ペルソナ Blood-Soul   作:龍牙

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第十九夜

「はぁ!」

キバの叫び声と共にキバとプローンファンガイアの姿をしたシャドウはその間合いを詰める。

プローンファンガイアシャドウの攻撃を避け、キバはラッシュから廻し蹴りの連続攻撃を討ち込むだが、

「クッ!」

―デッドエンド!―

攻撃を完全に無力化され、カウンターの形で討ち込まれた『デッドエンド』を後に跳ぶ事で避ける。大型シャドウ…エンペラーだった頃の耐性『物理攻撃無効』、変身している状態では魔法が使えないキバは完全に攻撃を無力化されていた。

「これは…本気で拙いね。こっちの攻撃は全然効いてないし…。」

「それで、あっちの攻撃は下手に受けたら拙いだろうしな。」

「…変身を解除したら、魔法を使う前に生身でそれを受ける…状況は正に最悪って奴だね。」

態々有利な状況で弱点を変える訳も無く、変身を解除すると言う選択肢もここ二回のファンガイアタイプとの戦いで理解した事だが、キバに変身した状態での身体能力でなければ、一対一では確実に負けるだろう。

もっとも、最初に戦ったホースファンガイアは殆どペルソナを使った経験も無い状態だった為、二度目に戦ったオクトバスファンガイアタイプの固体を判断すべき対象なのだが、それでも、今の現状では変身無しでの一対一では勝ち目は無いだろう。

(ぼくの攻撃は効かない…魔法を使おうにも、変身を解除したら魔法を使う暇は与えてくれないだろうし…どうする?)

プローンファンガイアタイプから間合いを取りながらそんな事を考えるが、相手はそんな思考の時間は与えてはくれない。海老の鋏を彷彿とさせるデザインの杖の様な武器を出現させ、それをキバへと向かって振り下ろす。

―電光石火!―

プローンファンガイアタイプの放ったスキル…一つ一つの一撃は最初に避けた物よりも小さいが、完全には回避しきれない広範囲に渡って衝撃が襲う。

奏夜がその身に宿すペルソナはキバに変身している際には魔法を始めとする戦闘用のスキルは一切使えない代わりに、キバへの変身時にもその身に宿している者へ与えられる身体能力の強化等の恩恵は使えるのだ。故に奏夜は自身の中に座す物をドッガからガルルの物へと変化させ、

「はぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

素早く後への回避ではなく、前へと…プローンファンガイアタイプへと向かって疾走する事を選び、左右へと走りながら攻撃スキル『電光石火』を回避しながら、距離を詰める。

「!?」

電光石火の衝撃に混ざってプローンファンガイアタイプの体から放たれた泡が爆発する。目の前のシャドウの元となったファンガイア、プローンファンガイアの持っていた能力、『炸薬泡・エクスプローションバブル』だ。

先ほど使った電光石火とエクスプローションバブルの二つを併用し、より広範囲に渡ってキバを攻撃するが、キバは左右へと動きながら、そして、木や壁を利用した跳躍でプローンファンガイアタイプの放った攻撃を上へと跳びながら回避する。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

そのままダークネスムーンブレイクの様に飛び蹴りを放つが、無防備な体制でキバの飛び蹴りを受けたプローンファンガイアタイプは自分の体へと突き刺さったキバの足首をつかみ、片腕でキバの体を持ち上げそのまま大地へと叩き付ける。

「グッ!」

―デッドエンド!―

「ガハァ!!!」

地面へと叩き付けたキバへと向かって追い討ちの攻撃スキルを放ち、トドメとばかりに自身の武器を振り下ろす。キバは横へ転がる形で振り下ろされた武器を避け、立ち上がり体制を立て直した所に追撃のエクスプローションバブルが放たれる。それを横へと大きくジャンプして避ける。

「おい、大丈夫か、奏夜!?」

「…何度も受けたくは無いけど…一応、大丈夫…。でも、こっちの攻撃が全然通じないって言うのは本当に最悪だね。」

「せめて、魔法が使えればな。」

―いえ、それが…そうじゃないみたいです。―

「っ!? 山岸さん? それはどう言う…。」

プローンファンガイアの攻撃を回避しながら、風花の言葉にそう聞き返す。

―みなさんが戦っている方もそうなんですけど、弱点は『一つだけ』なんです。―

「…弱点が一つだけ…?」

聞こえてくる風花の言葉によると、今戦っている二体のファンガイアタイプは、大型シャドウの時の様に自由に弱点を変化させているそうであり、しかも大型シャドウの時は魔法と物理のどちらかだけだった弱点は一つだけ…特定の攻撃でしかダメージが与えられないそうなのだ。

(…再生して、能力までパワーアップしてるのか?)「…それで…こっちの弱点は…?」

―はい、今は斬撃…剣での攻撃が弱点です。―

残念ながら手元には剣は無く、変身前に使っていた剣もキバの身体能力では一撃が限度、相手にも一撃程度で致命傷は与えられないだろう。それに対してキバフォームのキバが出来るのは素手での打撃だけ。

(…態々人をバカにした様な弱点を…。)

キバを挑発する様に変身前に愛用している武器である剣での攻撃を自身の弱点としているシャドウに対して怒りを感じながら、仮面の奥でシャドウを睨みつける。

(…ガルルフォーム…。次狼さんの力が借りられれば…。)

『ガルルフォーム』、キバのフォームチェンジの中で最速を誇る高速形態、そのスピードも然る事ながら、この時一番重要なのは、魔獣剣ガルルセイバーの存在である。目の前のシャドウの弱点である剣での攻撃が可能となる。

だが、

(…この時間の中じゃ…次狼さん達はキャッスルドランの中から召還する事が出来ない。)

影時間の中では、フォームチェンジが、アームズモンスターの召喚が不可能となっているのだ。スピードも上がりシャドウの弱点で有る斬撃が使えるようになり、目の前のシャドウの余裕を叩き壊す事が出きるのだが…。

(…仕方ないか…。)「…キバット…一撃で決める…。」

「それしかねえか。よし、とことん付き合うぜ、奏夜!」

「うん。山岸さんはみんなの方の援護に戻ってもらいたい。」

―はい。―

一撃で倒すと言う覚悟を決め、落ちている剣を視界の中に収めながら、風花へと指示を出した瞬間、

『………。』

何かの声が聞こえた。奏夜の耳には酷く聞き覚えの有る、そんな声が…。

―また、声が聞こえた。―

「まさか、あいつらの声が…。」

「…今のは、次狼さん達…力さんにラモンさん…それにシルフィー姉さん。って、山岸さんも…みんなの声が…。」

―はい。紅くんが変身した時から、時々聞こえてくるんですけど…。―

アームズモンスター達の声が聞こえる理由…それが彼女のペルソナの能力かは分からない、だが、

(…だったら、イチかバチかだ。)「山岸さん…ぼくの意思を…この音色を…その声の元に届ける事って…できる?」

―は、はい、やってみます!―

可能かどうかは分からない…だが、はっきりとした意思を持って彼女はそう答えた。

「キバット!」

キバットベルトの腰のフエッスロットから狼の顔を象った蒼いフエッスルを取りだし。

「よっしゃぁ! 『GARULUSABER』!!!」

周囲に笛の音色が届いた。

「くそ! またこの時間か。」

キャッスルドランの一室…その中に居る四人の人物の一人、タキシードを着崩したワイルドな風貌の青年『次狼』は、忌々しげにテーブルの上へと拳をぶつける。

「仕方ないよ、ぼく達はここから、出られないんだもん。」

「でも、悔、しい。」

チェスに興じているセーラー服を来た少年『ラモン』と、燕尾服を着た屈強な大男『力』が次狼の言葉にそう続く。

「だが、オレ達がついていながら渡を…。」

その言葉に空気が重さを増す。断片的な記憶しか思い出せず…だが、はっきりと記憶しているのは、『渡の…黄金のキバの死の瞬間』と最後に託された願い。

「貴方達はそのような事を言っているのですか?」

メイド服を着た緑色の髪の美しい女性『シルフィー』が三人の前にコーヒーの入ったカップを置きながら、そう告げる。

「シルフィーは心配じゃないの?」

「薄、情。」

「失礼ですね。私は信頼しているだけです! 何者を相手にしようとも、私の主である奏夜様は決して敗れる事は無いと。…それから、私は普段はシルフィーではなく、『春花(はるか)』と名乗っているのをお忘れなく。私をシルフィーの名で呼んで良いのは、奏夜様と…あと、キバット様だけです。」

『奏夜様~。』と呟きながら自分の世界にトリップしているシルフィー…もとい、春花を横目で見つつ、残る三人は一箇所に集まり。

「うわぁ~。また始まっちゃったよ。」

「ドン、引き。」

「ああなると長いんだよな。」

そして重なるのは、呆れの感情全開の三人の溜息。そんな時、

―~~~♪ ~~~♪―

フエッスルの音色が鳴り響く。

「っ!? これは!?」

「うそ、呼び出しだ。」

「おどろ、いた。」

「これは…オレだな。」

次狼は不適な笑みを浮かべてそういうと床を引っかく。

『ギギギギギギギギギッ!』

蒼い光塵が音を立て、

「ハァァァァァ!」

次狼の体が元の姿、蒼き人狼の戦士『ガルル』に戻る。

『アオォォォォォンッ!』

彫像となり、ガルルは飛び去って行く。

「いってらっしゃい。」

「いって、らっしゃ、い。」

それを見送る二人と…

「ど、どうして……。どうして私じゃないんですか、奏夜さまぁー!?」

春花の絶叫が響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

キバの前に現われる一枚のカード。…ガルルのペルソナの絵が書かれたペルソナカードが砕けその中から彫像の姿のガルルが現われる。そして、キバがその彫像を手に取った瞬間、彫像が形を変えていき、魔獣剣ガルルセイバーへとその姿を変える。

『アオォォォォォォォォォン!!!』

ガルルセイバーの咆哮と共に、キバの腕に(カテナ)が巻きつき、左腕全体を覆うと、鎖は砕け、弾け飛ぶ。その中から現われた左腕は先ほどまでとは違い、蒼き装甲ガルルシールドに覆われ、剣を振るう事に特化した筋肉構造へと変質した。

「ウォーーン!!!」

次に鎖に覆われるのは胸の鎧。それも鎖が弾け飛んだ瞬間には、蒼く変質していた。

「ウゥゥゥゥワァァァァァァォォォォォォォォォオン!!!」

キバットの目も青く変色し、最後に一瞬だけガルルの幻影が現われ、それがキバに吸い込まれる様に消えると、キバの目も蒼く変色していた。

そして、『ガルルフォーム』へと姿を変えたキバが狼の様に雄叫びをあげ、剣を肩に担ぎ体制を低くする。その姿は正に狼。

「ハアァァァァァァァァァァ!!!」

プローンファンガイアタイプがそれを見た瞬間、キバガルルフォーム(以下GF)の姿が消え、その体が弾け飛ぶ。そして、大地に倒れる間も無く、第二、第三、第四の切り傷が刻まれて行く。

牙を向く狼の如く、猛獣に狙われた哀れな獲物の如く、神速のスピードで休み無く切りつけているのだ。そして、その攻撃はプローンファンガイアタイプのシャドウが己の弱点へと設定した弱点である斬撃なのだ。

プローンファンガイアタイプを捕らえた逃げる事も倒れる事も許さない斬撃の監獄。それが消えるのは、トドメを与えられる瞬間に他ならない。

「よし、トドメだ、奏夜!」

「グゥゥゥッ…。」

キバは倒れるプローンファンガイアの前に立ち止まり、ガルルセイバーをキバットへと近付ける。

「『GARULU BYTE』!」

キバットがガルルセイバーの刃に噛みついた瞬間、ガルルセイバーに流れる魔皇力を最大限まで高め、ガルルセイバーの切れ味を数十倍にも増幅する。

「終わりだ!!!」

『ワオォォォォォォォォォォォォン!!!』

キバGFがガルルセイバーを構えた瞬間、ガルルセイバーが雄叫びをあげる。その瞬間、この時間の支配者がキバへと移る。禍々しさの消えた満月が、キバを照らす。

キバGFのマスクの口の部分が開き、ガルルセイバーの柄に噛みつく。その姿は正に月に向かって咆える狼。

体制を立て直したプローンファンガイアタイプが己の弱点を変え様と試みるが、それは既に手遅れだった。

勢い良く飛び上がり、満月を背にキバGFは、そのままプローンファンガイアタイプへと斬りかかる。

これこそ、『仮面ライダーキバ ガルルフォーム』の必殺技、

GARULU(ガルル) HOWLING(ハウリング) SLASH(スラッシュ)!!!』

『ガルルハウリング・スラッシュ』がプローンファンガイアタイプを切り裂き、狼の幻影が浮かび上がり、プローンファンガイアタイプが爆散する。

「後一匹! 山岸さん、そっちの弱点は!?」

―あっ! はい、射撃…ゆかりちゃんの武器が弱点みたいですけど、動きが速すぎて、一度も当たってません。―

射撃が弱点でスピードの速い相手ならば、使うべきなのは…。

「BASSHAAMAGNAUM!」

新たに緑のフエッスルをキバットに吹かせる。その際に自身の中に座する物がガルルからバッシャーに変わった事を奏夜は確かに感じ取っていた。

場所は変わってタルタロス内部…

「おわぁ!」

「ぐは!」

『ああ! 順平君、真田先輩!!!』

シープファンガイアタイプの突進によって順平と明彦の体が吹き飛ばされる。驚く事にキバのガルルフォームを超えるスピードを持ち、それを生かした突進とスピードを活かした動きで弱点である射撃を封じ、銃による射撃で遠距離攻撃と攻撃パターンにおいては弱点はみられない。

それでも、流石に雷よりは遅いのだろう、明彦の魔法には時々直撃するが、完全にそれは無効にされている。

スピードの高いシープファンガイアの姿に変化した時、自身の弱点に射撃を選んだのは、回避しきれるだけのスピードを得られたからだろう。

接近戦や魔法は自身の能力で気にせずに戦え、射撃は一人…それも、弓矢と言う武器だけ。しかも、

「…………ッ! ………ダメッ、速過ぎる!」

シープファンガイアタイプが素早い動きで動き回りながら、前衛メンバーが戦っている為に、ゆかりは迂闊に撃つ事が出来ない。動きを止め様とすれば、今度は固有武器である銃でゆかりを狙い、自分への攻撃を妨害する。

(下手したら先輩にあたっちゃうし。どうすれば…。)

「この野郎!!!」

破裂音と共に順平のペルソナ『ヘルメス』が撃ち出され、シープファンガイアタイプへと向かって突進して行くが、

「おわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

シープファンガイアタイプは無防備になった順平へと銃を乱射する。

「伊織、こいつ!」

「順平、しっかりしろ!」

シープファンガイアタイプに吹き飛ばされた順平を美鶴が回復させ、その間、明彦がフォローに回る。

その瞬間、

(紅くん、今です!)

横から飛んで来た水の弾丸『アクアバレット』が直撃する。

「あれは!?」

「キバ…なのか?」

思わず戦っていた手を止めて明彦と美鶴がアクアバレットが飛んで来た方向へと視線を向けた。

そこには、右腕がバッシャーの鱗が変質した緑の装甲バッシャースケイルで覆われ、胸の鎧、キバのとキバットの目が緑に変わり、魔海銃『バッシャーマグナム』を構えたキバ…遠距離・水中戦闘形態『仮面ライダーキバ バッシャーフォーム』の姿があった。

タルタロスの窓と言う限られた場所から、撃っているにも関わらず、正確な射撃で逃げ回るシープファンガイアタイプを狙い撃っている。

しかも、アクアバレッドはアクアインテークから、大気中の水素・酸素を取り込み水を作り出す事で無尽蔵の弾丸を撃ち出す事が出きるのだ。

「キバの野郎、また出やがったな!」

「待て、伊織、シャドウが先だ!」

順平がキバの姿に過剰反応してキバへと向かって行こうとするが、それを美鶴に止められる。

その間にも、絶対的な狩人を前にした獲物の様に、シープファンガイアタイプは扉を破ってキババッシャーフォーム(以下BF)の横を走って逃げ出して行く。

「あっ、逃げられた!」

「逃がすな、追うぞ!」

慌ててゆかり達はシープファンガイアタイプを追いかけようとする。そんなS.E.E.Sの面々の反応を尻目にキバBFはバッシャーマグナムをキバットへと近付ける。

…どうでも良いが、キバのバッシャーフォームへのフォームチェンジの際、キャッスルドランの中では『何で私を呼んで頂けないんですか、奏夜様ァ!』と言う叫び声が響き渡っていた。

「BASSHAA BYTE!」

ガルルセイバーの時と同様にキバットが噛み、魔皇力を最大まで高める。

「ハアァァァァァァ!」

周りの木々が揺れ、バッシャーマグナムを構えると、夜の支配者がキバへと変わる。禍々しい満月は半月へと変わる。しかも、今回はガルルセイバーの時とは違い、足元に水が広がって行く。

広がる水は、大きく広がり湖に…湖は半月を妖しく反射させ、水面に第二の半月を生み出した。バッシャーフォームの能力、このフォームの能力を最大限に発揮できる疑似的な水中環境『アクアフィールド』を生成する能力。

キバBFの姿は湖の上に立ち、半月の光を浴びる世界の支配者…。

「嘘でしょう…。」

「キバの力とはここまでとは…。」

「すっげー。」

「………。」

『あの、あのシャドウですか…逃げられちゃいますよ!』

湖を作り出したキバBFの力に呆れたような表情を浮かべる一同に、焦りながら風花の言葉が響く、だが、正気に戻った所でキバのアクアフィールドを越えて行かなければ、シャドウには追いつけない。

キバBFはシャドウの味方なのかと考えた瞬間、キバBFの目が一瞬だけ光り、トルネードフィンを高速回転させ、アクアフィールドに竜巻を起す。

その竜巻の中で意識を研ぎ澄まし、逃げ出したシャドウをロックオンし、バッシャーマグナムの発射口から竜巻へと膨張させた弾丸を撃ち出す。

意思を持った様に相手を追い詰める必中の弾丸…それがバッシャーフォームの必殺技

BASSHAA(バッシャー) AQUA(アクア) TORNADO(トルネード)!!!』

そして、シープファンガイアタイプを銃弾が撃ちぬいた瞬間、バッシャーの輪郭が浮かび上がり、シャドウの動きが止まる。そのシャドウへと優々と近づいていき、

「…………。」

指先で弾いた瞬間、シャドウは砕け散り消滅して行く。それを確認した瞬間、キバの姿は砕け散り、奏夜へと戻る。

―お疲れ様でした。―

「うん。」

聞こえてくる風花の言葉に笑顔でそう答えた。


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