須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

95 / 138
普段スマホから投下してるのですが、帰宅したら電池切れ。

充電に一時間くらい掛かったので遅れました(白目

頑張りはしましたが流石にPS4からじゃ無理があったか……。


六十七頁目

六十七日目 県予選 3

 

 

対面が復帰すると同時に聴牌したての下家へと放銃する、役は断么ドラ9の倍満一度席を離れた事で緊張感が途切れてしまった為だろう。

 

東3局 親は俺でドラは三索。

 

ドラ表示牌を見て対面は何かを察したのか既に表情に諦めの色が出ている、打牌も弱気一辺倒だ。

 

5巡目、対面は完全に心が折れてしまっているのだけど、俺は敢えて見えるように三索を暗槓、新ドラは三索、ツモった嶺上牌発を連槓、新ドラは三索。

 

二副露だが二つとも暗槓なので立直は掛けられるが、既に発・ドラ12の数え役満が確定しているし、それが無くても四索が暗刻で六・八索待ちの緑一色聴牌、掛ける必要は無いけど立直を掛ける。

 

『……もう、仕上がっちまったって言うのかよ』と対面が悔しそうに手を震わせながら山へ手を伸ばす、下家は俺が数え役満を聴牌した時点で降りていた。

 

対面、上家も続けて現物切り、勿論この手も和了る気は無いのでツモの際に偶然を装いながら態と待ち牌に肘を当て、六索と八索を倒して晒す。

 

俺の不注意だからこの程度では中断されない、待ち牌を晒す事で引け腰の他の人に攻めっ気を出させる。

其処から更に4巡、平静を装っているが下家が軽くニヤつき始めた、六索八索を握り潰したのだろうな、七索辺りをくっ付けて一盃口も付いていると見て良いだろう。

 

となると役牌を抱えての混一色、或いは他の色を握っての三色、どちらにしろ裏ドラに期待が出来る立直は必ず掛ける、寧ろ俺はそれが狙いなんだから掛けてもらわないと困る。

 

13巡目下家が立直、宣言牌は九索で678の他の色は満遍なく落ちている為恐らくは混一色だろう。

 

待ちは字牌と一・五索のどちらかとのシャボ待ち、そしてこの立直には確実に一発が付く。

 

その理由は対面、彼は俺の倒した待ち牌部分を勝手に深読みして下家に振り込んでくれる。

 

案の定対面は南を切って放銃、立直・一発・一盃口・混一色、裏ドラは全て白だった為跳満止まり。

 

裏ドラが全て捲られた瞬間、上家下家が固まったが対面だけは『……鬼め』と睨んできていた。

 

東4局、親は下家だが今回のルールでは九種九牌で親を流せるので遠慮なく流させて貰う、後一回和了させるつもりだったけど、さっきの表情から対面に点数調整に勘付かれた様だし。

 

それに、十分仕上がったからそろそろ動きたくて堪らない。

 

下家が俺の牌を見て『こ、国士無双13面待ち!? 地和含めてトリプルだぞ!?』と抗議して来たが『元々国士無双は九種九牌から分離した役満ですので問題は無い筈ですが?』と言って黙らせた。

 

国士無双の元々の形である十三么九の事も解説してあげようかと考えたが対面がさっさと牌を洗牌の機械の中へ落としてしまったので諦めた、折角先生1号から学んだ麻雀薀蓄を披露出来ると思ったのに……。

 

 

南場に入ったのでサングラスを掛けようとしたら審判から注意が飛んで来た、視線隠せるからアウトだったかと少し凹みながらカチューシャの様な感じで髪に引っ掛けてから改めて南場に入るのだった。




貴重な解説おまけ、多分二度とやらない。

理由、雀鬼の麻雀が解説出来たらそれは雀鬼じゃ無いから(白目

対面は某大宇宙の様に『俺だけを……狙い撃っている……!!』状態でした、南場から覚醒。

おまけ 選手控え室


モモ「うへー、きょーさんは相変わらず鬼畜っすねぇ……」

咲「あはは、まだマシな方じゃないかなぁ、昔の京ちゃんだったら今頃対局終わってるし」

モモ「うーん、私はその頃の麻雀してるきょーさんあんまりしらないんすよ、当時は知らない方が良い気がして」

咲「じゃあ解説しよっか? 私も全部把握してる訳じゃ無いけど……」

モモ「お願いするっす」


咲「東1局目はまず流れの操作だね、モニターで四試合分の流れは見えてるし、席に座る前に流れの全体像は掴んでると思うんだよね」

咲「で、其処から最下位の上家に対面を直撃させる事で上家には自信とプレッシャーからの解放、対面には小学校の時のトラウマを抉って思考停止させたんじゃ無いかな? ノーテンリーチは対面だけを揺さぶる物見たいだし」

モモ「……なんで他家のツモ牌が分かるのかとか、そもそもどの時点で相手の手を読み切ってるのとかは解説してくんないんすか? 一番知りたいんすけど」

咲「…………それが分かったら、京ちゃんは雀鬼なんて呼ばれてないよ、桃ちゃん」

モモ「……愚問っすね」

咲「こほん、その後の東2局は前局の延長線だったのと、下家にも流れを回す事が目的っぽいかな、京ちゃんから逃げるために切った牌を下家に狙い撃ちさせてたし」

モモ「……他家の手すら思いのままっすか、流石きょーさんっすね、全然憧れもしないし痺れもしないっすけど」

咲「つ、続けるよ? 東3局は役満チラつかせてから一旦下家に降りを選択させて不要牌を切らせてたんだ」

モモ「きょーさんにとっての不要牌っすね、分かるっす」.

咲「それは悟りって言うんだよ? ……じゃなくって、解説続けるね? 不要牌が処理出来たら態と待ち牌晒して下家上家の頭から撤退の二文字を無くした」

モモ「やっぱりあれ態とっすか……」

咲「普段ならともかく麻雀してる時の京ちゃんはあんな凡ミス絶対にしないから、その所為で対面は逆に緑一色自体がブラフで別の形で待ってるとかも考えたんじゃ無いかな? だって基本的に京ちゃんは理牌しないから」

モモ「……ウチの部員も絶対裏を疑うっすね、私だって疑うっす」

咲「その所為でしなくても良い跳満放銃、東4局目で敢えて流したのは多分十分仕上がったからだと思うよ」

モモ「次からアレっすか……」

咲「次からアレだよ……」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。