須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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八頁目

八日目 ポンポン鳴いて倍満

 

 

先生2号は所謂鳴き麻雀が主体だ。

 

 

先生1号は流れを重視した打ち方だから、この人のスタイルは新鮮で刺激にはなるのだが、勉強にはならない。

 

槓→ドラモロ乗り、槓→ドラモロ乗り、槓→ドラモロ乗り、嶺上開花→役満。

 

コレの何が勉強になると言うのだろうか? ミンチする人が変わっただけで結局俺はミンチになるんじゃねーか!!

 

鳴きのコツは? っていっぺん聞いてみたけど、帰って来た答えが『俺の哭きは牌を喰うんじゃない、牌に命を刻んでいく、哭きを入れるたびに命を縮める思いがする』だった。

 

流石に対局者が射殺されてもツモ上がる男は言うことが違う、でも何と無く理解出来たような気がする。

 

つまりは死ぬ気で牌を切るんじゃなくて、死ぬつもりで牌を切るんだな、ってあれ? 違いが分からん。

 

 

今日は誰も死なない平和な対局で終わった、但し、大四喜和、小四喜和、四槓子、緑一色、字一色、清老頭、大三元、四暗刻、こんだけ役満が出なかったら。

 

役満ってこんなにポンポン出るもんだったか? …………いや全然出るわ、今更だったうん。

途中から俺も哭き合戦に参加して流局の嵐が吹き荒れたけど、実際この人と打ってると面白い位に好配牌と好ツモなんだよなぁ。

 

チャンプや先生一号と打つよりは全然楽しい、和了出来ないのは相変わらずだけど。

 

 

ボコボコにされてぶーたれてたら『勝負とはそういうもの…勝つために信じられるのは己だけ、一度でも負けの味を覚えたあンたは、しょせん…負け犬さ』とか言われはしたものの、実際その通りでぐうの音も出なかった。

 

 

『麻雀に本当(まこと)があればひとつ……勝つことだ』最後にそう言い残して先生二号は帰って行った。

 

 

…………だからって勝ちすぎじゃね? 先生一号程の絶望感はねぇけどさ、1発の破壊力がどっこいだから変わんねぇんだけど。

 

 

帰り道にお菓子とミステリや純文学の新作を買って帰るつもりだった、隣の姉妹が昨日の和了コピーが効いたみたいでかなり不機嫌になってるからなぁ、機嫌とっとかないと麻雀してくれねぇんだよなぁ、でもポンコツ姉妹だしなぁ、別に機嫌とらなくてもある程度よいしょすれば許してくれるんじゃないかなとも思ったが、円滑な人間関係を築きたいし、迷うくらいなら買って帰るか的な発想で買い物する為に駅に向かった、それが間違いだった。

 

 

今にも線路にダイヴしようとするおっさんを拾う事になった、話聞いたら黒ずくめの男に毟られたらしい、しかも熱くなって通帳まで掛けたのだと。

 

絶対それ先生1号だろと思いながら聞いてたら、妻と娘に申し訳無くなったとか、生命保険は入ってるとか、負の感情満載だった。

 

身内の犯行? だろうと辺りを付けた俺は江崎に作って貰った通帳と印鑑をおっさんにやった、まぁ泡銭だし金に未練は無いさ。

 

 

 

その結果ポンコツ姉妹のフォローを忘れてる事に気が付かず、ジト目で睨まれながら対局する羽目になるとは思わなかった。





金を投げ捨てる京ちゃん、少なくとも数百万は入ってました(白目

まあマンションで稼げるし問題ないよね。


後このおっさんは咲キャラの親と言う様なイメージ、誰の親かとかは特に決めてません。

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