須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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このペースだと中学時代は小学時代より長くなりそう(白目

元は短編だった筈なのに如何してこうなった(白目


四十八頁目

四十八日目 インターセプト

 

 

東1局 親は鶴田、プレッシャーは凄まじくプロクラスの力を持っている事が容易に見て取れる、見に回ろうと思った瞬間ダブルリーチが掛かる。

 

序盤から飛ばして来たか、二翻確定だからノミ手って訳じゃ無さそうだ、すると満貫或いは跳満か?

 

何にせよダブルリーチは読みが効かない物だ、相手のオカルトの性質を考えると必然的に俺は彼女のロン牌を吐き出す事になるだろう。

 

確信めいた感に従い客風を切って見る、しかし当たり前の様にロン、ダブルリーチ 一発 混一色 ドラ2 初っ端から親倍だ。

 

彼女の背後で歓声が上がる、気に留めて居なかったけれど対局が始まってから見に来たのだろう、この数日で俺と打った生徒達が見に来ていた、折れた心を立ち直らせる為の様だね。

 

 

さて、残りの点棒は1,000点、親の連荘だけどこっちだって仕上がった状態なんだ、向こうは流れを喰うタイプの打ち手では無いのだから臆せず攻める、じゃないと削りきられる。

 

 

一本場、此処で再びダブルリーチが掛かる、文字通り絶好調だね。

 

昔打った大星との対局を思い出しながら上家の捨てた一萬をチー、『無駄な事を……』と言うような視線を受けるが構わず安牌切り出しから下家の吐き出した西をポン、再び安牌切り出しから下家の北を槓、役は全帯待ちは南単騎。

 

当然の様に嶺上開花、新ドラも槓した北にモロ乗りして 全帯 西 嶺上開花 ドラ4の跳満を自摸、下家からの責任払いで即死圏内からは脱出した、倍満直撃で相変わらず飛びはするけど。

 

『な、なんね、今の哭き?』対面の鶴田、そしてその後ろから見ていた白水も我が目を疑った、と言う様な顔をしている。

 

オカルト雀士やそう言った人と打つ機会の多い人には俺の哭きに閃光を見る、二人もどうやらその口だったらしい、背後の部員の中にも何人かそれが見えた人がいる様だ。

 

東2局 親は上家、尚も流れが鶴田に集中している、コレは残り3局全てで縛りをクリアーしていると見て良いだろう、ならその絆を喰いとるだけだ。

 

3巡目に上家が切り出した八萬をポン、続いて下家の吐き出した二萬をポン、そして流れが淀み始めた6巡目に上家から九筒をチー、最後に鶴田の吐き出した一萬をポン、その瞬間彼女が自分の手を見つめ何かを無くした様な表情を浮かべたけれど関係無い。

 

そのまま次巡にツモった八萬を加槓、嶺上牌二萬を加槓、二枚目の嶺上牌一萬を連槓し三槓子嶺上開花で自摸和了。

 

新ドラは一萬、八萬、七筒、ドラが9つ乗って三倍満。

 

小さく『……あっ』と言う声が二人から漏れ出す、本来ならコレが彼女の和了する点数だったのだろう、予想外過ぎる出来事なのか放心してしまっている。

 

 

東3局 俺の親、サイを回す音で正気に戻ったのか鶴田は強気に攻めだし、8巡目に東を切ってリーチ宣言。

W東を鳴いても良かったけれど、敢えて今回は見逃して次巡でツモった八索を安槓して嶺上牌をツモ切り。

 

そして鶴田が自摸、役は立直 自摸 断么 三色 一盃口の跳満、ホッとした顔で和了していたので跳満がこの局での和了だったのだろう。

 

 

『裏ドラが残って居ますよ?』と言ったが、彼女は乗らないと確信した様子で作業的に牌を捲り、固まった。

 

 

縛った翻数の倍の点で和了するのが彼女達のリザベーション、それは鶴田の和了は完全に白水の和了に左右されると言う事だ。

 

だからこそ、乗るはずの無い裏ドラを乗せられ倍満に迄打点を上げられた瞬間、二人の絆はズレ、噛み合っていた鍵が歪み課せられた錠が開かなくなった。

 

 

オーラス、完全に混乱している二人に漬け込む様に彼女が切り出した第一打目の三索を哭く、二人の視線が俺の手元に向かう。

 

4巡目、今度は哭きを振り切る様な表情で八索を吐き出したのでそれをポン、鶴田の顔に僅かな喜びが見えた気がする。

 

7巡目、鶴田は四索をツモ切り、背後の白水が止めはしたけれど静止は弱く、彼女も哭きに魅せられた人達と同じ目をしていた、当然俺はそれをポン。

 

14巡目、彼女は発を切った、今度は白水もそれを静止する事なく、静かにそれを見つめていた。

 

切り出された発を槓、嶺上ツモ三索、八索、四索を順番に加槓して行き、最後の嶺上牌で六索を自摸。

 

 

『––––––御無礼。緑一色四槓子の二倍役満、64000の責任払いとなります』




→哭きで流れに割り込まれ和了される。

→次に鍵を奪われて和了する筈の打点を和了される。

→裏ドラを乗せられ、二人の絆の間に割り込まれる。

→混乱してる所を哭きで魅了。


あ、今回応援に来てた部員は哭きに魅せられて退部は踏みとどまりました(白目

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