「いや~戦った、戦った。」
魔理沙は、夕方頃に霊夢達と別れて自分の家に向かっていた。
(あれから、暗黒バトラーが何人か来たけど、全然普通に倒せたな。)
イヌイ将軍が駿太に負けてから、次は《英雄龍ロード・ドラゴン》を使う『ノブシー』と《異海神ディスト・ルクシオン》を使用する《アザス》が現れたが、
霊夢の『アルティメット』と魔理沙の《ハヌマーリン》が余裕で倒した。
「そう言えば…やつらは私の《ハヌマーリン》も狙っているって、駿太が言っていたな。」
そう。狙われているのは駿太の『十二神皇』だけではなく、他の『十二神皇』も狙われているのだ。
(そうだ!アリスにデッキ調整手伝っても~らおっと!)ビュン
魔理沙は進路を変え、スピードを速めた。そして、友人 アリスの家に向かった。
☆★☆★
アリス宅
「よっと!アリス~いるか~?」ドンドン
アリスの家に着くにいなや、魔理沙は扉をドンドンと叩いた。
しかし、返って来るのは静寂のみ。
「あれ?今日は人里で人形劇をやる日じゃないはず…」
「……………………………」シャンハ~イ!
「ん?…アリスの上海人形じゃないか!」
すると、そこにアリスの人形の1体『上海人形』が魔理沙の前に現れた。
「アリスはどこにいるんだぜ?」
「………………………………」クイクイ
人形は言葉を話せないが、上海人形は『とにかく速く来て!』と言っているかのように焦っているように見えた。
人形は手招きを終えると、魔理沙に背を向けて森の中に入って行った。
「お、おい!待つんだぜ!」ダッ
☆★☆★
魔理沙が上海人形を追いかけて行く。上海人形が入った所は、森の奥。人里の人間が入ったら2度と戻ってこれない場所だ。
そこに………
「…っ!アリス!?」
魔理沙の友人、『アリス・マーガトロイド』が傷だらけになって倒れていた。
「おい!アリス!しっかりするんだぜ!!」
「…………………………んっ!」
(よかった…。息はあるみたいだぜ)ホッ
アリスが無事な事を確認して、ホッと息をつく。
「に、しても一体、誰が…」
「…それは俺だ」
「っ!?」
魔理沙の後ろには、黒いローブに黒いコートを身に付けた男が立っていた。
(こいつ、いつから後ろに…!)
「お前がアリスを…こんな目に合わせたのか!?」
「…そうだ。君を誘き出す為に使わせてもらった」
男は静かな様子で話す。
「アリスをこんな風にして、私に一体何の用だ!」
「……君が持っている《申の十二神皇》を奪いに来た。と、言った感じだ」
「そうか…。なら、アリスの仇は私がバトルで晴らさせてもらうぜ!」
魔理沙は【ソウルコア】を取り出す。それと同時に男も【ソウルコア】を取りだし天に掲げる。
「「バトルアーマー!オン!」」
☆★☆★☆
「まずは私のターンだぜ!」
魔理沙 手札5 リザーブ【4】
「《白猿のシャラバ》を召喚!」
白猿のシャラバ(1)LV1 BP1000 コスト0
「さらに《加速戦士イエロー・マーリン》の『アクセル』発揮!デッキから3枚オープンし、『アクセル』を全て手札に加えるぜ!」
加速戦士イエロー・マーリン
コスト4 アクセルコスト3→【2】
オープンカード
↓
①丙の木猿ナラ
②壬の火猿ニーラ
③戊の水猿スシェーナ
「《壬の火猿ニーラ》と《丙の木猿ナラ》を手札に!ターンエンドだぜ」
魔理沙
手札5 リザーブ1 トラッシュ【2】ライフ5
白猿のシャラバ(1)LV1 BP1000
「…俺のターン」
男 手札5 リザーブ【5】
「…《獄土の騎士レフティス》を召喚。召喚時効果で1枚ドロー」
召喚したスピリットは、紫色の金属の拳をフィールドに叩きつけて、唸りを上げた。
獄土の騎士レフティス(1)LV1 BP1000 コスト【3】
「さらに《冥騎獅アロケイン》を召喚」
冥騎獅アロケイン(1)LV1 BP1000 コスト0
(《アロケイン》…『アルティメット』使いか?)
「…バーストセット。《アロケイン》と《レフティス》でアタック。」
「両方ともライフだぜ!」
直後、2体のスピリットのアタックが魔理沙のライフを破壊した。
「うぐっ!」
魔理沙 ライフ5→3 リザーブ3
「…ターンエンド」
男
手札3 リザーブ0 トラッシュ【3】ライフ5 バースト
獄土の騎士レフティス(1)LV1 疲労
冥騎獅アロケイン(1)LV1 疲労
「私のターンだぜ!」
魔理沙 手札6 リザーブ【6】
「《奇獣プーシャン》を召喚!」
奇獣プーシャン【1】LV1 BP1000 コスト1→0
「さらに!《庚の金猿カンダマダン》を召喚!」
フィールドに身体中に金や宝石を身に付けた猿のスピリットが現れた。
庚の金猿カンダマダン(3)LV2 BP6000 コスト4→2
「バーストセット!《カンダマダン》でアタック!」
《カンダマダン》は宝石を男に投げつける。
「…ライフだ」
男 ライフ5→4 リザーブ1
「ターンエンドだぜ」
魔理沙
手札3 リザーブ0 トラッシュ2 ライフ3 バースト
白猿のシャラバ(1)LV1 BP1000
奇獣プーシャン【1】LV1 BP1000
庚の金猿カンダマダン(3)LV2 疲労
「…俺のターン」
男 手札4 リザーブ【5】
「《ボルトスネーク》を召喚。さらに、もう1枚《冥騎獅アロケイン》をLV2で召喚し、先に召喚した《アロケイン》もLV2に上げる。」
フィールドにボルトが刺さった蛇と《アロケイン》が召喚された。
ボルトスネーク(1)LV1 BP1000 コスト2→【1】
冥騎獅アロケイン(2)LV2 BP2000 コスト1→0
冥騎獅アロケイン(1→2)LV2 BP2000
「《ボルトスネーク》でアタック。アタック時効果で手札を1枚破棄して、《プーシャン》を破壊する。」
《ボルトスネーク》が1本のボルトを《プーシャン》に当てて破壊した。
奇獣プーシャン(1)LV1 破壊
「っ!《シャラバ》でブロック!」
《シャラバ》が《ボルトスネーク》をブロックしに行く。しかし、《ボルトスネーク》が突撃した時に爆発し、《シャラバ》は巻き込まれて破壊された。
ボルトスネーク(1)LV1 BP1000 破壊
vs
シャラバ(1)LV1 BP1000 破壊
「…これで君のブロッカーは0。LV1の《アロケイン》、アタックだ。」
《アロケイン》が小さな剣を振り回しながら魔理沙を襲う。
「ライフで受けるぜ!…ぐっ!」
魔理沙 ライフ3→2 リザーブ【3】
《アロケイン》のアタックで魔理沙のライフが減り、痛みが走る。
「確かに私のブロッカーは0。でも、ここで終わる私じゃないぜ!
バースト発動!《妖雷スパーク》!LV2の《アロケイン》と《レフティス》をBP-5000して破壊だぜ!」
バーストから放たれた電撃によって、男のフィールドにいる回復状態のスピリット2体は破壊された。
「さらに、コストを支払って1枚ドローだぜ!」
妖雷スパーク コスト3→2
「…LV2の《アロケイン》の破壊時効果は使わない」
獄土の騎士レフティス(1)LV1 BP0 破壊
冥騎獅アロケイン(2)LV2 BP0 破壊
「さあ!次のターン、アリスの仇を取らせてもらうぜ!その後、幻想郷の怖い巫女の所で事情聴取だ!」
「……エンドだ」
男
手札1 リザーブ4 トラッシュ【1】ライフ4 バースト
冥騎獅アロケイン(2)LV2 疲労
「さあ!私のターンだぜ!」
魔理沙 手札5 リザーブ【6】
自信満々に勝ちを確信したように魔理沙はカードをドローする。
「《白猿のシャラバ》を再召喚!さらに《カンダマダン》のLVを1に下げる。」
フィールドに再び小さな猿が現れた。
シャラバ(1)LV1 BP1000 コスト0
カンダマダン(3→1)LV1 BP4000
「そして…!
轟け!天地を揺るがす神の力!戦いの嵐を巻き起こせ!!召喚、
《申の十二神皇ハヌマーリン》!!」
魔理沙がカードを召喚すると、『申』の文字が現れた。その後、空が黒い雲に覆われ、黒い雲から大きな隕石が落ちてきた。
すると、黒い雲から雷が隕石に落ち、中からピンク色の体をして後ろに千手観音のような手を付けた《ハヌマーリン》が姿を現した。
申の十二神皇ハヌマーリン(1)LV1 BP10000 コスト6→5→3
「…来たか《申の十二神皇》」
「召喚時効果!リザーブの【ソウルコア】を私のライフに<封印>!!」
《ハヌマーリン》の効果によって魔理沙のリザーブの【ソウルコア】が魔理沙のライフに置かれた。
魔理沙 ライフ2→【3】リザーブ2
「アタックだ!《ハヌマーリン》!」
《ハヌマーリン》が咆哮して、男のライフを削りに動き出す。
「フラッシュタイミング!《丙の木猿ナラ》『アクセル』発揮!《壬の火猿ニーラ》をオープンして1枚ドロー!
そして、《ハヌマーリン》の効果でノーコスト召喚する!」
丙の木猿ナラ(1)LV1 BP4000
コスト5 アクセルコスト3→0
「ここで!《丙の木猿ナラ》の召喚時効果発揮!私の手元にある『アクセル』全てを手札に戻すぜ!」
「……強い効果だ。」
「感心するのは、まだ早いぜ!
フラッシュ!手札に戻した《加速戦士イエロー・マーリン》の『アクセル』発揮!デッキから3枚オープンし、『アクセル』を全て手札に加えるぜ!」
2度目の《イエロー・マーリン》の効果でデッキがオープンされる。
オープンカード
↓
①猿道士オンコット
②妖雷スパーク
③庚の猿王子アンガダ
「《オンコット》を手札に加えて《イエロー・マーリン》を召喚だぜ!」
イエロー・マーリン(1)LV1 BP4000
「さらに、さらに!《猿道士オンコット》の『アクセル』発揮!
このターン、黄色のスピリット全てに黄色のシンボルを1つ追加するぜ!」
シャラバ(1)LV1 BP1000 黄+黄
庚の金猿カンダマダン(1)LV1 BP4000 黄+黄
丙の木猿ナラ(1)LV1BP4000 黄+黄
イエロー・マーリン(1)LV1 BP4000 黄+黄
申の十二神皇ハヌマーリン(1)LV1 BP10000 黄+黄
「そして!これがメインのダブルシンボルだ!!」
「…ライフで受ける。」
男 ライフ4→2 リザーブ6
《ハヌマーリン》の重い一撃が男のライフを砕いた。
「よし!もう1発で―」
「その前に、ライフ減少でバースト発動!《絶甲氷盾》。ライフを1つ回復し、フラッシュ効果でアタックステップを終了させる。」
絶甲氷盾 コスト4
男 ライフ2→3 リザーブ2
「あと少しなのに…!ターンエンドだぜ」
魔理沙
手札3 リザーブ0 トラッシュ3 ライフ【3】
シャラバ(1)LV1 BP1000
庚の金猿カンダマダン(1)LV1 BP4000
丙の木猿ナラ(1)LV1BP4000
イエロー・マーリン(1)LV1 BP4000
申の十二神皇ハヌマーリン(1)LV1 疲労
「……俺のターン」
男 手札2 リザーブ【8】
「1つ聞くが、何でアリスを巻き込んだ?私に用があるなら、私を直接襲えば良いだろう?」
「………その話は、君が勝ったらいくらでもするつもりだ。でも…」
と、男は手札のカードを1枚 手に取った。
「…勝つのは、俺だ。
マジック《フォビドゥングレイヴ》!」
フォビドゥングレイヴ コスト6→5
男がマジックを発動すると、フィールドに大きな穴が出現した。
「出でよ、世界を闇に染める暗黒の力!残酷非道な その力で、世界を闇に葬りされ!
アルティメット、召喚。
《獄土の四魔卿マグナマイザー》!!」
出現した大きな穴から、邪悪な気を纏った剣を持った巨大なアルティメットがフィールドに姿を現した。
獄土の四魔卿マグナマイザー(3)LV4 BP25000 コスト8→0
「バカな…。《フォビドゥングレイヴ》の効果はトラッシュからアルティメットを復活させる効果のはず。
いつ、アルティメットがトラッシュに……」
その時、魔理沙は前のターンの出来事を思い出した。
(そう言えば…あの時!)
『《ボルトスネーク》の効果で手札を1枚破棄して、《プーシャン》を破壊する』
(あの時にトラッシュにあのアルティメットを破棄していたんだ…)
「…これで終わらせよう。
《マグナマイザー》でアタック!」
《マグナマイザー》がゆっくりと動きだし魔理沙のライフを削りに行く。
(たとえ、何の効果でも《壬の火猿ニーラ》の効果で返り討ちだぜ!)
しかし、男は次に魔理沙の予想を越える効果を言った。
「…【TUトリガー】ロックオン!!」
「【TUトリガー】!?」
男は指を銃の形にして、魔理沙の腕に照準を当てた。
すると、魔理沙のデッキに電撃が走り、カードが3枚オープンされた。
トリガーカード
↓
①絶甲氷盾 コスト4
②エンジェルストライク コスト5
③丙の木猿ナラ コスト5
「…3枚のカードのコストはいずれも8以下。トリプルヒット!」
カードが全てトラッシュに送られると、《マグナマイザー》が魔理沙のフィールドにいるスピリット達に紫の衝撃波を放ち、スピリット達の命を奪った。
シャラバ(1→0)消滅
庚の金猿カンダマダン(1→0)消滅
丙の木猿ナラ(1→0)消滅
イエロー・マーリン(1→0)消滅
申の十二神皇ハヌマーリン(1→0)消滅
「私のスピリットが…全滅……」
「…これが、《マグナマイザー》の効果。ヒットしたカード1枚につき、スピリット/アルティメットのコアを2個、相手のトラッシュに送る。
…トリプルヒットなので6つだ。」
(リザーブにコアがない…。でも、まだ―)
「…さらにダブルヒットの効果で、相手のライフを1つトラッシュに送る。トリプルヒットの効果で、君の手札を2枚破棄だ」
「なっ!?手札もライフもかよ!?」
次の瞬間、《マグナマイザー》が再び衝撃波を放ち、魔理沙のライフを破壊した。
「ぐっ…!」
魔理沙 ライフ【3→2】 手札3→1
破棄カード
↓
①エンジェルストライク
②壬の火猿ニーラ
「…メインのアタック、受けてもらおう」
「ぐっ!ライフで……受ける!」
直後、《マグナマイザー》のアタックを受けて魔理沙の体に痛みが走る。
「ぐわあああああああ!!」
魔理沙 ライフ【2→1】 リザーブ1
「……《アロケイン》で終わりだ」
《アロケイン》が剣を魔理沙に投げる。
これを魔理沙はどうやっても防げない。
「……ライフで受けるぜ……」
魔理沙 ライフ1→0
最後のアタックを受けて、魔理沙の体は吹き飛ばされ、アリスの隣に転がった。
「…また、素敵な地獄でお会いしましょう」
男は魔理沙がフィールドからいなくなった後に、そう魔理沙に言った。
☆★☆★☆
バトルが終わり、男のバトルアーマーは消滅した。
そして、魔理沙の持っていた《ハヌマーリン》が男の元に向かった。
「……………………2枚目」パシッ
男はそれを取り、その場を立ち去った。
その場には、気絶したアリスと魔理沙の姿だけが残った。