須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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息抜き挟んだ後に竜のターン、しかし竜は出ない(白目

後前回の番外編、傀のセリフを若干修正。


二十九頁目

二十九日目 極道

 

 

ある日の事、先生2号が来る前に麻雀を打っていたら筋者と打つ事になった、まぁ何時もの事なので気にしていなかったけれど、レートは1,000点五万。

 

初めは先生1号の様にワザと負け込み、向こうがレートを上げた所で動いて金を毟っていた。

 

そしてオーラス、俺の親の七本場。

 

東、南、西を鳴く、役は小四喜、北単騎待ち。

 

俺の役満に焦ったのか、ツモの際に誤って見えた次の俺のツモをヤクザが掏り替えた、その瞬間サングラスをかけた男が『チンケなサマはサマじゃねぇ』と言って北を切らせたが俺はそれを見逃し、掏り替えられた俺のツモをもう一巡先の俺のツモと掏り替えて自摸和了する。

 

俺の掏り替えに目を瞠ったのはサングラスの男、他の連中は俺の掏り替えに気が付かず、掏り替えた本人ですら狐に騙されたような顔をしていた。

 

役満自摸で三家全員から16万、金の要求をしようとしたらサングラスの男が笑いだし『ボウズ、お前の名は?』と聞いてきた。

 

素直に名乗っても良かったけれど、三流のサマを見せられて少し機嫌が悪かった俺は『名を聞く前には先ず自分から……そうでしょう?』と聞き返した、後にして思えばこういう言動が俺を子供扱いしてくれない理由なんだろうな、別にして欲しい訳じゃ無いけど。

 

サングラスの人は一本とられたというような顔でまた笑いだし、『すまんかったの、わしゃ桜道会甲斐組組長甲斐正三よぉ』と名乗り返して来た、てっきり舐めているのかとキレられると思ってた。

 

例の放送事故以降腕試しに俺に突っかかって来る連中が増えた、その都度運を奪っていたのだけど、この人にはその必要は無さそうだ。

 

 

『須賀京太郎……周囲からは雀鬼、と呼ばれています』つい先生1号のような自己紹介だけれど、最近言動があの人に似通ってきたからどうしようもない。

 

そして甲斐さんは俺の対面に座ると『竜に会いに己の足で来たが、お前さん見たいなのを見つけるとはの』と言いながら『京太郎、お前もワシの物になりぃや』と問われた。

 

無論断った『この命は誰の物でも有りません……誰かの物でも……ましてや己の物ですら……何せ勝利に捧げた命ですので』それが俺の答えであり、俺の麻雀の真髄なのだから。

 

組長を置いて迷惑料込みの場代を払って退店、今日はこの調子だと先生は来ないと考えて麻雀を切り上げた。

 

丁度及川老に社長麻雀の代打ちを依頼されていた所だし、予定を切り上げてそちらに向かおうかと思ったら、下っ端に周りを囲まれた。

 

餓鬼一人に正気かよと思ったが、俺も子供である以前に裏プロ、裏のルールに年齢は関係無いか。

 

どうした物かと悩んでいたら後ろから組長が現れ、俺の肩を叩いて『何処ぞに行くんかいな? ならワシが送ってやろう』と言って待ち合わせの場所を無理矢理聞き出して送迎された。

 

 

…………なんで俺は裏ばっかりに知り合いが増えるんだ。




甲斐正三と出会いました、これで智葉さんに『あンたの背中には一人の命も背負えない、辞めなよ極道は』って煽れるね(白目


夜の更新は遅くなるかも。

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