夢見る乙女達と英雄王は舞踏会へ   作:969

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今回、ほとんど話がアイドル紹介です(目をそらし


シンデレラの舞踏会

英雄王side

 

舞踏会前日

仕事も終わり暇になったのでとりあえずファーストプロジェクトとクローネを招集した。

 

「さて、貴様らに集まってもらったのは他でもない。明日のライブについてだ。明日のシンデレラの舞踏会は貴様らにとって集大成…そしてようやく、一人前としてのスタート地点でもある…つまりだ」

 

「その話まだ続く?」

 

えぇい、誰だチャチャを入れた奴は!

我からのありがたい言葉を黙って聞けないのか!!

 

「アタシ達、眠いんだけれど…」

 

寝ぼけ眼を擦る美嘉に

 

「夜はよーる眠らないと」

 

くだらない洒落を口にする楓

 

「楓さん、面白くない」

 

容赦ない周子

 

「夜更しは肌の敵よ?」

 

アンチエイジング瑞樹…etc

 

「黙って聞け、大馬鹿共!!」

 

「今何時だと思ってるの、9時だよ?!

そんな時間に急に呼び出すアンタが馬鹿でしょ、バカ!!」

 

「バカとはなんだ美嘉!! 貴様には説教が必要だ!」

 

「はいはい、痴話喧嘩はそれぐらいにして…用事って何かしら?」

 

「ち、痴話喧嘩って…そ、それじゃアタシとギルガメッシュがその…フフフッ」

 

む、イカンな。美嘉に釣られて目的を見失うところだった。

 

「話を聞く女はいい女になるぞ奏。 そんな貴様にはコレをくれてやろう」

 

予め用意しておいたブツを奏に投げ渡す。

小さく筒状のものだ。

 

「あら…これは口紅…? って、これかなりブランドものよね?」

 

「む、そうなのか? 貴様に似合いそうで高いやつを買ったのだ。大切にしろ」

 

「え、えぇ…」

 

急に顔を赤くしたと思えば落ち着きを見せる…何だこの女は?

 

「友紀、お前はこれだ。たしか好きだったな」

 

「ね、ねこっぴーだー!?」

 

よくわからん生物だが、友紀が笑顔になるならばそれでよい

 

「わざわざ生け捕りにしてきたのだ」

 

「ありがとう、プロデューサー! 大事にするよ!」

 

「ということでだ、貴様ら全員にプレゼントを配る。喜べそして泣け!!」

 

先程までわーわーぎゃーぎゃーと喚いていた者共が目の色を変え待機している。まだかまだかと

 

「美嘉、貴様にはこのネックレスをやろう!」

 

「わーいって、これアンタが何時もしてたやつでしょ!?」

 

「よかったな、これで何時でも大好きな我と一緒ではないか!」

 

「な、なななな!?」

 

「しかし、我は王、故に一人の女で収まる者では無い!」

 

「「「最低だ!?」」」

 

明日は舞踏会当日

決戦の日だ

 

 

 

 

 

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ちひろside

 

舞踏会当日

アイドル達はもちろん、私やスタッフ共々会場裏を駆け回り準備に追われている。武内プロデューサーもだ。

 

ただ1人例外が居たが

 

「ギルガメッシュくーん、ちゃんと準備してくださいね?」

 

「む、そうだな…我も成すべきことをするか」

 

嫌に素直だった…何か企んでますね? もう、驚きませんから

 

「開演三十分前です! 皆さん、準備出来てますか!!」

 

「「「「「「はいっ!!!」」」」」」

 

アイドル一同気合いは十分!

私は泣かないように見守らなきゃ…と、思った矢先にギルガメッシュくんが消えた。

 

もしや…

 

ひとりでに暗転するステージ

そして見たことの無いPVがモニターに流される。

観客がアイドルの登場か?とか新しい企画か?とか、どよめく中やはり彼がそこに居た

 

「よくぞ来たな、雑種共!! 我の名を分かるものは居るか!」

 

急な振りに観客は固まるが一部、極一部から大きな声が聞こえた

 

「知ってる! プロデューサーのギルガメッシュさん!!」

 

「正解だ!! 我こそはファーストプロジェクト及びプロジェクトクローネのプロデューサーにて、このシンデレラ達が夢見た城の王…ギルガメッシュだ!!」

 

「「「「王様ーーーー!!!」」」」

 

割れんばかりの歓声がギルガメッシュくんに向けられる。なんというカリスマ性だろうか。入場途中の皆さんも声を上げていた

 

「本来ならばこのような事は無いのだがな、今日はとても気分がいい…なのでだ! この我が直々にアイドル達の軽い紹介をしよう…まずはコイツだ!!」

 

バンッ!!と音がスピーカーから響く…ステージ上、その他会場に設置されているスクリーンに瑞樹さんが映し出された

 

「もちろん知っているだろう? 川島瑞樹、この女は元テレビキャスターなどと異色の経歴からアイドルになった。本人は年齢を気にしているみたいだ。だがな、普段から努力を重ね、若いアイドルにも負けない根性がある! プロダクション一の良き年長者、ファーストプロジェクトの最高のリーダーだ!!」

 

「「「「瑞樹さーーーん!!!」」」」

 

ステージ裏で待機していたアイドルの中で既に川島さんが泣きそうになっている…

 

「次は姫川友紀、普段はどうしようも無いくらいののんべいで野球女だが…野球とアイドルに対する気持ちは何時だって一直線、常に笑顔で上も下も引っ張る良き女だ」

 

「「「「ユッキー!!!」」」」

 

ま、まさか全員分やる気!?

だから三十分前に始めたんですか!?

 

アイドル達は感動か困惑か分からないですけどフリーズしちゃってますし!

 

「次々いくぞ! 輿水幸子、自称カワイイやらナルシストなどと巷では言われてる様だな。その通りだ…しかし、その自らに対する自信は何よりも強い武器だ。そして、我らで断言しよう幸子はカワイイ!!」

 

「「「「サッチーカワイイーーーー!!」」」」

 

「小早川紗枝、見てくれは京美人…中身は腹黒女だが誰よりも人の意思を汲み取れる良き理解者だ。貴様らの心内も読み取られてるかも知れんな!」

 

「「「「紗枝はーーん!!!!」」」」

 

「日野茜、全力全開という言葉が人となったような者でプロダクション一の熱血だ。茜のファン達よ、奴から振り落とされんようにしっかりと応援しろ!」

 

「「「「茜ちゃーーーん!!!!」」」」

 

ボンバーーーーーーー!!!!!!

茜ちゃんが叫んだ!?

マイク無しでも声が表に聴こえたのか笑いが起きていた

 

「小日向美穂、優しくしっかりした娘だ。ファーストプロジェクトは皆、癖のあるものが多かったがここまで活動が続いたのも単に美穂が皆をまとめあげてくれたからだ。コイツがいなければ貴様らが応援している今は無い!感謝しろ!」

 

「「「「「「美穂ちゃーーん!!!」」」」」」

 

「佐久間まゆ、どこまでも一途でその為ならばなりふり構わずに走り続ける女よ。所々ポンコツだが、そこは貴様らがファンとして支えろ!」

 

「「「「ままゆーーー!!!」」」」

 

「十時愛梨、アイドルたるものレッスンは過酷を極める…そんな時、何時も差し入れを持って現れ皆の心に安らぎを運ぶ!! この我でさえ多少なりリラックスしてしまう程の癒しの権化だ」

 

「「「「「愛梨ちゃーーん!!!!」」」」」

 

「さぁ、ここからはクローネの紹介だ! 先日のライブを観られなかった者ども、心して聞いておけ!」

 

美嘉ちゃんと楓さんはクローネの方で紹介するんですかね?

 

「神谷奈緒に北条加蓮、この2人はここ半年ほど前に我が軍門に下った小娘。 奈緒は典型的なツンデレ、加蓮はイタズラ好きの小悪魔といった所だろう…

何やら我の知らんところではトライアドプリムスとか言うユニットをやっているようだが…これから奴らが頑張れるからは貴様ら次第だ! 応援せよ命令だ!」

 

「「「「奈緒ちゃーーん!!!」」」」

 

「「「「加蓮ちゃーーん!!!」」」」

 

「大槻唯、発言自体はよく他人を舐めてると思われがちだが仕事に関しては誰よりも真面目に取り組む良い娘だ! お土産はキャンディにしてやれ、好物らしいからな!!」

 

「「「「唯ちゃーーーーん!!!!」」」」

 

「あっはは、お父さんみたい!」

 

「子煩悩…みたいなもんですかね…」

 

「一ノ瀬志希に塩見周子、放蕩娘…または放浪娘コンビだな。どこかミステリアスな影を持つ2人だが中身は何ら変わらん乙女だ。素っ気なくしようとも貴様らの応援は無駄ではない、奴らのガソリンだ!! 心置き無く全力で応援しろ!」

 

「「「「しゅーこーー!!!!」」」」

 

「「「「志希にゃーーーん!!!」」」」

 

地味に褒めてない気がするんですけど!?

 

「はぁー…お仕置きが必要だねー?」

 

「にゃはは、お薬試しちゃおうかなー?」

 

ギルガメッシュくんの命が危ない

 

「宮本フレデリカ、まるで本心が掴めないおちゃらけた感じだがその心は常に楽しいという感情に向けられている。感謝しろ、フレデリカは貴様らに幸せと楽しいを振り撒くぞ!」

 

「「「「フレちゃーーーん!!!」」」」

 

「速水奏、年齢に見合わん妖艶さを持つがそれも日々の努力あってのもの。メイクにレッスン、一つ一つを糧にして今の奏が成り立っている。自らの武器をしっかりと理解した真の女というものが奏だ」

 

「「「「「奏さーーーーん!!!」」」」」

 

「鷺沢文香、我がこの業界に入り初めて美というものを認識した女だ。その瞳は澄み、声は子守唄の様に心地よい…! 貴様らに観せるのが惜しいくらいに美しき女だ!」

 

「「「「文香さーーーーん!!!!」」」」

 

「橘ありす、最年少ながらも覚悟がある! 確固たる意思がある! あと10年も経てば見目麗しく姿を現すだけで溜息が出てしまう様な存在になるだろう。必ず見届けよ!」

 

「「「「ありすちゃーーーん!!!」」」」

 

 

橘です!!! と叫びたさそうにしていますけど…文香ちゃんの手前我慢してるようで…

本当にみんな姉妹みたいに見えてしまいますね

 

「高垣楓、楓の歌は一言で言えば魔法だ。多くは語るまい、聴けば分かると言っておくのが一番だと我は判断した! 聴け、そして酔いしれよ!」

 

「「「「楓さーーん!!!!!」」」」

 

「そして、最後だ!

我がプロデュースした最初で最高のアイドル、まだまだ一流とは呼べんが近い将来必ずトップへと上り詰める。そして世界を魅了するアイドルの名は!!

城ヶ崎美嘉!!!」

 

「「「「「うぉぉぉ!! 美嘉ちゃーーーん!!!!」」」」」

 

会場が揺れる、開演前からトップギアの応援が会場を揺らした。

こんな応援を前にして彼女達の心が燃えないわけがない。

 

「さて、他のプロジェクト…シンデレラプロジェクトの紹介はライブ内で行う!」

 

ステージのライトがギルガメッシュくんを照らすもの以外一切消え、彼はマイクを手放す。

 

そして、高らかに歌うように告げた

 

「我が姫達を見よ! 

万雷の喝采を鳴らせ!

余興はここまでだ!!

 輝く星のごとく……

 刮目せよ! シンデレラの舞踏会を!」

 

鐘の音と共に門は開かれた…




最後のアレは完全にローマ皇帝さんのをお借りしております

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