と言う事は京太郎の三つ下に既にアカギは居るッ!!
けど13歳のアカギだと市川に苦戦した点から多分京太郎に勝てないのでまだ打ちません、打つとしたら京太郎が23になった頃かな。
みんなだって負けるアカギは見たくないでしょ?
九十七日目 確率論
ぽけーっとアホなことを考えていた俺だったが、店の扉が
開き昭和的な呼び鈴によって意識が戻る。
入店して来たのはサングラスを掛け、白髪を逆立てた中学生、店内を見渡しながら打っている客の実力を値踏みしている辺り自身過剰なお坊っちゃん、と言ったところかな?
彼の制服は確か……高遠原中学、マホと同じ学校の生徒だな、後でマホにそれとなく聞いてみるか?
そう考えた矢先、彼は一欠けのフリー卓の中に入って行き、無駄な事は喋らず静かに打ち始めたので、どうにも自信家な顔が気になった俺は実力を見るために見物椅子を持って来てその後ろに座る。
一瞬彼は嫌そうな顔をしたが、サングラスを付けた包帯付きの金髪頭に意見を出せなかったのか何も言わなかった。
それから暫く半荘三回分ほど見て判明した事はこの子は二流だと言う事だ。
確かに異様な引きをして和了しまくっているし、それが完全な確率論から来る物であればほぼ無駄ヅモを作らないと言う事に変わるから弱くは無い、自信家な理由も分かる。
しかし、淡々とした打ち方で熱が感じられない、ここぞの場面で少し強引さがあれば面白い打ち手になるとは思うんだが……。
気が付けば一人、彼の対面が席を立っていた。
勿論俺がやる事は一つ、空いた席に座る事。
そう思って腰を上げた瞬間、後ろから『せ・ん・せー!!』と言う俺を呼ぶマホの声に足が止まり、全力で駆け寄って来て転けると言う何時ものパターンを思い浮かべた俺はコッチから迎えに行く事にした。
『先生!! 今日はお弁当も用意して来ましたので夜まで打てます!!』と張り切ってくれるのは嬉しいのだけど、俺の目にはどう見ても手ぶらにしか見えない。
ポケットの膨らみから財布と携帯くらいは持ってるだろうが、明らかに弁当の影は無い。
『と言う訳で先に腹拵えです!!……ってあれ? せんせー、私のお弁当食べました?』
濡れ衣にも程がある、涙目で睨まれた俺は溜息を吐きながらお腹を鳴らし始めた彼女を連れて食事を摂りに行く事になった、時間を見たら丁度昼時だったし。
ただ、気になった例の男と打て無かったのは実に残念だった、次に会うかどうかも分からない相手だからなぁ。
しかもマホは『ごっはん!! ごっはん!!』とスキップしているし、いい加減この馬鹿弟子に頭痛がして来た。
はぁ、と何度目か分からない溜息を吐いて居るとバッタリと和と出くわした。
『また頭怪我してますね、麻雀絡みですか?』と完全に白い目を向ける和だったが、俺はお前の私服に白い目をしたいよ。
小学生の頃からセンスが変わらねーからなぁ、おもちが成長してからは目のやり場が……ね?
まあ良いや、せっかくだし和も食事に誘おう、マホも懐いてるし、今は少しデジタル派の意見が聞きたい。
『なぁ和、付き合ってくれね?』
『……へっ?』
勿論、食事にですよ?(ゲス顔
尚横でマホは食事にと言う解釈で聞いてます、勘違させたのは和だけです(白目