ソードアート・オンライン Dragon Fang《リメイク版》 作:グレイブブレイド
「パパ、リュウさん、リーファさん。大丈夫ですか?」
ユイちゃんが俺たちを呼ぶ声が聞こえた。目を覚ますと、目の前にはピクシーではなくて白いワンピースを着ている少女の姿のユイちゃんがいた。
「ああ……」
「大丈夫だよ……」
「あたしも……ってユイちゃんどうしてピクシーじゃないのっ!?」
リーファはユイちゃんが少女の姿になっていることに驚く。そんな彼女を後で詳しく説明すると言って落ち着かせる。
辺りを見渡してみると、今俺たちがいるのは白い壁と天井に覆われた通路だった。ゆるく右に湾曲している通路だ。どう見てもALOのようなファンタジーな世界観とは異なってSF作品に出てくるような構造をしている。
「ユイ、ここは?」
「わかりません、マップ情報がないようです……」
ユイちゃんでもわからないってなるとここはいったい……。仮に空中都市とかだったらマップ情報があるはずだ。
「アスナの居場所はわかるか?」
「はい、かなり……かなり近いです。ハッ!こっちです!」
キリさんがそう聞くとユイちゃんは何かを感じ取ったのか、急に走り出す。俺たちもその後を追う。
明らかにここは妙なところだ。空中都市っていうより何かの研究施設みたいにも見える。古参プレイヤーのリーファはもちろんのこと、キリさんとユイちゃんもここがおかしいというような表情をしている。
前方で通路は終わり、ドアが行く手を塞いでいた。
「あのドアを抜ければ、外に出られます!」
ユイちゃんのその台詞を聞いて、俺たちは更に足を急がせる。
その時だった。
「今日は随分と来客が多いなぁ」
突如、俺たちの行く手に1人の1人の男性が物陰から姿を現す。金髪に金色の瞳を持ち、緑色の服と鎧を身に纏っており、背中には薄い緑色の蝶の翅みたいなものが生えている。
「来客が来るなんて私は聞いてないぞ」
「アンタはALOの運営者か?」
「まあ、そういうことになるかな。今の私は妖精王オベイロンに仕える妖精……パック。ようこそ、グランドクエストをクリアした妖精たち」
俺の問いに、キャラを演じているかのように自分の名前を述べる。だけど、このパックとかという男の声を聞いた瞬間、3日前に会ったある男の顔を思い出した。恐る恐るその男の名前を言ってみる。
「まさか、アンタは蛮野さん……?」
「どうして私の本当の名前を知っているんだ?もしかして君は3日前に会った橘君か?」
「やっぱり、そうだったのか……」
蛮野卓郎。クリムさんの元教え子で、今はレクト・プログレスの副主任を務めている男だ。キリさんから須郷伸之やレクト・プログレスのことを聞いた時、須郷とグルなんじゃないかと疑ったりもしたが、まさか本当にそうだったとは……。
今のこの男からはSAOにいた犯罪行為を行っていたオレンジプレイヤーのような感じしか伝わってこない。
「リュウ、知り合いなのか?」
「そうですね。まあ、一度しか会ったことないですけど……」
キリさんにそう言い、低音ボイスで蛮野に問いかける。
「蛮野さん、ここはいったい何なんですか?俺たちにはここは空中都市じゃなくて何かの研究施設みたいなところに見えるんですけど。さっきだってゲートまでとどり着いたのにゲートは開くことはなかった。詳しく説明してもらいましょうか?」
「ここまで来た君たちに特別に教えてあげるよ。ここでは300人にも及ぶ元SAOプレイヤーの献身的な協力によって記憶・感情操作技術の研究が行われている。実験も8割近く終了して、我々はかつて誰もなし得なかった人の魂の直接制御をできるんだよ」
あまりにも衝撃過ぎる内容に俺たちは驚きを隠せなかった。多くプレイヤーたちがゲームを楽しんでいるALOの裏側で、アスナさんを含めた300人のプレイヤーたちを監禁し、こんな恐ろしいことを行われているとは誰もが思ってもいなかったことだろう。
「マジかよ……」
「だからグランドクエストをクリアできないようにあんな無茶苦茶な設定にしてたのか……。ここの存在を知られないように」
俺とキリさんは呟くように言った。
「だけど、ある男がここに忍び込んで実験体を逃がし、研究データを持って警察に突き出そうとした。橘君、君が知っている人物だよ。確か最後に会ったのは私と同じく3日前だったかなぁ」
「ま、まさか……その人って……」
「そう、奴の名前はクリム・ローライト。クリムには秘密を知られたから、ここに閉じ込めて新たな実験体として加えてやったよ」
「嘘だろ……。クリムさんが……。どうして、アンタはこんなことを……。クリムさんはアンタの先生だった人だろっ!!」
「アイツは偉大な研究の邪魔をしようとしたんだぞ。私たちの研究の価値がバカにはこうした方が気が晴れるというものだろう?」
「狂ってる……」
俺の怒りが籠った叫びにも蛮野は何事もなかったかのように不気味な笑みを浮かべて語る。そこへリーファが話に入って来る。
「じゃあ、一番最初にグランドクエストをクリアして、空中都市にとどり着いた種族が光の妖精アルフに転生できるって言うのは嘘だったのっ!?」
「全てお前たちが夢見てた幻だ。空中都市?アルフに転生?そんなのあるわけないだろ」
「そんな……」
ずっと空をいつまでも飛ぶことを夢見ていたリーファは、ショックを受けて地面に膝をついて座り込んでしまう。
「偉大な研究をしている一方で、妖精たちが力を求めて種族同士で争っている光景は最高だったよ。全く仮想世界さまさまだ!ハハハハハハハハハハ!!」
蛮野は狂ったように笑い出す。この男の姿を見て俺は笑うしかなかった。
「ハハハハ……」
「ん?」
「なんかさ、極悪運営者か極悪科学者ぐらいの奴だと思っていたよ……。だけど俺も甘いや……。お前こそ人の心をもて遊んだり、平気で人を実験体にしようとする人の皮を被った正真正銘の化け物だよ、蛮野卓郎!!」
「黙れっ!!英雄でもない無能なガキが私を侮辱するなぁぁぁぁっ!!」
怒りを露わにした蛮野は数体のガーディアンを呼び出す。
「お前たちの目的は上にいる女王だろ?女王を攫いに来た奴らは排除しないとな」
「囚われの姫を救いに来た妖精の剣士たちの間違いなんじゃないのか? アスナがここいるってわかった以上、力づくでもここを通してもらおうか」
「ずっとあたしたちALOプレイヤーを騙してたなんて……。絶対に許せない!」
「蛮野、お前の運命は俺たちが変える!!」
キリさん、リーファ、俺の順に言う。そして、俺たちは愛剣を手に持つ。
「かかれっ!!」
蛮野の叫びと共にガーディアンたちが俺たちに襲い掛かって来て、この場は一気に乱戦と化す。キリさんとリーファがガーディアンたちと戦っている中、俺は1体目をして真っ先に蛮野の元へと向かった。
「キリさん、コイツは俺に任せて下さい!」
「お兄ちゃんはアスナさんのところに早く行って!」
リーファはキリさんが戦っているガーディアンの相手もし、俺に続くように彼に向かってそう叫んだ。
「だけど……」
「俺たちなら大丈夫です!早くっ!!」
渋るキリさんに向かって先ほどよりも強めに叫んだ。すると、キリさんは剣をしまった。
「くっ!リュウ、リーファ、頼んだ!行くぞユイ!」
「はい!2人ともどうか御無事で!」
キリさんはユイちゃんを連れてアスナさんがいると思われる方へと走って向かう。
「たった2人で私の相手をするとは。随分と舐められたものだな」
すると蛮野は曲刀と盾を出現させて手に持つ。
「この武器はクリムを倒して手に入れた戦利品だ。お前たちの相手にはこれで十分だろう」
「余裕をかましているのも今の内だ!」
地面を蹴り、《ドラグニティ・レイ》で蛮野に斬り付けようとする。蛮野は右手に持っている曲刀で応戦してくる。何度も武器が激しくぶつかり合ってその度に火花を散らす。互角かと思ったが、蛮野は左手に持っている盾も使って俺の攻撃を防ぎ、曲刀で斬り付けようとする。
「っ!?」
間一髪のところでバックジャンプして攻撃を回避し、すぐに突きを一撃放つが、盾で防がれてしまう。
蛮野が振り下ろしてきた曲刀を《ドラグニティ・レイ》で受け止め、鍔迫り合いとなる。曲刀を一旦弾き、片手剣スキル《ホリゾンタル・アーク》のように、水平に払った剣を手首を返して逆方向へ再び水平に払う。
先ほどと同様に蛮野は盾で攻撃を防ぐが、俺はわずかに出来た隙を狙って片手剣スキル《シャープネイル》を再現した3連撃を喰らわせる。
「グワッ!」
更に連撃を叩き込んでいく。だが、蛮野もこのままやられるわけにはいくかと、盾で俺を殴りつける。
「調子に乗るなぁぁぁぁっ!!」
「ぐっ!」
攻撃を受けて地面を転がって壁際に追い詰められてしまう。蛮野は追い打ちをかけようと俺に曲刀を乱暴に何度も振り下ろしてくる。《ドラグニティ・レイ》で受け止めるが、反撃の隙はなく、奴のステータスはかなり高いこともあって防戦一方となってしまう。
するとここで、先ほどまでガーディアンの相手をしていたリーファが蛮野に風属性の攻撃魔法を放って加勢してきた。まともにリーファが放った魔法を受けた蛮野は地面に転がる。
「リュウ君、大丈夫!?」
「ああ!助かったよ、リーファ!」
体勢を立て直し、リーファと共に蛮野に立ち向かう。まず先に俺が攻撃して曲刀を弾き、続けてリーファが盾を弾く。更にもう一度俺が攻撃し、直後にリーファが俺と入れ替わって攻撃とスイッチを何度も素早く繰り返すかのように蛮野にダメージを与えていく。
2対1と数では俺たちの方が有利だが、蛮野は俺たち2人を相手にしても互角に戦っている。
「やっぱり運営側の人だから強いね……」
「ああ……。アバターのステータスを最高レベルに設定しているんだろうな……」
リーファの言う通り、蛮野は強い。だけど、アバターのステータスは高くてもプレイヤーとしての実力はユージーン将軍の方が上だ。《魔剣グラム》を使って俺を散々苦戦させたユージーン将軍と戦ったときと比べたらまだどうってことない。
「リーファ、アイツの動きを封じることができる魔法はあるか?」
「風魔法でそう言うのはあるよ」
「俺がアイツの注意を引き付けるから隙を見てそれを使ってくれ」
「うん!」
そう言い残し、1人で蛮野に攻撃を仕掛ける。俺は《ドラグニティ・レイ》を振るい、蛮野は曲刀と盾で防ぎ、両者共に一歩も譲らない状況だ。そこへ俺は片手剣スキル《バーチカル・スクエア》を再現した4連撃を叩き込み、蛮野の盾を弾き飛ばす。
《バーチカル・スクエア》は使用後に大きな隙が出来る。ソードスキルが存在しないALOでも同様に大きな隙ができ、その隙を突かれて蛮野の反撃を受けて俺は地面に転がる。
それでも俺は隙を作るために初級の闇属性の攻撃魔法を蛮野にむけて放つ。だが、それは蛮野に軽々とかわされる。
「そんな生ぬるい魔法など私に効くか!」
「それはどうかな?」
「何を言って……ぐっ!!」
突如、蛮野の身体に電撃が走り、奴は動けない状態となる。
「こ、こいつは……」
「それは対象の相手の動きを一定時間封じる風魔法の
「姑息なマネを……」
蛮野は無理やりにでも身体を動かそうとするが、魔法の効果はまだ残っていることもあって中々動かすことができないでいる。
「今だよ、リュウ君!」
その間に地面を力強く蹴り、片手剣スキル《ヴォーパル・ストライク》を再現した強力な突きを繰り出す。
「ぐおおおおおおおおっ!!」
俺の渾身の一撃は蛮野にクリティカルヒットし、奴はふっとばされて地面に倒れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
扉の先にあったのは、夕焼けの空に、世界樹の幹がどこまでも伸び上がり枝分かれしている光景だった。蛮野が言ってた通り、空中都市はなかった。
このことに再び怒りが込み上がってきたが、今はアスナを救い出すのが先だと樹上の道をユイの手を引いて走る。走り続けていると、数日前にエギルから送られてきた写真に写っていた鳥籠が見えてきた。そして、その中に人影の姿もある。
「もう少しだ……」
徐々に鳥籠に近づき、その中にいる人影の姿がはっきりと見える。
1人の少女だ。栗色の髪に胸元に赤いリボンがある白い薄いワンピースを身に纏い、そして背中からは透明の昆虫の翅のようなものが2枚伸びている。耳は妖精らしく尖っているが、間違いなく彼女だ。
少女……アスナは俺たちを見て両手で口元を押さえ、眼からは涙を流す。
「ママ!!」
ユイが叫び、鉄格子の扉に手を触れると扉はポリゴン片となって消滅する。そして、ユイは一気に鳥籠の中にいたアスナの胸にまっすぐ飛び込んだ。
「ママ!!」
「ユイちゃん!!」
アスナはユイを抱き締める。2人の目からは涙がこぼれ落ち、宝石のように輝きながら消えていった。
「キリト君……」
「アスナ……」
そして、俺も一歩一歩アスナの元へと歩み寄り、胸に抱かれたユイの体ごとアスナを抱きしめた。懐かしい暖かさが俺の体を包んだ。
「……ごめん、遅くなった」
「ううん、信じてた。きっと助けに来てくれるって……」
あの世界が消滅してからずっと俺が追い求めていた大切な人と再会することができた。これで剣の世界が終わり、現実という名の新しい世界へとアスナと一緒に旅立つことができる。
「さあ、一緒に帰ろう。皆もアスナの帰りを待っているからな」
「皆ってもしかして……」
「ここに来たのは俺とユイだけじゃないんだ。リュウにカイト、ザック、オトヤ、シリカ、リズ、クライン、エギル……皆、アスナを助けようと来たんだよ。あと、俺の妹も協力してくれて……」
「そうだったんだ。リズたちはもちろんだけど、キリト君の妹さんにもちゃんと会ってお礼しないといけないね」
「妹もアスナに会えることを楽しみにしているぜ。それよりも今は早くアスナをログアウトさせないとな。ユイ、アスナをログアウトさせられるか?」
俺の言葉にユイは首を振った。
「ママのステータスは複雑なコードよって拘束されています。解除にはシステム・コンソールが必要です」
「わたし、ラボラトリーでそれらしいものを見たよ」
「ラボラトリーって研究施設みたいなところか?」
「うん。実はそこに他のSAOプレイヤーとわたしを助けようとした人……クリムさんっていう人が捕まっているの!早く助けてあげないと!」
「よし、急いでラボラトリーに……っ!?」
不意に背後に嫌な気配を感じた。あの世界でオレンジプレイヤー……レッドプレイヤーがターゲットに狙いを定めた時と同じ感覚だ。とっさに剣の柄を握って抜こうとした時だった。
身体が何倍にもなって立っていられなくなり、俺たちはその場に崩れ落ちる。アスナはユイを抱き寄せ、俺は2人に手を伸ばそうとする。だが、更に一段と身体が重くなってそれはできなかった。
すると、周囲はどんどん深い暗闇に包まれていく。
「パパ、ママ、気をつけて!何か……よくないモノが……!」
言い終える前にユイの体を紫色の電撃が走り、ユイは消滅する。
「「ユイ(ちゃん)っ!?」」
俺とアスナは同時に叫んだ。だけど、ユイの返事は一切ない。
俺とアスナは必死に手を伸ばすが、より一段と身体が重くなって手は届くことはなかった。そして、粘つくような笑いを含んだ甲高い声が闇の中に響き渡った。
「いやぁ、驚いたよ。研究所に虫が2匹入り込んだだけじゃなくて、小鳥ちゃんの籠の中にゴキブリが紛れ込んでいたとはね」
聞き覚えのある声だ。
顔を上げるとそこには、パック/蛮野に似た毒々しい緑色のトーガに身を纏っている1人の男がいた。そして、かつて見たことのあるニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべている。姿は違うけど、誰なのかすぐにわかった。
「お前、須郷か!」
「チッチッ、この世界でその名前は止めてくれるかなぁ。妖精王オベイロン陛下とそう呼べぇっ!!」
「ぐわっ!」
妖精王オベイロンと名乗る男……須郷は俺を強く蹴りあげる。
「キリト君っ!!」
「どうだぁい?ロクに動けないだろ?次のアップデートで導入予定の重力魔法なんだけど、ちょっと強すぎるかな?」
更に踏みつける。
「やめなさい、卑怯者!」
アスナの言葉に須郷は耳を貸さず、俺に話しかける。
「それにしても桐ヶ谷君……いや、キリト君と呼んだほうがいいかな。どうやってここまで来たかは後で蛮野に聞くからいいか。今確か、蛮野が君の仲間の相手をしているみたいだけど……」
「ハッ。今頃、蛮野って奴を倒してここに向かっているんじゃないのか?その内の1人がこの状況を見たら絶対にブチギレるぜ。アイツは怒らせると滅茶苦茶怖いから気を付けた方がいいと思うな」
だけど、須郷は不敵な笑みを浮かべる。
「おいおい、キリト君。蛮野のことを甘く見ない方がいいと思うよ。普段はパックっていう僕に仕える妖精の姿をしているけど、
「どういうことだ……?」
「説明するのよりもこれを見た方がいいか。多分、ちょうどいい頃だろう」
須郷が指を鳴らすと何かの映像が流れ始めた。そこに映っているものを見た瞬間、俺とアスナは声を失ってしまう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺たちの目の前には地面に転がっているパック……蛮野の姿がある。
「やった!」
リーファは蛮野を倒して歓喜を上げる。奴はピクリも動こうとはせず、倒れ込んだままだ。俺も奴が倒れている姿を見て一安心するが、何故か胸騒ぎがおさまらなかった。
すると、蛮野/パックの身体がピクリと動き、ゆっくりと立ち上がった。立ち上がった蛮野/パックは不気味な笑みを浮かべていた。この笑みはPoHやアビスのように多くのプレイヤーを殺してきた奴らと一瞬重なって見え、俺とリーファはそんな蛮野/パックの姿を見てゾッとする。
「やっぱりパックの姿だと思うように力を出せないな。まあ、いいか。私を本気にさせたことを後悔させてやる」
蛮野がそう言った直後、奴の金色の瞳は赤くなって、奴は緑色の光に包まれる。光が消えた時には妖精パックの姿はなく、代わりに赤い目に緑の鎧とマントを装着したような姿をした緑色のハルバードを持つ怪人がいた。
「何だ、あれは……」
「お前たちは徹底的に叩き潰してやるよ。この《オーバーロード・レデュエ》の力を使ってな!」
ついにリュウ君たちの前に現れた蛮野/パック。書いててやっぱりこの作品の蛮野は色々と設定が異なっていても、仮面ライダードライブの蛮野と同様に外道な奴に変わりないなと思いました。
蛮野の相手をリュウ君とリーファが引き受け、先に向かうキリトとユイちゃん。蛮野はこの前、クリムさんと戦ったときの強さは何だったのかというくらい、リュウ君とリーファの連携にあっさりとやられてしまいました(笑)
キリトの方は原作と同様にアスナと無事に再開できましたが、須郷……下種郷の間の手が。
そして、あっさりとやられた蛮野/パックでしたが、そう簡単にはいきませんでした。ついに奴は本気を出してゴルドドライブに……ではなく、レデュエへと変貌しました。
実は当初の予定ではゴルドドライブにしようかと思いましたが、GGOならまだしもALOの世界観には合わないということでボツにしました。そこで、ドライブの前にやった鎧武で外道なキャラだったレデュエにし、この作品の蛮野の声は森田さんから津田健次郎さんへと変更しました。レデュエって声優さんは津田さんですが、実は女性らしいのですが、この作品では正真正銘の男になっています。津田さんの演技力もあって、奴が女性だと知った時は驚きを隠せませんでした。
果たしてリュウ君とリーファはレデュエ/蛮野に勝てるのか。次回もよろしくお願いします。