夢見る乙女達と英雄王は舞踏会へ   作:969

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Smile?

「本日の面接官を務める千川ちひろです」

 

「ギルガメッシュだ…」

 

「佐久間まゆ…ですっ」

 

面接4日目、いよいよ折り返し地点

この時点でめぼしい原石はちっこいのと大きい女の2人のみ

この辺であと数人は見つけておきたいところだが……

 

(おい、まゆ。こちらを見るな、あの娘共を見ろ、良い娘がいるかどうかをだ)

 

(プロデューサーさん、まゆじゃダメですか…?)

 

(ちひろ、誰だこのバカを面接官にした奴は)

 

(貴方ですよギルガメッシュくん)

 

(まゆ、プロデューサーさんにおバカなだけですっ)

 

ええい、鬱陶しい!!

 

「243番、し…島村卯月です!」

 

………

 

「えっと、私から質問を…島村さんは何故アイドルに…? 因みに、まゆはプロデューサーさんにであ「答えろ、243番」…むぅ」

 

「憧れですっ。みんなを笑顔に出来るそんなアイドルになりたいんですっ!」

 

「そうか…次!」

 

この女…いや、我が下す決断ではないな

強ばっているが依然笑顔のまま…か

一種の才能…それに本人が気がつくかどうか見物だな

 

「はい!! 244番春日未来です!!」

 

 

 

 

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卯月side+etc

 

はぁ…とため息をつき肩を落とす

 

「やっぱりダメだったのかなぁ…?」

 

オーディションはすぐに終わった。むしろ待ち時間の方が長かった気がする

それに質問も1度だけなのは他のみんなもだったけれど…

 

「あ、お母さんに牛乳買ってきてって言われてたんだ」

 

終わってしまったことは気にしても仕方が無い。次に向かって頑張るだけ!

 

「よしっ、島村卯月頑張りますっ」

 

ふんすっ…と気合いを入れたのはいいけど…ここ街中だぁぁ!? は、恥ずかしい…

 

 

 

そそくさと立ち去りコンビニで牛乳と…あ、765プロの特集組んでるんだ…買っとこ

 

「アイドル…か」

 

レジの店員さんが呟く

独り言…だったんだろうけどアイドル、その言葉だけは聞き逃せない

 

「アイドル好きなんですか?」

 

気がついたら言葉にしてしまっていた

 

「え? あぁ、いや…いつも笑顔を振りまけるアイドルって凄いなって思っただけっすよ。俺には愛想笑いもできないから」

 

笑顔…

 

「あんたなら…なれるかもな? ありがとうございましたー」

 

商品を受け取り店を後にする

変わったお兄さんだった

 

 

 

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ちひろside

 

「プロデューサーさん、本当にあの子不合格にするんですか?」

 

オーディション終了後、何度も見返していた島村卯月ちゃんの履歴書

先程、ギルガメッシュくんから破棄しろと申出があった

 

「構わん」

 

見向きもせずに告げる

あんなに何度も見返していたなら何かありますよねぇ…?

 

「捨てるのが面倒ならば武内の机にでも放っておけ」

 

ははぁ、なるほどなるほど…

 

「わかりました、私も少し忙しいので武内プロデューサーさんに任せますね」

 

「何だその生暖かい視線は!」

 

「いえいえ、素直じゃないなーなんて思ってませんから。 それと、今日も行くんですか?」

 

「あぁ、あの娘は何としても手中に置いておきたい。珍しく我の血が騒ぐわ!」

 

「騒ぐのはいいんですけど街を騒がせるような真似は止めてくださいねー」

 

「ふん、わかっておる!」

 

バンッと戸を閉め出ていくプロデューサー

こないだ寒そうだったから渡したマフラーもしっかり使ってくれてるようでよかった

 

「それにしても街の本屋に通うなんてよほど凄い子なんですかね?」

 

書類を一つの封筒にまとめ社印を押す

あとは武内プロデューサーの机に置いてくるだけだ。

あっちのスカウトは順調なんでしょうか…

スカウトされて入ったのはみりあちゃん、アーニャちゃん、美波ちゃんの3人だ。

こちらは杏ちゃんにきらりちゃん…それにこの島村卯月ちゃんもほぼ確定だろう。

あと7人…春までに見つかるかしら

 

「信じて待つだけ…ですね」

 

「千川くん、どうしたんだい?」

 

「部長、ええとなんというか…あのプロデューサーさん達大丈夫かなー…と」

 

「大丈夫だよ、彼ら…すごく楽しそうじゃないか」

 

楽しそう…? ギルガメッシュくんはわかるけど…武内プロデューサーは表情が変わらないから分かり辛い

 

「こちらはこちらで全力でやりたい事をやらせてあげようじゃないか」

 

「…そうですね。今は私が出来ることをやるだけですっ」

 

ギルガメッシュくんが帰ってきたら新商品エナチャ10を売りましょうっ

 

 

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???side+etc

 

「お母さん、大丈夫?」

 

「うん、大丈夫…って言いたいところだけど今日1日休んでおく。また風邪ひいたら悪いしね。店番お願いできる?」

 

「大丈夫だよ、今日はお手伝いさんも来てるし」

 

母が風邪をひき今日は私と近くの店から手伝いに来てもらった男の人2人で切り盛りすることになった

 

「今日はよろしくお願いします」

 

「あぁそんな固くならないで? それにここは君のご家族のお店だから俺の方が…ね?」

 

物腰の柔らかそうな男性で年齢は確か…30歳といっていた。とてもそんな風には見えなかった

 

「同じ街中のお店同士だし、助け合いって大切だと思ったからさ。よろしくっ」

 

「…なんて呼べばいいですか?」

 

ふぅむ、と考えるふりをして微笑んだ

 

「みのりって呼んでくれていいよ。俺はなんて呼んだらいいかな?」

 

「渋谷…でも、凛でもいいですよ」

 

「よろしく、凛ちゃん」




今回は少々短めでしたー
それとスペシャルゲストに3人のお方が…1名名を明かしてませんが

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