑う紫に私は思わず、苦笑するしかなかった。

 

「さてと、ミデン、着いたわよ」

「ん、ありがとね。紫」

 

そう言って、私達はスキマから出ると、そこには…。

 

「あら、ミデン。やけに遅かったわね。まさか、天狗達にまた絡まれてたのかしら?」

ふぁら(あら)ウィデンふぁない(ミデンじゃない)ふぃふぁぶりぬぇ(久しぶりね)!」

「これこれ、幽々子どの。食べながらとは、はしたないぞよ?…久しぶりじゃのぅ、我が愛娘(ミデン)よ。元気にしてあったかの?」

「ミデン、久しぶりだね。元気にしていた?」

 

「うん、みんなただいま!」

 

私と付き合いが長い、みんながいた––––。


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