「・・・・・」
「・・・・・」
今、何か緊迫した空気の中にいるシノン。
互いに相対するはキリトとレン。二人は向き合い、真剣な表情で視線を交わしている。
どうなることやら・・・・
「キリトさん」
あ、レンが動いた。と感心した瞬間、レンの姿が消えた。と思ったのだが、レンは地面に高速で座り込み、腰を折り、地面に両手を着き、地面に頭を打ち付ける勢いでDOGEZAした。
そして、隣でおろおろしていたリーファの『兄』であるキリトに・・・
「直葉を俺に下さい!」
と、懇願した。
それを言い終えた0.2秒後。
「いいぜ」
「早!?」
即答だった。
「本当!?お兄ちゃん!」
「ああ、レン以外にスグを任せられる奴なんていねぇよ」
「やったぁ!」
リーファが歓喜の笑みでレンに飛びつく。
「うお!?」
「良かったぁ~」
「おめでとう、リーファ」
シノンが祝いの言葉を贈る。
だが・・・
「だけど、親の方はどうなるの?」
「問題無いと思うぞ。ああ見えてかなり能天気だから」
「そ、そうなんだ」
心配する必要は無い、と言っていそうなドヤ顔でシノンを見るキリト。
と、そんな空気に一つ、些細な
「ちょっと待ったァァァァ!!!!」
「な!?」
「あいつ!?」
どこからか叫び声が聞こえ、次の瞬間、レンに向かってナイフが振り下ろされる。
「あぶなぁ!?」
「リーファちゃんは渡さないぞ!」
レコンだ。
レンはその攻撃をリーファを抱えながら回避するが、レコンはその手に持っているナイフをリーファに当てない様に振り回す。
レンはそれをひょいひょいとかわすが、レコンが必死すぎるのか、レンが不意打ちで動揺しているのかは分からないが、とにかくある意味命懸けの鬼ごっこを始める二人。
「やめなさい」
「ギャン!?」
そこへリーファがレコンの鼻先に
「ふぎゅ!?」
「あんた何あたしの彼氏に手を出してんのよ?何?またスイルベーンに戻されたい訳?」
「り、リーファちゃん・・・そいつ誰か分かってるの・・・?」
「ええ、知ってるわよ。レンから聞いたわよ?あんたレンが恋次だって事知ってたんでしょ?それならご心配なく、もう仲直りしたから」
「ぐ・・・ま、まあ、仲直りしたのは良い事だけど・・・・ああ、僕のリーファちゃんが・・・」
「誰がお前のリーファだこの変態が、リーファは俺の物だ」
「ぐは!?」
レンの言葉にダメージを受けるレコン。
ついでにその言葉で顔を赤らめるリーファ。
「や、やだ、レンったら・・」
「おーいリーファさ~ん。トリップしてないで戻ってきて下さ~い」
自分の世界に入り込んでいるリーファを引き戻そうとするキリト。
やがておさまると、リーファは、これからの事をレコンに話した。
「え?なんて?」
レコンはそれを信じられないとでもいうような表情でリーファを見る。
「だから、このキリトとシノンさん。そしてレンとあたしのあんたの五人で世界樹を攻略するのよ」
「ええ!?」
顔を蒼白にして驚くレコン。
リーファも正直無謀だと思っている。
キリトやシノン程の剣士や弓兵があんな無残にやられているうえ、あの黒騎士もいるのでは攻略は絶望的だ。
「ユイ、いるか?」
キリトが呼びかけると、キリトの胸ポケットから一人の小さな妖精が出てくる。
「はい!ねぇねの戦いからずっといます!」
その可愛らしいピクシーにレコンは一瞬、目を丸くし、次に興味津々な表情で顔を近づける。
「わあ!これ、プライベートピクシーって奴!?初めて見た!」
「な、なんなんですかこの人!?」
「怖がってるでしょーが、妹をいやらしい目で見るな」
シノンが左足を大きくあげ、思いっきりレコンの頭に強烈な踵落としを決める。
「ぐぎゃぁ!」
それで沈黙するレコン。
「ユイ、先の戦いで得られた情報は?」
そこでキリトは、その妖精、ユイに先ほどの戦いで得られた情報と結果を聞いた。
あのガーディアン・モンスターの強さはそこまで無いが、湧出パターンが異常なのだ。
ゲートへの距離に比例してポップ量が増え、最接近時には秒間十二体に達しているのが分かった。
これでは、攻略不可能の難度に設定されている事が丸分かりだ。
更にソラの出現のタイミングだが、どうやらドームの四分の三に辿り着くと、出現する様になっているらしい。
だが、先程の様子を見ると、攻撃する可能性は低いと判断されるので、無視して突破するのが打倒だと、ユイは言う。
個々のガーディアンは一撃二撃で倒せるが、総体でやるとなると絶対に攻略不能な巨大ボスという事になる。プレイヤーの挑戦心を煽るだけ煽って、フラグ解除をギリギリまで引っ張るつもりなのだろう。
だが、異常なのはキリトとシノンのステータスも同じだ。瞬間的な突破力ならキリト、弓による一撃ならシノンの方が上であり、魔法による大火力を持っていれば、可能性はあるらしい。
「ごめん、皆。俺、いや、俺とシノンの我儘にもう少しだけ付き合ってくれないか?もう少し、人数が必要かもしれないが、なんだか、嫌な予感がするんだ。もう、あまり猶予が無いような・・」
そこでレンは、サクヤに連絡するべきかと考えた。
シルフの領主であるサクヤと、その同盟を組んだケットシーの領主、アリシャ・ルーに連絡を取れば、今準備をして、すぐに駆けつけてくれるかもしれないが、全滅覚悟で協力してくれるとは思えない。
ならば、ここは来ないと想定して行くしかない。
「わかりました。もう一度頑張りましょう。俺に出来る事はなんでもする。それは、リーファも同じはずです。レコンは強制だが」
「ええ!?酷い!」
「泣き言、言わない」
そうして、二回目の世界樹攻略が始まった。
雷が連続で落ちた様な音を響かせて開いた石造りの大門。
その中に入っていく五人。
たちまちガーディアンが量産される。
「行くぞッ!」
キリトの掛け声に、五人は同時に飛ぶ。
前衛にキリトとレン、バックアップにシノン、ヒーラーとして後衛にリーファとレコン。
そして、キリトとレンが白い軍団に突っ込む。
「俺は一刀の刀。だがその刃、愛する人のため、大切な人の為、その者たちを守る鋼鉄の斬撃と成れ!」
レンが自己暗示をし、それと同時にキリトとレンが軍団とぶつかり合った途端、数十体の敵の胴が薙ぎ払われていた。
「斬ッ!!」
それのほとんどがレンによるものだ。
キリトは一撃で葬れるのは精々四、五体。
「あいつ・・・あんな事出来たっけ?」
レコンが顔を引き攣らせながら、レンの羅刹が如き、いや、戦いの神インドラが如きだった。
たった数秒で数百の敵を屠るレン。
キリトも負けじとガーディアンを倒していくが、レンの討伐スピードには敵っていない。
その中で、どうしてレンがあそこまで強くなったのか、リーファは理解していた。
心の中にたまっていた後悔が無くなり、心が軽くなり、今、大切な人の兄の為に、その力を振れる事に歓喜しているのだ。
「斬ッ!」
レンが野太刀を鞘に戻し、四方八方から襲い掛かってくるガーディアンに向かって高速で抜刀する。
氷鉋流剣術《
回転しながら野太刀を薙ぎ、一撃で十体はいたであろうガーディアンを薙ぎ払う。
まだ止まらない。
体を左に大きく捻り、限界まで捻じりこみ、バネが戻るかのように放たれた左斜め下からの斬りあげで、ガーディアン三体が沈められる。
氷鉋流剣術《
一方でキリトは、負けじと、剣を振り回す。
正面にいる敵の胸に右手に持った剣を突き刺し、左から来たガーディアンの顔面に拳を叩き込む。
更に、ガーディアンの一体に、片手直剣四連撃《ホリゾンタルスクエア》で沈めるだけでなく、それで他のガーディアンを落とす。
だが、二人とも無傷とはいかず、一体のガーディアンにダメージを喰らう二人。
それをすかさず回復するリーファとレコン。
だが、ここで恐ろしい事が起きた。
回復魔法を唱え終えた途端、ガーディアンがこちらを向いたのだ。
「な!?」
普通、後衛はそのモンスターに攻撃をしない限り、狙われる事は無いが、このガーディアンは、後衛さえも狙う様に設定されているのだ。
「こいつらァ!!」
シノンが弓を四本同時にたがえ、放つ。
その矢は豪速で飛んでいき、一体目のガーディアンのみならず、二体目、三体目のガーディアンを貫通し、四体目まで貫く。だが、まだ数は多い。
「くそ!」
悪態を吐き、詠唱を開始するシノン。
炎魔法だ。
シノンの目の前に炎の球体が出現し、シノンはそれに向かって矢を射る。
矢は炎を纏い、ガーディアンの一体に直撃、そこから連鎖的に他のガーディアンに火が燃え移り、次々と消滅していく。だが、その数は膨大で、とてもシノン一人では対処しきれない。
「手伝います!レコン!あんたはこのままヒールを続けて!」
そこへリーファが前に出ようとする。だが、レコンはリーファの手首を掴む。
リーファは離してと言おうとするが、レコンの真剣な眼差しでそれを止められる。
「リーファちゃん、僕、良く分からないんだけど、これ、きっと、とても大事な事なんだよね?」
シノンは必死なのか、弓を連続で放っては構え、無くなれば次の矢筒に代え、補充する行為を繰り返し、レコンの問いに答えられない。
代わりにリーファが答える。
「うん。きっと、今だけは、ただのゲームじゃないんだよ」
「・・・あのスプリガンやレンには敵わないけど、ガーディアンは僕に任せて」
リーファがえ?というよりも早くレコンはコントローラを操作し、大量のガーディアンのいる激戦地にむかう。
シノンも一瞬驚いたが、どうやらレコンの意志を読み取ったらしく、援護するかのように弓を構える。
そして、レコンは飛びながら詠唱を始める。
それが闇魔法のものと分かるまで、しばし時間がかかった。
「レコン!?」
リーファはキリトとレンに回復魔法を飛ばすが、そのたびに降りてくるガーディアンの数にゾッとしながらも、レコンの行為に疑問を感じていた。
闇魔法で、何かこの状況を逆転するものがあったか?
そして、レコンが最後の呪文を叫ぶ。
「ガーパ・ニーザフォ――――――ルッッッッ!!!」
次の瞬間、膨大な光がレコンから溢れ出し、次の瞬間・・・
ドゴォォォォォォォオォォォォオオオォンッッ!!!!
巨大な爆発音が響いた。
光が収まり、レコンがいた方向を見ると、そこには先ほどまでいたガーディアンたちの大部分が文字通り消滅していた。
「あいつ・・・こんな隠し玉を・・・」
と、関心しながらも、レコンに回復をかけようとした途端、新たな驚愕がリーファを襲う。
爆発の中心と思われる場所に一つのエンドフレイムが見えたのだ。
「レコン・・・?」
レンとキリトは生きている。ならば、あの光はレコンの物だ。
自爆魔法。
おそらくレコンはこの魔法を使ったのだ。
「あの・・・バカ・・・」
リーファは歯を食いしばるも、レコンの犠牲を無駄にしない為にも、回復魔法の詠唱を開始しようとしたその時、更に絶望に突き落とすような光景が起きたのだ。
無数のガーディアンたちがまるで水が水平に戻る様にレコンが決死の覚悟で開けた穴を塞いでいくのだ。
キリトがそうはさせないとその穴に突っ込んで行くが、無駄な抵抗の様に、ガーディアンたちが行く手を阻む。
シノンも援護するかの様に、弓を撃ちまくるが・・・
「!? 矢が!?」
とうとう矢が全て無くなってしまったのだ。
「くッ!」
シノンは弓をしまい、代わりに腰にあるダガーを抜き放ち、キリトに続くようにガーディアンの群れに突っ込んで行く。
「無理だよ・・・こんなの・・・」
その行動は無謀その物。
無数に排出されるガーディアン。
レコンの自爆でさえ、それが無になりつつある。
レンの動きも徐々に制限されていく。
キリトが無理に前に進もうとするので、その隙がガーディアンたちにどんどん突かれていく。
シノンも、ダガーだけでは力不足であり、もともと狙撃担当、接近戦型のビルドでは無い。
その絶望的な状況に、その場で立ち尽くすリーファ。
何か、何かこの状況を打破するものは・・・・
その時、リーファの背後で巨大な音が響き渡る。
「え!?」
急いで振り向くと、そこには開かれた扉から入り込んでくる複数の数。
六十人はいるであろうその影は、
その装備は、全員、
更に、今度は大きな咆哮。見ると、扉から今度はでかい何かが入ってきていた。
ドラゴンだ。
それにまたがるは、
テイムが得意な種族であって、こんな巨大なモンスターを従える事が出来るとは思ってもみなかった。
「すまない、遅れた」
「ごめんネ~、装備整えるのに手間取っちゃって」
聞き慣れた声が聞こえた。
シルフ領主のサクヤとケットシー領主のアリシャ・ルーだ。
「サクヤ!」
リーファは歓喜の声を上げる。
「あのスプリガン君から受け取ったお金全部使って装備整えたけど、これで死んだら両種族共に大損害だネ~」
「まあ、あの少年には借りがあるからな。ここで返すのも良いだろう」
一方で・・・
「サクヤさん!来てくれたのね!」
「これで結構楽になるな!」
シノンとレンが思わぬ援軍に驚愕混じりの歓喜し、それで疲れ切っていた精神が再び活性化し、襲い掛かってくるガーディアンの大群に飛ぶ。
「斬ッ!」
レンは斬月を放ち、ガーディアンを五体程薙ぐ。
「ハアアァァアアア!!!」
シノンは左腰に差してある小太刀を抜き放ち、ガーディアンの急所を正確に貫き、どんどん落としていく。
「うおおおおぉぉぉおおおお!!」
鬼神が如き強さを見せつけるキリトはその援軍で活路が見えたと内心で思い、更に進む力を強める。
アリシャが可愛らしくもよく通る声で叫ぶ。
「ドラグーン隊!ブレス攻撃用―――意!!」
その指示を受けた飛竜及び、それにまたがるケットシーたちが、行動を起こす。
ドラゴンの口が赤く発光し、火の粉が僅かばかり溢れる。
それに続き、サクヤが声を上げる。
「シルフ隊!エクストラ・アタック用意ッ!」
シルフたちが隊列を組み、その手に持った長剣が突然、光を放つ。
それが何かのチャージしていると察するまで、そこまで掛からなかった。
大量のガーディアンたちをぎりぎりにまで引き付けたアリシャは、飛竜たちに指示を下す!
「ファイアブレス、撃て―――――!!!」
瞬間、赤い閃光と共に、十体の飛竜の口から巨大な炎が吐かれ、ガーディアンたちを包み、爆発する。
「すごい・・・」
それに感嘆するリーファ。
その炎はガーディアンたちを吹き飛ばし、大半を消し飛ばす。が、それでも膨大な数がおり、まるで津波の様に押し寄せてくる。
そして、奴らの狙いが最前線にいるキリトとレン、そしてシノンだと分かるまでそれほどかからなかった。
そして、三人を飲み込もうとしたタイミングでサクヤが叫ぶ。
「フェンリルストーム!放てッ!」
扇子を鋭く振り下ろし、それに従う様に、六十人のシルフたちが一斉にその長剣を突き出す。
緑の光が無数に放たれ、ガーディアンたちに殺到する。
今度は爆発は起きる事は無かったが、代わりに緑の稲妻が迸り、ガーディアンたちを貫いていく。
二度の大規模攻撃。これには流石のガーディアンの軍団の中央が大きく窪んだ。
今しかない。
ならばやる事は一つ。
「全員、突撃ッ!!」
サクヤの声が響き渡り、この場にいる全てのプレイヤーがガーディアンの大群に突っ込んで行く。
それは、このALO最大にして、最初で最後の戦闘だった。
「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
「やあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
キリトとシノンが絶叫し、立ちふさがるガーディアンたちを落としていく。
「落ちろぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!」
「邪魔するなぁぁぁぁぁあああぁぁああ!!」
レンとリーファが叫び、刀を振るい、ガーディアンを落としていく。
シルフやケットシーや飛竜たちも、決死の覚悟でガーディアンを落としていく。
「スグ!後ろを頼む!」
「うん!」
キリトとリーファが背中合わせになり、互いにその手に持つ剣で、ガーディアンたちを落としていく。
「剣もっと無いの!?」
「今出してるよ!」
一方で、シノンはレンのアイデアでレンがこれまで溜め込んできた刀剣類をオブジェクト化し、それを矢代わりにするという、いかにも変則的な攻撃をしている。
レンが剣を取り出し、それをシノンが撃ち放つ。
リーファが傷付けたガーディアンを反転したキリトが首を跳ね飛ばし、同時にリーファもキリトが攻撃したガーディアンの首を跳ね飛ばす。
「セラァァァッ!!!」
キリトが前に出る。
「ッ!?」
一方で剣が無くなるレン。
「弾切れ!?」
「は、はい!」
シノンはそれを聞くと、自分の腰にあるダガーに手を伸ばし、前に出ようとする。
「シノンさん!」
だが、レンは自分の野太刀をシノンに差し出す。
「!? でもこれは・・!」
「約束してくれ。必ず、ソラさんを助けると!」
レンの真っ直ぐな眼差しを受け止め、シノンがその刀を受け取る。
「分かったわ」
そして、それを弓にかけ、詠唱を始める。
炎属性の魔法、
それにレンがシノンの詠唱している魔法の各段に上の魔法を高速で詠唱する。
「お兄ちゃん!」
リーファが自分の手に持つ長刀をキリトに投げる。
それをキリトが受け取る。
レンとシノンの詠唱が終わる。
目の前に巨大な焔球が出現する。
「シノォォォォオオオォン!!」
「撃ち抜けェェェェェェエエエエエエッッ!!!」
キリトが叫び、シノンが燃え盛る球体にレンの野太刀を打ち込む。
それは球体を貫き、その焔を全て乗せて、ガーディアンたちの中央に撃ち込む。
限界にまで引き絞られたその剣は、ガーディアンたちを撃ち抜く、というよりも、溶かしていき、天井に届く。
「おおおおおおおおお!!!」
シノンが開けた風穴にキリトが突っ込む。それをシノンが追いかける。
ガーディアンたちも、そうはさせないといわんばかりにその穴を塞いでいく。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
キリトが両手に持った剣を縦横無尽、皆既日食のコロナの様に正面全方位から無数の剣劇を叩き込む。
「行ってお兄ちゃん、シノンさん、どこまでも・・・・・行っけぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
そして、遂に、辿り着いた。
その頂きへ・・・・
愛する、大切な人のいる、天辺へ、彼らは辿り着いた。
次回
遂に、再開を果たす、アスナとキリトとユイ。
だが、肝心のソラがいな事に気付く四人。
脱出しようと試みるも、突然、彼らの前に最大の強敵が現れる。
「綾香ぁ・・・」
「須郷!」
須郷と綾香のシステム権限による、圧倒的屈辱の限り。
殺意に溺れるキリト。だが・・・
「これ以上、好き勝手はさせない」
「ソラぁぁああ!!
ソラが、彼らの前に立ちふさがる。
そして・・・・
「ソラ、シノンを殺しなさい」
「やめろぉ!!」
次回『信じてる、最後の一瞬まで』
「綾香、須郷・・・・俺はお前たちを許さない」
次回もお楽しみに!
フェアリィダンス編完結まで、あと四話・・・