須賀京太郎の麻雀日記   作:ACS

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最近めっきり冷え込み鍋やシチューなどが美味しい季節になりましたねぇ。

こんな日は昨日の麻雀での負けを晴らすように酒でも飲みたいのですが、私はスコッチ派なのにバーボンしかない悲しみ(´・ω・)

……跳満と倍満にしか放銃しないってなんだよ(白目

三麻とは言え五時間対局して満貫未満のアガリ0ってどうなんですかねぇ……裏が全員必ず乗るから東一でトビ者が出るレベルにおかしな事になってました(震え声

後子の配牌で聴牌と言うワンチャン役満もあったので昨日は色々神がかってた(多分


七十六頁目

七十六日目 哭きの竜

 

 

今日は思う所あって俺は見学に回らせて貰った。

 

予定より一日早く先生二号が到着した為、初めて一号二号が揃った状態での麻雀教室になった。

 

普段の俺なら脇目もふらずに対局していただろうが今朝の夢の所為で牌を握る気にならず、先生二号と対局してもまた夢の中での様に一回の哭きで十分だと言われると感じたからだ。

 

…………そうなったら最後、俺は完全に負け犬になる様な気がしてどうしても打つ気分になれなかった。

 

 

見学することを伝えたら部長が『須賀君が麻雀しないなんて……熱でも出たの?』と言って俺のおでこに手を当てて熱を計られた、この人普段割と愉快犯染みてる癖になんでこんな時ばっかり年上なのだろうか?

 

そんな事を考えていたら部長から見学の許可が降りた、理由としては俺自身に合宿が不要な事と思い詰めた顔をして居るのが分かるからとか、表情に出るレベルで堪えてたのか俺。

 

ブルーな気持ちになっていたが、先生一号二号に会話が無い事に気が付き、どんな挨拶を交わすのか興味が湧き始めた。

 

初っ端に口を開いたのは意外にも二号、『……見ない顔だな』と言ってタバコを携帯灰皿に捻じ込み、先生一号も『……傀、と呼ばれています』と返した。

 

その後しばらく無言だったが、二号がさらっと『始めよう』と言って対局が始まった。

 

先生達以外の面子は先輩組、俺でも通った事のない戦場に投げ出された二人を見てると何故か居た堪れない気持ちになった。

 

…………つーか、この人らに比べたら未だ全然マシだって事分かってくれるよなきっと。

 

卓の外で第三者視点だからか、変に達観した気分で対局を眺めていたけど、先生二号は完全に咲の上位互換だからなぁ……。

 

槓、槓、槓、自摸、役満と言うインスタント役満が出来る超人だし、それを見越した鳴きを返せる先生一号もヤバイ。

 

つまり何が言いたいかと言うと、脇二人がぶっ飛んで東三で終わった。

 

お手軽簡単な槓ドラモロ乗りからの嶺上開花責任払いで倍満、三倍満食らってればそうなるわな、俺も昔通った道だから気持ちは分かる。

 

ぽけーっと放心してる二人を椅子からどけた際に、部長が『須賀君の強さの秘密が分かったわ……』と遠い目で呟いてたのが耳に残った。

 

その後次々と理不尽麻雀の洗礼を受ける咲達を見ていたら、いつの間にか俺も椅子に座ってた。

 

最初は見学で終わるつもりだったのだけど、先生一号二号の人外バトルを見ていたら何だか打たずには居られなくなったのだ。

 

妙に浮かれた気分でサイを回したら、ふと子供の頃は毎回こんな気持ちで対局してたっけかと思い出し、何を思って対局に望んでいたんだっけと考え始めた頃にサイの目が決まり、何時もの様に麻雀へとのめり込んで行った。

 

 

 

ps

 

後で咲から言われたけど、この時の俺は普段の様なつまらなさそうな顔じゃなく『どうやって攻めるか』とか『裏をかくには如何すれば良いのか』とか色々考えて麻雀を打っている様に見えたらしい。

 

とても、生き生きしていたとか。

 

…………やっぱり、この人達以外じゃ麻雀楽しめねぇのかな。





次回鷲巣様襲来。

一号・二号の勝負は決着付かずで終わりました、あの人達に順位付けはしたくないので(白目

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