蒼白コントラスト   作:猫パン

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本編が思い付かなかったんや、許してくれ!



と言うわけでネタ。
ラウラの妄想を形にしてみました


超番外編

 

IS世界のゾンビアウトブレイク

もしかしたら続ける。

 

 

 

 

 

今から20年前、世界を揺るがす事件『白騎士事件』が起き、世にIS…『インフィニットストラトス』が世界最強の兵器として登場した。

その兵器が戦場に実戦配備されてから時は経ち10年、世界で初めての男性操縦者が現れる。彼はIS学園で様々な事件に巻き込まれ、様々な人物と出会う。

そんな彼も、7年前にIS学園を卒業した。

 

そして現在()から2週間前、IS学園のある人工島と本島を繋ぐ唯一のモノレール。その駅があるショッピングセンター街…レゾナンスにて、1つの事件が起こる。

 

顔を真っ青に染め、目が赤く血走り体の至る所を欠損させた人物が何処からともなく現れ、1人の通行人の喉笛を噛み千切ったのだ。

当然辺りはパニックに陥る。

警察の鎮圧部隊は、流石に突発的に発生した事件に対して直ぐ駆けつけられる機動性は持っていない。

故に1人、また1人と犠牲者が増えていく。

そして噛まれた人は漏れなく、死した後起き上がり生者の血肉を貪るかのように歩き出したのだ。

 

 

これが後に生物災害…BioHazardが起きた瞬間だと、生存者達は口を揃えて言うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

 

バンッバンッ。

 

この日本において、普段ではあり得ない音が周囲に響き渡る。

なんてことはない、拳銃だ。

その音により、やつらが寄ってくるのだが件の少女は気にしていなかった。

 

 

「ふぅ、結局ここも駄目か。駅まで残り2㎞…弾薬が保つかどうか。あぁ、そもそも今はモノレールが動いていなかったな。」

 

『ええ、だから言ったじゃ無いですか隊長。もう少し降下ポイントを慎重に選ぶべきだと。』

 

「それは悪かったと、何度も言っているだろうクラリッサ。」

 

先程から足を止めずに、無線と言い合っているのは銀髪の少女。その出で立ちは黒で統一され、右肩に黒兎のエンブレムが入った戦闘服を着ている。その上からコンバットベルトやマガジンポーチ等、物々しい装備をしていた。

左眼には眼帯を付けており、それによる死角をカバーするため常に体の右側を前に出している。

IS学園を卒業して7年、ドイツ国家代表となりドイツ随一の特殊部隊の隊長を務めている、24歳となった『ラウラ・ボーデヴィッヒ』であった。

 

 

『そのルートを左です。』

 

「ああ。所でクラリッサ、未だにこの事態の原因は掴めていないのか?」

 

『次は右です。…はい、この事態を引き起こしたのがウイルスだということは判明しましたが、出所は不明です。』

 

会話をしながらも、ラウラは確実に駅へと近づいていく。彼女の足取りは迷い無く、障害となる『やつら』が居ても転倒させその場を後にする。銃を使わないのは弾の消費を考えての事と、音でやつらが寄ってくるからだ。

 

やつらとは、蔓延したウイルスに感染した死者の事を差す。やつらは聴覚が異様に敏感で、音を立てるとそこへ集まってくる。

そして生者を見付けると、血肉を求め襲い掛かってくるのだ。

感染経路は、解っているだけで噛まれる事。

首筋を噛まれた場合即死してしまうため不明だが、噛まれてから最短で数分、最長でも5日後には感染する。驚異的な感染力を持つこのウイルスだが、弱点が存在する。

感染者の頭部を破壊すると活動停止する点、そして極低温下では宿主が居なければ存在できない点。

 

 

「はぁ、流石に嫌になるなこの状況は…」

 

『頑張ってください隊長。先程連絡がありましたが、学園には懐かしい顔ぶれが居るそうです。こんな状況ですが、同窓会みたいなものですね。』

 

「こんな状況じゃなければ、素直に喜べたんだがな。」

 

そう悪態を付くラウラは、狂気的な笑みを浮かべていた。そして自身の持つ拳銃…グロッグ17のスライドを少し動かしてチャンバー内を確認すると、駅までの残りの道を走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

         ーー△ーー

 

 

 

 

 

 

そこから30分、ラウラは現在モノレールの駅に居た。モノレールは運行しておらず、電気も要所にしか通っていない。故に真っ暗な構内を、ライトの灯り1つだけで進んでいた。

顔を向けている方向だけ明るいため、左右と後方は視界確保が出来ていない。

故に暗闇から、何時襲い掛かってくるのか分からない恐怖があるのだ。

 

 

「クラリッサ、線路内に出るまで後どれくらいだ?」

 

『直進してあと80m、ですが…』

 

「ああ、ヤバい状況だ。」

 

そう呟くラウラの周囲から、全方位取り囲むように聞こえてくる唸り声。闇に包まれているこの状況下は、とてもじゃないがラウラ1人で切り抜けられるものじゃない。

今の所は大きな物音を立ててない為気が付かれていないが、線路内に出る為の通路を開けるには気を付けないと大きな音が出てしまう。

その為ラウラは、足音1つ立てないように慎重に移動していく。

そして件の通路に差し掛かったところで、ドアが開かない事に気が付く。

 

 

「クラリッサ。遠隔でロックを解除できるか?」

 

『可能ですが、少々時間が掛かります。120秒時間をください。』

 

そう言って待機するラウラだが、何事も無くドアが開くわけが無い。

このドアは2段階の電子ロックで開く。

ロックを解除するのには、ドアの横にある端末を使う。だが今回は、外部からのハッキング任せである。ハッキングされたときはロック解除と同時に、あるものが鳴る。

 

《unlock.》

 

「『なっ!?』」

 

侵入者の事を知らせるアラーム代わり、だが今回はそれが厄介を引き起こす。

 

 

『隊長!急いで、早く!』

 

「ああ、わかっている!」

 

後ろを見ず、そのまま開いたドアに駆け込み全速力で駆けるラウラ。先程のアラートにより、駅構内にいた全ての感染者がラウラの存在に気付いたのだ。後ろからワラワラと感染者の群れがラウラへと迫ってくる。幸いな事は、感染者は今発見されている種は走れない事だろう。

故に彼女は逃げ切れる。線路内に出て真っ先に、唯一通じる通路の扉を閉めた。

 

 

「はぁ…はぁ…。流石に、肝が冷えたぞ。」

 

『はい、久し振りに私も冷や汗をかきました』

 

閉めた扉に背中を預け、ラウラは乱れた呼吸を整える。夥しい数の感染者、それに追われてしまった為この道は次から使えなくなる。

故にレゾナンス方面に戻るには内部を一掃するか、別の道を探す必要があるのだ。

 

 

「さて、残りはこの線路を歩くのか…」

 

『人工島まで伸びてますからね、本島からこの距離を歩くとなると…20㎞やそこらでは足りませんね。』

 

「はぁ…今日は線路上で野宿確定じゃないか。」

 

IS学園のある人工島、それがあるのは本島から200㎞地点にある。この距離を体力を温存しながら歩くとなると、1日で着けるような距離では無い。故に線路の上で夜を明かす事が確定するわけだが、今日のラウラの装備に野営用の道具は殆ど無い。携帯用コンロと簡易鍋、そして着火用のライターと3日分の携帯食料のみである。寝袋の類は持っていない為、寝る場所はそのまま地面に雑魚寝となる。

しかも線路上にやつらが居ないとは限らない、その為熟睡等出来ないだろう。

 

 

「クラリッサ…話し相手になってくれるか?」

 

『ええ、喜んで。』

 

ある程度進んだ場所で座り込み、周囲に気を張り巡らせながらも会話をし始めた。

こんな状況故に、人が恋しくなるラウラだった。

 

 

 

 

 

 

 

        ーーーー△ーーーー

 

 

 

 

 

2日後、ラウラは漸くIS学園の正門に立っていた。だがその荒れ模様に、ラウラは驚愕を隠せない。7年前ラウラが卒業した時、IS学園は生徒で溢れていた。

だが現在、人の気配を殆ど感じないのだ。

懐かしい顔ぶれと言っていた面子以外には、正に誰も居ない、ほぼ無人のIS学園等見たことが無かったのだから。

 

 

「クラリッサ…ルート検索、あいつらの場所まで頼めるか?」

 

『ええ、彼等はあの場所に…始まりの場所、1年1組の教室です。』

 

「そうか…フッやはりな。全員居るのか?」

 

『欠員は大多数を占めますが、隊長と深く関わりがあった人は居ますね。』

 

顔をにやけさせながら、ラウラは一歩ずつ確実にその足を進めていく。

彼等に会うために。

大惨事の中行われる同窓会、集まった人数はかなり少ないが、それでもラウラの楽しみであった。

 

 

 

 

 




因みに集まった面子は以下の通り。



織斑一夏

セシリア・オルコット

シャルロット・デュノア




こんな事になってもIS学園に来るのはこいつら位かな。


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