ソードアート・オンライン Dragon Fang《リメイク版》 作:グレイブブレイド
執筆以外のことを優先していて遅れてしまいました。申し訳ございません。
第4層へ続く階段を下っていくと、徐々に道幅が広がっていき、周囲の柱や彫像もより華美になっていった。これは、アインクラッド以来の伝統となっている『ボス部屋に近づくとマップデータが重くなる』現象だ。
突き当りには、2匹の狼が掘り込まれた巨大な氷の扉が立ちはだかっていた。あの先には、このダンジョンのラスボスが待ち受けているのだろう。
俺達が扉の5メートル以内に踏み込んだ途端、巨大な氷の扉は音を立てながら左右へと開いた。そして、奥から嫌な冷気の圧力が吹き寄せてくる。
アスナさんが全員に支援魔法をリバフしていると、フレイヤさんも何か呪文の詠唱を始め、俺達に何かのバフをかけてくれた。フレイヤさんの詠唱が終えると、ここにいる全員のHPゲージの最大値が大幅に増えたのだった。
「MAXHPが増える魔法なんて初めてです」
「これってフレイヤさんの専用魔法なんでしょうか」
シリカとオトヤは驚きつつも、この場の全員が思っていたことを言ってくれた。クラインさんがフレイヤさんを助けて一緒に連れて行こうとした判断は、正解だったかもしれないな。
HP/MPゲージの下にいくつかのバフアイコンが並んだのを確認したところで、全員でアイコンタクト。頷き交わし、ボス部屋の中へと足を踏み入れた。
内部は、ボス部屋らしく横方向にも縦方向にもとてつもなく巨大な空間となっていた。壁や床はこれまでの部屋と同じく青い氷で出来ていて、氷の燭台には薄暗いオレンジ色の光りが灯っている。
その中で俺たちの眼を真っ先に奪ったのは、部屋中に積み重なっている無数の黄金製のオブジェクトだった。金貨や装飾品、剣、鎧、盾、彫像から家具まで、あらゆるものが黄金で出来ており、数も把握出来ないくらいある。まさに宝の山とはこういうものだろう。
「総額、何ユルドだろ……?リズベット武具店のフランチャイズ化も夢じゃないわ」
この中で唯一店を経営しているリズさんが、目を輝かせながらそう呟いた。彼女と同様に店を経営しているエギルさんもここに居たら、「店の商品として仕入れたい」とか言っていただろう。
「確かにこれだけの宝があれば、間違いなく実現可能だろ。でも、これ全部持って帰れるくらいの余裕はなさそうだな……」
「こんなことならストレージをスッカラカンにしてくるんだったよ……」
ザックさんとキリさんも宝の山に目を奪われ、呑気にそんな会話を交わしていた。
クラインさんもまた武士道に突き動かされたのか、フラリと宝の山へと数歩近づき、間近で宝を眺め始めた。
その時だった。
「………小虫が飛んでおる」
突如、部屋の奥の暗闇から、地面が震える様な重低音のつぶやきが聞こえた。
「ぶんぶん煩わしい羽音が聞こえるぞ……。どれ、悪さをする前に、ひとつ潰してくれようか」
そう言いながら、ずしん、ずしんと大きな足音を立てて、巨大な何かが部屋の奥から近づいて来ているのを感じ取る。
インプの暗視能力が、巨大な人影の姿を捉えた。
その影は、通常の人型邪神や、この城で戦ってきたボスの邪神と比べても、遥かに上回る大きさだ。
鉛のような鈍い青色の肌に、長く垂れた青い髭、寒々とした青い瞳。全身は筋肉質で、あらゆる攻撃さえも弾いてしまいそうだ。両腕両足には、巨大な獣から剥いだ黒褐色の毛皮を巻き付けている。腰回りには、パーツひとつがちょっとした小舟ほどありそうな板金鎧を纏っている。額には巨大な金色の冠が乗っていた。
旧アインクラッドは、1フロアの高さが100mまでという絶対制限があったため、迷宮区にいたボスたちの高さも控えめで、フィールドにいたボスでもソイツらを一回り上回るくらいの高さだった。
そのため、俺だけでなくこの場に居る全員が、ここまで見上げるまでの敵と戦ったことはない。加えて、ここでは暗中飛行に優れたインプでさえも飛行することは出来ず、せいぜいスネあたりを斬りつけるので精一杯だろう。
――こんな奴とどうやって戦えば良いのだろうか?
「ふっ、ふっ、ふっ…… アルヴヘイムの羽虫どもが、ウルズに唆されてこんな所にまで、潜り込んだか。……どうだ、いと小さき者共よ。あの女の居所を教えれば、この部屋の黄金を持てるだけくれてやるぞ、ンンー?」
この台詞からして、コイツが《霜の巨人の王スリュム》なのは間違いないだろう。
コイツに真っ先に言葉を返したのはクラインさんだった。
「……へっ、武士は食わねど高笑い、ってな!!オレ様がそんな安っぽい誘いにホイホイ引っかかって堪るかよ!!」
クラインさんが鞘から刀を抜いたのを合図に、俺たちも各々の武器を手にして構える。
スリュムは、遥か高みから睨め付けた後、最後尾にいるフレイヤさんに視線を止めた。
「……ほう、ほおう。そこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは、儂の花嫁となる決心がついたのかな、ンン?」
「はは、ハナヨメだぁ!?」
クラインさんは、半ば裏返った叫びを漏らした。
「そうとも。その娘は、我が嫁として、この城に輿入れしたのよ。だが、宴の前の晩に、儂の宝物庫を嗅ぎまわろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へ繋いでおいたのだ。ふっ、ふっ、ふっ……」
そういえば、さっきフレイヤさんは、『スリュムに盗まれた一族の宝物を取り戻すために城に忍び込んだ』とか言っていたな。スリュムの花嫁になると偽って城の侵入したところまではよかったけど、宝を探している最中に運悪く門番に見つかってしまい、牢屋に鎖で繋がれていたという設定でいいのか。
だとしたら、少なくともスリュムを倒すまでは、フレイヤさんに裏切られる心配はないだろう。しかし、それでもまだ分からないことだらけだ。フレイヤさんが属する妖精種族に、盗まれた宝の詳細。
頭を抱えていると、俺の右隣にいたリーファが俺のマントをくいくいと引っ張って囁いた。
「ねえ、リュウ君。あたし、なんか本で読んだような……。スリュムとフレイヤ……盗まれた宝……あれは、ええと、確か……」
リーファが思い出そうとする前に、後ろでフレイヤさんが毅然と叫んだ。
「誰がお前の妻になど!かくなる上は、剣士様達と共にお前を倒し、奪われた物を取り返すまで!」
「ぬ、ふっ、ふっ、ふっ。威勢の良いことよ。流石は、その美貌と武勇を世界の果にまで轟かすフレイヤ殿。しかし、気高き花ほど、手折る時は、興深いというもの……小虫どもをひねり潰したあと、念入りに愛でてくれようぞ……。それはもう念入りにな、ぬっ、ふふふふ……」
スリュムは髭面を撫でながら、全年齢向けのゲームで許されるギリギリの線にまで攻め込んだ台詞を発する。
そんな下劣な台詞だったため、女性陣が一様に顔を顰めて、こんなことを言いだした。
「うわぁ……何なの、あのボスキャラ……」
「キモい……」
「ヒゲ!!」
「女の敵!!」
「………って言っちゃって、リュウ君!」
アスナさん、シノンさん、シリカ、リズさんの順にそう言っていき、最後のリーファに至っては全ての代弁を俺に委ねようとしていた。
「何で俺に押し付けようとするんだよ」とリーファに言おうとしていたら、フレイヤさんに気があるクラインさんが、左拳をぶるぶると振るわせながら喚いた。
「てっ、てっ、手前ェ!!させっか、ンな真似!!このクライン様が、フレイヤさんには、指一本触れさせねぇ!!」
「おうおう、ぶんぶんと羽音が聞こえるわい。どぅーれ、ヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝いに、まずは貴様らから平らげてくれようぞォォォ!!」
次の瞬間、俺の視界に【Thrym】という名前に、余りにも長いHPゲージが3本表示された。あれを全て削り切るのは骨が折れるだろう。
しかし、HPゲージが見えない新生アインクラッドのフロアボスと比べたら、遥かにマシだろう。
「来るぞ! ユイの指示をよく聞いて、序盤はひたすら回避!」
キリさんが叫んだ直後、スリュムは大岩の如き拳を天井高くにまで掲げ、青い霜の嵐をまとった拳を猛然と振り下ろしてきた。
スリュムヘイム城最後の戦いは、予想通り大激戦となった。
「パンチ2連続また来ます!!」
ユイちゃんがそう叫んだ直後、スリュムは左右の拳を振り下ろし、攻撃してくる。前衛の5人は散開して回避しつつ、中衛と共にスリュムに攻撃を与えていく。
「小癪なマネを……。しかァし、所詮羽虫は羽虫ッ!」
すると、床から氷で形成されたドワーフ兵達が現れる。それも12体もだ。
「さあ、征けいッ!我が僕共よッ!」
「スリュムだけでも厄介だっていうのに、コイツらも相手しないといけないのかっ!」
流石にこれはマズいと思った直後、次々と矢が飛んできてドワーフ兵の頭を貫いていく。シノンさんの弓による援護射撃だ。
「すっげ!12体全部ヘッドショットかよっ!」
「流石GGOでスナイパーやってて、更に
「シノン、助かったぞ!」
クラインさんとザックさんは驚きながらも感心し、カイトさんはシノンさんに礼を言う。
そして、シノンさんとカイトさんはアイコンタクトを交わす。2人の表情からして、「ドワーフは私に任せて」、「任せたぞ」と会話を交わしたのだろう。
俺達も負けじとスリュムを攻撃していくのだったが、そう簡単にはいかなかった。やはり俺達の剣は奴のスネの辺りまでしか届かず、ディレイの少ないソードスキルで攻撃するしかなかったため、中々ダメージを与えられずにいた。
「私も……戦います!!」
すると、フレイヤさんが両手を前にかざし、雷属性の魔法を放ったのだった。巨大な紫紺の雷はスリュムにクリティカルヒットし、奴は悲痛な叫びを上げる。
「フレイヤさんの攻撃魔法、効果大です!!」
「ああ……、流石はオレのフレイヤ様だぜ………」
俺に続くように、クラインさんがフレイヤさんに見惚れながらそう一言。
「クラインの奴、すっかりフレイヤさんにゾッコンみたいだな……」
「あのバカはあれが正常だ。放っておけ……」
キリさんとカイトさんは、呆れながら会話を交わす。それでもこの状況からして、俺と同じくクラインさんの判断は本当に正しかったと思っているだろう。
そして、俺達は10分以上の奮戦の果てに、最初のゲージを削り取った。直後、スリュムがひときわ強烈な咆哮を轟かせた。
「2本目突入します!」
「パターンが変わるぞ!注意!」
俺とキリさんが叫ぶと同時に、リーファも声を上げた。
「まずいよ、リュウ君、お兄ちゃん。もう、メダリオンの光が3つしか残ってない。多分あと15分ない!ねえ、リュウ君の11連撃とお兄ちゃんのスキル何とかで倒せないの!?」
「いや、HPゲージがまだ2本もあるから、俺の11連撃とキリさんのスキルコネクトを同時に叩き込んでも無理だ……」
「一応使えば、アイツにある程度ダメージを与えることくらいは出来るけど、技を発動させた後に、俺とリュウが反撃を受けてやられるリスクだってある……」
――HPゲージ1本を削るのに10分以上かかったのに、15分ほどで残りの2本を削らないといけないっていうのか……。
すると、スリュムは俺達の焦りを見透かしたかのように、ニヤリと笑った。
「ぬッふッふ……どうした、かかってこぬのか?では喰らうが良い!!霜の巨人の……王者の息吹をッッ!!」
奴が両胸を膨らませ大量の空気を吸い込んだことで、強烈な風が巻き起こった。
「ヤバいっ!!ヤバいっ!!」
「す、吸い込まれてるぅっ!!」
「きゅるぅっ!!」
「アンタ達、堪えるのよ!!」
オトヤとシリカとピナは吸い込まれそうになるになるが、オトヤは錫杖を地面に突き刺してそれにSTR全開で捕まり、シリカとピナは錫杖に捕まるオトヤに必死にしがみついて難を逃れていた。そして、2人の傍にいたリズさんも、オトヤと同様にメイスを地面に地面に突き刺して何とか粘っていた。
リーファが風魔法で引き寄せを中和しようと詠唱を始める。
「ダメだ、リーファ!間に合わないっ!!」
「みんな、防御姿勢だ!!」
俺とキリさんの声に、リーファは詠唱を中断し、両腕を体の前でクロスして身をかがめた。他の皆も同じく防御姿勢を取る。
だが、次の瞬間、スリュムの口から超低温のブレス攻撃が広範囲に放たれた。
奴の超低温のブレス攻撃は、アスナさんがかけてくれたより強力な凍結耐性のバフでさえも貫通し、俺を含めて前衛と中衛にいた全員が瞬く間に氷漬けにされていく。
身動きが全く取れずにいる中、スリュムは巨大な右脚を持ち上げた。
「砕け散れェェェ!!小虫共ォォォ!!!」
スリュムが勢いよく右脚を地面に踏みつけた瞬間、強烈な衝撃波が生まれ、俺達の全身を覆っていた氷を粉砕する。あまりの衝撃に俺達は吹き飛ばれて床や壁に叩きつけられ、前衛と中衛にいた全員のHPが一気にレッドゾーンへと突入した。
「オトヤ、シリカ、無事か……?」
中衛を仕切っているザックさんが、未だに倒れているオトヤとシリカに声を掛ける。
「は、はい……」
「何とか無事です……」
2人がザックさんとリズさんの力を借りて起き上がろうとしていると、水色の光が降り注ぎ、俺達のHPを回復していく。アスナさんが先読みして詠唱していた高位全体回復魔法だ。
更にシノンさんが、火矢……両手長弓系ソードスキル《エクスプロード・アロー》を、スリュムの顔面に放って奴の攻撃を防いでくれた。
すると、スリュムはシノンさんに狙って動き出した。
「シノン、30秒頼む!」
「ユイ、今すぐシノンのサポートに回ってくれ!」
「了解です、パパ!」
カイトさんはそう叫び、キリさんの指示を受けたユイちゃんはシノンさんの方へと向かって飛んでいく。そして、前衛と中衛にいた俺達は、HPを回復させようとポーションを取り出し、飲み干そうとする。
HPを回復させながら、シノンさんとスリュムの戦いを見る。
シノンさんは、ユイちゃんのアシストを受けながら、 ケットシーの敏捷性を活かして、スリュムの攻撃をひたすらギリギリのところで回避していく。そして、もう一度スリュムの顔面に火矢を放ち、奴を怯ませたのだった。
シノンさんが囮役を買って出てくれたお陰で、何とかHPを最大近くまで回復させられそうだ。でも、
依然として俺達が圧倒的に不利なのは変わりない。この状況を打破させられないのかと思っていた時だった。
「剣士様」
声をかけてきたのは後衛に控えていたフレイヤさんだった。
「このままではスリュムを倒す事は叶いません。望みはただ一つ、この部屋に何処かに埋もれているはずの我が一族の秘宝だけです。あれを取り戻せば、私の真の力もまた蘇り、スリュムを退けられるでしょう」
このままだと俺達に待っているのは、全滅か時間切れでクエストの失敗となる結末だけだ。彼女が言うことに全てをかけるしかないだろう。
「わかった。宝物って、どんなのだ?」
キリさんも俺と同じく、これに全てをかけてみるしかないと思っていたらしく、俺より先にフレイヤさんに尋ねた。
すると、フレイヤさんは両手を30センチ程の幅に広げて見せてくれた。
「この位の大きさの、黄金の金槌です」
「か、カナヅチですか……?」
一族の秘宝が予想外過ぎるもので、俺とキリさんは思わず唖然としてしまう。
フレイヤさんが取り戻そうとしている宝が、30センチ程の大きさの黄金の金槌だと分かったのはいいが、1つ問題がある。それは、この部屋には黄金で出来たものが山のようにあるということだ。その中からカナヅチを探すなんて、難易度が高すぎると言ってもいいだろう。
その時だった。
「ぬぅうん、何処だ……。王の面に矢を射た無礼者はァァ!そこにおったかァ!!猫ォォォッ!!」
二度も顔面に火矢を撃ち込まれて怒ったスリュムは、前衛を無視してシノンさんに巨大な拳を振り下ろしたのだった。
「シノのんっ!!」
アスナさんが声を上げ、誰もがシノンさんに攻撃が当たると覚悟する。しかし……。
そこへ前衛にいたカイトさんが、一気にシノンさんの元へと駆け付け、前方の広範囲を紅蓮の炎を纏わせた刀で渦巻くように薙ぎ払う。すると、爆炎が巻き起こり、スリュムの攻撃を相殺させたのだった。
「カイト?」
「シノン、無事か?」
「ええ。ありがとうね……」
「気にするな。むしろ礼を言うのはこっちの方だ。お前が時間を稼いでくれたお陰で、俺達は体力を回復させられたんだ。ありがとな、シノン」
カイトさんにお礼を言われて、シノンさんは頬を赤く染める。
戦闘中にも関わらず軽くイチャついた後、カイトさんはスリュムを睨みつける。
「さてと、人の彼女に手を出そうとするとは、俺に倒される覚悟が出来ているみたいだな。かかってこいよ、霜の巨人の王」
「赤い羽虫がァ!!まずは貴様からだァァァァァ!!」
挑発されたことでスリュムは、怒り狂って今度はカイトさんを狙い始めた。対するカイトさんは、攻撃を全て見切って回避しながら、隙を見て刀で斬りつける。
「俺達もカイトに続くぞ!!」
更にHPを回復させたザックさん達も加わり、戦いはより一層激しくなる。
これ以上、カイトさん達だけに任せるわけにはいかない。
「キリさん、スリュムの相手は俺達に任せて下さい。少しでも長く時間を稼ぎますので、そっちの方は頼みます」
「ああ!」
「リーファはキリさんと一緒にフレイヤさんの宝物を探してくれ」
「うん。リュウ君、気を付けてね」
軽く笑みを浮かべて見せた後、俺も戦闘に参加するためにキリさんとリーファと一旦別れる。
――本当なら、アイツのHPをもう少し減らしてから《ドラゴニック・ノヴァ》と一緒に使いたかったが、予定より早く
愛剣《ドラグニティレイ》を右腰にある鞘に収めると、メニューウインドウを呼び出す。
装備フィギュアから《ドラグニティレイ》を鞘ごと外し、所持アイテムの中にあった1本の剣を選んで代わりに装備する。すると、右腰に先ほどより一段と重みが加わったのを感じ取る。
それを確認し、左手で新たに装備した剣の柄を握って抜き取った。
抜き取られた剣は、黄金のエクスキャリバーとは対照的に白銀の刀身を持つ長剣だ。
この剣の名前は《聖剣ジュワユーズ》。俺達が今追い求めているエクスキャリバーと並ぶもう1つの聖剣だ。
「スリュム、お前の運命は俺が変える!!」
4カ月間で、色々ありましたね。鬼滅の刃の放送に、SAOゲーム攻略会議2023(私は行けてない)、そして今日は仮面ライダーギーツが最終回を迎えるという…。
果たして、今年中には何処まで話を進められるのか…。
今回のラストで登場した《聖剣ジュワユーズ》に関して、ちょっとした補足になります。
実は、元々ALO編で少し登場した《煌光剣クラウ・ソラス》を、諸事情により《聖剣ジュワユーズ》へと変更させて頂きました。混乱させてしまい、申し訳ございません。次回の話で、入手経緯を簡潔に描きたいと思います。
ちなみに、《聖剣ジュワユーズ》のデザインは、Fateのシャルルマーニュが使うジュワユーズみたいなものだと思っていただけると幸いです。
来月の半ば過ぎ辺りから忙しくなる可能性があり、次回の投稿もすぐには投稿できないかもしれないです。厚かましいお願いですが、次回もよろしくお願いします。