学戦都市アスタリスク【六花に浮かぶ月と幻想】   作:観月(旧はくろ〜)

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第十一話〜聖夜の謎、その一部〜

 

 

「……じゃあ、ちょっと待ってて」

 

場所は女子寮の裏側。セレナは聖夜にそう言うと、小走りで女子寮の入り口へと向かう。

 

そして、それを見送った聖夜は浅く息を吐いた。

 

「……今日は疲れたな、色々と」

 

まあ、まだ終わっていないのだが。寧ろこれからが本番である。

 

 

手持ち無沙汰に、近くの木に寄りかかりながらセレナを待つことしばし。ふと気配を感じ、聖夜は顔を左に傾けた。

 

その瞬間、彼の顔があった位置に真っ黒な刃物が突き刺さる。

 

「……気を引かせる方法としては随分と物騒じゃないか」

 

苦笑しながら上の方を向く聖夜。その視線の先には、自室の窓枠に頬杖を突いている時雨が居た。今の刃物は、どうやら彼女の能力によるものだったようだ。

 

「当たらなかったし、何の問題も無いでしょ」

 

つまらなさそうな表情で時雨は聖夜を見る。

 

「……それで?」

「……?」

「リースフェルトとのデートよ。どうだったの?」

「ああ、そのことか。……うんまあ、かなり楽しかったよ。デートじゃ無いけど」

 

正直に彼が答えると、時雨は溜め息を吐いた。

 

「……そ。良かったじゃない」

「まあ、な。……時雨こそ、こんな時間にどうした?」

「ちょっとした休憩よ。……そしたら下にあなたが居たものだから、ついね」

「ここに男が居ちゃマズかったか?」

 

冗談交じりに微笑みながら聖夜がそう言うと、時雨も力を抜いてふっと笑った。

 

「いいえ。……ただ、近付き過ぎると危ないけどね」

「ああ。それは身に沁みて理解してるよ」

 

前科持ちだからな、と彼は苦笑。二度も同じ轍は踏むことはしまい。

 

時雨も微笑みながら言う。

 

「それはどうかしらね。……だって、これから女子寮に入ろうとしてるみたいだし」

「うっわ、バレてたか」

 

とは言うものの、聖夜も特別驚きはしない。ここに男が居てもおかしくは無いと先程は言ったが、傍目に見れば普通に疑われる位置だ。通常、男が近付く場所では無いのだから。

 

「……で、誰の部屋に行くつもりだったの? 『麗水の狩人(メレアヴィーネ)』の所?」

「いや、セレナのとこだけど」

 

言いかけた瞬間、時雨が固まった。

 

そして、この後のパターンは聖夜も知っている。だからこそ、彼は素早く『幻想の魔核(ファントム=レイ)』を起動し、一つの魔法式を組んだ。

 

 

つまり、何が起こるかと言えば。

 

 

「……よっ、と」

 

「はああぁぁぁっ!?」

 

 

やはり時雨は叫んだのだった。

 

なので、彼は間髪入れず準備していた振動系の魔法を放つ。時雨の叫び声とは逆位相の振動波だ。それは時雨の声を中和し、叫び声だったはずの音は僅か囁き声程度の音量になった。

 

はっと時雨が自分の口を塞ぎ、聖夜は軽く溜め息を吐く。

 

「あっぶねえ……時雨、他の女子に知られたらどうすんだよ」

「ご、ごめん……でも、本当にあのリースフェルトの所なの?」

「ああ。……信じられない、ってのは理解できるよ」

 

聖夜だって未だに半信半疑なのだ。恋愛事に全くと言っていいほど疎いセレナが、何故男を自分の部屋に入れようと思ったのか。

 

しかしその答えは出ないまま、聖夜の視界の端で一つの部屋の窓が開いた。セレナの部屋だ。見れば、セレナが手招きしている。

 

「……まあ、そういうことで」

 

聖夜は誰にも聞こえないくらいに呟き、素早くセレナの部屋へと飛び込んだ。

 

 

 

一方、時雨はと言えば。

 

 

「……どういうことよ、全く」

 

 

 

自分でも驚いてしまうくらい、不機嫌だった。

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

「お邪魔しまーす」

「窓枠を乗り越えながら言う言葉じゃ無いわね……」

 

そんなお小言はさておき、聖夜はセレナの部屋を見渡す。

 

 

まず初めに感じたのは、内装が案外シンプルだということだ。可愛い感じではなく、全てお洒落な感じのインテリアに纏まっている。

 

そして、それらに調和されるように置かれた観葉植物。そこそこの数があるものの、どれも部屋に溶け込んでいる。

 

思わず、聖夜は呟いた。

 

「……良い部屋だな」

 

当の聖夜ですら意識してない発言だ。不意を突かれ、セレナは恥ずかしそうに顔を背ける。

 

「あ、ありがと……」

 

 

しばし沈黙。

 

 

だが、気まずさに耐えかねたセレナが提案する。

 

「え、えっと……とりあえず座ったら?」

「あ、ああ。サンキュ」

 

彼女が指差したソファに聖夜が座ると、セレナは急いで紅茶を淹れに行った。

 

しばらくして彼女が戻ると、聖夜は端末を使って何か調べている。

 

「はい、どうぞ。……何調べてるの?」

「さっきの騒ぎが広まっているのか調べてたんだ。……紅茶サンキューな」

 

面倒な事になった、と聖夜は苦々しげな表情で紅茶を一口すすり、そしてセレナを手招きした。彼女は躊躇うことなく聖夜の隣に座って画面を覗き込む。

 

「……って、もう広まってるの?」

「ああ。……しかも、『襲われたのは星導館の生徒』って事までな」

 

しかも、と聖夜は続けて、

 

「何より面倒なのは、セレナ達が身バレしてるっつー事だ。俺はバレずに済んだみたいだけど」

「……本当ね。アンタだけは不明扱いになってるわ」

 

今回の場合、聖夜は軽い変装をしていたし、使った純星煌式武装(オーガルクス)はいずれも聖夜が使い手だとは知られていない物だ。加えて、戦い方もこれまた世間にはほとんど知られていない月影流と弾幕主体のスタイルだったため、ネットでは全くバレていない。

 

ふと、セレナが不思議そうに言った。

 

「……でも、身元が明かされたところで別に問題は無いんじゃないの?」

 

だが、聖夜は頭を振る。

 

「いや、それは違う。……何せこんな騒ぎになっている以上、当然犯人の目にも入るだろ?」

「それはそうでしょうけど……」

 

セレナが視線で先を問うと、聖夜は静かにティーカップを持ち上げた。優雅に紅茶をすすり、そして問い返す。

 

「……襲撃が世間に知られた。なら、その犯人はどうすると思う?」

「えっ? えっと、襲撃を止める………いえ、今回の場合それはあり得ないわね。なら……」

 

セレナはしばらく考え込んでいたが、不意に顔を上げた。そこには多少の驚きが見て取れる。

 

「もしかして、早く終わらせようとする……?」

「正解……だと思う」

 

聖夜は画面を閉じると、顔だけをセレナの方に向けた。

 

「止めるどころか、犯人はこれ以上の邪魔が入らないうちに処理してしまおうとするだろう。……しかも後先考えないで、な」

「焦るから……よね」

「そう。……だから、下手をすればここ数日で何かが起こるかもしれない」

 

その言葉をセレナが否定するには、聖夜の言葉は些か確信に満ち過ぎていた。彼はまるで、答え合わせでもするかのような口振りなのだ。

 

「今までの襲撃を鑑みるに、恐らくまた姑息な手を使ってくるだろうな。……例えば、脅迫とか」

「脅迫……?」

「ああ。……まあ、具体的にどういう風にしてくるのかは分からないけど」

 

 

そこまで言うと、聖夜は再び手元の紅茶を一口。そしてセレナに微笑みかけた。

 

「何か変な事が起きたら相談すること。……そうすりゃ、俺が必ず守ってやるから」

「あ、えっ……?」

 

途端、セレナの顔がこれ以上無いくらいに赤く染まった。

 

(ま、守ってやるって、何で勘違いさせるような事言うのコイツは!? 凄く恥ずかしいじゃない……!)

 

今の言葉は、セレナの心に深く染み渡ってしまった。今まで誰かを頼ろうとしなかった彼女は、「守ってやる」なんて言われた事など無いのだ。ましてや異性になど……。

 

「……どうした?」

 

しかしどうやら、聖夜にとって今の言葉に深い意味は無かったようだ。

 

彼のそんな落ち着いた様子を見て、セレナは自分の慌てようを再認識した。とりあえず悔しかったので、まだ顔こそ向けられないものの、彼女は努めて平静な声で言う。

 

「べ、別にアンタに守ってもらうほど弱く無いわよ……」

 

彼女が言うと、聖夜はふっと表情を柔らかくした。

 

「そうだな。……でもまあ、何か力にはなれるだろうからさ」

 

再びセレナを赤面させた聖夜は、しかしそうとは知らずに残っていた紅茶をゆっくりと飲み干した。

 

「ふう……ごちそうさま。美味かったよ」

 

さて、と聖夜は一息ついて、

 

「シリアスな話はここまでにして……良ければ、今度は他愛無い話にも付き合ってくれないか?」

「……えっ?」

 

それを聞いたセレナは、先程の恥ずかしさをも忘れて聖夜の顔を凝視してしまった。

 

(半ば強引に連れて来られた側なのに、どうして帰ろうとしないの? ……もしかして、まだ私と話がしたいっていうのはコイツの本音なのかな)

 

そしてそう気付いた瞬間、何故かセレナは嬉しくなった。心の奥から暖かくなるような、そんな不思議なものを感じたのだ。

 

 

だからこそ、この言葉はごく自然に出た。

 

 

「ええ。どんな話をしてくれるの?」

 

 

 

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

二人寄り添って座ったまま、彼らは再び話し始めた。

 

「まあ、そんな面白い話じゃないけどな。……俺が使う純星煌式武装(オーガルクス)について、セレナには話しておこうかと」

 

彼女は再び驚愕。

 

「充分に面白い話よ、それ……というか、そんな大事なことを私に話して良いの? 誰かに広められるリスクとか……」

 

彼が複数の純星煌式武装を使っていることもそうだが、こちらも至極もっともな疑問点だ。しかし、当の聖夜はそれを気にする様子も無い。

 

「セレナなら広めたりしないだろうし……仮に知られたとしても、それで勝てなくなるほど弱くは無いからな」

 

言われて、セレナは思い出した。目の前の少年は、武器無しでも『冒頭の十二人(ページ・ワン)』とそれなりに渡り合える程の実力を持っていることに。

 

それと、もう一つ。

 

(それにコイツ、私なら広めないだろうって、何よその「お前のことは信用してる」みたいなセリフ……。そういう発言が勘違いさせるってこと、分かってるのかな)

 

聖夜の発言には人の気持ちを揺さぶるものが多過ぎるのだ。今の言葉だって、セレナの心を暖かくさせるのには充分だった。

 

しかし、その元凶たる聖夜はそんなことを自覚していないため、変わらず話を続ける。

 

「まあ、それは置いといて……はい、これ」

 

言うやいなや彼は腰のホルダーから三つのコアを取り出し、目の前のテーブルの上に載せた。セレナが見てみると、そのどれもが色付いて鮮やかに輝いている。言うまでもなく純星煌式武装のコアだ。

 

「純星煌式武装が三つ……!?」

「大剣も合わせれば四つだな。……少なくとも、俺が見せたのは」

「少なくとも……ってことは、もっとあるの?」

「……まあ、な」

 

セレナの驚いた声に、聖夜は言葉少なに答えた。

 

「具体的に言えば、自分で持っているのが十五。借りている『幻想の魔核』を合わせると十六個だ」

「じゅ、十六個!?」

 

思わずセレナは素っ頓狂な声をあげる。……しかし、今回ばかりは仕方無い。

 

「そんなに持っていられるものなの!? 適合率とか代償とか、色々と問題が……」

「まあまあ、少し落ち着きなさいな」

 

逆にどうして聖夜は落ち着いていられるのか。そこがセレナには理解出来ない。

 

「説明するから。だからまずは座り直して」

 

しかし聖夜にそう言われてしまえば、セレナも落ち着かざるを得ない。それに、自分だけ狼狽えているのは少し悔しい。

 

「……分かったわ。でも、ちゃんと説明してよ?」

「ああ。別に隠すようなことでもないしな」

 

どこから話そうか……と聖夜はしばし思案。

 

「まあ、まずは疑問に答えようか。……さっきセレナは代償や適合率がどうの、って言ってたよな」

「ええ。まずはそこから教えて」

 

了解、と聖夜は腕を組んだ。

 

「初めに断っておくけど……自分の物とは言っても、純星煌式武装には分かっていないことが多い。推測とかも交じるけど、そこは了承して欲しいな」

「……分かったわ」

 

聖夜は一つ頷くと、話し始めた。

 

 

「それじゃあまずは、複数の純星煌式武装の使い手である俺は適合率や代償の問題が無いのか、ということについて話そうか」

 

彼はテーブル上の三つのコアを手で弄びながら言う。

 

「代償についてだけど……セレナは、『幻想の魔核』の代償は何か知ってるか?」

「確か、『幻視・幻聴』……だったわよね。前の使い手はそれで廃人になったって……」

「ああ。……まあ、俺に対しては温情をかけてくれてるのか、そこまで酷くないんだけどな」

 

聖夜が『幻想の魔核』のコアを撫でるように手を置くと、『幻想の魔核』が仄かに光った。まるで嬉しそうに。人間味の強い純星煌式武装だな、とセレナは驚く。

 

「まあでも、十六個もの純星煌式武装全ての代償がこいつのようだったら、どう頑張っても人間じゃ耐えきれないだろうな。例え一つ一つの代償が少なくても」

「……そうよね。ならアンタはどうして平気なの?」

 

問われると、聖夜はふっと笑みをこぼして言った。

 

「これは推測なんだけど……恐らく、俺が持っている『幻想の魔核』以外の純星煌式武装には目立った代償が無いんだ」

 

彼は続ける。

 

「ただ、純星煌式武装は代償が大きければ大きいほど力も強大だと言われているから……言ってしまえば、俺が持っている物は各学園が所有している物と比べると、やっぱり能力面では劣るんだよな」

 

「劣るって……でも、あの大剣で電撃を操っていたじゃない」

 

「そりゃまあ、能力自体はあるよ。でも、なんというか……他の純星煌式武装――例えば『四色の魔剣』とか、それらに代表される規格外な能力は持っていない。炎、水、雷、氷、龍……汎用性は高いけどな」

 

「いくらなんでも、『四色の魔剣』と比べたらダメだと思うのだけど……」

 

あれらは規格外にも程がある。それは聖夜も同感のようで、苦笑を浮かべていた。

 

「……まあ純粋に武器として使うなら、こいつらはこの上なく信用出来る。切れ味も耐久力も、そこらの武器はおろか、下手すれば他の純星煌式武装よりも優れているからな」

 

何せハンターがモンスターに対して使う武器だ。人とは比べものにならない程の攻撃力と防御力を持つモンスターに対して、聖夜達ハンターは武器と防具に頼らざるを得ない。武具はハンター達の生命線であり、故にその頑丈さには上限が無い。

 

……とはいえ、ハンター達がモンスター相手でも無事なのは、武具の性能もさることながら、彼らの人を遥かに超えた身体能力のおかげでもあるのだが。この前の模擬戦時に聖夜がやってみせたように、G級ハンターともなれば煌式武装くらいは生身で受け止められる。

 

「……とまあ、少し話が逸れちゃったけど、代償についてはこれくらいかな。何か質問はあるか?」

「いいえ。……それじゃ、適合率についても教えて?」

 

はいよ、と聖夜は笑って言った。

 

「とは言っても、凄く単純な話なんだけどな。複数持っているのに何故適合率が落ちないのか……それは、正直俺にもよく分からない」

 

彼は曖昧な事を、しかしそうとは感じられない口調で話す。

 

「そもそも、ちゃんと適合率を測ったのだって『幻想の魔核』だけだし。……まあ、使えてるってことは大丈夫なんだろうけど」

「……えっと、それだけ? もっと不思議に思ったりしないの?」

「あー、別に? なんとなくだけど、こいつらとも上手く折り合いを付けられてるっぽいし」

 

あっけらかんと言った聖夜に対し、呆気に取られた顔で彼を見つめるセレナ。普通はもっと疑問視するべきじゃないのか、と。しかも、当事者なら尚更……。

 

しかし、聖夜は自身の感覚をそれなりに信じているのである。恐らく、武器達は自分を認めてくれているだろうという、妙に確信めいた感覚を。

 

なんにせよ、確かめようが無いのだ。使い手だろうがなんだろうが、人智を超えた物の全てが分かるなんてことは決して有りえない。

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

「まあ、純星煌式武装についてはこのくらいだな。……納得出来てないって顔してるけど、そこは目を瞑って欲しいね」

「……分かったわ」

 

苦笑する聖夜に、セレナも渋々そう返す。もっとも、本人だって分からないことなのだから、聞けないのは仕方無いことではあるのだが。

 

と、聖夜は壁に掛けてある時計を見て、少し驚いたように言った。

 

「おっと、思ってた以上に時間経ってたんだな」

 

釣られてセレナも時計を確認。彼の言う通り、予想以上に時間が立っていた。

 

とはいえ、まだ外が暗くなり始めたくらいの時間だ。まだ帰らずとも問題無いだろう。

 

 

……だが、聖夜は違うのだ。というより、健全な男子ならこの場合は全員が帰ろうとするだろう。彼も例外ではない。

 

「うーん……これ以上はアレだし、そろそろ帰ろうかな」

「えっ……」

 

しかし、聖夜にとって予想外だった、悲しげな顔をセレナは浮かべた。何故だか彼に罪悪感が湧き上がる。

 

ほどなくして、彼は気付いた。

 

(……ああ、ダメだ。妙に庇護欲をそそられる)

 

マズイな、と彼は心で溜め息。聖夜はこういうのには相当弱いし、それは自覚もしている。

 

……もちろん、セレナは自覚無しだ。つい出てしまった本音の表情である。

 

「もう少し居たら? 暗くなってからの方が、他の生徒にだってバレにくいだろうし……」

「いや、そうは言ってもな……」

 

必死なセレナ、弱る聖夜。この時点でもう、聖夜が帰れるわけ無いのだが。

 

 

――そんな彼に追い打ちをかけるように、来客を告げるベルが鳴った。

 

「……誰?」

 

相手を確認すべく、セレナは玄関へ。

 

だが、聖夜は気配で分かっていた。……否、分かってしまった。

 

(女子が二人、しかもこの気配は……うわあ)

 

この時点で物凄く帰りたくなった聖夜を、誰も責めることは出来まい。

 

 

――果たして、セレナが連れて来たのは。

 

 

「……どういうことか説明してね、聖夜?」

「……そうね」

 

 

茜と時雨……見事に彼の予想通りの二人であった。

 

 




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