この幸運の女神と紅魔族のボッチとの冒険は間違っている。   作:皐月 遊

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期間が空いてしまい申し訳ありません!


11話 「八幡は、カズマとパーティー交換をする。」

「もう嫌だ‼︎」

 

「なんだよいきなり…」

 

現在、俺はカズマと2人でギルドにいる。 簡単に言えば話し合いだな。

 

ちなみに誘ったのはカズマだ。

 

「もうあんなパーティーは嫌なんだよ!」

 

「嫌って言っても…しょうがないだろ」

 

「あいつらとパーティー組んでから良い事が1つもない!」

 

「おいおい、あんなでかい屋敷手に入れといて何言ってんだ、嫌味か?」

 

そう、カズマは馬鹿でかい屋敷を手に入れ、そこに住んでいる。

 

しかも、魔王軍幹部を討伐したらしい。

 

因みにその時、俺、クリス、ゆんゆんはクエストでアクセルの街に居なかった。

死者も出たらしいが、アクアが全て蘇生したらしい。

 

何? カズマのパーティー強すぎない?

 

「借金まみれだけどな」

 

「……」

 

そう、カズマは魔王軍幹部を倒したはずなのに、借金まみれらしい。

 

「ま、まぁ…賑やかそうで良いんじゃないか?」

 

もう全員が由比ヶ浜みたいな。 なにそれ賑やかすぎて逆に迷惑だな。

雪ノ下過労死しちゃうよ。

 

「賑やかねぇ……ハチマンはいいよな。 あんな落ち着いた娘達とパーティー組めてよ」

 

「……アクア達と比べたら、大体のやつが落ち着いて見えると思うぞ?」

 

「………あ、そうだ!」

 

カズマが何か思いついたらしく、急に笑顔になる。

 

「なんだ? 言っとくが、金は貸さないぞ、金はトラブルの元だからな。 まぁ、俺に金を貸す知り合いなんていないけどな。奢らされたことはあったけど 」

 

「お、俺はそこまで鬼畜じゃねぇよ!」

 

嘘つけ、お前『鬼畜のカズマ』とか呼ばれてるの俺知ってるんだからな。

 

なんだっけ…えっと……カツラギ、そう、そのカツなんとかさんから魔剣をぶんどって売り払ったとか。

 

「んで? 何を思いついたんだよ」

 

「ふっふっふ…我ながらいいアイデアだと思うぜ?」

 

カズマが悪魔のような笑みを浮かべる。

 

やだ何この人、八幡怖い。 助けて小町! 戸塚でも可! むしろ推奨‼︎

 

「なぁハチマンよ。 話があるんだ」

 

「早く言えよ」

 

「ふっふっふ……それはな…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…はぁ…なんでこうなるんだよ…」

 

「ねーねー、カズマはー? なんでカズマじゃなくてアンデッ……ハチマンが来るのよ」

 

「カズマに何かあったのですか? 昨晩は異常なくらいテンションが高かったんですが…」

 

「本当にカズマに何かあったのなら話してくれハチマン」

 

ここだけ聞くとこいつらめっちゃいい奴だよな。 アクア以外。

 

ちゃんとカズマの心配してあげてるし。 アクア以外。

 

「安心しろ。 カズマは元気だ、突然だが、今日1日、俺とカズマはパーティーを変更する事になった」

 

「変更? どういう事?」

 

どうやらアクアには意味が伝わらなかったらしい。

 

「昨日の夜カズマと話してな。 俺がお前らと、カズマがクリス達とパーティーを組む事になったんだよ」

 

「質問いいですか?」

 

めぐみんが右手をあげる。

 

「なんだ?」

 

「理由を聞いてもいいですかね?」

 

「俺には分からん。 カズマがしつこくお願いしてきたんだよ。 何お前ら、カズマの事虐めてたりしてんの?」

 

ま、そんな事ありえないってのは分かってるけどな。

 

「なっ! 私がカズマを虐めるわけないじゃないですか!」

 

「そうだぞ! 虐められる事はあっても、虐める事は絶対にない! 絶対にだ!」

 

「そうよそうよ! 私達にとってはね、罵倒は一種のコミュニケーションなのよ!」

 

あ、あれー…? めぐみん以外は想像以上にヤバいな。

 

しかも罵倒がコミュニケーションって……お前は雪ノ下か。

 

「あー…分かった。 お前らがカズマをどう思ってるかはよーく分かった」

 

「分かれば良いのです! あ、そう言えば、今日はどうする予定なのですか?」

 

「は? 予定?」

 

「はい。 どのクエストに行きますか?」

 

あぁ…そういう事ね。

 

クエスト…クエストか……どうしよう。

 

「1つ聞きたい。 お前らってさ、全員上級職なんだよな?」

 

「はい! カズマ以外は上級職ですよ!」

 

「そうそう、冒険者のカズマさん以外はね!」

 

「おいアクア、めぐみん…事実だが流石にカズマが可哀想だぞ」

 

ダクネス。 お前も酷いこと言ってるからな?

 

それにしても、上級職ねー……側から見たらめっちゃバランスが良いパーティー何だよな。

 

色々なスキルが使える冒険者のカズマ。

 

前衛で活躍するクルセイダーのダクネス。

 

強力な魔法を使えるアークウィザードのめぐみん。

 

回復魔法・浄化魔法・身体強化の魔法などの魔法が使えるアークプリーストのアクア。

 

はっきり言って、強すぎる。

 

だが実際は……

 

色々なスキルが使える冒険者のカズマ。

 

クルセイダーだが攻撃が当たらないダクネス。

 

アークウィザードだが爆裂魔法を1発しか撃てないめぐみん。

 

馬鹿のアクア。

 

うん……ダメだなこのパーティー。

 

「そうだ! 折角ですし、いつもと違うクエストに行きましょう!」

 

「それいいわね! カエルばかりで飽き飽きしてたのよ!」

 

「出来るだけ、一撃が重いモンスターがいいな!」

 

「お、おい…」

 

何勝手に話進めてんだよ、一応リーダーは俺なんだが…

 

「ハチマンも、それでいいですよね!」

 

「ま、拒否したところで多数決で私達の勝ちだけどね!」

 

「ハチマン! 一撃が重いモンスターを狩りに行こう!」

 

「……あ…はい……良いんじゃ…ないっすかね」

 

俺が反論出来るわけもなく、めぐみん達の案に賛成するしか無かった。


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