須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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姐さん往生せぇや!!(意訳:早くバトンを豊姉ぇに……


五十四頁目

五十四日目 我慢比べ

 

 

東2局 親は下家、ドラは五筒、配牌を取り終えた後サングラスを掛けて意識を切り替える。

 

親の第一打は北。俺はそれをポンして打五筒、一巡目からドラ切りの鳴きを仕掛けて辻垣内の反応を見る、彼女は俺の鳴きに合わせてドラをポンして打東。

 

切り出された東は親が鳴きW東確定、一枚目から鳴きを入れる辺り親の手は早いのだろう。

 

しかし俺の手は一鳴き程度では手が進まない程遅い、今のこの鳴きはつまるところ無駄鳴きという奴だ、それは恐らく向こうさんも読んで居る。

 

なら何故彼女は鳴きを入れたのか、恐らく俺から逃げず逃げられずの真正面から打ち合う為だろう、目には目を鳴きには鳴きをと言った風に。

 

 

しかし、付け焼き刃の鳴きで落とされる程俺の先生は甘くは無い、俺は上家の欲しそうな中を切り出して彼に喰わせる、上家は打南。

 

次巡、俺は北をツモって加槓、新ドラは中。

 

これで上家は満貫確定、嶺上牌七筒を吐き出して辻垣内の様子を見るが、彼女は顔色一つ変えず上家の手を見つめつつ一萬を手出しする、親がそれを鳴いて二副露。

 

俺は親の吐き出した西をポンし、今度は発を切り出して再び上家に喰い取らせる、そして上家が切った二索を槓、新ドラは発。

 

コレで上家は倍満確定、辻垣内が放銃すれば場合によっては三倍満まであり得る為にトビ終了となる、捨て牌から読める上家の待ちは4-5-6-7索、索子の真ん中なら何を切ってもアタリな上必然的に混一色も加わる為三倍満確定。

 

俺は嶺上牌東を切って様子見、親は現物を切り出して降りたが、辻垣内は三索を切って行った。 恐らく側牌を切って待ちを変えさせるつもりだろう、そうなると彼女が次巡目に切り出すのは対子落としの三索か八索辺り。

 

そう読んだ俺は三索を鳴く、これで三副露してからの嵌八索待ちの北・混一色の満貫で聴牌し打一索。

 

その瞬間辻垣内がポンして打九索、八索では無く九索を切り出したと言う事から聴牌は確定、待ちは八索単騎か何かとのシャボ待ち、役は対々和・ドラ3の満貫だろう、狙われたと言うよりは俺の仕掛けに対応していたら張ったと言った形か。

 

上家は白をツモ切り、俺は生牌の一筒を握らされたので打九索、親は安牌ゼロだった所為か八索を吐き出して討ち取られた。

 

案の定対々和ドラ3の満貫、次の彼女のツモを捲って見ると五筒、嶺上牌は一筒だったので流れは掴みきれて居ないのだろう。

 

 

東3局 辻垣内の親だが彼女は九種九牌で流した、この雀荘では親流れのルールな為連荘狙いの国士か全帯辺りを目指す物だと考えていたので意外だった。

 

 

『フッそんなに難しく考えるな、単に私は須賀に時間を与えたくは無いだけさ』

 

 

そう彼女は言って退け、東4局に入る。

 

東2での和了でチョンボの穴を埋めた彼女は俺との点差は無くなった、そのおかげが今度は喰い断のみで下家から和了り、南場に入った。

 

 

『須賀、お前を前にすると面白い様に牌が来るな、流石は甲斐正三が惚れ込んだ男だ』

 

南入した直後、彼女は俺に向かってそう笑い、そしてこう言った。

 

 

 

『どうだ須賀、私の男にならないか? 愛人など幾ら作っても構わないぞ? お前の運が私は気に入ったのだ、その運を私の物にしたいんだよ』





アレ、おかしいな、今回で終わる予定だったのに(震え声

畜生!! キャラが勝手に動くんだよ!!

豊ねぇさんで4話注ぎ込むので許して下さい(白目

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