須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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対局中の口調が傀っぽくなり始めた京太郎は人外に足を踏み入れてる(白目




二十二頁目

二十二日目 二度目の阿知賀

 

 

学校サボった翌日、担任に叱られたけどサボった理由を聞かれて『麻雀を打ちたい気分だった』って言ったら諦められた、遠い目をしながら空を見つめて『麻雀が悪いとは言わないがもっとこう、子供らしい遊びをしたらどうなんだ?』と溢した先生の背中からは哀愁が漂ってた。

 

んで、パッと見たらリムジンが校門前に止まっててワシズさんの所の白服が待ってたので挨拶もそこそこに合流しに行った、何の用だろうか?

 

 

リムジンの中に入ると隼が第一声から温泉に行くぞ!! と張り切ってた、何でも奈良の阿知賀で少し気になる噂を耳にしたそうだ。

 

それが何なのかは秘密だそうだが、兎に角ワシズさんが言い出した事なので仕方無い、この人ワガママだし。

 

移動中に仮眠を取ってたら先生一号が夢に出て飛び起きた、なんつー不吉な夢だ。

 

寝ぼけながら阿知賀についた事を確認すると、ワシズさんに結局何の用なのかを聞いてみたんだけど……。

 

なんでも此処には麻雀地蔵と言う何時誰が立てたのか分からない地蔵があり、その地蔵の前を余所者が通ると何処からともなく老人が三人現れ麻雀を打つ事になるらしい。

 

この時点で俺は地蔵と三人と言う数字に嫌な予感を覚えていたが、話はまだ続く。

 

その老人達と麻雀をして負ければ魂を抜かれて死ぬのだと言う、今まで勝って帰って来た者も居らず、勝負の前に逃げ出した者の発言だけしか無いらしい。

 

 

…………その地蔵って、前に先生一号が役満和了して割った奴等じゃね?

 

てか何なんだよあの人、オカルトっぽい打ち方する雀士だけじゃなくてオカルトそのものにも勝ってるのかよ、本当は人間じゃなくて死神じゃねぇの? やっぱりあの人と一緒にされたくねー。

 

 

内心で冷や汗を掻いて居たらワシズさんがノリノリで案の定例の山に行ってしまったので、俺はとばっちり受けない様に一言言ってから先に松実館へと行く事にした。

 

以前は徹夜で麻雀して500万稼いだからなぁ、今回はゆっくり寛ごう。

 

 

とか思って部屋に案内して貰おうとしたらドラ置き場さんが来た、てっきりビビられると思ったけど屈託の無い笑顔で接客してくれた。

 

行き道にあの時は泣いちゃってゴメンね?と何故か謝られた、ドラ置き場にして溢れ牌狙い撃ちにしてたんだから謝るのはこっちだと思うんだけど……、まあ勝負の世界の事だし俺は謝る気ねーけど。

 

案内された部屋の隣ではレジェンドが教え子連れて懇親会をやってるらしい、なんでも新しく引っ越して来た娘が溶け込める様にだとかで。

 

その話を聞いた俺は、相変わらず俺の知ってる麻雀教室とは全然違うんだなぁ、と言いながら遠い目をしていたらしい。

 

ドラ置き場さんこと、玄さんは俺の案内を終えた後連絡先を交換して仕事に戻って行った、『何時かリベンジします!!』と敬礼付きで言ってから。

 

てか、最近俺ってリベンジとか討伐対象になり過ぎじゃね? この間も桃太郎に襲われたし、リベンジ予約もコレで二人目だし。

 

俺と麻雀を打って再戦してくれる気になってくれるのは嬉しいんだけど、悪役みたいな扱いに釈然としない気持ちになりながら俺は温泉に浸かりに行った。





阿知賀再び、次は誰がトラウマ作られるのかな(白目

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