親父と会話を挟ませようと思ったら異常に重くなったのでさっさと鹿児島に飛ばしました。
この京太郎相手だとどう転んでも不幸にしかならない(´・ω・)
三十九日目 鹿児島の巫女
天江との対局後、俺は親父達に連れて行かれて鹿児島の巫女と麻雀を打つ事になった、俺の勝ちへの執念をお祓いするためらしい。
噂によると神を降ろして対局できる巫女が居るんだそうな、正直神よりも先生達の方が勝てるイメージが沸かない。
観光もせずにそのまま俺だけが巫女の元へと向かう、既に俺はサングラスを装着し、麻雀を打てる状態だ。
俺の纏う雰囲気が先生達の様な物になりつつあるのか、神社に足を踏み入れた瞬間、自分が場違いな存在に感じた、無菌室の様な清潔な空間に血塗れな人間が立っているような、そんな感覚。
これが神境か、そう考えていたら『お待ちしていました、須賀京太郎様』とお餅の大きな巫女さんが俺を案内してくれた、名前は石戸霞さん。
…………本当に二つ上なのか疑問なくらい大人びている、とか考えたら笑顔で振り向かれた、地味に目は笑ってなかった、女の人って、怖えな。
そんな事を考えながら案内されるがままで居ると、対局室らしき場所に到着した。
既に他二人は着席済み、挨拶抜きでシンプルに対局か、なんて思ってたら俺の対面が普通に眠ってただけだった、なんだそりゃ。
俺の入室と共にお付きの人であろう巫女服を派手に着崩した子に『姫様ー、来ましたよー』といって姫様とやらが目を覚ました。 なんだろう、ぽやぽやしてる印象だ。
『済みません須賀様、ついうとうととしてしまいました』
そう言って姫様は頭を下げ、名を名乗る。
寝ていた人が神代小蒔、お付きの人が薄墨初美、其処に霞さんを入れて三対一の対局になるらしい、曰くお祓いの為だとか。
今の俺は殆どが修羅や鬼になりつつあり、片足が向こう側に行っているとは言えまだ片足、お祓いをするには今しかなく今を逃せば人間の道を完全に踏み外すとの事。
『万が一そうなった場合、貴方は……いえ、貴方のその執念だけが肉体の死後も残留思念となって亡霊の様に彷徨う事になるやも知れません、ですが安心して下さい。 貴方のその執念我々が祓いますので』
優しい笑顔でそれが当然と言うように笑う小蒔さん、私頑張りますと言う様な意気込みを感じるけど、要はそれ俺を麻雀で負かすって言ってる様な物だからな?
慢心では無い、周りの仲間と自分の努力を信じて産まれた自信と呼べば良いのか、お祓いを成功させられると信じている顔だ。
だが悪いな、親父達がどう願おうと俺は勝利のみを求める功名餓鬼に過ぎない。
『では、打ちますか?』
『はい、打ちましょう』
サイを回す彼女には気の毒だけれど、俺は勝つ、誰が相手だろうと、何が相手だろうと。
何せ俺はむこうぶち、誰とも組まず何処にも属さない、誰も、何も必要無い、ただ無限の勝利だけの為にこの身はあるのだから。
次回対局、トビなしで半荘回すつもりなんで多分二、三話使うか、だいぶ長くなる模様(白目
早ければ日付変わる前に投下出来るかな(´・ω・)