この幸運の女神と紅魔族のボッチとの冒険は間違っている。   作:皐月 遊

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8話 「草原で、八幡は鬼畜男に出会う」

「ハチマン君! 今日は何する?」

 

「寝る、食う、そして……寝る」

 

「怠けないでよ! あたしが聞いたのは今日はどんなクエストを受けるかって事だよ」

 

俺達はゆんゆんをパーティに加えてからクエストに行きまくり、モンスターを倒しまくった。

 

まぁ、全部ジャイアント・トードだけどな。

 

なんだかんだで俺のレベルは4になり、スキルも取った。

 

俺が取ったスキルは《敵感知》と《初級魔法》、そして《料理スキル》だ。

 

料理スキルを取るときはクリスに猛反対されたが、構わずに取った。

 

将来専業主婦になるという夢がある俺は、料理が出来なきゃ話にならない。

 

その他に、クリスとゆんゆんが料理スキルを取っていないからという事もある。

 

いつもクエストが終わった後や、朝食、昼食、夜食全てをギルドで食べていてはいくら金があっても足りない。

自炊する必要があったのだ。

 

「なぁ、そろそろカエル以外のモンスターを狩りに行ってもいいんじゃないか?」

 

「おっ、やる気になったね。 でも残念だけど、今のハチマン君に倒せるのはジャイアント・トードくらいなんだよ」

 

「そ、そうか」

 

レベルの話をされたら何も言い返せない。

 

このパーティで俺は間違いなく足を引っ張っている、だからあまり無理は言えないのだ。

 

「って事で、さっきどんなクエストがいい? って聞いたけど、今日もカエル狩りでいいかな?」

 

「あぁ、いいぞ」

 

「よしっ! 決まりだね! じゃあゆんゆんが来るのを待とうか」

 

「了解」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゆんゆんを待つ事数分、ギルドの入り口から明らかに”ぼっちオーラ”を出しながらゆんゆんが歩いてきた。

 

ゆんゆんはずっと下を向きながら歩いていたが、俺とクリスに気づくと笑顔で走ってきた。

 

何この娘可愛い。

 

「お待たせしました!」

 

「ゆんゆんおはよう!」

 

「うっす…」

 

俺とクリスはいつも通りの挨拶をする。

 

そして少し雑談した後、クエストを受けるためにクリスが受付へ向かった。

 

そして席には俺とゆんゆんが残る。

 

「……………」

 

「……………」

 

結論、気まずい。

 

何この空気。 場を盛り上げてくれる人が居なくなった途端これか。

 

例えるなら友達の友達みたいな感じか、友達いないから分からんがな。

 

とにかく何か話さなきゃダメだよな…

 

「そっ、そう言えば今日は来るの遅かったな」

 

馬鹿か俺は、これじゃあ攻めてるみたいだろ。

 

ほらゆんゆんがオロオロし出しちゃったよ、どうすんだよコレ……

 

「す、すみません! 実はと、友達とお話してたら遅くなってしまって……」

 

………なん……だと…?

 

「お、お前……友達居たのか?」

 

側から見れば失礼な質問だが、気にしない。

 

え? 何? ゆんゆん友達居たの? ぼっちじゃないの?

 

「は、はい、1人だけ……ですけど…」

 

「そ、そうか……」

 

「はい……」

 

「……………」

 

「……………」

 

「クエスト受けてきたよ〜……って何この空気⁉︎ 何があったの⁉︎」

 

そこへ何も知らないクリスがやって来た。

 

おぉ、やっぱり場を盛り上げる存在は必要だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「へぇ〜、じゃあゆんゆんの友達も今日草原に来るんだね」

 

「はいっ!」

 

クリスとゆんゆんが俺の前を話ながら歩いている。

 

どうやらゆんゆんの友達もカエルを狩りに来るらしい。

 

しかもその友達とやらもパーティを組んでいるらしく、4人パーティらしい。

 

「その友達はどんな人なの?」

 

「とてもいい子ですよ! 」

 

「へぇ、早く会いたいなー」

 

そんな話をしながら歩き続け、数分後に俺達は草原に着いた。

 

「んー、どうやらまだゆんゆんの友達は来てないみたいだね」

 

「ですね…先に始めちゃいましょう」

 

「そうだね! ほらハチマン君! 始めるよ!」

 

「はいよ」

 

俺は剣を抜き、構える。

 

同じくクリスは短剣を構え、ゆんゆんは杖を構える。

 

「いつも通りあたしとハチマン君が特攻、ゆんゆんが支援、そしてトドメがハチマン君ね」

 

「了解です!」

 

「分かった」

 

そして、俺とクリスは一気にジャイアント・トードに向かって走り出す。

 

スピードは俺の方が速いので、先にジャイアント・トードに一撃を入れる。

 

腹を斬られた事によってジャイアント・トードは俺に気づき、大きく口を開けて俺を飲み込もうとするが……

 

「あたしも居るよ!」

 

クリスがジャイアント・トードの横から斬りつけ、ジャイアント・トードが怯む。

 

「よし、ゆんゆん! いいよ!」

 

クリスの掛け声で、俺は右に、クリスは左に飛ぶ。

 

「ファイアーボール!」

 

ゆんゆんのファイアーボールがジャイアント・トードに当たり、ジャイアント・トードが地面に倒れる。

 

そしてその隙に俺はジャイアント・トードの頭に乗り、顔を切り裂く。

 

「よし、終わりだな」

 

「なかなかスムーズに連携できるようになってきたね!」

 

「そうですね!」

 

3人で集まり、次のジャイアント・トードが現れるのを待つ。

 

数分後、ジャイアント・トードが地面から現れたので、俺とクリスが走り出そうとした時……

 

「あー! アンデッドが人を襲ってるわ! 浄化しないと!」

 

という声が聞こえた。

 

アンデッド? そんなのどこに……

 

「消え去りなさい! ターンアンデッド!」

 

その声と共に、俺の足元が光りだす。

 

………は? 何この光り。

 

ゆっくり声のした方に振り返ると、そこには俺に杖を向ける青い長い髪を持つ女がいた。

 

「あれ? 何で消し去れないの⁉︎ まさかあんたリッチーね⁉︎ こうなったら……セイクリッド・ターンアンデッ……」

 

「馬鹿やめろこの駄女神! この人は人間だ!」

 

その女の頭を思い切り叩く少年、見た感じ年は近いっぽいな。

 

「ウチの馬鹿が失礼な事をしたな、悪い」

 

少年は俺に謝罪をする。

 

え、何これ、まさか俺アンデッドと間違えられたの?

 

何それ泣きそう。

 

「お前も謝れ馬鹿! 」

 

「嫌よ! 何でこの高貴な私がこんな男に頭を下げなきゃいけないのよ!」

 

「お前が悪い事したからだろ!」

 

少年が女の頭をグイグイと押し、無理矢理頭を下げさせようとする。

 

「お、おい、俺別に怒ってないからいいぞ」

 

「ほ、本当か? 後で金取ったりしないか?」

 

「しねぇよ、どんだけ鬼畜なんだよ俺は」

 

「悪いな、俺はカズマだ、よろしくな」

 

カズマと名乗ったこの少年、なかなかコミュ力が高いな。

 

「そんでこの見るからに馬鹿丸出しのこいつが…」

 

「誰が馬鹿よ誰が! この水の女神アクア様に向かって馬鹿とは失礼ね! 女神の私がこんな怪しい男に名前なんて教えるわけないでしょ‼︎」

 

「ほら、馬鹿だろ?」

 

「また馬鹿って言ったー!」

 

なんだこれは、コントか?

 

まぁ、向こうが名乗ったんだから俺も名乗らなきゃダメだよな。

 

「俺はハチマンだ」

 

っていうかクリスとゆんゆんはどこ行ったんだ? さっきまで一緒に居たはずだが……

 

俺は周りを見回すと、クリスとゆんゆんはすぐに見つかった。

 

2人共誰かと話して居る。

 

クリスは金髪の……お姉さんか? と話していて

 

ゆんゆんは黒髪の……ロリ、ロリだな。 ロリっ子と話している。

 

「ハチマンか、仲良くしようぜ」

 

「お、おう」

 

それが、後に後悔する事になる俺と、カズマのパーティの出会いだった。

 




ようやくカズマさん登場です!

そして、言わなければいけない事があります。

八幡の職業がソードマンですが、冒険者じゃないのに《敵感知》や《初級魔法》のスキルを取っていますが……ソードマンのスキルがどういう物があるかよく分かっていないので、八幡も色々なスキルを覚える事になると思います。

ご了承下さい。

感想やアドバイス、お待ちしております!

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