あ、因みにこれで終了です。
残りは妄想で補完してね。
ハロウィン特別編。
「ハロウィン…」
休み時間中、誰かがそう呟いた。
この学園では、イベント事といえば今まで予想外の出来事で潰れてきた『クラス対抗戦』や『学年別トーナメント』、『林間学校』、そしてまだ先の事だが『学園祭』等。
大規模なイベント事が多数を占める。
だがこれの内、生徒主導で行うイベントは1つも無い。
流行事やイベント事に目が無い花の女子高生がその単語を聞き逃す筈が無かった。
「そうよそれよ!ハロウィンだわ!」
「もうちょっとで当日じゃない!あーなんでもう少し早く気が付かなかったのよ私は!」
そう。
現在の日時は10月20日。
ハロウィンは31日の行事であり、残された猶予は11日。
どう考えてもぎりぎりであった。
「織斑君織斑君、さあさあ教卓に立って。そしてこれを読んで。」
「おっおう。えー…なるほど。」
半ば無理矢理教卓へと立たされ、紙を渡された一夏。だがそこに書いてあった内容を見て、ニヤリと笑みを浮かべたのだ。
一夏が教卓に立たされた理由は、クラスの纏め役『クラス代表』として意見を纏めて貰う為であった。
「ではこれより、俺達生徒主導の行事『ハロウィンイベント』の企画決議を行う。司会進行は、この織斑一夏が努めさせて頂く。」
「…では書記は私が。」
セシリアが立ち上がり、電子黒板へと向かう。
誰に言われるでも無く、自分達が楽しむ行事を自分達が作る。そう言う雰囲気であった。
「まず第1に決めたい事だが…このイベントの名前だ。何か意見をはあるか?」
「はいはーい!ハロウィンといえば収穫祭!
日頃の感謝を込めて、『ハロウィン大感謝祭!』とかどう?」
ひねりが無いそんなアイデア。
だが日数もそんなに無いため、反対する人は居なかった。
「よし、では次に1番重要なことを決める。当日、何をやるかだ。」
「無難にお菓子配りとかじゃ無いの?」
「それも行うが、もう1つ重要なことがある。」
そこで一夏は一端とぎり、こう続けた。
「日本のハロウィンと言えばこれ、『コスプレ』だ!」
バンッと、効果音付きで電子黒板に表示されるその文字。それを見たクラスメイトは、皆一同にテンションが上がっていた。
その時点で黒板にはお菓子配りとコスプレの両方が書かれていた。
そこに…
「何の騒ぎだ…」
「お、織斑先生…」
このクラスの担任。絶対に認めてくれなそうな人がそこに居た。
千冬はそのまま黒板を一瞥すると、セシリアからペンを受け取り、徐に何かを書き始めた。
ハロウィン大感謝祭と書かれた左側に小さく『提供 織斑千冬』と。
「諸君、この時間は自習とする。私は学園長に許可を取ってくる。」
そう言って、千冬は教室を出て行った。
担任が賛同し、学園長に許可まで取ってくれる。こうなれば、学園公認の大イベントとなる。
一夏達はノリノリで残りを決めだした。
織斑千冬
イベント事に目が無い。