須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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不 発 弾 マ ホ 再 び (白目


雀鬼の弟子:夢乃マホ

??日目 量産型雀鬼?

 

 

京太郎行きつけの雀荘に最近新しい常連が出来た。

 

その娘は以前開催した麻雀教室に来た小学生の子で、何故か純粋に雀鬼こと須賀京太郎を慕い、彼の事を師と仰いでしまった娘だ。

 

此処までならそんな事もあるのかと言うレベルで済むのだが、それだけではこの娘が本人の知らない所で他の客や雀荘の店員から『不発弾の夢乃』などという不名誉な二つ名を頂戴していない。

 

彼女の麻雀は所謂オカルトと言われる部類の物だ、良くその打ち筋を覗いている店員やマスター達が考察するに、その能力は憧れの模倣と言った感じの物、つまりこの娘は鬼を模倣するのである。

 

 

そうとは知らず、小さい女の子が好きな大きなお友達が次々と対局を申し込み、そして役満直撃で放心すると言うサイクルが出来上がっている。

 

しかもタチの悪い事に本人は永遠の初心者と呼べるほど何かしらのチョンボを無自覚でしてしまうので、最初はみんな騙されるのだ。

そして少牌や誤ロンなどの直後に重ね役満を狙い撃ちされた憐れな犠牲者は、笑顔で役満に喜ぶ少女に心を奪われ、再戦し再び役満に放銃すると言うパターンが生まれてしまった。

 

その姿は二度と戻って来ない相手は殺す癖に、メゲる事なく稼いではまた立ち向かってくる相手には火が燻ったまま生かして帰して永遠に毟り続けている人鬼や雀鬼を髣髴とさせる。

 

『ツモりました!! えーっと……九蓮宝燈、でしたっけ?』

 

『リ…リ…二索見逃しなんてアリかよ!?』

 

『へっ? ……二索でも和了れたんですか?』

 

 

そして無自覚に人鬼の和了を模倣したかと思えば。

 

 

『カン!! カン!! カン!! ツモりました!! えーっと、索子の混一色・発・三槓子・対々和・嶺上開花・ドラ12の数え役満ですね!!』

 

『……夢乃ちゃん、それ緑一色だからね?』

 

『ほえ? でも大明槓してますよ?』

 

『鳴いてもアリな役満だから……』

 

 

鳴けそう、と言う感覚だけでポンポン哭きを入れてみたり。

 

 

『うぅ……今日は三回もチョンボしちゃいました……、ラス親ですし頑張らないと……ってあれ? 和了ってます。はっ!! これって天和です!! 役満です!!』

 

『……うん、そだね、大四喜和・四暗刻・字一色・天和の五倍役満だね』

 

 

どっから拾って来たのか豪運で問答無用で和了って見せたり、そんな麻雀をしていたら何時の間にか彼女はアイドルから不発弾として定着してしまったのだ。

 

手に負えない事に本人は至って真面目に麻雀を打っているだけなので、こうした人外達の和了も当然無自覚によるものだ。

 

幸いな事に毎回こんな和了が出ると言う訳じゃなく、トータルして三局に一局出れば良い方、それ以外の局はへっぽこだ。

 

 

マスターはこの娘がこれ以上成長しない様にそっと祈るのであった。





マホちゃん遂に作品内でも不発弾呼ばわり(白目

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