須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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そろそろ大会編に入るけど……部長のポジションどーしよ、大将は京太郎だしスタイル的に其処まで和了回数は多く無いから先鋒ってのも……。



六十一頁目

六十一日目 雀鬼襲来

 

 

暫く振りの阿知賀、もうすっかり見慣れた土地を歩きながら松実館へと向かう、長旅の疲れを癒す為にゆっくりと温泉に浸かる事が目的なのもあるし、久々に穏乃達にも会いたいってのもある。

 

友人との再会を心待ちにしながらチェックインすると、部屋に向かう途中で遊技場に玄さん達が居るのを発見した、宥さんと灼さんは明らかにビクついてたけど。

 

珍しく当時の麻雀クラブの面々が揃ってるなーと思い、それを口にしたら俺の所為だと言う、何故に?

 

そんなことを考えて居たのが顔に出て居たのか『京太郎くんが定期的に集まって麻雀打たないと妖怪首置いてけが夢に出るって言うからだよ!!』と言われ、以前の別れ際に背黒牌を渡した時にそんな事言って別れたな、と思い出した。

 

多分、その様子だと夢に出たのだろう、全身黒尽くめでビンタ勝負を仕掛けて来る妖怪首置いてけが。

 

…………冗談のつもりだったんだよ、ホントに出るとは普通思わないだろ。

 

 

正に口は災いの元って奴だなと申し訳なく思いながらも、今回は温泉に浸かるのが目的な為、一旦みんなとは別れて部屋に戻った。

 

そして意気揚々とお湯に浸かりに行ったらワシズさんと隼が湯に浸かってた、先生1号と言い何故に皆人の行く先々で待ち伏せてるんだろうか。

 

 

ワシズさん曰く何と無く温泉に浸かりたくなったとかそんな事を言ってたけど、裏がありそうでなぁ……。

 

つか60近い爺さんの癖になんでこんなにムッキムキなんだよ、前に聞いた鋼鉄殴り抜いたって話マジっぽいんだけど。

 

 

ワシズさん達に積もる話をしてから風呂を上がったら丁度湯上りの憧達と合流した、今日は松実姉妹も休みだったのか二人とも浴衣姿だった、姉の方には変わらずに怯えられてるけど。

 

今日は麻雀しに来たわけじゃ無いから大丈夫だって、と言いながらみんなの緊張感を解きつつ、折角だし温泉客狙いのイカサマ対策を教えておこうと思い、玄さんを対面へと座らせる。

 

空いた席には久々に出会った和と穏乃に座って貰った、今回は対局じゃなくイカサマ解説と言う話なので張り詰めた空気は無い。

 

 

先ずは基本となる積み込み、世間話をしながら素早く元禄を積み上げる、非常に自然な動作で積んだ為か気が付いたのは和、憧、灼さんの三人だけ、まぁ彼女達は抜け目無いし有る意味当然だな。

 

牌を捲って行って元禄を晒し、玄さん達の『何時の間に!?』と言う驚きを聞きつつ多牌やすり替え等の素人でも簡単に出来る様なサマから燕返し、応用編の元禄爆弾などを教えて居たら意外な事に和から質問が来た。

 

 

『あの、折角積み込んでも賽の目によっては無意味に終わりますよね?』と言う物だ。

 

尤もな質問だけど、ちゃんとそれにも対策はある、そう言って俺は上山の最後尾の牌を下にズラしてからスライドし、スライドした事で空いた部分に余った先頭の下山の牌を乗せる、要は山ズラしって技を使ってみせる。

 

和は勿論他のメンバーも分からなかったのか目をパチクリさせてた、ついでなのでポンチーが入った時の対策も見せてたら『……須賀くんは麻雀に関する事なら何でも出来るんですね』と呆れ声で和に溜息を吐かれた。

 

 

いや、俺にも出来ない事あるからね? 先生1号の魅せプとか出来る気しねーから。

 

そんな事を思いながら、俺はイカサマ対策講座を続けて行った。

 

 

ps

 

 

穏乃が『折角だし復習みたいな感じで京太郎にイカサマ有りで打って貰おうよ、勝ち負けは対局中に京太郎のイカサマを見抜けるかって感じでさ!!』と言い出したのでその通りに打った。

 

結果は誰一人見抜けなかった、さっきのは講義だったからオーバーにやっただけで本気でサマ使ったらバレるようなヘマはしないって、と内心で思いつつ先生達には普通に見抜かれるんだよなぁ、と少しブルーな気持ちになった。

 

 





この後、おさらいと称して温泉客の散財を狙ってる連中にイカサマ返しで人和純正九蓮宝燈を直撃させたりして京太郎は散々遊びましたとさ(白目

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