須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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その頃のマホ。

マホ「あ、それロンです!! 混一・対々・役牌2ドラ3の親倍です」←役牌二鳴き 配牌 5566777筒 ロン5筒 しかし8巡目に4筒切りしているためフリテン。

客K「チョンボです」

マホ「へ?」

客K「その手は4-5-6-7筒待ちです、捨て牌に四筒が……」

マホ「あぅ、チョンボでトビ終了です……」


その頃のマホ2

マホ「槓です!! あっ、やった嶺上開花で立直嶺上開花ドラ8の親倍です!!」←2345666筒111345索から6筒引きの暗槓で嶺上開花(待ちは1-2-4-5-7筒の五面張だが6筒暗槓で待ちが変わるのでチョンボ)

客R「……あンた、自分の手を見なよ」

マホ「へっ?…………あっ、またチョンボでトビ終了です」



五十一頁目

五十一日目 バカは風邪をひかない?

 

 

香川でのうどんを諦め、フェリーで東京まで来た俺は風邪が酷くなる前に長野へと帰ろうと考えていた。

 

病院に行こうにも保健証を忘れてしまってるし、診察料はともかく見知らぬ土地でと言うのは少し不安だからね。

 

 

で、長野に向かう電車に乗ったと思ってたら全然別の電車に乗ってしまっていた、こりゃいよいよ悪化し始めたなぁ、と思いながら何処かで風邪薬を調達する事を考えていると、ふと視線の先に痴漢をしている男を見つけた。

 

痴漢されているのは金髪でふわふわした髪をした娘、知ってるようで知らない様な顔をしていた娘だったけど、取り敢えず痴漢をしてるおっさんの尾骶骨に膝蹴りを入れた後、腕を捻りあげる。

 

やり過ぎて関節を外しかけてしまったけど、まぁ大丈夫だろう、山か海を選ぶ様な事にならないだけ感謝して貰いたい。

 

 

痴漢は俺の顔を見ながら『誤解だ!!』とか『冤罪だ!!』とか言ってたけど、風邪で怠い中見苦しい言い訳をされた上に声が大きい奴だった所為で頭痛もプラスされイラッと来たので『貴方、海か山、選んでみますか? 今ならドラム缶とコンクリートもサービスしますよ?』とおっさんにだけ聞こえる様に言ってやると一気に静かになってくれた。

 

初めからそうしてりゃ良いのに、と思って顔を上げたら痴漢されてた娘と目が合った、よーく顔を見たら大星だった。

 

成長してて初めは分からなかったけど、アホっぽいオーラが変わってなかったので多分そうな筈、流石の彼女も痴漢相手に強気じゃ居られなかったか。

 

駅員に痴漢を突き出した後、俺は安堵感から泣き出した大星にミルクティーを奢りながら慰めてた……はず。

 

何故疑問系だったかと言うとこの辺りから意識が朦朧としてたから、おっさん一人抑え込むのに意外に体力使ったからだと俺は思ってる。

 

それで気が付いたら大星の家で寝かされてた、大星の親父は前に列車ダイブする寸前で助けた例のおっちゃんで、市販品の風邪薬とかを買って来てくれていたし着替えとかも用意してくれてた、人助けってのはするもんだなとつくづく思った。

 

大星のとこのご両親は好きなだけ滞在してくれて構わないからと言ってくれ、俺も熱が40℃近かった為ご好意に甘える事にした。

 

肝心の大星だけど、彼女は俺に食事を持って来てくれた時に『あの、ご、ごめんなさい……』と何故か謝って来た。

 

何故に? と思って話を聞いたら、あの後俺に慰められてある程度回復した大星は『嫌な事は好きな事で上書きして忘れるに限る!!』と言って空元気を出しながら俺を雀荘に連れて行ったらしい、この辺りは全く覚えてない。

 

大星曰く、『普通に振舞ってたから風邪だって気が付かなかった』らしい、麻雀その物も前に対局した時とはまるで比べ物にならないレベルだったらしい。

 

『東1局で三家纏めてトビ終了とか訳分からないよ……』と凹む大星に、なんか麻雀打ってる記憶が微かにあるなーとか、哭きとか流れの操作とかが滅茶苦茶冴え渡っていた気がするなー、とか考えながら大星の看病を受けた。

 

『熱いから冷ますねー』とか言ってお粥をふーふーされたり、『汗拭くねー』と言って服脱がされたり、この子も異性に距離感感じないタイプか……。

 

 

…………部長、照さん担当のあんたの気持ちちょっとだけ分かったわ。 幼馴染だからあの人の距離感全然気にならなかったけど、コレは結構くるね。





平和にフラグを立てて行くスタイル、最近は対局ばっかりだから偶にはね(白目

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