12月19日
日間ランキング17位に入りました!
有難うございます!!
これからも精進して参ります!
ではどうぞ!!
※前回がくっそ長かったのに対して、今回はくっそ短いです。
《深夜 居酒屋》
「俺だって・・・俺だって・・・“理想”を求める事が無益で困難だって事くらい判っている・・・・・・其れでも追わずにはいられないだろう・・・・・・」
「・・・」
「・・・」
「佐々城ぃ・・・・・・」
(未練タラタラじゃねえか・・・)
(録画開始〜♪)
八幡、国木田、太宰は居酒屋に来ていた。数日前まで世間を騒がせた《蒼の使徒》事件がひと段落した為である。まぁ飲み会と云うより反省会の意味合いの方が大きいのだが。
現在、居酒屋に来て二時間ほど経つのだがベロンベロンになっているのは国木田だけだった。八幡はペース配分を見極めて飲み、太宰は強いのか、かなりの量を飲んでいるのに意識はハッキリしていた。
「俺だって・・・俺だって・・・」
「もう其れ五回目だ、国木田。いい加減飲むのをやめたらどうだ?」
「比企谷さん!止めたら面白くないよっ!!ほら国木田君、飲んだ飲んだ!」
「お〜気が効くな太宰。じゃあ日本酒を・・・」
(・・・もう知らん)
国木田は変わらずのペースで飲み進める。太宰は上機嫌のまま国木田に酒をついだ。八幡は黙って焼き鳥を食べながらチビチビ酒を飲んでいる。
30分後────国木田撃沈。
太宰は運ばれてきた山芋鉄板を箸で口に運びながら八幡に問うた。
「国木田君は・・・私を恨みますかね?」
「・・・其れはない。話を聞く限りあの状況じゃ
《あれ》とは
太宰の予想を裏切ったのは佐々城だった。拳銃を持っていたとしても
「《蒼王》や国木田君の様に“理想”を求めて破滅した人間を何人も私は見て来ました。“正しさ”や“理想”は弱者を傷つける事は出来ても、守り救済する事は出来ない・・・私は」
「俺の友人は
「其の通りです」
二人は一度口を閉じて、運ばれてきた酒に手をつけた。二人とも躰は熱くなっているのに頭だけは異常な程冷めていた。
「そう云えば比企谷さん。佐々城さんが最後に云っていたンですが佐々城さんと話したそうですね。どんな内容だったンです?」
「大した事話してねぇよ。ただ────」
+ + +
数日前《喫茶店 “うずまき”》
『比企谷様は行かれなくて宜しいのですか?』
『あぁ。・・・店長、彼女にも俺と同じ物ひとつ』
店長は静かに頷くと八幡用珈琲を作り始めた。
先程まで、敦、国木田、太宰と探偵社のメンバーがこの喫茶店に集まっていたのだが“江戸川乱歩”からの連絡により仕掛けられた爆弾の場所が判明し、せっせと去った。
残ったのはカウンター席に座り、珈琲を未だに飲んでいる八幡と座席に座っている佐々城だった。二人は目を合わすことなく会話している。
『佐々城女史』
『はい、何でしょう?』
『
『・・・
『先ず、運転手が貴女を誘拐するメリットがない。運転手は“
(まぁ此の推理に確信を持てたのは、タクシーの運転手と
『・・・』
『沈黙は肯定・・・か。貴女程の頭脳があれば犯罪心理学の分野に輝かしい成果を打ち立てる事だって出来た筈だ。理解に苦しむし、残念にも思う』
『・・・私は野心のない女ですから』
『探偵社に復讐する事に・・・亡き者の弔い合戦をする事に意味はあるのか?』
『比企谷様、世の
『残念だが
『そう・・・でしたか』
二人は会話をやめて口に珈琲を運んだ。八幡は既に冷めてしまった珈琲を。佐々城は仄かに温かい珈琲を。
『甘い・・・ですね。本当に。でも美味しい』
『人生は苦い。だから珈琲くらいは甘くて
『心に留めておきます。御馳走様でした』
+ + +
「ただ────珈琲の感想を聞いただけだ」
「そうでしたか。何て云ってました?」
「美味しい、だとよ」
「うげぇ・・・あの甘ったるい珈琲をですか?」
「だからそうだって云ってンだろ・・・」
八幡は水菜のサラダを食べ始め、太宰はひたすら日本酒を飲んでいた。二人の食が一息つくと八幡が口を開いた。
「此処から真面目な話だ」
「はい」
「敦に五十七億の賞金をかけた
「・・・誰です?」
「北米の異能組織・・・
「ッ!?そうか、景気の善い話だと思っていましたが其の組織なら其れだけの大金を払えますね。目的までは判りませんが」
「・・・顔見知りでもいるのか?」
「一人だけ・・・“魔人”が居ます。地下を拠点とする盗賊団の
「
「恐らく・・・違う。ですが必ず
「其れは面倒だな・・・・・・太宰、提案がある」
「聞きたくありませんが聞きましょう」
「ポートマフィアに捕まれ」
「・・・やっぱりそうなります?」
「そうなる。其れが最適解だ。云わなくても判るだろうが捕まる目的は『
「うぇぇ〜やだよぉ〜。働きたくないよぉ〜」
「其れについては同感だ。然し御前しか居ないのも事実だ。此の件を扱っているのは“芥川”だからな。何もかも都合が善い」
「やだやだ!」
「・・・此処のお代は俺が出そう」
「へっ!?元から比企谷さん持ちでしょ!?そう云う話だったじゃ無いですか!?私聞いてませんよ!」
「確かに国木田には奢ってやると云った。だが御前には云ってない。勝手に御前が思い込んだだけだろう」
「ぐぬぬぬぬ・・・」
「してくれれば御前が俺を
(バレてる!?)
「・・・判りましたよ。やりますよ」
「助かる。
八幡は懐から何も記入されていない手紙を取り出した。二人は話し合いながら太宰が手紙を記入した。記入し終えた後、八幡は再び懐に手紙を入れた。酒が無くなったのも同刻だった。二人は立ち、国木田に対しては八幡が肩を貸した。
「国木田は俺の家に泊めよう。此処から近いからな。タクシーなんぞ暫らく使いたくないだろうからな」
「そうですね。私は此処で失礼します」
「あぁ」
太宰が先に居酒屋を出ると八幡は携帯を取り出し、或る所に電話を掛けた。国木田は未だに爆睡している。
「心中は一人では出来ない〜♪二人なら出来る〜♪」
「見付けた。」
(比企谷さん手が早すぎッ!!!!)
まぁ閑話の様な話が終わりました。
どうでしたか?
前書きにも書きましたが
12月19日
日間ランキング17位に入りました!
有難うございます!!
これからも精進して参ります!クオリティもアゲアゲでいきます!!
毎度恒例謝辞。
『夜烏 雅影』さん、最高評価ありがとうございます!!『訪闇』さん、高評価有難うございます!!
励みになってます!!
第二章も終わりが見えてきました。第二章も完結まで走りきります!!
ではまた次回!!