夢見る乙女達と英雄王は舞踏会へ   作:969

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ある日のカルデアは一応3か4で終わる予定です。
それと、この度ぐだ男を出すことになりました。
性格は出来るだけFGOに近くしたいと思いますが…



番外 ある日のカルデア 2

エミヤside

 

「呼んだか、英雄王よ」

 

ジャンヌ、ジャンヌオルタが驚くような人物が部屋へと入ってきた。

私も最初に聞いた時は愕然とした、まさか彼がこの話に乗るとは思いもしなかったからだ。

 

現れたのは肉体と一体化した黄金の鎧と胸元に埋め込まれた赤石が目を引く青年…

 

その名は施しの英雄カルナ

 

「「か、カルナ(さん)!?」」

 

「此度のアイドルに関してエキスパートと呼べるのは我、贋作者、そしてカルナだ」

 

「いやいやいや、わけわからないわよアンタ達!?」

 

「あの、カルナさん。私が言うのも何ですがアイドルについて知っているのですか?」

 

私も彼女達と同意見だった、あのカルナが知っているはずがないと

 

「以前ジナコにダンスや曲を覚えさせられてな。あれもきっとこの時の為に必要な知識だったのだろう」

 

ビシッとポーズを決めるカルナに唖然とするジャンヌ達を尻目にギルガメッシュは話を次々と進めていく

 

「人材には適正適所というものがあるからな、選曲やステージメイクは我、レッスンはカルナ、食事等の健康管理に日常のスケジュールは贋作者が受け持つ。今日は以上だ!」

 

「いや、ちょっと私はまだするとは」

 

「手始めにストレッチから始めよう。二人共動きやすい格好になれ」

 

「分かりましたっ!」

 

「アンタなんで乗り気なの!?」

 

ギャーギャーと騒ぐオルタとは裏腹にジャンヌはオルタを引き摺り更衣室へと向かった。

 

「贋作者よ、我はステージと他のアイドル候補をスカウトしてくる。 貴様は食堂を占拠してこい!」

 

「了解した、速やかに食堂の占拠を行おう」

 

英雄王の指示を受け私は廊下を疾駆する。実に清々しい気分だ、何故こうもアイドルを育てるという行動がしっくり来るかはあまり覚えていない。だが、生前誰かと交わした約束が私をこうして動かすのだろう。

 

食堂の扉を開け放ち中へと侵入する

台所は私のポジションだ!

 

「おや、アーチャーではないですか」

 

「ほう、アーチャーか。私にピッタリの食を持ってきたのか? それとも作るのか?」

 

「貴女達、彼は私の為に食を作ってくれるのです。くれぐれも勘違いせぬように…」

 

「アーチャー、ジャンクなモノを頼みますよ」

 

「セイバーは殲滅すべし…ランサーは…ええい、アルトリアは殲滅すべし! アーチャー、腹が減ってはなんとやらです! 私にも補給を!」

 

これを地獄と言わず何を地獄と言うのか

アルトリアとアルトリアとアルトリアとアルトリアとアルトリアがいるではないか。

 

 

よりによって

 

 

食堂に!

 

「…なんでさ」

 

まず、ここを占拠するにはこの大食感5人を撃破せねばならないとは…

 

 

 

 

 

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ぐだ男side

 

「ジャンヌ・ダルク・オルタ、腕の振りが遅い。ジャンヌ・ダルクに置いてかれているぞ」

 

「あぁ、もう! 分かったわよ!!」

 

カルナのレッスンが始まってから早数刻…

2人にとっては想像以上にキツイものだった。

戦いとは違う繊細な動きからのとたんに爆発的な動きになったり、それだけ動きながらも音程を崩さず歌う…

 

それを真顔でカルナがやってることが外野からしてみたら爆笑ものなのだが…

 

「アイツ…どうなってるのかしら……」

 

「流石は…カルナさん…ですね…」

 

汗をダラダラと流し床に尻餅をついた2人を嘲笑う様にカルナは口を開く

 

「どうした、その程度か」

 

もっとも本人はそんなつもりは全くないのだが。

 

 

 

3人がダンスを行っている最中の事だ。館内放送で一部サーヴァントが英雄王に招集された。

 

もちろんマスターである自分もだ。

 

「あのー…ギルガメッシュ…? なんでこんなメンツ集めちゃったの…?」

 

「我が認めた一流達だ。こやつら以外に我の計画を進められる者がいない。 さて諸君! 手元の資料を見てもらおう!!」

 

いつの間に英雄王は書類何か作れるようになったのだろうか…しかも十数頁に及び両面びっしりに何かが書かれている…

 

「まずは楽曲、これに関しては貴様以外に居るまいモーツァルト」

 

「まさか、英雄王から作曲を承るとはね。いいだろう、キミのオーダー…姫達の曲、描いて見せようじゃないか!」

 

「あぁ、音楽に事関しては貴様以上に信用たる者は居ない。頼むぞ」

 

英雄王が人に! 物を! 頼んだ!?

 

「次にステージ、これは多大な労力を使う事になろう。イメージは出来ているものの我は建設なぞせんからな…よってこれも適任者に任せるとしよう」

 

これまたすごい人が座っている…

 

「太陽王! いやさ、此度はこの名で呼ばせてもらおう、建築王! このステージを作るには貴様が力が必要だ!」

 

「フハハハハ!! 貴様の招集、何事かと思えば余に舞台を作れと!? よい、よいぞ!! 実に気に入った。最近はそのような事をしていなかったからな。 して、作るイメージとやらはなんだ?」

 

オジマンディアスさんも乗り気だー!?

 

「先程、モーツァルトが言った様に此度は聖女と魔女が主役…だけでは終わらん! 折角だ、カルデアにいる全女サーヴァントが姫となり我らが王となるパーティを開こうと思う」

 

「つまり、城を築け…という事だな?」

 

「満点の答えだ建築王」

 

ステージじゃなかったの!?

 

待って、ツッコミが追いつかない…

 

「はー、なるほど。つまり俺たちゃ力仕事やらそういう事だな?」

 

「そうだ、そこに居るバーサーカー共を上手く指揮するのだぞ。ランサー共」

 

後ろに控えるヘラクレスやヴラド

クーフーリン達までもが案外やる気だ

 

「電気バカ2人にも当日働いてもらおう」

 

「「誰がコイツと働くか!」」

 

「魔術師の小娘に恩義を感じないならばそれで良い」

 

「「うぐっ!?」」

 

ニコラテスラとエジソンもやはりエレナには恩義を感じてるらしい。

 

「アーチャーにアサシン共、貴様らには城を築く場所へ建築王とそれに征服王共に赴き、一掃しろ」

 

「「「御意」」」

 

「あいわかった! 速やかに征服してみせようぞ!」

 

「円卓の馬鹿共、貴様らはセイバーに何かを聞かれたら真面目に答えてしまうからな。貴様らは建築現場から当日まで戻るな」

 

「反論が出来ませんね…」

 

「悲しきことです…」

 

「海賊、お前は科学者と共に当日の為に手紙を書け」

 

意外にも黒髭とジキルにも役目があった。

 

「出来るだけパーティと悟られるモノは避けよ。そうさな……このカルデアを襲う…とでも書いておけば従者先導の元、皆ついてくるであろう」

 

凄まじい計画性だった。何故こんなことになったかは知らないけど…特異点を修復する為に手伝ってもらっているみんなには感謝しきれないし。ギルガメッシュが開くパーティーでみんなリフレッシュ出来るならば自分も全力を尽くそう

 

「従者よ、貴様にもあるぞ」

 

「何でもやる!」

 

「この事を知ってしまった女サーヴァントが居たら令呪を以て捕縛せよ」

 

「手荒な!?」

 

「これより、男サーヴァント共によるグランドオーダー【英雄達の舞踏会】を開始する!! 各陣営、抜かるでないぞ!!!」

 

「「「「「オオオオオオォォォォ!!!!!!!」」」」」

 

自分達の雄叫びがカルデアの女性陣を驚かせたのは後に知ったことだった


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