ソードアート・オンライン Dragon Fang《リメイク版》   作:グレイブブレイド

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こんにちは。いえ、こんばんは。グレイブブレイドです。

つい最近、クローズのVシネマやっと見ることができました。クローズがかっこよくて、内海さんのところには爆笑しました(笑)。グリスのVシネマも早く見たいです。

SAOアニメは、ユージオがヤバいことに……。アドミニストレータの声優さんが、坂本さんなので妖艶さと邪悪さがいい感じにベストマッチしているなと思いました。

それでは、今回の話になります。


第6話 クジラと海底神殿と海の王

神殿の中はオレンジ色に光る照明があるため、比較的明るくて問題なく進むことができていた。その中を小魚の群れが泳いでおり、幻想的な海底神殿だと言ってもいい。

 

今のところ、水棲型のモンスターはもちろん、あのお爺さんが言っていた盗賊たちとは遭遇していない。しかし、奥へ進んでいくと絶対に遭遇して戦闘になるだろう。

 

同時にどうしても、リーファのことが心配になってしまう。そんな中、俺の近くを歩いていたオトヤが小声で話しかけてきた。

 

「ねえ、リュウ。やっぱりリーファのことが心配なの?」

 

「まあな。特訓して泳げるようにはなったけど、まだ完全に水中戦闘に慣れたってわけじゃないからな」

 

「昼間に学校のプールで特訓して泳げるようになったから大丈夫だよ。このクエスト中、リーファには後衛に控えてもらうことになったし、ウンディーネのアスナさんも一緒にいるしね。リュウは心配し過ぎだよ」

 

「そうだよな……」

 

オトヤと話をしながら進んでいる最中だった。ふと前を見てみるとあることに気がついた。

 

「キリさん、クラインさん!前!前!」

 

「んっ?どうしたん……って……」

 

「「うわああっっ!!」」

 

俺よりも何歩か前を歩いていたキリさんとクラインさんが、先の通路にある正方形型の落とし穴に気が付かず、そのまま前へ進んでいこうとしていたのだった。俺はすぐに2人を呼び止めるが、すでに遅くて2人は穴の中に発生した渦潮に引きずり込まれていく。

 

2人は必死に泳いで何とか飲み込まれる前に這い上がってきた。

 

「見えている落とし穴に落ちる奴がいるかよ。注意が足りないぞ」

 

カイトさんが呆れた顔をして落とし穴に落ちた2人にそう言い放つ。

 

「だったら、教えてくれたっていいだろ、カイト!」

 

「そんなんだから、彼女ができねぇんだよっ!」

 

キリさんとクラインさんは抗議してくるが、カイトさんは「知るか」と言わんばかりに無視する。なんか、クラインさんに至っては全く関係ないことだと思うけど……。

 

こんなところで、いつまでもモタモタするわけにはいかないと思い、2人の元に向かう。

 

「今引き上げますから待っててください」

 

「おーい、ザックとオトヤも手伝ってくれ」

 

エギルさんに呼ばれて、中衛にいたザックさんとオトヤも返事をしてこちらにやってくる。

 

「全く、前衛がこんな調子で大丈夫なのかしら?こんなんでよくSAOで攻略組として戦ってきたなって思うくらいだわ」

 

「まあまあ」

 

リズさんは呆れた様子でそんなことを言っており、シリカはリズさんを宥める。リーファとアスナさんはノーコメントで苦笑いを浮かべていた。

 

男性陣総出で、キリさんとクラインを引き上げた途端、落とし穴の中が一瞬青白く光って何かが出てくる。

 

「おわっ!出たか、クジラかっ!?」

 

「いや、どう見たってクジラにしては小さすぎるだろ!」

 

突然のことにクラインさんは驚いてそんなこと言い、ザックさんが叫んでツッコミを入れる。

 

現れたのは《Armachthys》という名の大型の魚モンスターだ。更にもう1体同じ奴が出現する。

 

「2体同時かよ!戦闘用意!」

 

キリさんの一声発したのと同時に戦闘が開始された。

 

モンスターたちは頭突きをするかのように突撃して来て、キリさんとカイトさんが攻撃を受け止める。しかし、奴らのHPは少しも減っていない。

 

「頭はダメージが通らない奴か」

 

「俺とカイトでタゲを取るから、皆で側面から攻撃してくれ!」

 

「はいっ!!」

「おっしゃああ!!」

「任せろっ!!」

 

キリさんが指示を出し、俺とクラインさんとエギルさんは武器を使って攻撃していく。

 

「オレたちも行くぞっ!!」

 

「わかったわ!」

「了解!」

「はい!」

 

更に中衛に控えていたザックさんを筆頭に、リズさんとオトヤとシリカも参戦する。

 

「あ、あたしも……うわっ!」

 

リーファも抜刀して参戦しようとするが、水中だということもあってうまく動けずふら付いてしまう。それを見た俺はリーファに向かって叫んだ。

 

「リーファ無理するな!俺たちは大丈夫だから支援魔法を頼む!アスナさん、お願いします!」

 

「う、うん!」

 

「任せて!」

 

リーファはアスナさんと一緒に支援魔法を使い、前衛と中衛全員に攻撃力アップなどのバフ効果が追加される。

 

「よし!これでまだ戦える!ありがとうリーファ!」

 

リーファに礼を言い、再びモンスターたちと戦闘を開始する。他の皆も俺に負けてられないと言わんばかりにモンスターにダメージを与えていく。7人のプレイヤーたちによる猛攻撃により、1体のモンスターは倒し、残りの1体もHPが残り半分を切った。これならいけると思ったその時だった。

 

「リーファ!?」

 

後衛にいたはずのリーファが抜刀してこちらにやってくる。

 

「リュウ君たちが特訓してくれたから、もう大丈夫だよ!」

 

だが、同時に残りの1体が俺たちの元から離れ、高速で回転して泳いで渦潮を発生させた。前に出て戦っていた俺たちは伏せて回避するが……。

 

「う、うわぁぁぁぁっ!!」

 

飛び掛かっていたリーファは渦潮に巻き込まれてしまう。そして、前方にあった落とし穴へと落ちそうになり、必死に両手で縁にしがみついていた。あのままじゃ、そう長くはもちそうにない。

 

渦潮が発生してむやみに動くと危険だという中でも、俺は地面に突き刺した《ドラグブレード》を抜き取り、モンスターがいる方へ一気にジャンプする。

 

「リュウっ!!」

 

オトヤが俺を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、今はそんなことを気にしている暇はなかった。

 

途中で俺も渦潮に巻き込まれそうになるが、何とか天井まで来る。モンスターのいる位置を捉えると、天井を蹴り、逆手に持った《ドラグブレード》で一気に切り裂き、モンスターはポリゴン片となって消滅した。

 

「リーファ!!」

 

すぐに落とし穴へと向かい、力尽きて落ちそうになったリーファの左手を間一髪のところで掴んだ。

 

「リュウ君……?」

 

「絶対に助ける!この手が届く限り!」

 

カッコつけて何処かのメダルで変身するヒーローみたいなことを言ったものも、落とし穴の中に発生した渦潮のせいで思うように引き上げられずにいた。このままでは、俺も引きずり込まれてしまう。

 

(諦めるか!生きている限り絶対この手は離さない!)

 

「俺だってスグの兄貴なんだ。リュウだけに任せるわけにはいかない!」

 

「キリさん!」

 

キリさんの後にエギルさんたちも駆けつけてくれて一緒にリーファを無事に引き上げた。

 

流石にこれには体力を使って、ゼーゼー息を切らしてこの場に座り込んだ。

 

「リュウ君、助けてくれてありがとう…」

 

「ここに来る前に言っただろ。『何かあった時はすぐに俺が助けてあげる』って。その約束を守っただけだよ」

 

笑みを浮かべてそう言うと、リーファは頬を少し赤く染める。

 

「リュウ君…」

 

「リーファ…」

 

俺たちは見つめ合い、いつものように自分たちの世界へと入り込んでしまう。

 

「おーい、お前ら。オレたちがいるってこと忘れてないか?」

 

急にザックさんの声が聞こえてきて、俺とリーファはハッ!と我に返る。

 

声がした方を見ると、カイトさんとザックさんとエギルさんは呆れて、アスナさんとオトヤとシリカは苦笑いを浮かべ、リズさんとクラインさんはニヤニヤし、ユイちゃんは微笑ましそうに見ていた。キリさんに至っては、何故か三角座りして落ち込んでいる始末だ。

 

「アンタたちは相変わらず、イチャコラしているわね」

 

「リュウさんとリーファさんもラブラブなんですね」

 

「いやぁ、2人ともお熱いな~。とりあえず、リュウだけ爆発しろ……」

 

リズさん、ユイちゃん、クラインさんの順で言ってくる。クラインさんは、最後辺りに俺に対して何か物騒なことを言ったような気がしたけど…

 

俺とリーファは恥ずかしくなり、黙り込んでしまうが、キリさんは三角座りして落ち込んでいるままだった。

 

「俺だってスグを助けたのに、リュウにはお礼を言って俺にはなしかよ……」

 

「お前はシスコンか」

 

「俺はシスコンじゃない!」

 

カイトさんにシスコンと言われ、キリさんは何処かの幻さんが「俺は負けてない!」と言うかのように全力否定する。

 

「あはははは、お兄ちゃんもありがとね」

 

流石にこれは可哀想だなと思ったリーファは、笑ってキリさんにお礼を言った。

 

 

 

 

 

「先に進むぞ」

 

再び先に進み始めたが、トラップも先ほどの落とし穴タイプの他にも、行く先に巨大な渦潮があって先に進めない仕掛けになっているものなどいくつもあったが、ユイちゃんのサポートもあってか、皆で隠しスイッチを見つけたりと問題なく突破していく。

 

途中で遭遇するモンスターも巨大なカニをはじめ、水棲系のモンスターたちが待ち構えていた。小型のエイやクラゲのモンスターが大量に出てきて、大乱闘に発展したことも何回かあった。特にクラゲ型のモンスターは、ステータスは低いが触手に触れると電撃を浴びせてくるので少し苦労した。

 

「なあ、リュウ。クワガタとカマキリとバッタのメダルで変身して何とかできないか?」

 

「そんなのありませんよっ!!」

 

キリさんがそんなことを言ってきたので、俺は全力でツッコミを入れる。

 

数々の仕掛けを突破すると、ついに神殿の最深部へとたどり着くことができた。

 

最深部の部屋にある台座には、依頼人のお爺さんが言っていた巨大な真珠が置かれていた。念のために慎重に近づいてみるも、特にトラップもなく、難なく巨大な真珠を手に入れることができた。

 

巨大な真珠はキリさんが持つことになり、俺たちは来た道を戻っていく。

 

 

 

 

 

帰り道はモンスターもあまり出てこなく、特に問題なく神殿から出ることができた。

 

「オレ、当分エビだのカニだの見たくねぇ」

 

「イカとタコもな」

 

クラインさんとエギルさんは、神殿の入り口前にある階段に腰を下ろし、ゲンナリとながらそう言った。

 

「俺は調理するときも見たくないくらいだ」

 

更にカイトさんが2人に続くように言う。

 

確かに、あれだけ水棲系のモンスターの相手をしてきたんだから、そう思っても仕方ないだろう。俺自身も、明日の夕飯が寿司や刺身でないことを祈ってしまうほどだった。

 

「結局、最後までクジラ出てこなかったなぁ……」

 

「でも、ユイちゃん凄く楽しそうだったよ」

 

オトヤとシリカも階段に座ってそんなことを話していた。

 

神殿内に今回のお目当てであるクジラは出てこなかった。だけど、ユイちゃんが満足してくれたなら、それでいいか。

 

そんな中、カイトさんが話を切り出してきた。

 

「なあ、あの爺さんが言っていた盗賊って1人も出てきてないか?」

 

これに彼の近くにいたザックさんとリズさんが反応する。

 

「言われてみればそうだな。出てきたのは水棲系のモンスターしかいなかったような……」

 

「それに、真珠が置かれていた場所ってなんだか、鳥の巣みたいな感じがしたんだけど……」

 

この場にいる全員が奇妙なことだらけだなと思う中、キリさんはお爺さんに真珠を渡そうとする。

 

「キリト君待って!」

 

突然、アスナさんがキリさんを呼び止め、彼の元へ走っていく。キリさんが「どうしたんだ?」という前に、真珠をキリさんの手から取って掲げた。

 

「これ、真珠じゃなくて卵よ!」

 

アスナさんの発言を聞き、俺も急いで2人の元へと向かう。アスナさんが持っている巨大な真珠をよく見ると、中には何かの幼生らしきものが動いているのが確認できた。

 

盗賊が1人も現れず、真珠……卵が置かれていたところは鳥の巣みたいなところだった。

 

――もしかして、クエスト名の《深海の略奪者》って言うのは、盗賊じゃなくて俺たちのことだったのか?

 

「さあ、早くそれを渡すのだ」

 

お爺さんがゆっくりと近づいてくる。

 

俺とキリさんは剣を手に取り、卵を持っているアスナさんの前に出る。

 

「渡さぬと言うのであらば、仕方ないのぉっ!!」

 

お爺さんの閉ざされた瞳が開く。その目は明らかに人のものではなく、何かの水棲系の生き物みたいなものだった。すると、長く蓄えていた白い髭は吸盤付きの8本の触腕に変化し、体が大きく膨れ上がって巨大な軟体生物に変化させる。その姿は巨大なタコ。

 

《Nerakk》という名前は《Kraken the Abyss Lord》となった。そして、7本のHPゲージが出現する。

 

すると、リーファは驚愕して声を上げた。

 

「クラーケンっ!?」

 

「クラーケンってもしかして、海で船を襲う巨大なタコやイカの姿をした怪物のことか!?」

 

「うん!」

 

俺はリーファほど北欧神話に詳しくないが、クラーケンという名前はゲームや漫画で有名なので知っていた。

 

「礼を言うぞ、妖精達よ。我を拒む結界が張られた神殿からよくぞ神子の卵を持ち出してくれたのぉ!さぁ、それを我に捧げよ!」

 

「お断りよ!この卵は私たちで神殿に戻します!」

 

クラーケンの要求をアスナさんは断り、俺たちは戦闘態勢へと入る。

 

「愚かな羽虫どもよ、ならば深海の藻屑となるがよいっ!!」

 

クラーケンは1本の触腕を勢いよく振り下ろしてきた。ザックさんとクラインさんとエギルさんが武器を持って受け止め、リーファとシリカとオトヤが支援魔法で3人を援護する。だけど、押し上げることはできずにいた。

 

「クソっ!重すぎだろ……」

 

ザックさんが苦しそうにしながら、そう口にする。クラインさんとエギルさんもかなり辛そうにしている。

 

この隙に、俺とキリさんとカイトさんの3人で、ソードルキルを使用して同時に斬り付ける。だが、瞬時に傷口を回復させられてしまう。

 

「何っ!?だったらもう一度っ!!」

 

ソードスキル使用後の硬直状態から真っ先に回復した俺は、更に強力なソードスキルを放った。先ほどよりも強力な攻撃を与えたはずだったが、結果は同じだった。

 

「そんな攻撃効かぬわぁっ!!」

 

クラーケンはお返しにと言わんばかりに、動けなくなっている俺に目掛けていくつもの触腕を使って襲いかかった。

 

「リュウ、危ないっ!」

 

直前でリズさんが駆けつけ、押し倒して俺を攻撃から守ろうとする。だが……。

 

「うわぁぁぁぁっ!!」

「きゃぁぁぁぁっ!!」

 

あまりにも強力な攻撃で、リズさんと一緒に吹っ飛ばされてしまう。更には、キリさんとカイトさんを柱に叩きつけ、攻撃を受け止めていたザックさんとクラインさんとエギルさんまでも地面に叩きつけられてしまう。

 

攻撃を受けた7人はなんとか無事だったものの、HPはレッドゾーンに到達していた。

 

対して、クラーケンのHPは全く減っていなかった。

 

すぐにリーファとアスナさんとオトヤとシリカが回復しようとするが、7人分のHPを回復させるのに時間がかかる。

 

「パパ、あのタコさんのステータスは高過ぎます!新生アインクラッドのフロアボスを遥かに上回る数値です!」

 

キリさんの近くにいたユイちゃんが動揺を隠しきれず解説するが、俺たちもそれを聞いた途端、驚愕する。

 

新生アインクラッドのフロアボスは、ハイレベルのプレイヤーたちで作ったフルレイドのパーティでさえも全滅させてしまうほど強力なステータスとなっている。それを上回る奴となると、11人で倒すのはほぼ不可能に近い。撤退するにしても、水中な得意なクラーケンが相手ではできない。

 

この間にもクラーケンは巨大な口を開き、俺たち全員を丸呑みにしようとする。

 

万事休すかとこの場にいた全員が思った時だ。

 

突然、クラーケンの目の前にかなり巨大な三叉槍が勢いよく突き刺さる。クラーケンは、この槍を見た瞬間、動揺を隠せずにいた。

 

一体何が起こったのかと思っている中、上から鎧をまとった巨人が降り立った。大きさもクラーケンにも劣らぬ巨大さだ。その巨人には、HPゲージが8本と《Leviathan the Sea Lord》という名前が出現する。

 

リヴァイアサンという名は聞き覚えがあった。確か、旧約聖書に登場する海中の怪物や悪魔と言われている奴だ。

 

「久しいな、古き友よ。相変わらず悪巧みがやめられないようだな」

 

「そう言う貴様こそ、いつまでアース神族の手先に甘んじているつもりだ?海の王の名が泣くぞ!」

 

俺たちは話が付いていけず、黙って奴らの会話を聞くことしかできずにいた。

 

「私は王であることに満足しているのさ。そしてここは私の庭。それを知りながらも戦いを挑むのか、深淵の王よ?」

 

「今は退くとしよう。だが、諦めるつもりはないぞ!いつか神子の力を我が物とし、忌々しい神共に一泡吹かせるその時までぇぇ!」

 

クラーケンはそう言い残し、そのまま深海の奥深くまで降りて行った。そして、リヴァイアサンは俺たちの方を見る。

 

「その卵はいずれ全ての海と空を支配するお方のもの。新たな場所に移さねばならぬ故、返してもらうぞ」

 

リヴァイアサンが手を向けて光らせると、アスナさんが持っていた卵が光って消える。すると、クエストクリアを示すウインドウが出現する。

 

「あれ?これでクリアですか?俺、リヴァイアサンとクラーケンの話が全然理解できなかったんですけど……」

 

「今はそれでよい。さ、そなたらの国まで送ってやろう、妖精たちよ」

 

「お、送るってどうやって……」

 

この場にいた皆が思ったことを、シリカが口にする。

 

直後、俺たちの頭上を巨大な影が現れて覆い尽くす。この光景を見ていた俺たちは、唖然としていることしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

「クジラさん、すっごくすっごく大きいですっ!」

 

「きゅる」

 

満足そうにして声を上げるユイちゃんとピナ。

 

俺たちの目の前に現れた巨大な影の正体は、今回のお目当てであったクジラだった。どうやらクエスト中ではなく、クリアして初めてクジラが出てくるという展開だったようだ。

 

海底に潜る前は日が高くまで登って青い空や海が広がっていたが、今は日が沈みかけて空と海をオレンジ色に染めていた。クジラは、アルヴヘイムの大陸を目指してゆっくり泳いでおり、その近くを数匹のイルカが泳いでいる。

 

ユイちゃんは、クジラを見ることだけではなくて乗ることまでもでき、本当に嬉しそうに笑っていた。キリさんとアスナさんはもちろん、俺たちもユイちゃんが喜ぶ姿を見て俺たちからは自然と笑みがこぼれた。

 

すると、リーファが俺に寄り添ってきた。ドキッとしつつも、俺も後ろに手をまわしてリーファの肩をそっと抱いた。

 

今回のクエストを通し、この世界には俺たちがまだ知らないことが沢山あることが分かった。これからも沢山の冒険が俺たちを待ち受けているだろう。俺はそれが楽しみで仕方がなかった。

 

こうして、ユイちゃんの願いは叶い、海底神殿でのクエストは幕を閉じたのだった。




分量が予想よりも多くなったので、本当にExtraEdition編のALOの話を2つにしてよかったなと思いました。

旧版ではリュウ君が落とし穴に落ちてリーファが助けるという展開でしたが、リメイク版では本家と同様にリーファが落ちてキリトの代わりにリュウ君が助けるという展開にしました。平成ジェネレーションズfinalで、龍我が崖から落ちそうになって映司が助けるというみたいなことを、やってみたいなと思ったからです。他にもライダーネタを少し入れてみたので、お時間があった時に探してください。

そして、リメイク版ではカイトさんたちが加わりましたが、やはりクラーケンには勝てませんでした。私の中ではアイツに勝つのは無理ゲーが感じしかしないんですよね。


急に話が変わりますが、この作品のキャラはどのライダーと似ているかお便りを頂きまして、まとめてみました。

リュウ君:オーズorクローズorブレイブ(ファンタジーゲーマー)orエボル(ドラゴンフォーム)
リーファ:キバーラ
キリト:鎧武(オレンジアームズ、極アームズ)
アスナ:ファム
カイト:バロン
ザック:ナックルorランス
オトヤ:レンゲルorキバ(キバフォーム)
シノン:マリカ
シリカ:メイジ(稲森真由ver)
リズ:ラルク
クライン:ビーストorローグ
エギル:タイガ
ユウキ:なでしこ
ユージオ:ブレイブ(レガシーゲーマー)
アリス:キバ(エンパラーフォーム)
エイジ:風魔
ユナ:ポッピー
レコン:グリドンorゲンム(レベル1)
ヒースクリフ:オーディンorマルスorクロノス

個人的に、キャラや戦闘スタイルなどからまとめた奴なので、中にはえっ!?と思う奴もあるかと思います。リュウ君は初めはオーズだけだったのですが、ここ数年でクローズのイメージも強くなってきたんですよね。そして、クラインがローグ、レコンがゲンムだというのはギャグの面を見れば納得がいくかと思います(笑)

次回もよろしくお願いします。

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