夢見る乙女達と英雄王は舞踏会へ   作:969

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今回はとてもショートな番外編です

残念ながら一切アイドル達が出てきません
英雄たちのある日の事です


番外 ある日のカルデア

それは騒音

それは爆音

 

それは突如としてカルデアに響き渡った

 

ある者は敵襲と考え音の正体へと駆け出し

またある者は素晴らしい歌声だと賛美して現場へ赴き

その他の者は気を失った

 

 

「みんなー! 今日はアタシのライブに集まってくれてありがとー!」

 

尻尾と角を生やしたドラゴン娘は自らの歌に酔いしれ狂喜乱舞した。

観客も大勢集まっている。

 

実際の所、殺気立ったクランの猛犬や自称良妻賢母

 

ハーレム王を目指す海賊 黒髭曰く

【あんな歌を聴くぐらいならBBAと添い寝の方がマシですぞwwwwww】

 

まぁ、かの暴虐皇帝は拍手喝采だったが…

 

 

「おい、いい加減にしろよエリザベート! おちおち寝てもいられねぇじゃねーか!」

 

「全くです、そんな騒音を巻き散らせば私は疎かご主人様の眠りも遮るというもの…」

 

「なによ、みんなアタシのライブ楽しんでるじゃない! ランサーもキャスターも度量が狭いわね!」

 

「そうだぞ、光の御子に狐よ。この様な素晴らしい歌声など余以外にはこやつだけだ! そうそう聴けるものではないのだから楽しむのが一番ではないか」

 

「そうよそうよ、セイバーの言う通り!

この、カルデアのアイドルエリザベートの歌が聴けるのだから喜びなさいよ!」

 

4人が啀み合う中、王は降臨した

 

「戯け! 貴様がアイドルだと?

雑種風情が図に乗るな!!!」

 

「き、金ピカ!? ななななにをそんなに怒ってるのかしら? アンタそういうキャラじゃないでしょう!?」

 

「知らんが何故かアイドル…という単語を聴くと虫唾が走ってな」

 

「まったく同感だね。まさか英雄王と同じ意見になることがあるとは思いもしなかったが」

 

英雄王の後を追うように入室してきたのは赤の外套を纏ったアーチャー

 

「ほう、贋作者と同じとはこの娘の歌は我らをこうして同じ意見にするほどのモノだということだな」

 

「いいか、エリザベート=バートリー。歌というものは誰かの為に歌うものだと私は思う。キミのは自己陶酔に他ならないのだよ」

 

「そうだぜ、嬢ちゃん。そこの弓兵と同じとは癪に合わねぇが歌っつーのは戦で死んでいった奴らに歌ったり女の心情を歌ったりだな…」

 

アーチャー2人にランサー1人の猛口撃を暗い徐々にへし折られていくエリザベートは…キレた

 

「そんなに言うなら本物のアイドルってヤツ見せてみなさいよ!!!!」

 

「…ふむ、よし全てこの英雄王に任せろ!!」

 

「「「はい?」」」

 

 

 

 

 

 

 

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アーチャーside

 

「あ、あの英雄王!! な、なぜ私達が呼ばれたのでしょうか…」

 

「そうよ、それになんでよりによってコイツとなの? 私に対しての嫌がらせ?」

 

目の前に立つは2人の聖女…いや、正確には聖女と魔女

まさに表裏の人物だった。

 

「貴様らにはある事をしてもらおうと思ってな。こうして呼んだ迄よ」

 

そう、英雄王と私はエリザベートの為にある事を行うと決めたのだ。

 

「ある事…とは?」

 

「貴様らにカルデアアイドルの先駆けになってもらう」

 

衝撃的なデビューが決まったからか嬉しさのあまりに2人は口が開きっぱなしだ。

無理もない…アイドルとしてデビューが決まったようなものだからな。

 

「バッッッッカじゃないの!?」

 

「どうしたのだね、ジャンヌオルタ。

急に大きな声を出したら私も英雄王も驚く…実際、横でジャンヌ・ダルクが驚いてしまったじゃないか」

 

「アンタもよ! 言うことかいてアイドル? ちゃんちゃらおかしわよ!?

そもそもアーチャー、アンタそんなキャラだったの? 違うでしょ!?」

 

「ふむ、キャラではない…と言われてしまえばそこまでだが。

何故か私もアイドル…という単語に並々ならぬ情熱を感じてね。もしかしたら私は生前、歌に関する者だったのかも知れないな」

 

嘘だが

 

「歌に関する英霊がなんでアーチャーなのよ!? 弓兵の癖に剣士みたいなスタイルだし!」

 

「すみません、アーチャーに英雄王。

私も私と同意見です…」

 

「何故アイドルが嫌なのだ?」

 

「私みたいな卑屈な小娘には無理って事よ」

 

「私はアイドルというモノをよく知りませんから…中途半端にやってしまえば本物のアイドルの方に示しが付きません」

 

それぞれ考えることがあるということらしい。

オルタがジャンヌの答えに(え…そこなの?)というような視線をぶつけてたが

 

しかし、ジャンヌはともかくオルタは自らを卑下しすぎだな。

女性ながらオルタは中々魅力的な方だと思っている。それはこのカルデアに存在するサーヴァント皆そうだ。

男性もワイルドから伊達男まで揃っている

 

「ふん、アイドルを知らないのは仕方あるまい。 そのようなものが無い時代の英霊なのだからな」

 

「…英雄王、アナタもそうじゃなくて?」

 

「その辺は気にするなよ、邪ンヌ

まぁ、それは置いておいてだ。特別に講師を連れてきた」

 

「「特別…講師?」」

 

英雄王に招かれな特別講師は…

意外な人物だった

 

 

 

…続く

 

 

 


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