夢見る乙女達と英雄王は舞踏会へ   作:969

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前回に比べだいぶ軽い内容になっています
そして、これから先少々物語に関わってくるアイドルが1人出ます。
ではどうぞ


HINO in USA

「ゆーえすえー!!!!!!」

 

「えぇい、騒がしいぞ茜!」

 

飛行機の中では静かにしていたのになんだこれは

 

「だって、初海外ですよ!! 美嘉ちゃん達も行ったことないって!!!」

 

「確かに…我が立ち上げた部門では貴様が初めてになるか…」

 

そう、我は日本を離れ日野茜と共にアメリカにやって来た。

聖杯戦争で呼び出され早10年、遂に日本から出た

というのもだ、茜自身が仕事先で新たな仕事を取ってきた…その場所がここアメリカだった…という理由なのだが…

 

「我は仕事の詳細を全く聞いておらんぞ」

 

「大丈夫です!!! 私におまかせください!!!」

 

不安しか残らない

 

「スポーツの応援キャンペーンガールをですね!!! 任されたんです!!!!

しかも日本代表のですよ!!!」

 

「ほう、貴様がか。ならばラグビーか」

 

「いいえ、アメフトです!!!」

 

「…何が違うのだ?」

 

「良くぞ聞いてくれました!!!

まずはボールのサイズ、人数、時間…どれをとってもラグビーの方がアメフトより大きく、多く、長い!!!

また、一つのプレーを連続で行うのがラグビーと言われてます!!!

アメフトは攻守が明確にあるんです!!!!」

 

「ふむ、見た目は似ているが中身は全然違うのだな?」

 

「そりゃあ、もう!!!」

 

…サラリと聞いていたが茜、そういう知識はあるのだな。我ビックリ

 

 

茜に連れられメドウランド・スタジアムにやって来た

スポーツ競技場なぞ初めて来たが興味をそそるものが多い。 それに…だ

やはり、日本対アメリカ…プロの試合で無いにしても世界各地に放映するため数多くのテレビ局が来ている。

 

…凄まじい仕事を自ら取ってきたものだな茜

 

「打ち合わせいってきまーーーーす!!!!」

 

「うむ、粗相がないようにな」

 

最終調整だろうか、日本のチアチームと共に奥へと消えて行った

最初から我の仕事はない。

保護者として来たようなものだ

なので…折角だ、初のスポーツ観戦としよう

 

 

【さぁ、日本選手の入場だぁ!!!】

 

【日本最速のランナー! アイシールド21……小早川瀬那ーー!】

 

 

 

む、始まるのか…

腰を据えると既に大画面で茜が映し出されていた。

おぉ、良い面構えになっているではないか

それにチアガールも似合っている…ふむ、確かほかの部門に居たな…確か若林智香だ。

ヤツと組ませると面白そうだな

 

 

 

 

【そして我らがUnited State of America!!!!!!】

 

 

 

ちっ、日本の選手入場が終わったせいで茜が映らなくなった

 

しかし、日本の選手も美嘉と同じコウコウセイには見えんな

なんだあの巨体は、サーヴァントかなにかか?

それに悪鬼の様な面もいる

 

「「「「ぶ・っ・殺・す!!!」」」」

 

「Ya----Ha----!!!!」

 

殺伐とした掛け声だな…

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

結果的に言えば面白かった

我を楽しませる見世物としては十分だ

茜もハーフタイムとやらをまるまる使ったミニライブを行ったことだしな

 

「プロデューサー!!! 観光していいんですか!!?」

 

「あぁ、ちひろから許可は得ている。

それに帰国は来週の頭だ」

 

いい機会だから観光をして休んでこいとちひろから言われていた。

 

「それにしてもあれですね!!!!

プロデューサーと私だけって何気にスカウト以来ですよ!!!!」

 

む、そうだった…か?

如何せんコイツとの出会いは物凄い勢いだったからな。殆ど覚えていない

 

「うぉーーー!!! ボンバー!!!!」

 

「五月蝿い」

 

「…………!!!!」

 

黙っていても五月蝿い

しかし観光か…茜が一つでも何か吸収して帰れるならばよいか

 

「おい、タクシーに乗るぞ。」

 

「……ッ!!!」(コクコク

 

「はぁ、喋って良い」

 

「はい!!!!」

 

 

 

この日は時間も時間だったのでホテルへと直行したのだが…

我は眠れずに1人ホテル内をさ迷っていた

トレーニングルームにプール、カラオケ?まで付いてるとはここはなんだ

346プロか?

 

「広いな、我の部屋は何処だったか」

 

ついつい散策をしてしまった

ふと、気がついた

何処からか我でさえ綺麗だと認めるしかない声が聴こえてきた

 

どこだ

 

「〜〜♪」

 

これは…先程通ったカラオケルームか?

少し歩速を早めカラオケルームへと向かうと1人の少女が歌っていた…

これは、楓に次ぐ上手さ…いや同じと言っても過言ではない

 

「…? あの、どうされました?」

 

「む、気付かれたか。 なにあまりに綺麗な声だったのでな聴きに来たまでよ」

 

「あ、ありがとうございます…」

 

どうせだ、海外でもスカウトをしてみようではないか

 

「挨拶が先だな、我は346プロダクションのプロデューサー、ギルガメッシュだ。貴様、アイドルになれ」

 

「あの…すみませんっ。 私、アイドルなんです…」

 

何だと!?

 

「このような所で同業の方に会えるとは思ってもみませんでした」

 

「それは我もだ。一曲聴かせてはもらえんか?」

 

「えぇ、構いません。…では…蒼い鳥」

 

 

 

 

これは…これ程の逸材とは…!

 

 

「…ふむ、中々だ。

明日の行き先など知らない…という歌詞のところに力が入り過ぎてるな。 もう少し気を緩めろ」

 

「やはり、指摘が的確ですね。気を付けてみます…

あ…すみません、申し遅れました

765プロダクション所属、如月千早です」

 

如月千早か…

同じ業界でもここまで実力がある奴がまだまだ居るのだな

あやつ等はまだまだということか

 

「その、差し出がましいかと思いますが…少し練習に付き合ってもらえませんか?」

 

「よかろう、我も眠れずに暇を持て余してたところだ。 我は厳しいぞ」

 

「望むところです…っ!」

 

こうして我の夜は更けていった


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