ソードアート・オンライン 狂戦士の求める物   作:幻在

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フェアリィダンス編、終わりまで後三話だぜ!

一同『イエア―――!!』

ソ『ここまで呼んでくれた皆様、本当にありがとうございます』

キ『ちょっと気が早すぎるんじゃないか?』

ではどうぞ!


信じてる、最後の一瞬まで

天井に辿り着いた。

だが、それで不可解な事が一つあった。

「どうしてソラが出てこないの・・・?」

そう、それだ。

ソラが出てこなかったのだ。

「というかそれどころじゃないだろ」

キリトの言う通り、天井の扉らしき物が開かないのだ。

「ユイちゃん!どういうこと!?」

ユイがキリトの胸ポケットから出て、扉に触れる。

「これは・・・クエストフラグによるものじゃありません・・・システム管理者権限によるものです!」

「な!?」

つまり、グランドクエストとは、プレイヤーを誘い込む餌であり、本当はそこには何もないのだ。

つまりは・・・・

「これは、プレイヤーには絶対に開けられないんです!」

「そんな・・・!?」

二人とも絶句する。

それじゃあ、この先には・・・・いや、一つだけ、この扉を開ける方法がある。

「キリト!あのカード!」

「そうか!ユイ!」

キリトが懐から、おそらく、アスナからの存在の証明であるカード、システムへのアクセスコードを取り出す。

ユイがその意図を読み取り、その小さな手で、カードに触れる。

「コード、転写します!」

そして、空いたもう一つの手で、扉に触れる。

そこから、いくつもの亀裂にも似た光るラインが放射線状に広がる。

「転送されます!パパ、ねぇね、掴まって!」

そして、キリトとシノンはユイの手に掴まり、次の瞬間、視界が真っ白になり、次に謎の浮遊感に見舞われた・・・・

 

 

 

 

「・・・パパ!ねぇね!起きて下さい!」

声が聞こえた。私はなんとか目を開け、その声の主を見る。

ユイは、あのピクシーの姿ではなく、かつてあのSAOで初めて会った時と同じ白いワンピース姿になっていた。

「ここは・・・・」

「・・・どこだ?」

いつの間にか仰向けになっていたみたいで、とりあえず起き上がる。

そして、同時に起きたキリトと、周囲を見回す。

なんだか、研究所みたいな場所だ。スイルベーンやアルンとかの様な中世風な場所ではなく、白い廊下が、緩やかなカーブ状になって、いつまでも続いていた。

「分かりません・・・ナビゲート用のマップが、無いようで・・・」

「そう・・・アスナやソラの場所は分かる?」

そう聞くと、ユイは強くうなずく。

「はい。ママの場所は分かりますが、にぃにのは・・・」

と、急激に気持ちが落ち込んでいくユイちゃん。

「大丈夫、きっと、ソラもいるから」

「そうだな。ユイ、案内してくれ」

「はい。こっちです!」

ユイちゃんが走り出す。

私たちも立ち上がり、ユイちゃんの後を追う。

ここを通っていくにあたって、少しゾッとした。

エレベータがあれば、自動ドアがあるし、現実のそれと同じなのだ。

と、ユイちゃんが何もない所で止まる。

「ユイ?」

「この先に通路が・・・」

ユイちゃんが外側の壁に両手を押し当てる。

すると、その手を中心に光のラインが拡散し、気付くと、それは扉の形になり、消滅する。

その先にはやはり真っ白い通路があり、ユイちゃんが一層速く駆け出す。

もう待てないという様に。そういう感情が感じ取れ、私たちも走り出す。

そして、通路は終わり、そこにはドアがあり、ユイちゃんは思いっきりドアを押し開ける。

すると突然、視界に眩い光が差し込む。

だんだんと慣れてくると、そこには今にも沈みそうな夕日が見えた。

そして、光景は一片して、大きな木の枝の上に私たちは立っており、見上げると沢山の枝が四方八方と幹から放射状に伸び、緑色の葉っぱを生い茂らせている。

だが・・・・

「無いじゃないか・・・空中都市なんて」

キリトがつぶやく。

そう、このALO全てのプレイヤーが目指す場所、アルフがいるとされる空中都市がどこにもないのだ。

つまりは、全ては空っぽのギフトボックス。全てのプレイヤーを騙し、この世界に誘った者たちの策略。

「許されないわよ・・・」

怒りを籠めてそう呟く。

不意に誰かが私の服の裾を引っ張ってくる。

ユイが、気遣わしそうな表情で、私とキリトを交互に見る。

「ああ、そうだな。いこう」

「そうね」

そしてまた走り出す。

太い枝の上を走り、先に向かう。

ユイとキリトは焦燥に駆られ、全力で走っている。

私もきっとそうなのだろう。

すると、視界に、一つ金色の何かが見えた。

鳥籠だ。それも、とてつもなく大きい。

あの隙間じゃあ、鳥も捕まえておけない。おそらく、別の何かを収容する為の―――

そこで、エギルさんとの会話が蘇る。

確か・・・・五人のプレイヤーが多段ロケット式で世界樹に飛び、それで世界樹の枝まで肉薄したみたいだけど、結局はGMが介入してダメだったという話。

その時に証拠として撮られた写真に、鳥籠の中に囚われたアスナに似た少女が・・・

だから、きっと、そこに・・・

鳥籠に辿り着く。

中には、ベッドと大理石と思われる机と椅子。

そこに座るは、ナッツブラウン色の神をした、白いドレスの少女。

「アスナ」

キリトが、名前を呼ぶ。

「ママ・・・・ママ!」

するとその少女がピクリと肩を震わせる。

ゆっくりと、少女・・・アスナがこちらを向く。

その眼は、微か震え、涙が溜まっていた。

そして、両手で口元を抑え、ついには涙を流す・・・・

「ママ―――!!」

とうとうユイが鳥籠の鉄格子のドアを消滅させ、アスナに向かって走り出す。

アスナも、椅子を蹴り飛ばす勢いで立ち上がるのと同時に走り出す。

「――――ユイちゃん!」

そして、二つの影が重なり合う。

アスナの胸に、ユイが飛び込む。

「ママ・・・」

「ユイちゃん・・・」

両目から涙を流し、再開に喜ぶ。

互いに頬をすり合わせ、互いの存在を確かめ合う。

 

―――よかった・・・

 

アスナが私たちの方を見る。

だけど、ここで、私は一つ、問題がある事に気付いた。

今の私はケットシーであり、頭には三角耳、髪はペールブルー色と、SAOの容姿からはかけ離れているし、キリトは黒髪とはいえ、髪型も、かつての黒の剣士に共通する部分など何もない。

だけど、互いに信頼しあっているのか、彼女には分かっているようだ。

「キリト君・・・シノン・・・」

一瞬の静寂の後、キリトの口が動く。

「アスナ・・・」

そして、キリトは彼女たちに近付き、ユイちゃんの体ごと、アスナの華奢な体を抱きしめる。

強く、もう離さないとでもいう様に。

「ごめん、遅くなった」

「ううん、信じてた。きっと、助けに来てくれるって・・・」

彼らは、いつまでも抱きしめ合い、言葉はこれ以上、不要とでもいうように、抱きしめ合う。

 

 

 

 

長く抱きしめ合っていたキリトたちは、しばらくすると、離れた。

「そういえば・・・ソラはどこ?」

シノンは思い出したかのように、アスナに尋ねる。

「ここにくる途中会わなかったの?」

「ええ。グランドクエストにも来なかったし・・・」

そこでアスナは難しい顔になる。

「どうしよう・・・・このままじゃ・・・」

「アスナ?どうした?」

「ソラ君、記憶を失ってるの。それも人為的に・・・今じゃないと・・・きっと・・・」

アスナが何かを言いかけた途端、いきなり彼らに重い粘液がかかったような感覚に見舞われてしまう。

「なんだ・・・!?」

いきなり空気が重くなったのだ。

更に、その場に光景がガラスが割れるように変わり、暗い空間に変わる。

だが、感覚はドロドロの液体の中にいる様だった。

まるで・・・()()()()()()()()()()()()()

「な、何・・!?」

アスナが叫ぶも、その声は、深い水中の中で発せられたかのように重く、歪んでいる。

こんな事・・・今までに・・・

「ユイ・・ちゃん!」

ユイに何かを訪ねようとするシノンだったが、その前にユイが上体を大きく仰け反らせ、悲鳴を上げる。

「きゃあ!パパ!・・・ママ!・・・ねぇね!気を付けて下さい、何か。良くない物が・・・」

それを最後にユイが消える。

「ユイ!?」

「ユイちゃん!?」

キリトとアスナが叫ぶ。シノンも叫ぼうとしたが、いきなり()()()()が呼吸がせき止められる感覚に見舞われる。

(これ・・・は・・・!?)

「あら、ここまで来たの?()()()

そう言い、何もない所から出てきたのは、黒髪に、赤黒いドレスを纏った女性と、金髪の男性が現れる。

「どうだい?これ?次のアップデートで追加する予定の重力魔法なんだけどねぇ、少し威力が強すぎるかな?」

「須郷・・・!」

キリトが叫ぶ。

「ん~、ここではその名前を呼ぶのはやめて貰おうか。ここではオベイロン陛下と・・・そう呼べぇ!!」

「ぐあ!?」

地面に両手両足を着いているキリトの横腹を蹴る須郷。

「きり・・・か!?」

キリトの名を呼ぼうとしたシノンの呼吸が()き止められる。

「喋らないでくれるかしら?汚らわしいその口・・・をねぇ!」

「あぐ!?」

顎を蹴られ、背中をのけぞらせるシノン。

「シノン・・・!」

アスナが叫ぶ。

だが、上から伸し掛かってくる重圧に逆らえず、立ち上がる事が出来ない。

「まさか本当にここまで来るなんてねぇ、桐ヶ谷君に朝田さん。いや、ここではキリト君とシノンと呼んだ方がいいのかねぇ?くく、勇敢なのか、愚鈍なのか。まあ、今そうやってへたばってるんだから、後の方かな?僕の小鳥ちゃんが逃げたと聞いて、もっとキツイお仕置きをしてやろうかと急いで来てみれば、まさかゴキブリや猫が紛れ込んでいたとはねぇ・・・。それともう一つ、変なプログラムも・・・ふむ、逃げられたか」

「その様ね。そういえば、どうやってきたのかしら?」

綾香の問いにシノンが答える。

「飛んできたのよ・・・この翅でね」

「まあいいわ、直接脳に聞けばいいだけの事だし」

「なんだと・・!?」

「君たちぃ、まさか僕らが酔狂でこんな仕掛けを作ったと思ってるんじゃないだろうね?」

須郷が狂気に満ちた笑みを浮かべ、キリトを見下す。

「元SAOプレイヤーの皆さんの献身的な協力によって、思考・記憶操作技術の基礎研究は既に八割がた終了している。かつて誰も為しえなかった、人の魂の直接制御という神の業を、僕たちはあと少しで我が物に出来る!その上、本日めでたく新しい実験体を手に入れたわけだ」

「いいえ、陛下」

そこで綾香が割り込む。

「なんだい、メリュジーヌ?」

「実験体はそいつ一人よ。こいつは()()わ」

瞬間、氏名されたシノンのみならず、キリトやアスナさえも、その意味が分からなかった。

殺す?誰を?何を?どうやって?何を使って?

そんな言葉が頭を駆け巡る。

「う~む、彼女も実験体に欲しい所だが、君がいうのなら仕方がない」

「え・・・え?」

シノンは表情を強張らせながら綾香を見上げる。

「あら?貴方、性懲りもなくナーヴギアを被っているのでしょ?なら、後はS()A()O()()()()()()()()()()()()()話よ?知ってるでしょ?()()()()()()()()()()()()退()()()()()

そこで理解する。

この女は、シノンのナーヴギアを使って、シノンの現実の体である『朝田 詩乃』を殺そうとしているのだ。

「そんなこと・・・出来る訳が・・・」

「茅場は出来たわよ?高出力マイクロウェーブを使って脳を破壊する技術。貴方を消し去る方法はこれしかないもの」

そうして、綾香はウィンドウを操作し、何かのボタンを押す。

すると、眼の前に、恐ろしい内容が書かれたメッセージがうかんだ。

 

『貴方のHP全損、および、外部からの強制切断が実行された場合、脳破壊シークエンスが開始されます。

これにより・・・』

 

その先は読む気にならなかった。

「あ・・・あ・・・」

シノンは恐怖で体が強張り、まともに舌が動かなくなる。

「ッテメェ!」

キリトが怒号を響き渡らせ、重圧に逆らって無理矢理立ち上がろうとする。

「大人しくしていたまえ」

須郷がキリトの手を払い、床にまた伏すキリトの背に、キリトの大剣を指す。

さらに須郷がGM権限を発動させる。

「システム・コマンド!ペインアブソーバをレベル8に変更」

瞬間、キリトの背中に鋭い痛みが走る。

「ぐあああ!?」

「キリト君!?」

絶叫するキリト。

アスナも叫ぶ。

「まだ、ツマミ二つだよ君。段階的に強くしてやるから覚悟しておけよ。まあ、レベル3以下にすると、脳に異常を起こすらしいが、関係ないよなぁ?」

須郷がアスナに近付き、ウィンドウを操作し、アスナの前に金色のリングと、それに繋がれた鎖が出現する。

それをアスナの両手首に着け、するとその鎖が上に引っ張られる。

「きゃあ!?」

足のつくギリギリの所で止まる鎖。

アスナは、重みとその態勢のせいで苦しむような表情をする。

「アスナ・・・!」

シノンが叫ぶ。

「貴方の相手はこっちでしょ?」

綾香がウィンドウを操作する。

「な・・・!?」

重圧が無くなり、立ち上がるシノン。そして、正面を見た時、更に狼狽する。

「ソラ・・・」

目の前に、今、とても会いたい人がいたのだ。

「ソラ、命令するわ」

そして、シノンの横で、綾香がソラに命令を下す。

「シノンを殺しなさい」

「・・・・・はい」

ソラが、背中の大剣を抜く。

「やめろぉ!ソラぁ!」

キリトの絶叫が聞こえるが、ソラには届かない。

まるで、声がしゃだんされたかのように・・・

「システム・コール、IDシノンのペインアブソーバを()()()0()に!」

レベル0。それは、痛覚がリアルに、完全に、脳に異常をきたす程の激痛を味合わせる禁断の領域。

そして、徹底的にシノンを痛めつけてから殺すという、綾香の目論見が見て取れた。

「そ、そら・・・やめ・・・

シノンが言い終える前に、ソラが大剣を振り下ろす。

それは左腕の肘を斬り、そっから上が彼方に飛んで行った。

そして・・・・」

「うああああああああああああああああああああああぁぁあぁぁぁあああぁぁぁあぁぁあ!!!!」

激しく、焼かれるような痛みがシノンの左腕を貫き、激しく地面にのたうちまわる。

だが、なんとか目を開け、ソラの次の攻撃をなんとか視認する。上段振り下ろしだ。

「いやぁ!」

悲鳴を上げ、体を右に回転させる事でなんとか回避したが、それでも左腕の痛みは治まらない。

「やめてソラくん!」

アスナも叫び、必死に止めようとするが、ソラは聞く耳を持たない。

なんとか地面を這いずりかわし続けるシノン。だが完全には躱し切れず体のあらゆる部分に剣がかすり、その度に激痛が走る。

「あ・・・あ」

動きがどんどん鈍り、剣がだんだんと正確にシノンを捉えるようになる。

「さあて、こっちも楽しむとしようか」

「!? 須郷、何をする気だ!!」

「なに、簡単だ。小道具がたくさんあるからねぇ・・・」

すると須郷は吊り下げられているアスナの後ろに立ち、髪を一房握り、それを鼻に押し当て、吸う。

「ん~、良い香りだ。現実のアスナ君の香りを再現するのに苦労したよ。病室に解析機まで持ち込んだ僕の努力を評価してほしいねぇ」

「やめろ・・・須郷!」

無論、キリト如き、須郷が耳を貸すはずもない。

「僕はねぇ、君みたいなガキな奴が大嫌いなんだよ。何の能力も、背景も持たないくせに口だけは一丁前の小虫がね。くく、標本箱の虫はこうしてピンで止めておかなけりゃ。さて、続きを楽しむことにしよう」

そして、またアスナに近付く須郷。

「やめろ!」

キリトが叫ぶ。だが、ここでアスナが口を開く。

「大丈夫だよ」

「え?」

「私はこんなことで傷つけられたりしない」

強い、そして慰めるような眼差しを向け、それを須郷が面白い様に笑う。

「そうでなくっちゃね。君がどこまで誇りを保てるか、三十分?一時間?それとも丸一日?なるべく長引かせてくれたまえよ、この楽しみを!!」

そして須郷はアスナのドレスのリボンの部分を掴み、その布地ごと引き裂き、アスナの白い肌がさらされる。

恥辱に顔を引きつらせ、瞳のふちが小刻みに震える。

須郷は、口を開き、舌を出し、アスナの頬を下から上になめる。

「今僕が何を考えているか教えてあげようか」

そして須郷は一層顔を歪ませて、とんでもないことを言い放つ。

「この場所で楽しんだら、君の病室に行く。ドアをロックして、カメラを切ったら、あの部屋は密室だよ。君と僕、二人きりさ。そこに大型モニタを設置して、今日の録画を流しながら、君ともう一度じっくりと楽しむ。君の本当の体とね。まずは心の純潔を奪い、しかるのちに体の貞節を汚す!面白い、実にユニークな体験だと思わないか!!」

それを聞き、アスナの目が大きく開かれ、次に何かに耐えるように顔をしかめる。だが、身の毛がよだつ様な恐怖を抑えきれず、その双眸から二つの雫が落ちる。

それを須郷がすかさず舐めとる。

「甘い、甘ァい!ああ、もっと、もっと僕の為に泣いておくれ」

キリトの思考が怒りで真っ白になる。

「き・・さま、貴様ァァ!!」

怒り狂い、須郷に向かって叫ぶ。

「殺す!絶対に殺す!」

だが、どんなに叫んだ所で何かが変わる訳ではない。

「ああああああ!!」

「!?」

更にシノンの絶叫。見ると、右足が付け根の部分から斬り飛ばされていた。

「やめろ・・・」

それを見下すソラは、剣を逆さまに持ち、その切っ先をシノンの腹に向ける。

「やめろ・・ソラ・・・」

そして、それを一度大きく上げ・・・

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」

それを一気に振り下ろし、シノンの腹を抉った。

「ああああああああああああああああああああああああ!!!!」

シノンの絶叫が迸り、彼女のHPがどんどん減る。

 

もし、誰かが力を貸してくれるのなら―――――

誰でも良い。神でも悪魔でも魔人でも、誰でもいい。今すぐ奴を斬り殺し、ソラを止める事が出来れば・・・・

俺は錯覚していた。

俺は、一万人の上に立つ勇者として、ゲーム会社が作ったあのゲームをもう一つの現実と認識し、そこで手に入れた力が本当の強さと思い込んでいた。

だから、現実に帰還、あるいは、あの世界から追放された時、俺は、自分の肉体に失望したのではないか?

だからジムに通い、あの時の肉体と同じ体になろうとしたのではないだろうか?

そして、アスナがこの世界にいると知った時、本当に力を持つ、大人たちに任せず、この世界にやってきて、幻想の力を取り戻したから助け出せると思っていた。

ならば、この結果は当然の報いだ。

誰かから与えられた力で無邪気にはしゃいでいた子どもの俺が、システム管理権限を持つID一つ圧倒することなど、出来る訳が無いんだ・・・

 

『逃げ出すのか?』

 

――そうじゃない、現実を認識するんだ。

 

『屈服するのか?かつて否定したシステムの力に?』

 

――仕方ないじゃないか。俺はプレイヤーで奴はゲームマスターなんだよ。

 

『それはあの戦いを汚す言葉だな。私に、システムを上回る人間の意思の力を知らしめた、未来の可能性を悟らせた、我々の戦いを、彼の力を』

 

――戦い?そんなもの、は無意味だ。単なる数字の増減だろう?

 

『そうでない事を、君は知っているはずだ。彼の言葉を思い出せ。全ての人間の未来を繋ぎ、心を繋いだ彼を言葉を、あの、虹色の光を』

 

――光・・・?

 

『さあ、たちたまえ』

 

 

「立て、キリトォォォ!!」

 

 

 

 

 

 

俺は、何をしている?

この女の子を攻撃している。それだけは確かだ。

母さんの言葉に従い、この少女を殺せば、もう苦しむことはない。そういわれ、俺は、この女の子を殺しにかかっている。

この子さえ消えれば、もう、母さんを脅かす奴はいなくなる。

そう、いなくなる筈なんだ。きっと・・・・

 

『本当にそれでいいの?』

 

――何が?

 

『君は今、迷っているはずだよ』

 

――迷ってる?俺が?

 

『ああ、君なら、今すぐにでもシノンを殺せた筈だよ。なのにそうしなかった。何故?』

 

――それは・・・

 

『綾香は殺してくれといっただけで、痛めつけろとは言っていないでしょう?』

 

――だからなんだというんだ?俺には、迷う理由なんて・・・

 

『ううん、あるわ。君は忘れている。とても大切なことを。奪われた記憶を。思い出を取り戻せば、きっと君は、その答えを見つけられる筈だよ』

 

――記憶?なんの記憶だ?

 

『思い出して、きっと、目の前の少女が、きっと教えてくれるはずだから』

 

 

そう言われ、俺は、目の前の水色の髪の少女を見下ろす。

左腕の肘から下を失い、右足の付け根から切断され、体のあちこちにダメージ痕がある、猫耳の少女・・・・

俺は、剣を上段に構え、その頭に剣を振り下ろす構えを取っていた。

後は振り下ろすだけだ。それで終わる。

俺は、だから、思いっきり振り下ろした。全てを終わらせるために・・・・

 

不意に少女は手を伸ばした。まだ切断されていない右手を。

そして、口を微かに動かした。

 

 

『ごめんね。さよなら』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、思考がスパークした。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はこの女の子を殺してはならない。

殺してはならないんだ!殺したら俺は一生後悔する。

思い出せ、彼女の事を!それだけじゃない。あの黒髪の男、ティターニアと呼ばれていた少女の事、母さんの事、あの世界の事を!!

 

思い出せ!そして止まれ!俺の体!剣をなんとしてでも止めるんだ!掠る事も許されない!

 

止まれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええ!!!

 

 

 

 

 

 

私は、ソラを助ける為にここに来た。だというのに、私は、そのソラに殺されかけているではないか。

あの世界で生きた事。それは私にとって、掛け替えの無い、現実であり、大切な記憶の筈だ。

だけど、それを、今、断ち切られようとしてる。

多分、今のソラは苦しいんだ。私という存在がいるから、苦しいんだ。

だったら、もう、なにがなんでもどうでも良くなってきた。

それならば、私が消えれば、事足りるではないか。

私は、システム管理者権限という壁を超えられない。あの時のソラの光は、ソラが引き起こした一つの奇跡なのかもしれないけど、私には、それが出来る訳ないじゃない・・・・だったら、それならば、死んだ方がマシだ。

遥や、大和に、謝らないといけないな。せっかく、思いを託してくれたのに・・・

 

ああ、だから、この言葉は、遥に、大和に、キリトに、アスナに、ソラにいう・・・・

 

「ごめんね、さよなら」

 

 

 

 

終わりを待った。

このままソラの剣が振り下ろされれば全てが終わる。

私は、もう、彼に会う事は叶わないけれど、だけど、きっと、綾香が貴方を・・・・・

 

 

衝撃はこなかった。何故?

 

 

恐る恐る目を開けると、ソラの大剣が眼前で止まっていた。

「え?」

訳が分からず、そのまま呆然としていた。

「何してるの?」

綾香の声が聞こえた。

「早く振り下ろしなさいよ?ねぇ?」

綾香がソラに近付く。

「・・・・・(さない)

ソラが何かを呟く。

そして・・・・・

「綾香ァァァァァアアアアア!!!」

「!?」

ソラが絶叫を迸らせ、体を左に回転、そして剣を右から左へ薙ぐ。

綾香は予想に反して、恐るべき反応速度で身を引き、直撃を避けた。

俺は左手に握り拳を作り、自分の顔面を思いっきり殴る。

すると、兜に亀裂が入り、兜が粉々になって床に落ちる。

そして・・・・

「立て!キリトぉぉぉぉ!!!」

「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

 

思い出した!全て!キリトの事、アスナの事、シリカやリズベット、クラインもエギルもライコウやハクヤの事も全て、何もかも!

ならばやる事はあと一つだ!!

「遅えよ、ソラ」

「悪い、この詫びはいつか精神的に」

そこで須郷が驚きの表情を見せる。

「何故だ・・・記憶の抹消は完璧だったはずだ。なのになぜ!」

須郷が俺たちを拘束しようとウィンドウを操作する。

だが、キリトの方が早かった。

「システムログイン!ID《ヒースクリフ》!!パスワード・・・・システムコール、スーパーバイザ権限変更!ID《オベイロン》をレベル一に!」

瞬間、須郷があと一歩のところであらゆるウィンドウが消滅。

それでは止まらない。

「ID《メリュジーヌ》のレベルを一に変更!」

「な!?」

更にメリュジーヌの権限さえも剥奪される。

「ぼ、僕より高位のIDだと!?ありえない・・僕は王・・・支配者・・・この世界の神だぞ・・」

「違うな」

俺は即座に否定する。

「お前は盗んだんだ。その王座を、世界を!そこに暮らす全ての人々を!」

「そうだ。お前は盗み出した玉座の上で独り踊っていた泥棒の王だ!」

その言葉に須郷は顔を怒りで大きく歪める。

「こ、このガキ・・・僕に向かってそんな舐めた口を・・・後悔させてやるぞ!」

俺は喚く須郷を他所に綾香に向き直る。そして、俺は与えられた《ガルム》というIDのシステム顕現を行使する。

「システム・コール、ID《アロンダイト》をジェネレート」

空中に光の粒子が集まり、それが一つの黒い長剣に構成される。

それを綾香に投げる。

「?」

頭に疑問符を浮かべる綾香、それと同時に須郷が喚く様に権限を執行する。

「システムコール!ID《エクスキャリバー》をジェネレート!」

出てくる訳がない。もう、奴に神が如し力は使えない。

「いう事を聞け!このポンコツがぁ!神の、神の命令だぞ!」

どこが神だ。所詮、偽物の神だろこのバカが。

「綾香、須郷、俺はお前たちを許さない、絶対にな」

そして俺は剣の切っ先を綾香に向ける。

「許さない・・・?何を・・?私は、貴方の為にいままで頑張って来たのよ?そこは、褒めるところじゃ・・・」

「黙れ。俺にとって、詩乃を傷つけた時点で全て決まってるんだよ。俺だって、詩乃を傷つけた。本当なら、今すぐにでも現実に戻ってこの首を斬り飛ばして自殺したい。だけど、そんな事しちゃいけないんだ。それじゃあ、詩乃が今度こそ俺の後を追う。だから、謝る。謝り続ける。後ろめたさが残らない様に、後悔しないように、今まで通りの生活を取り戻すために!」

俺は、ここに誓おう。

「俺は、お前を許さない。詩乃だけじゃない。キリトやアスナを苦しめ、三百人のSAOプレイヤーの脳を監禁して、それを楽しんだ!お前は俺を怒らせた。それが、お前の最初で最後の誤算だ!」

綾香は俯く、そして、その拳を震わせる。

「なんで・・・なんでなのよ・・・」

そして、顔を思いっきり揚げ、歪んだ顔で喚き散らし始める。

「なんで貴方はその女ばかり構うのよ!なんでその女を好きになるのよ!愛する価値なんてどこにもないその女をなんで愛するのよ!私でしょ!?貴方が愛するべき存在は私だけでしょ!?貴方は私の物なのに!」

「そうかもしれないな。俺は、確かにあんたの腹の中から生まれたよ」

「なら・・・・」

「だけど、それだけで俺の人生を決めんじゃねぇよ。俺の人生は俺の物だ。お前のものじゃない。詩乃の人生だってそうだ。キリトの人生だって、アスナの人生だって、この世界に生きる人全ての人間が、自分の人生という物語の主人公だ!お前はその人生に手を出す事なんて出来ないんだ!」

「黙りなさい!」

綾香が殺意を放つ。無駄だ!俺にそれは効かない。

それよりも強い意志の力をぶつけるだけでそれは弾き返せる。

「ッ!」

「忘れたか、俺がお前の殺意を弾き返せることを」

「この・・・」

「終わりにしよう。この戦いを」

俺は剣を右の肩に抱え込む様に構える。

そして、キリトの声が聞こえた。

「システムコール!ペインアブソーバをレベルゼロに!」

これで全ての準備が整った。

システムアシストは存在しない。だけど、トレースする事は可能だ。

 

狂戦士重突進攻撃技『メテオブレイド』

 

地面を蹴り、綾香に急接近する。

「ッッ!?」

綾香はなんとか受け止めるが、筋力パラメータを最大にされたこのIDを、そのか弱いお姫様設定のそのIDで受け止められる訳がないだろう?

アロンダイトを弾かれ、左肩を斬られる。

「いたぁ・・・」

「痛いだと・・・・」

怒りが湧き上がる。

詩乃が今までどれほど苦しい思いをしてここまできたのか・・・・

「お前に分かるのかァァァ!!!」

 

狂戦士上位連撃技『ベルセルク』

 

十五回の連撃を綾香に叩き込み、()()()()の攻撃で上空に跳ね飛ばす。

「そ・・・らぁ・・・」

「さよなら、()()()()

そして、落ちてくる瞬間、その顔を右目から左斜め下にかけて斬り飛ばした。

それと同時に、キリトの方も決着がついたようだ。

「・・・・」

「ソラ・・・・」

シノンが、なんとかこちらに近付こうとする。

その惨めさが、とてもじゃないが耐えられず、急いで駆け寄り、抱きしめる。

「ソラ・・・・・・」

「ごめん。傷つけて・・・ごめん」

頭の中には、謝罪の言葉しか浮かばなかった。

詩乃をこんなにも傷つけて、何が恋人か・・・・

「いいよ。もう。だって、君はこうして、帰ってきてくれたんだから」

「ごめん・・・ごめん・・・」

嗚咽が漏れる。それ以外にいう事が何もない。

だけど、これだけは言える。

「ただいま、詩乃」

「おかえりなさい、蒼穹」

あとは涙を流し、抱き締め合うだけだった。

 

 

 

あの後、アスナはキリトのヒースクリフのIDによってログアウトしたが、俺は残った。奴と話をするために。

「いるんだろ?ヒースクリフ」

キリトが問う。

『久しいな、キリト君、ソラ君、そしてシノン君』

どこからか、声が聞こえた。ヒースクリフこと、茅場晶彦だ。

「生きていたの?」

シノンが問う。

『そうとも言えるし、違うともいえる。私は茅場晶彦という意識のエコー、残像だ』

「お前、脳を・・・いや、今はいいか。それで、俺たちは何をすればいいんだ?最も、目覚めたのはついさっきだろうが」

『やはり、君には何もかもお見通しか。そうだな。我々は無償の善意が通じる中ではない。代償は必要だ』

「何をしろっていうんだ?」

すると、キリトの前になにか、卵みたいなものが現れる。

それは微かな光を発行し、なにかの命が込められているようだった。

「これは?」

『それは、世界の種子だ』

「なに?」

「種子っていうからには芽吹けば何かわかるんだろ?」

『ああ、それの後の処理は君たちに託そう。消去し、忘れるもよし、だが、君たちがあの世界に憎しみ以外の感情を持っているのなら・・・』

と、茅場の意識は声をつまらす。

「おい茅場、これの事は分かったがもう一つ聞きたい事がある」

『なにかね?』

「シノンの()()()()()()()はどうなった?」

「え!?」

「な!?」

キリトとシノンが驚く。そして・・・

「やっぱりばれてたか」

突然、詩乃によく似た声が響いた。

シノンとキリトは勢いよくそちらを見る。

「な・・・!?」

「嘘・・・なんで・・・!?」

俺には大体予想がついている。

「よお」

「久しぶりだね」

俺はゆっくり振り向くと、そこには、彼のSAOで、俺の隣にいた弓使いシノンがいた。

こちらのシノンは、現実と全く同じ容姿をしており、あのSAOでの装備だった緑色の皮装備を纏っている。

「な、なんで・・・」

「心配するな。お前が本物だ」

「え?」

「うん。私は『シノン』というプレイヤーの意識、つまりは分身。ただそれだけの事。まあ、茅場さんと同じ存在という訳だね。あ、そっちの私と名前が一緒だから、私の事は『シエス』と呼んで」

「シエス?」

「シノンのしに、それをローマ字にして、その頭文字のSを合わせてシS(エス)

「なるほど」

「どういう事なんだ?」

キリトが目を大きく見開き、驚いていた。

「詩乃、お前がSAOに来た時は記憶を失っていただろう?」

「え、ええ」

「その時、お前の意識は、()()()()()()()()()()()()()()()

「!?」

絶句する二人。当然だ。そんな事、普通は起こらないからだ。

「で、でも・・・」

「ああ、お前の意識は、記憶を取り戻すと同時に繋がって、元に戻った。だけど、繋がりは不完全だった」

俺の推測はこうだ。

シノンは、現実に戻る時、ある重要な記憶が抜けていた。

どうやってこの世界にきたのかという記憶だ。

その記憶が欠損した状態で現実に戻った時、まさか、()()()()()()()()()という事態に陥ったと誰が思ったか。

「今でも、その記憶は思い出せないんだろ?」

「え、ええ・・・でも、じゃあなんで貴方は・・・」

詩乃はシエスに問いかける。

「そうだね。確かに私は、その記憶だけを持って生まれた。だけど、私は、貴方が一度S()A()O()()()()()()()()()()()()時に、記憶を取り戻した。いや、コピーと言った方がいいかな?それで私は、情報を集めることにした」

今、俺がどこにいるのか。

いつかくるであろう綾香のサイバー攻撃から詩乃を守るために強力なファイアウォールの構築技術。

軍のネットワークにも割り込めるハッキング技術。

そして今の詩乃の状態・・・・

「そして、私は二日前に、貴方(わたし)を守れた。貴方をソラに会わせるために、必死に綾香から貴方を守った。その結果が、この瞬間」

シエスは、やり遂げたかの様な笑みを浮かべる。

そこで茅場が割って入る。

『さて、そろそろ私は行くよ。シエス君。君はどうするかね?』

「んー、貴方についてくよ。あ、それと、何か困った事があったら、ここに電話して。すぐに来るから」

すると、俺の目の前にメルアドらしき文字列が表示され、それがフレンドリストに入る。

「あ、シエス・・・」

詩乃が彼女を呼び止める。

「何?」

「あ、ありがと」

「うん、どういたしまして」

そうして彼らは消えていった。

暗い空間が急激に景色を変えて、夕日が差し掛かる鳥籠の中になった。

「ユイ?いるか?」

キリトが、誰かの名前を・・・・ユイ?

「ユイ!?いるのか!?」

思わず叫んでしまった。

すると目の前の光が凝縮し、俺の胸に十歳ぐらいの女の子が飛び込んでくる。

「にぃに!」

「うお!?」

突然の衝撃でしりもちをつくが、今はそんな事関係ない。

「ユイ、よかった。いたのか・・・」

「はい、おかえりなさい、にぃに!」

ユイが、頬を摺り寄せてくる。

しばらく互いの存在を確かめ合った後、ユイが周囲を見回す。

「あの、ママは・・・?」

「ああ、心配ないよ。向こうに帰った」

俺はユイの頭を撫でる。

「じゃあ、俺ももう行くよ。必ず来いよ、詩乃」

「うん。すぐにでも行くから」

「ああ、ユイ、待っててくれ」

「はい!みんな大好きです!」

そして俺は、キリトのシステム権限で、ログアウトした・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・・」

地条家の一室にて、詩乃は目を覚ました。

詩乃は少しの間天井を見上げた後、勢いよく起き上がり、コートを手に取り、外に出る。

玄関に向かう廊下では、時子が待ち構えていた。

「時子さん・・・」

「終わったのね、全部」

「・・・・いえ」

詩乃はそれを否定する。

「ここからなんです。ここからが私たちSAOプレイヤーの出発点なんです。だから、今スタートする為に、私は行くんです」

時子の目をはっきりと見て、そう言い放つ。

「そう、なら行きなさい、蒼穹君が待ってるわ」

「はい!」

元気よく挨拶をし、玄関から飛び出す。

 

―――蒼穹、今行くよ。

 

愛する人のいる、あの場所へ。




次回!

病院についた詩乃。だがそこで待ち構えるはナイフを持った綾香と須郷。

「お前さえいなければァァ!!」

襲い掛かってくる綾香。
和人が手助けに来るも、須郷に抑えられ、助けに行く事が出来ない。
絶対絶命と思われたその時・・・

「いい加減にしろ!」

次回『最後の決戦』

「蒼穹、いいことを教えてあげるわ」

「どんなに傷ついても、俺は詩乃を、この手の届く全ての人々を、俺は守り抜く」


次回をお楽しみに!

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