十二神皇編第4章発売ですね。
作者はAmazonで《子の十二神皇》《丑の十二神皇》を買おうと思っています。
「ふっふ~ん♪」
ある日の昼頃、射命丸 文はついに出来上がった新聞を手に持ち、博麗神社に向かっていた。
「(いや~瞬さん気に入ってくれるでしょうか…。ついでにバトルのリベンジも果たしたいですね。
《セフィロ・アリエス》のコア除去に特に気をつけないとですね)」
博麗神社に向かいながら文は瞬とのバトルを思い出した。
すると、
「あややややややややや?」
文は『妖怪の山』の麓に1人の男が倒れているのを発見した。
男の髪は赤色で、服は瞬と同じような外来人が着るような服で、首にヘッドホンをかけていた。
「年は、18ぐらいですね。隙間妖怪にでも連れてこられたのでしょう。」
このままにしておくと、他の妖怪に喰われてしまう可能性を考えた文は、その男の人を助けようと地上に降りた。
「えっ!?」
その時、文はその男の顔を確認して驚いた。
「…………瞬さん?」
☆★☆★☆
「……ん?」
その男が目を覚ましたのは、文が助けてから30分が経った頃だった。
「あっ、ようやく気がつきましたか」
「…………ここは、どこだ?お前は。何故、俺はここに…」
文は男の人の顔を見る。
声までは似てないが、顔のパーツは所々同じなのだ
髪の色を黒にすれば、絶対に瞬と見間違えるだろう。
「(似てますね~)じゃあ、1つずつ答えますね。
1つ、私の名前は射命丸 文。新聞記者です」
「新聞記者?……あっ、俺は星野 駿太(ほしの しゅんた)だ。」
互いに自己紹介を終え、駿太が本題に入る。
「で、ここはどこなんだ?」
「ここは幻想郷。忘れられたもの達が集う楽園です。」
そう答えると、駿太は驚いた顔をした。
「幻想郷…?
俺は、また違う世界に来たのか…」
「また?どう言う事なのか、ちゃんと教えて下さい!」
その一言を文は逃さずに言及する。
「あ、ああ。俺は『スピリッツワールド』って言う所にいたんだ。」
その状態の文に圧されながら、駿太は答える。その仕草も瞬に似ていた。
話の内容は『スピリッツワールド』の話から始まった。
『スピリッツワールド』は今、《邪神皇》の復活が近づいており、『スピリッツワールド』の崩壊を防ぎ、平和を守るために勇者の力が必要だと言う話だった。
「そして俺は 勇者として『スピリッツワールド』に召喚されたんだ。」
「なんか、全然分かりません」
《邪神皇》とか、勇者の力
などが全く分からず文の頭に?マークが残るだけになった。
「まあ、詳しい話は後でするよ。」
「そうですね。そう言えば、駿太さんはこれからどうするのですか?」
「あー……」
駿太が気まずそうに目をそらす。
これは何も考えていない目だ。と文は確信する。
「元の世界に帰りたくても、帰れなさそうだしな」
「分かっていますね。そう思った理由も何か?」
「ああ…。『スピリッツワールド』に召喚された時も帰れないって言われたんだ。」
「なるほど。納得しました。」
元の世界に帰れないと聞き、駿太がガクッと落ち込み、文はポンッと手をついた。
「それじゃあ、こういう時に頼もしい人に会いに行きましょうか。」
☆★☆★☆
「それで私の所に来た、と」
「そうですね。簡単に言えば、瞬さんの従兄弟かもと考えたのですよ」
文が駿太を連れて来た場所は博麗神社だった。
俺は文が連れて来た 星野 駿太を改めて見る。髪と声は違うが、従兄弟と勘違いするほど俺に似ていると思う。
最初、文に見せられた時、ドッペルゲンガーとも思った。
「ほんと似ているわね~」
「そうだぜ。まるでコピーみたいに似てるぜ」
外でお茶を飲んでいた霊夢と魔理沙も、俺と駿太を交互に見て感想を述べる。
そして当の俺と駿太は……
「そうか…お前も大変だな駿太。」
「そっちこそ、いきなり異世界に放り込まれてよく普通に生活できるな」
「来てしまったものはしょうがないんだ。でも、まあだいぶ慣れた」
俺と駿太は、外の世界からの出身同士で気が合うのか、外の世界の話だったり、バトスピの話をしていた。
俺は霊夢に、幻想郷についての説明も頼むと言われたので、ついでに簡単に幻想郷の説明もした。
30分後…
「と、言うわけで、我がこの世界に舞い降りた選ばれし人間、星野 駿太だ。
これからよろしく頼むぜお嬢さん方」
「「「…………………………………」」」
瞬を除く3人は思った。『キャラ変わってる!?』
「ふぅん、我がカッコよすぎて声も出ないか。」
「いや駿太。お前のキャラが変わりすぎて唖然としているんだよ」
こいつと30分話して分かった事がある。
「フハハハハハハハハハハ!そうか!そうなのか!フハハハハハハハハ!」
1つは、度が過ぎた廚二病だと言うこと。
「瞬、幻想郷の事についてどんな説明をしたのかしら?」
「いや、普通に説明したぞ。こいつが違う方に解釈しただけだ。」
「絶対、違うと思うんだぜ…」
魔理沙が疑いの目を向ける。
「…家が貧乏でバカにされていたから、少しでも強く見せる為にあんな感じで話すようにしたらしい。」
俺は駿太に聞こえないように霊夢と魔理沙、文に耳打ちする。すると、3人は納得したように頷いた。
スピリッツワールドに居たときには、『連れ』から『恥ずかしいので止めて欲しい』と言われ、止めていたらしい。
「さあ瞬!我とバトルだ!」
「分かった、分かった。負けても文句言うなよ!」
「望む所だ!」
博麗神社の境内に二人分のバトルシートを並べる。
そこに瞬と駿太のデッキをそれぞれ置く。
本来はバトルフィールドに入ってバトルしたかったが、これは駿太の希望だった
「「ゲートオープン!界放!!」」
☆★☆★
「アタックステップ!《サジット・アポロドラゴン》で合体アタックだ」
「くっ…!ライフで受ける…」
駿太 ライフ1→0
駿太が悔しそうにライフをリザーブに置く。
「瞬!もう1度だ!次こそ勝つ!!」
「…別に良いが。そのセリフ、10回目だぞ…」
バトル再スタート
第8ターン(駿太のターン)
「瞬!今度こそ我の勝ちだ!《太陽龍ジーク・アポロドラゴン》で合体アタック!!」
《砲竜バル・ガンナー》を合体させた《ジーク・アポロ》でアタックするが、詰めが甘い。
「んじゃあ、マジック《リミデット・バリア》を使用する。このターン、コスト4以上のスピリットのアタックではライフは減らない」
「貴様、またそれか!?」
「手札に来るんだから良いだろ」
「えー…。エンドだ」
さらに第11ターン目
「《ドラゴニック・タウラス》でアタック!【激突】だ!」
「くっ…、《ドラマル》でブロックだ」
「この時、《ドラゴニック・タウラス》の効果が発揮し、ライフを1つ破壊する!」
「また、負けた……」
駿太 ライフ1→0
「しゅんー、次は私もバトルしたいぜ」
「あっ、私もしたいです」
駿太とのバトルが終わると、魔理沙と文がデッキを持って、バトルをしたそうにしていた。
「それじゃあ、みんなでやるか」
「クックック…我の餌食になりたいのならかかって来るがいい。」
☆★☆★
その頃、【スピリッツワールド】ではエルフの耳をした褐色の女性『シシ』が水晶を見ながら呟いた。
「《寅の十二神皇》を持つ異世界の勇者が【スピリッツワールド】から姿を消しました。」
「なんと!それは真であるか、シシ!」
「はい。しかも《寅の十二神皇》を持ったまま」
シシの言葉に最初に反応したのは、太鼓がついた赤色の兜を付けた『カブトー』と呼ばれる男だった。
「《寅の十二神皇》を持ったままか。
シシ、奴の場所は分かるか?」
その次に反応したのは、暗黒バトラーのリーダー《タツミ》。
「はい。場所は【スピリッツワールド】と多数の異世界の狭間にある世界、
【幻想郷】と呼ばれる場所です。」
シシは続けて言う。
「そこに《寅の十二神皇》の他に、《午の十二神皇》《酉の十二神皇》《亥の十二神皇》《未の十二神皇》《申の十二神皇》の存在を確認しました。」
「なんと!《十二神皇》が6枚もあるのであるか!?」
「だが、シシ、それだと、この《十二神皇》は何ナノダ?」
驚くカブトーの隣でイノシシの仮面を付けた『イヌイ将軍』が若干、片言で喋りながら手に持った《午の十二神皇》のカードをシシに見せる。
「コノ《午の十二神皇》は俺が異世界の勇者から奪い取った《十二神皇》。
ならナゼ、その【幻想郷】にもう1枚《午の十二神皇》がアルノダ?」
「それは分かりません。もしかしたら、【幻想郷】に行けば分かるかもしれません。」
シシのその発言にタツミが質問する。
「ならば、シシ。その【幻想郷】に行く手段はあるか?」
「はい、タツミ様。私が、【幻想郷】への道を開きましょう。」
それを聞いたタツミは玉座から立ち上がり、その場にいた暗黒バトラーに向かって告げた。
「これより、【幻想郷】に向かい、異世界の偽勇者の《寅の十二神皇》を奪う!
その後、【幻想郷】にある《十二神皇》を全て回収する!」
今回の新キャラ《星野 駿太》は、ダブルドライブの《茂上 駿太》と見た目は同じだと思って下さい。